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カテゴリ:近畿地方
紀三井寺観光を終えて、和歌山駅改札にて残された今日と明日を共にするとても気の合う素敵なおぢさんと合流、暑さに負けず紀三井寺観光をきっちりこなしくたびれ果てた様子です。駅前のドトールで時間を調整し、大阪に向かうくろしおに乗り込みました。この日は喫茶巡りは終わりと決めていたので―「ヒスイ」を知ってしまうとそこそこの良い純喫茶でも、あくまで私的ではあるとは言えさすがに評価にブレが生じるはずなのでここはもう呑みに徹するべきと考えたのでした。ところが、前夜の酒が未だ抜けきらず、やたらと揺れの激しいくろしお号に辟易しつつようやく新大阪に到着したのでした。市営地下鉄なんとか線で向かうのは中津です。かねてより行きたいと思いつつ空振りしているお店です。ところがそう遠くないはずの阪急だかの中津駅が一向見つからぬ。体調も優れぬので、いい加減嫌になりましたが同伴者の知恵でようやく到着。同行者はギョッとした表情を浮かべていますが、まさしくこここそがぼくの求めた酒場に相違ありません。
「憩い食堂」です、吉田類というよりそのお隣で口数少なくもその存在感は吉田類を遥かに凌駕するきれいな女性の記憶でとりわけ印象深い大阪の酒場です。駅舎内の酒場と言ってしまえばそれまでてすし、実際数は減ったもののそれたけであればさほど珍しいものではありません。このお店のユニークさは、駅舎でありながら肝心の駅以上の存在感で、駅はこの酒場に直結した附属施設という位置にあるような印象です。実際テレビ画面では気付かなかった広い客席が美女の腰掛けていたその奥に広がっていたのでした。そうそれを知り得たのはぼくが吉田類の座った席に着いたからで、その視界を遮るのは美女ならざる同行したおぢさんだけだったので、じっくり眺めることができました。調理場を含め店内全体を見晴らせるこの席はやはりベストポジションのようです。威勢が良くて愉快な店員さんは忙しそうですが、時折思い出したようにおどけて見せてくれるあたりを目にすると大阪で飲んでるんだなという気分がぐっと強く感じられるのでした。酒の肴も充実した雰囲気抜群のお店でした。 ここで今晩の宿泊地である新世界に移動します。通天閣の足元に広がる混沌とした風景こそがぼくのような和歌山で暮らしていた者にとっての大阪のイメージです。天王寺が和歌山県人にとっての大阪の玄関口なのです。さて、日中は凄まじい雑踏と活気はかなり鳴りを潜めて来ました。そうそう、この界隈は夜が早いのですよね。今回のお目当ての一軒である「大衆酒場 酒の穴」もそうこうせぬうちに店仕舞いの時間となります。観光もそこそこに酒場を目指します。ジャンジャン横丁にはそれこそいくらでも串揚を中心とした酒場がありますが、それほどに心惹かれるお店がないのはどうしたことでしょう。行列をなす数店はもちろんの事、枯れた雰囲気の店でさえあまりそそられないのです。その原因を探ってみますがどうも適当な答えが見つかりません。傾向としては観光地の枯れた喫茶兼お食事処にはあまり惹かれないのと同じような感情が作用するようです。こんなエリアに酒場好きの満足できる店があるものやら。度々大阪を訪れるT氏の最も頻繁に通う店とのことなのでそう大ハズレではないはずですが懸念は失せることがありません。とかグズグズ考える間もなく到着。大阪らしいぐるりと厨房を取り囲むカウンターだけのお店です。お客さんも結構入っていますが、適度に空席が目立つのも気楽で有り難い。肴もお手頃でやはりここは名物とある八宝菜を頂いておくべきでしょう。若い女性客だけのグループもあれば一人酒を決め込むオッチャンや若い人など年齢、性別を問わず使い勝手のいいお店でした。名酒場というのではなく近所の定番酒場として愛したいような一軒でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/07/27 08:48:32 AM
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