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【芝居が始まったのに、その少女は客席の最前列で頭を垂れ
居眠りをしている。 「屋根の上のヴァイオリン弾き」 九州公演でのことである。 森繁久弥さんをはじめ、俳優たちは面白くない。 起こせ、起こせ…。 そばで演技をするとき、一同は床を音高く踏み鳴らしたが ついに目を覚まさなかった。 アンコールの幕があがり、少女は初めて顔を上げた。 両目が閉じられていた。 居眠りと見えたのは、盲目の人が全神経を耳に集め 芝居を心眼に映そうとする姿であったと知る。 心ない仕打ちを恥じ、森繁さんは舞台の上で泣いたという。】 昨日亡くなられた、森繁久弥さんの著書にも出てくるこの挿話を想い出すたび、 森繁さんの、温かで実直な人柄が伝わります 人は誰もが完璧ではないので、間違いを犯します。 けれども、その間違いに気づいたときは即座に認め 想いを改める潔さに、他者は信頼を寄せるのかもしれません。 信頼される人間になることを、ひとつの目標としている自分にとっては まだまだ学ぶことが、山のようにあります。 女性が大好きで、いつまでも少年っぽい遊び心をもち それでいて、広く深い人格者であった森繁久弥さんのご冥福を、お祈りします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.11 16:54:20
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