トイ・プードルのねっぴー

このバッグ最近買ってもらったんだ。
入り口が大きくてボクの体も簡単に入っちゃうんだよ。
時々こうやって中に入って遊んでるんだけどなかなかおもしろいんだよ。
ガサゴソ、ガサゴソ。←中に入って遊んでる。

（飼い主）「さぁ、ねっぴー、出かけるよー。」

えー、出かけるなんて聞いてないよー。
まだ遊びたいよー。

（飼い主）「まぁまぁ、いいからいいから。」
ギィー、ギィー。←キャリーバッグのチャックが閉められた。

うわぁ～、屋根が閉まっちゃうよ～。
どうして？ 今まで屋根なんか無かったのにぃ～。
あー、暗くなっちゃったよぉ～。
これからボクどこに連れて行かれちゃうんだろ～。
んー、この窓から外が見えるけどよく分からないや。

ガタンゴトン、ガタンゴトン。←電車の音。
（１時間後）

（飼い主）「ねっぴー、お待たせ～。」
ギィー、ギィー。
ぷはぁ～、やっと出してもらえた～。
キョロキョロ…。
ここはどこだ？
ま、いいや、ちょっと体でも動かそう。
スタスタスタスタ、ピタピタピタピタ。
あれ？知らないお姉さんがやってきたぞ。

（お姉さん）「こんにちは、ねっぴーちゃん。かわいいわねぇー。」
え？どうしてボクの名前を知ってるんだろ？
何か気持ち悪いけど、ま、いいか。
ピョンピョン。
（お姉さん）「ねっぴーちゃんは人なつっこいのねぇ。」
（飼い主）「えぇ、そうですよ。ねっぴーはいつも人を見るとじゃれようとしますから。」
（お姉さん）「へぇ～、かわいいねぇ。」

（カメラマン）「それじゃあ、そろそろ撮影始めますね。」
え？ 撮影ってなに？
その前にこの人は誰？
（お姉さん）「じゃあ、ねっぴーちゃん、この服着てくれる？」
えー、そんなの着るのやだよ。
（飼い主）「ねっぴー、ほら、こっちに来なさい！」
あ、捕まっちゃった。
ガバッ、ズリズリズリズリ、ギュウッ。
（飼い主）「ハーイ、お手手通してね。」
イヤダイヤダイヤダイヤダ。
スルッ。
（飼い主）「ハーイ、よく着れました。」
ナデナデナデナデ。

（カメラマン）「はい撮りますよ。飼い主さんお座りさせてもらえますか？」
（飼い主）「ねっぴーオスワリ。」
えー、座るのぉ…。
やだな…。
（飼い主）「ねっぴー、これ食べる時はどうするんだっけ？」
あ！おやつだ！
ハイハイハイハイ。
座りましたよー！ ちょうだーい！
（飼い主）「待て！」
え！待つの？？
カシャ、カシャ、カシャ、カシャ。
うわっ、ちょっと眩しいな。
（飼い主）「ハーイ、良くできました。」
パクッ。
わーい、やっともらえた。
おいしいよぉぉぉ。

（お姉さん）「じゃあ、次、この服着てもらえますか？」
えー！？ まだあるの？
ま、おやつがもらえるから我慢して着るか。
ガバッ、ズリズリズリズリ。
（飼い主）「オスワリ。」
カシャ、カシャ、カシャ、カシャ。

（この後服を５～６着くらい着替えて撮影を終了）

（お姉さん）「はい。これで今日の撮影は終わりです。お疲れさまでした。」
あー、やっと終わったぁー。
ホッ。
ジョロジョロジョロジョロ。
おぉっ、やばい、オシッコ出ちゃった。
知らないふり、知らないふり。
ソワソワソワソワ。
（飼い主）「あ～あ、ねっぴーオシッコ漏らしちゃった。」
フキフキフキフキ。
あれ？ 怒られないぞ？
良かった。
（飼い主）「ねっぴー、よく頑張ったねぇ。良かったよー。」
うん、ボク頑張ったよ。だからおやつちょうだい。
（飼い主）「おー、そうかそうかおやつが欲しいのか。ハイどうぞ。」
うわーい、たまには言ってみるもんだなぁ。
よーし、今度から頑張った後にはおやつをねだってみよう。
そうするとすぐにもらえるんだな。
メモメモ。。。

（お姉さん）「では本ができあがったらご自宅にお送りしますね。」
（飼い主）「はい、ありがとうございます。」
（飼い主）「ねっぴー、ねっぴーの載った本、うちに届けてもらえるんだって。良かったねー。」
ん～、ボクは恥ずかしいんだけどな。。。
ボクのいないところで見てよね。