娘がレンタルしてきた映画を一緒に見た。
「手紙」という、昨年上映された映画だ。
<あらすじ>
武島剛志は、高校3年生の弟である直貴が安心して大学へ行けるような金が欲しくて、家宅侵入・窃盗を行なうが、家の住人に見つかり、結果殺人を犯してしまう。そのために直貴は「強盗殺人犯の弟」という目で見られ続けて世間の壁を感じ、さらにそれが、何をやるにも足かせとなった。ただ、小さな幸せが欲しいだけなのに、そのつかんだ幸せのカケラを本当の幸せに変えようとするとき、「強盗殺人犯の弟」ということがばれてしまうのだった。その度に彼の想いは揺れる。公表、隠蔽、、絶縁、寂寥、哀憐と…。
刑務所に入っている兄ととれる唯一のコミュニケーションが手紙だった。それが疎ましくても懐かしくても。
「容疑者Xの献身」で直木賞を受賞した、東野圭吾の小説の映画化だ。
今、月9のドラマ「ガリレオ」も面白い。
本を読んでいなかったので、推理小説だと思ったらちょっと違った。
犯罪者の家族に降りかかる差別という重いテーマだ。
「強盗殺人犯の弟」と言うことで苦しむ主人公、武藤直貴を山田孝之、弟の為に殺人を犯してしまう兄武藤剛志を玉山鉄二、直貴を一途に思い、かたくなに閉ざされた直貴の心を開いていく同僚に沢尻エリカという配役。
やっぱり3人とも若手実力派俳優と言われるだけあって上手いわあ。
娘に笑われるぐらい、泣けた。
直貴は、原作ではバンドを目指すという設定だったらしいけれど、映画ではお笑い芸人。
漫才が上手くて、漫才を聞きながら大笑い。
なのに、最後には刑務所で漫才をするところでは、笑いながらも、それを聞きながら涙を流す玉山鉄二の演技も秀逸で、泣けて泣けて・・・
この間ぷっつん会見で話題になった沢尻エリカも、若い時と、母親になってからを見事に演じわけ、落ち着いた優しさを感じさせるのはさすが。
この人の出演作を見るのは初めてだったけれど、女王様ともてはやされるわけだ。
自分は、差別をしない人間だと思っていた。
出身や学歴や外見や、そんなもので差別するのは馬鹿らしいものだと思っている。
でも、犯罪者だったらどうだろうか。やっぱり、ちょっと怖くて、できたら関わりを持ちたくないんじゃないだろうか。たとえ本人じゃなくて、家族であっても。
犯罪を犯すというのは、それぐらい重い十字架を背負うということだろう。
そういうことも考えさせられた映画だった。