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カテゴリ:観劇で思う
大竹野さん2年ぶり(だと思う)の新作は、男二人の骨太な芝居。
昭和12年の正月に日本アルプスで亡くなった、三菱造船所の社員だった加藤文太郎氏を主人公にした作品である。 大竹野さん自身が、当日のパンフレットに書いておられるように、まさに登山というテーマを描きつつも、これって芝居に置き換えて観ても奥深いよなぁ、という作品。 加藤文太郎という人物と、こんな二人芝居をやってみようと思い立った大竹野さんを重ね合わせて観劇するとかなり面白い。 1時間40分を二人で乗り切る。なおかつ、途中かなりのモノローグシーンもあり、生半可な演技や演出ではいらいらしたり、途中でだれだれになったりするのだろうが、そこはやはり大竹野ワールドという感じでじっくりとつないでいく。 戎屋さんはお忙しい身でよくぞここまで仕上げてくるな、と感じさせる。 芝居の質感にあわせて、いつもの派手な動きを抑え、淡々とした演技に徹するのはさすがに大人の風格という感じか。 村尾君もそれに影響を受けてか、普段以上に良い。 次の遊劇隊が楽しみになる。 さすがに何度かセリフを噛んだりするのは、初日ならではなのだろう。 決して誰しもが面白い、という芝居ではないとは思うが、 演劇という行為を志す人間は観て決して損はないと思う。いや観ておくべきだ。 そして、このグレードが2300円だということも重要な事実だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.12.08 17:07:51
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