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カテゴリ:渋谷区
京王線なら新宿駅のお隣,京王線と並行する京王新線なら3つ目の駅である笹塚駅は,新宿とは至近の位置にありながら甲州街道を挟んでいくつもの商店街がある庶民的な雰囲気も漂う町としての認識はあったものの,昼間にこそたびたび散歩したことがありますが、夜わざわざ出向くまでもなかろうとこれまで避け続けていました。その認識が浅はかだったことが今回はっきりしました。笹塚にはどれ位の酒場があるかは十分把握し切れてはいないものの、今回とそして改めて訪れただけで結論付けるのにはまだ早すぎるかもしれませんが、外れの少ない町として今後も通い続けたいと思いました。
いきなり結論めいたことを書いてしまいましたが、最初の一軒はハナから目星を付けていました。何度か散歩の際に見掛けながらもわざわざ改めて来るまでもあるまいと高を括っていたお店がそれです。観音通りをひたすら南へと進むとその店は見えてきます。その間にも数軒の魅力的な酒場を通過しましたがまずはお目当ての店にわき目を振らずに直行することにします。夕闇が迫る時間帯に改めて店の前に立つとどうしてこれまで訪れなかったのかとその自分好みの店の佇まいにしばし酔いしれます。なぜだか赤字に黒という焼鳥屋では定番の置き看板に、ガラスサッシの引き戸を覆うように掛けられた紺地に白くやきとりと染め抜かれたシンプルな暖簾だけで第一印象は満足させられます。「やきとり 井口」です。店内に深く伸びるカウンターにはすでにお客さん―女性客多し―が半分ほど入っており、奥の狭い座敷も常連のオヤジたちで盛り上がっています。優しいほんわかとした印象の女将さんとテキパキと仕事をこなす息子さんのコンビも好印象。昭和35年に商売を始められたということですからこの若いお兄さんは3代目になるのでしょうか。酒も肴も雰囲気もいずれも好みで、うれしいことにどうやら後継者もいるらしいこれなら将来も安泰すです。しばし真剣に笹塚に移り住むことを夢想しました。 続いては同じ観音通りにある「千歳鶴酒蔵」です。こちらもかねてから注目していた居酒屋で、かなりの老舗感が漂うまさしく居酒屋の王道という雰囲気のお店です。こうした居酒屋はお値段にやや不透明なお店が多いことを経験から知っているので幾分かの躊躇の後、暖簾をくぐることにしました。「井口」同様に奥にまっすぐカウンターが伸びており、さらに奥に続いていたので座敷かテーブル席があると思ったら壁に面してさらにまっすぐカウンターが続いているのでした。あまり見かけないレイアウトで、店内の風景を楽しく眺めさせていただきます。こちらは高齢のご夫婦がおふたりで切盛りされています。カウンターには随分長くこちらに通っておられるんだろうことが明らかにわかる方たちがいて,何とはなしに目線があってお喋りすることになりました。そうこうするうちに元常連だという外国人のお客さんが来店,常連さんたちは片言の英語を駆使して2年振りに旧交を暖めておられました。いい店だったしょ,ぜひまた遊びに来てねと熱くお誘いいただき店を後にしたのでした。確かにいい店です,次回は数名であれこれとおつまみを頼んでみたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013/05/28 08:46:40 AM
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