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カテゴリ:茨城県
まるで期待していなかったのに、予想外に驚くほどにすばらしい喫茶店と居酒屋に出逢うことができた小山には、まだまだ未練がありますが近々、栃木に再訪する予定があって、その時に列車の乗り合わせのタイミングさえ合えばまた来れるかもしれぬと未練を断ち切り次なる町に向かうことにします、群馬県では唯一,東北本線が停車する駅の古河駅を目指します。小山駅からはこれまた10分程度で古河駅に到着しました。この古河駅で下車したことで,この日は東京都をスタートして埼玉県,栃木県,群馬県を巡ったことになります。いかにも欲張ったスケジュールでもう少し落ち着いたプランを立てるべきだったかと若干の反省もありますが、想像以上の喜びももたらしてくれたのでよしとすることにします。ここで最後となる古河駅周辺では魅力的な喫茶店や酒場と出会えるのでしょうか。
さて、駅に辿り着いてどちら側に向かうのがよいかハタと迷ってしまいます。以前訪れた際は確か西口を中心に歩いたことをうっすらと記憶しており、こちら側がかつての宿場町、加えて城下町の風情を残していたはずです。ただ商店はさほど多くない印象だったので、さほど再開発が進んでいるようでもなさそうなので思い切って東口側に出てみることにしました。 早速大きな一軒家のよさそうな喫茶店を見掛けました。「パルク」です。残り時間もあとわずかなので、迷わず入店です。洋風の立派な一軒家ですが、どこかしらポップな印象のユーモラスな建物です。フェイクで付けられた実際は存在しないであろう3階の窓がユーモアをもたらしています。店内は広々としていて緑も多くて、あまり純喫茶をアピールしすぎない一日の緊張を解きほぐしてくれるようなこれまたゆっくりと時間を過ごしたくなるムードです。可愛い制服姿の今どきにしてはおっとりしたやはり可愛いウェイトレスさんがトマトジュースのオーダーに応じてくれます。しばらくしてトマトジュースが品切れで、別のものにしてくださいとまさしくすまなさそうな表情を浮かべたので、気のいいおっさんを装って何やら別の品を注文。再びこの娘さんが現れ、トマトジュースが見つかったのですが、どちらがよろしいですかと再びやって来ました。トマトジュースはフレッシュ感が高く、市販のものに生のトマトを追加しているように思われました。しばらくくつろいでからお勘定に向かうとお釣りの小銭をそっと手を覆うように渡してくれるのですが、それに勘違いしてはいけません。きっと彼女の丁寧さの表れでしかないのでしょう。 しばらく歩き回っているとどうやら呑み屋は駅前に伸びる通りの北側にありそうだと暗い路地を出鱈目に歩いていると不思議な暖簾が掛けられた食堂がありました。その意味を探るためにその暖簾をくぐることにしたのでした。気分を変えるためにちょっとお得なグラスビールを注文します。さきほど小山でアジの刺身をいただいたばかりですが、こちらでは酢〆のアジがあったのでついつい似たものになってしまいますがもらうことにします。あっさりと〆られていて、食べ比べると同じアジでも印象がすっかり変わることに気づかされます、おいしい。お通しはちくわぶというのがちょっとユニーク。ところで不思議な暖簾の謎について、店は「あらが食堂」ですが、どうしてだか暖簾には「|め|め|め|め|」とあります。実は席に着いて落ち着いた瞬間にその謎は謎ではなくなっていました。案外めし屋の暖簾としてはごくごく定番なのかもしれません。カウンター5席ほどにテーブル席が3,4卓、奥には狭いながらも座敷があって、ほとんどの席が塞がるほどの人気店のようです。飲み会のグループに加えて、夕食のついでに軽く1杯というお客さんもいて重宝にされているお店のようです。家族経営のお店で、息子さんが奥さんになんだかちょっと偉そうな態度だったのはいやな感じがしましたが、そのご両親はにこにこ笑顔でとても気分良かったです。 東口側をぶらぶらと歩いて呑み屋を物色しますが、案外新し目の店が多くてどうにもここに決めようとさせてくれるほどの決定打がないので西口側に移動します。なんだかうら寂しい通りにやけに明るくて目立つ店がありました。「餃子の丸満 本店」というお店で、店構えはどうってこともなくて普段なら素通りしてしまうところなのでしょうが、ぼちぼち帰途に着かねばならぬので〆の食事として餃子を食べるものいいなというどこか投げやりな気分になります。店内に入ると家族連れ、サラリーマンなど入り混じってかなりの入りです。ラストオーダーであると断られた際にちょっと感じた店の人たちの応対の悪さはぼくだけのものではなくて、席に通された後にお客の何人かが口にしていたことなので、ここではサービスの良し悪しは目をつぶってまでも来たくなる店なのだなと思うことにします。随分待たされて出された餃子は見た目はまるでホワイト餃子です。大きく丸っこくて具材にあまり味が感じられない辺りも似ています。ここではその分タレに生ニンニクなどがトッピングできるようになっていて、取り皿も2つ用意してくれます。特にお勧めはマヨネーズソースで、食べているうちに単調になることを作り手も自覚しているのか、焼餃子1人前8個:441円を1個づつ味付けを変えて食べればまあ悪くないのでした。 すっかり人気の耐えた古河駅西口ですが、駅前から伸びる細い商店街は呑み屋は少ないものの古びたよい風情があってまたいつか昼間に来てみたいと思うのでした。自宅に向かう東北本線は空席が目立ちボックスシートに足を延ばし、徐々ににぎやかになっていく車窓をぼんやりと眺めます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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