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カテゴリ:大田区
蒲田駅に着くと、続いては池上線に乗り込み、昨年の夏に何度も足を運んだ池上駅へと向かうのでした。池上駅に来た理由はただ一つだけ、何度訪れても空振りをしている一軒の居酒屋を訪ねるためです。先ほど行ったばかりの蒲田の「權兵衛」は、明らかに僕のミスで見逃していたに違いありませんがー今になってみると、どうしてあんな分かり易い店を見逃したものか不思議なほどー、ここはとにかくいつ行っても閉まっているとなれば、立ち寄らないわけには行きません。
そんな訳で、やって来たのは「大衆酒場 喜代美」だったわけですが、またしても徒労に終わったようです。ここは本当に今でも営業しているものやら、いい加減ウンザリしますが事前に確認しないのが悪いのでしょう。 こうなるともう池上駅には、用がありません。さっさと雪が谷大塚駅へと移動します。ここでも目指すべき店はハッキリしています。「若鳥 しぶや」てす。駅からそう遠くないはずですがしばらく周辺を散策してみますが、それらしき店は一向に見つかりません。そうこうしているうちにS氏が小用を催したようで、駅を出てすぐのコンビニにてトイレを所望している最中、その先の路地にようやく見つけることができました。眺めていると次々と客が吸い込まれいくので、気が気ではありません。しばらくして連れ立って店に入るとなんとかカウンターにのみ空席を見つけることができました。大した人気店のようです。すでにリタイアされた親父さんから未成年の子連れの関西人夫婦などなど多彩な客層が実に楽しげにそして賑やかに呑んでいます。2階席にも次々とお客が吸い込まれていきます。さて、入口付近のカウンターに並んだわれわれは品書きを見てギョッとなります。普段通い詰めている酒場の相場の値段とは比較にならぬ良い値段なのであります。しかもこれを見てしまったと感じるのはどうやらわれわれだけのようです。世の中不景気といいますが、こうした酒場で値段など気に掛ける風もなく豪勢に注文する人々の姿を眺めていると、われわれが余程の格差社会の底辺に生きているような惨めな気分となります。若い主人は料理も丁寧で誠意がありそうですし、他のスタッフの女性たちも上品で感じがいいのですが、われわれが来るようなお店ではなかったようです。しょげしょげと店を退散し、S氏は、早くも離脱することになりました。 近く駅前の再開発が予定されているらしき武蔵小山に一人で向かうことにしました。有名店の多いこの町ですのて、何度も足を運びましたが、喫茶好きにはよく知られる純喫茶が店を畳んだ頃から足が遠のいてしまったようです。でもなんだか気持ちが沈んでしまい駅前のごちゃごちゃした一画や商店街方面の雑踏にまみれる覇気が失せていたので、どうしても足は暗い方へと向かってしまいます。そんな住宅街に入り込むあたりにも酒場があるのが武蔵小山の面白いところです。「ホルモン道場 みやこや」というお店があるのでお邪魔してみることにしました。入った瞬間こそカウンターが奥深く伸びる雰囲気が、しみじみ呑みたい今の気分にハマっていると感じましたが、注意をカウンター上に向けると一人用の焼き台が置かれていたのでした。これはイカンと思ったところで時遅し。お客さんもすでにほぼ引き上げていて、店の方も終いの準備を始めているようです。随分と早い店仕舞いだなと観念した心持ちで席に着き、なんだか面倒になったので、ホルモンの盛り合わせをもらってひとり寂しく焼き始めてみると、これが結構おいしくて酒もついつい進んでしまうのでした。こういう焼きの作業の入る店というのは、黙々と焼いて食って呑んでを繰り返すしかなく、これはこれで店の方にとっても客にとっても手っ取り早いことこの上ないせっかちな酒呑みにとってはこの上なく合理的なシステムですが、ぼくのような腰を据えて呑むのにウンザリしてしまう性格の酒呑みでもやや性急に過ぎてしまうように感じられるので、これは二人とかで来ておくべきだったでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/02/10 08:47:59 AM
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