|
テーマ:今日の出来事(287360)
突然ですが「若さ」とは何でしょうか。
年齢が低いこと あるいは、そう見えることでしょうか。 辞書に載っていないような もう少し深い表現をするならば 若さとは「未来があること」でしょうか。 先週、私は誕生日を迎えましたが だんだん、年のことを考えるようになりました。 もし、結婚したら、結婚生活の年数は…などなど。 若き少年と老いたおじいさんが、入れ替わってしまう 藤子・F・不二雄先生のスコシフシギな短編 『未来ドロボウ』を読んで、若さについて考えてみましょう。 < ストーリー > ■ 勉強一筋の少年 友達の女の子に、なぜそんなに 勉強をするのかと聞かれる。 少年は、人生の成功者になるためと答える。 ■ 帰宅するなりすぐ勉強に取り掛かる 遊びも断わり、わき目も振らず すぐに机へ向かう。 ■ 夜中の二時まで勉強 いい高校へ入るため必死に勉強をする。 いくら勉強しても、時間が足りない。 ■ 父が仕事を失う… 少年の高校進学が、閉ざされてしまう。 あまりにも突然のことだった。 ■ 混乱と怒り 学業に全てをかけていた少年は 落ち込み、夜中に家を出る… ■ 気づいたら屋敷の中をうろついていた… 少年は侵入するつもりはなかったが 屋敷の住人に見つかってしまう。 ■ お客として迎えられる ■ 屋敷の主人が登場 少年は、帰ろうとするが 温かく迎えられる。 ■ おじいさんの話を聞く サングラスのおじいさんは、むかし脳の研究をしており 発明が成功に結びついたという話を、少年は聞く。 ■ 成功だけがよい人生という結果にはならないようだった ■ おじいさんは少年が羨ましい ■ 若いということは素晴らしい ■ 未来を悲観している少年 ■ ある申し出 なんと、おじいさんの全財産と、少年の未来を 交換しないかと、持ちかけられる。 ■ 少年は冗談と受け止める ■ それは冗談でなく本当のことだった ■ 全ての記憶の交換が行われる… 少年とおじいさんの記憶(脳)は入れ替わってしまう。 こうして、人体交換が行われてしまった… ■ 体は少年のおじいさんは野球をする ■ 野球をして大喜びのおじいさん ■ ただただ幸せ 普通の食事をして、少年の友達と 野球をして遊んだだけの1日だったが おじいさんには、それだけで幸せを感じた。 おじいさんの老いた身体になってしまった少年は あちこちが痛む不自由な身体に苦しんでいた。 「若さ」と「未来」という青春を感じさせるテーマです。 「明るさ」と「希望」を残して物語は終わります。 主人公の少年は、高校を目指している中学生です。 私が初めてこの短編を読んだ時も 主人公と同じ中学生でした。 その頃も、もちろん面白い作品だと思ったのですが 全然、とらえ方が違ってきます。 初めて読んだ時から20年たった今は 「未来があるというだけで素晴らしいこと」 という、おじいさんのセリフが、胸に残ります。 子供の頃には、感じ取ることのできない思いですね。 この『未来ドロボウ』は77年(昭和52年)の作品です。 F先生が44歳の時です。もし、F先生がもっと 若い頃でしたら、こうしたおじいさんの描写は なかなか描けなかったかもしれません。 未来のある、若い子供たちに贈るストーリーでありながら 未来へ向かっていた若き日を 思い出させる、大人向けのストーリーでもあります。 皆さんは、若き日を「幸せすぎる」と思えたでしょうか。 青春を気取るつもりはありませんが やっぱり「若いって素晴らしい」と思いますね~ 藤子・F・不二雄 少年SF短編集 [未来ドロボウ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[『藤子・F・不二雄 先生』 SF短篇 Perfect] カテゴリの最新記事
|