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カテゴリ:栃木県
下今市では、いつものことですが酒場と呼ぶのを幾分か躊躇する大衆食堂にて過ごすことができたので、記録に留めておくことにします。その前に歩ける範囲で2軒の酒蔵に立ち寄ることができたのでその訪問から始めます。いずれも酒造りの行程を案内してもらうことができるようですが、ちょうど忙しい時期だとお聞きしたので、またの機会にお預けです。なので酒蔵建築の外観と販売所のみに立ち寄るだけになりますが、それなりに気分を味わうことができました。
最初に立ち寄ったのが「片山酒造」でした。丁寧な女将さんがオススメの4種を試飲させてくださいました。あまりに親切で優しい方だったので、思わずかつて食べてかなりの酒臭さに驚かされたことのある酒ケーキがあったので購入しました。正月にでも酒の肴にしようかな。 続いては「渡邊佐平商店」です。先の酒蔵より一回り大きなコチラは、思わず手に取りたくなるような酒器を数種扱っており、思わず手を伸ばしそうになりますが結局出番のないままに食器棚の肥やしとなりそうなので泣く泣く諦めることにしました。 町の外れにあるスナック街の更にその奥の舗装されぬ小道の先に「居酒屋 甚兵衛」があり、これがなかなかの佇まいです。ここには是非とも呑みに来たいものだなあ。良さそうな居酒屋が何軒かありましたが、それ以上に目立つのが大衆食堂の多さです。下今市駅から上今市駅に繋がる通りにはそれこそ数え上げるのが面倒になるくらいに食堂があって、このどれかにお邪魔して昼メシ兼喫茶店の「アラジン」の開店までを時間潰しすることにしました。なので、今回お邪魔した食堂はいずれも「アラジン」のそばになります。 まずは「佐藤食堂」に伺いました。この通りの中ではかなり穏当な雰囲気の初心者向けの食堂に思われます。一見したところは蕎麦屋のような構えです。戸を開けて入るとどこか雑然とした印象を受けます。カウンター席のスナック風のスツールに無愛想な広いテーブル席が違っているのがそうした印象に繋がったのかもしれません。年末で胃腸がへばっているのでまずは寒いけれどビール程度にしておきます。食事はラーメンと丼ものが中心ですが、一品料理も多くそれで一杯やる客もいるようです。というかぼくと入れ違いに出て行かれた方は、一杯どころか二、三杯は召し上がっていたようです。チャーシューメンを注文しました。チャーシューを肴に呑むつもりです。ぼくはラーメンの麺が伸びるの、ちっとも気にならずむしろ違った食感が楽しめるとすら思っています。でもサービスでスモークタンを付けてくれたので、だったら普通のラーメンでも良かったかな。そのラーメンですが、誠に優等生の王道ラーメンでこのあっさりすっきり味が復権することを願うのです。 続いては「ワタナベ食堂」にお邪魔します。こちらは宇都宮焼そばを食べさせるお店のようです。その古びた外観から必ず立ち寄ろうと思っていた店なので先の店でラーメンなど食べて麺続きになるのは愚かしいとお思いでしょうが、へたにボリュームのある一品料理は逆に胃腸に負担が掛かるし、ましてや丼ものなど食べてから焼そばはぼくのキャパシティーを完全に超過してしまいます。ここでも肉なし、卵なしのシンプルにキャベツだけの焼そばをオーダー、温っためた黄桜といきたいところですが、お忙しそうなので常温のままでお願いしました。そしたらばあちゃんがコップと受け皿をテーブルにドンと置き、黄桜をドボドボと豪快に注ぐのですが、この酒器が素晴らしい。これほどに分厚い立派なのは見た記憶がありません。そしたらばあちゃんが、以前いくらでも出すから何とか譲ってほしいと言ってきた人がいたよと、熱意にほだされて譲ってしまったけど、もうここにあるのだけだからねと語ります。さすがに譲ってもらうのは無理そうです。焼そばはモソモソとちょっと旨いんだかそうでもないんだか判断しづらいもので、でもこれが案外癖になるのかもしれませんね。味付けはソースをぶっかけただけのようで実にシンプル、ぼくはコショーをドバドバ掛けて食べましたが、これにはギャバンのブラックペッパーではなくエスビーのテーブルコショーが合いそうです。それにしてもこの辺のばあちゃんや客のおばちゃんたちの気さくなことといったら、皆が皆、見知らぬぼくにも語り掛けてきて、店の跡取り息子さんも一人旅はこうした人との触れ合いが良いんだよねと、二人旅の客には話し掛けづらいからなどとおっしゃいますが、ここまで賑やかな一人旅もそうはないと思うのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/01/09 08:30:05 AM
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