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カテゴリ:千葉県
喫茶篇では,まだ八千代台にてうろうろとしていますが,酒場篇は一足飛びに夕方まで時間を進めることにします。閑散とした勝田台駅北口に対し,南口は駅前に勝田台プライムやらリブレといったショッピング施設や大型の駅前団地が立ち並んでいます。団地の1階は商店が入居しており,ユニークな町並みとなっています。恐らくは昭和43年にこの駅ができて以降,人口が拡大し形成されたのでしょう。こうした大きな施設の裏手はごちゃごちゃとした呑み屋街となっています。西側は一般住宅と飲食店が一緒くたになってなんとも混沌とした様相を呈しています。まだ4時を過ぎたばかりだというのにすでに店の何軒かは営業を開始しています。店をやめてそのまま住居にしたり,放置されているものも多く見受けられます。喫茶店もありますが,そのほとんどはカラオケを提供しているようで,店からは枯れた歌声が響き渡り,この町ができた際に移り住んだ住民が高齢化していることが想像されます。一方東側はスーパーやレンタルビデオ店などもあって,細々とは再整備されつつあるようですが,古くからやっている喫茶店の状況は西口とほぼ同様です。呑み屋街は大きな建物にテナントで入っていたり,ある程度整備されているようですが,多くが老朽化しているように見受けられました。そんな東側の呑み屋でいくらかましに見えて開店している店もあったので入ってみることにします。
「菊富士 本店」です。この界隈を散策した際,2号店と菊富士チェーンと書かれた韓国居酒屋を見掛けました。勝田台を代表する居酒屋の本店のようなので,まずはこの店を皮切りに勝田台を呑み歩くことにしました。外観は大型の大衆食堂のような枯れた味のある構えで期待はいやがうえにも高まります。ところが店内は改装されたように新しく,古ぼけた風情を味わえるのは便所だけにとどまりました。4,5卓ほどしかない狭いカウンターに腰を下ろし,焼酎ハイボールをオーダーすると,氷抜にしますかとの問い掛け。むろん氷抜でお願いします。それにしても氷抜ができるなんて思ってもいなかったので,まず一驚。あなうれしや氷抜きの焼酎ハイボールは梅エキスの入った下町チューハイでありました。さすがに京成線の沿線だと今さらながら納得するのでした。開店間もないせいか,こちらが口開け,お通しの立派なアンキモはすぐに出されたもののカレイの煮付けはしばらく待たせられました。その間,予約の電話が頻繁にかかってきて店の方はその対応に追われています。テーブル席や小上りも多くグループ向けの店舗のようでした。 ちなみにこちらが「菊富士チェーン」の韓国居酒屋です。 続いては,今回の勝田台行きを決定づけたお店に向かうことにします。先ほど通過した際は開店準備で店の方たちはてんやわんやのご様子でしたが,開店しているでしょうか。向かった先は「角一」というもつ焼店。木造モルタルの店舗の1階は掘立小屋のような枯れた店舗となっていて,焼物を焼く香ばしい煙が早くも漂い漏れていました。慌てて店に駆け込むと先客はまだ2名だけ。ほっと一安心です。老夫婦がやっている店だと思い込んでいましたが,実際は若い男性2名と女性1名が主力で,お一方高齢の女性がいますが黒板に本日のお勧めを記入しています。カウンター10席程度にテーブル席と小上りとまあ客席の配置はごく平凡で,テーブル席と小上りは味気ありませんが,壁や天井に土間,カウンターや丸椅子などは店の歴史を物語るかのように黒ずんで煤けています。加えてお通しのマカロニサラダのチューハイに合うことといったら,こういうお通しなら大歓迎です。もつ焼も京成線の酒場であるという意気を感じさせてくれる絶品でした。この酒場は雰囲気・味ともに酒場愛好家であればぜひ1度は訪れていただきたい(地元の人にしか)知られざる名店でありました。ところで,お店には開店時に謹呈されたらしき大きな鏡があって,贈呈者の銘が記されていました。阿佐谷「もつ焼 長谷」という記載だったのですが,調べてみても今ではなさそうです。ご存知の方がいらっしゃればお聞かせください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014/03/10 08:35:09 AM
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