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死を忘れた日本人 どこに「死に支え」を求めるか 中川恵一 ★★★★★ がん治療と緩和ケアの専門医の人が、死を様々な側面から切り取って説明する本。 死ばかりを論じるのではなく、面白い知識もいっぱい得られる楽しい本です。 面白いポイントをあげるとキリがないのですが・・・ 人間の体細胞は受精卵から50回くらいしか分裂きないのが、人間に寿命がある理由みたいです。 それは私たちのDNAがひも状で、細胞分裂で2つに分かれるたび、ひもの末端が短くなり、もうこれ以上短くなれないところで細胞分裂が終わる・・・つまり寿命が終わってしまうそうです。 クローン羊のドリーなどは、元の羊が6歳だったからDNAも6年分短いのだとか。 ところが細菌だと、DNAは環状で端がないから無限に分裂できます。 現在妊娠中の私が興味をもったのは、人間が限りある命と引き換えに性を手に入れたという話し。父と母からDNAを受け継いで、減数(げんすう)分裂することでまたスタート地点の長さに戻って命を始めます。減数分裂はよく分かんないのですが、受精のたびにDNAをそのままかけ合わせるとどんどんDNAが倍加しちゃうので、精子と卵子のDNAは半減する特別な細胞分裂をすることみたいです。でも減数分裂するにはヒモ状じゃないといけないそうで、そのため命にも限りがあるのですが・・・でもそのおかげで雌雄のDNAをかけ合わせて多種多様な子孫が作れるようになりこれが進化に結びついたのだそうです。 やはりまた妊娠中で高齢出産の私には「あ」と思い当たる話しなのですが、女性の卵細胞の話し。女性の卵細胞は生まれる前から自分の中にあります。しかし卵細胞は放射線や化学物質でダメージを受けやすく、それだけDNAも傷ついているのだそうです。(そのためうまく減数分裂できなくなって染色体異常の確率も高まるってことですよね・・・) これも著者によると、本来は遺伝子を残すために人間の大脳は進化してきたのに、その脳が作り出した現代社会では出産年齢が高くなり遺伝子を残すのに良い環境ではなくなってしまった・・・ということです。 この本の著者はがんの専門医なので、詳しく書かれています。まず、私たちの体の細胞が死ぬと、それを補うために細胞分裂します。がんはそのコピーミス。 ところが心臓は細胞分裂が起こらないのでがんにならないんだそうです。そういえば聞いたことないですもんね。 骨髄・小腸は細胞が次々に生まれ変わっていますが、その細胞分裂を生む親玉細胞「幹細胞」は放射線や抗がん剤で真っ先に死んでしまいます。こうした治療はDNAにダメージを受けやすく、普通の細胞なら修復しようとするけど、幹細胞は不完全なコピーを残すくらいなら潔く死んでしまおうとするのだそうです。 がんについては苦しみながら死ぬという怖いイメージがありましたが、欧米では日本と違って緩和ケアが進んでいるので、「がんで死にたい」と思うそうなんです。痛みをとって残りの時間を人生の総仕上げに使いたい、家族と静かに過ごしたい・・・そう思うそうなんです。壮絶なイメージがあったのは、組成措置のせいですよね・・・日本では痛みを取る措置をしないそうですが、選べないっておかしいですよね。 死後の考え方については、ものすごく影響されました。私も周りの人も、死んだら無になるからお墓や戒名には「うーん」って感じだったんだけど、自分のためでなく、残された大切な人のためって思うと、考え直した方がいいかもしれません。お墓参りをしたいだろうし、死んだ後は風になってると信じたいだろうし・・・ 、 [本の感想]カテゴリの最新記事
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