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スコシフシギな世界-藤子・F・不二雄ブログ

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2010.09.24
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突然ですが「若さ」とは何でしょうか。
年齢が低いこと
あるいは、そう見えることでしょうか。
辞書に載っていないような
もう少し深い表現をするならば
若さとは「未来があること」でしょうか。
先週、私は誕生日を迎えましたが
だんだん、年のことを考えるようになりました。
もし、結婚したら、結婚生活の年数は…などなど。

若き少年と老いたおじいさんが、入れ替わってしまう
藤子・F・不二雄先生のスコシフシギな短編
『未来ドロボウ』を読んで、若さについて考えてみましょう。


 < ストーリー >

■ 勉強一筋の少年
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 人生の成功者

友達の女の子に、なぜそんなに
勉強をするのかと聞かれる。
少年は、人生の成功者になるためと答える。


■ 帰宅するなりすぐ勉強に取り掛かる
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ あせる

遊びも断わり、わき目も振らず
すぐに机へ向かう。


■ 夜中の二時まで勉強
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 夜中の二時まで勉強

いい高校へ入るため必死に勉強をする。
いくら勉強しても、時間が足りない。


■ 父が仕事を失う…
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 不景気で工場がつぶれる

少年の高校進学が、閉ざされてしまう。
あまりにも突然のことだった。


■ 混乱と怒り
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 寝る間も惜しんで勉強

学業に全てをかけていた少年は
落ち込み、夜中に家を出る…


■ 気づいたら屋敷の中をうろついていた…
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 侵入

少年は侵入するつもりはなかったが
屋敷の住人に見つかってしまう。


■ お客として迎えられる
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ ゆっくりしていきなさい


■ 屋敷の主人が登場
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 来客

少年は、帰ろうとするが
温かく迎えられる。


■ おじいさんの話を聞く
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 大きな屋敷 成功

サングラスのおじいさんは、むかし脳の研究をしており
発明が成功に結びついたという話を、少年は聞く。


■ 成功だけがよい人生という結果にはならないようだった
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ よかったのかわるかったのか


■ おじいさんは少年が羨ましい
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 羨ましい


■ 若いということは素晴らしい
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 人生の春


■ 未来を悲観している少年
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ たかが知れてる未来


■ ある申し出
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 財産全部と未来を交換

なんと、おじいさんの全財産と、少年の未来を
交換しないかと、持ちかけられる。


■ 少年は冗談と受け止める
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 野球 取り替える


■ それは冗談でなく本当のことだった
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 野球 準備が整う


■ 全ての記憶の交換が行われる…
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 記憶の交換

少年とおじいさんの記憶(脳)は入れ替わってしまう。
こうして、人体交換が行われてしまった…


■ 体は少年のおじいさんは野球をする
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 野球


■ 野球をして大喜びのおじいさん
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 野球 体が覚えている


■ ただただ幸せ
藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 幸せすぎる

藤子・F・不二雄 大全集 少年SF短編 1巻 未来ドロボウ 今に分かる

普通の食事をして、少年の友達と
野球をして遊んだだけの1日だったが
おじいさんには、それだけで幸せを感じた。

おじいさんの老いた身体になってしまった少年は
あちこちが痛む不自由な身体に苦しんでいた。

「若さ」と「未来」という青春を感じさせるテーマです。
「明るさ」と「希望」を残して物語は終わります。


主人公の少年は、高校を目指している中学生です。
私が初めてこの短編を読んだ時も
主人公と同じ中学生でした。
その頃も、もちろん面白い作品だと思ったのですが
全然、とらえ方が違ってきます。

初めて読んだ時から20年たった今は
「未来があるというだけで素晴らしいこと」
という、おじいさんのセリフが、胸に残ります。
子供の頃には、感じ取ることのできない思いですね。

この『未来ドロボウ』は77年(昭和52年)の作品です。
F先生が44歳の時です。もし、F先生がもっと
若い頃でしたら、こうしたおじいさんの描写は
なかなか描けなかったかもしれません。

未来のある、若い子供たちに贈るストーリーでありながら
未来へ向かっていた若き日を
思い出させる、大人向けのストーリーでもあります。
皆さんは、若き日を「幸せすぎる」と思えたでしょうか。
青春を気取るつもりはありませんが
やっぱり「若いって素晴らしい」と思いますね~


藤子・F・不二雄 少年SF短編集 [未来ドロボウ]





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Last updated  2010.09.25 03:07:17
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