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カテゴリ:近畿地方
うっかりと宮前駅で長居しすぎてしまいました。当初の予定では紀三井寺駅でも途中下車するつもりでしたがそれよりも行きたい町があったのです。初めて和歌山を訪れたS氏は、和歌山城観光を済ませて湯浅駅で合流する予定なのでした。そう湯浅駅こそが今回の旅の大きな目的の地の一つなのでした。ところが、何たる不運、降雨に見舞われ運転は徐行に切り替わり、行き先も湯浅駅止まりとなってしまいました。まあ湯浅駅に辿り着ければひとまずは良しとすべきですが、それもこの先の天候次第では何とも言えないところです。とまあその時点で運良く湯浅駅に到達できたとして、果たして宿泊予定の和歌山市駅まで戻ってこれるのかなどの不安を無視できるほどには図太くない。それでも30分程度の遅れで湯浅駅には辿り着けたのですが、この時点で上り列車も下り列車もバッタリと停車してしまいました。普通列車のわれれなら気軽に途中下車でもして町の散策も出来るけれど、特急の客たちは列車から離れることも出来ぬのだから不憫なものよ、とざまあみろなどと酷い事を思ってみるのですが、われわれとて果たして和歌山に帰りつけるのかという獏なる不安は拭えません。まあ空は幸いにも晴れ渡ってきているので悪いことは考えぬが得策です。
駅前には「一二三食堂」があり、他にも魅力的な大衆食堂が点在していて心が揺れますがひとまずは、目当ての「はたよ食堂」を目指すことにしました。その前に駅前の案内所で無料のレンタサイクルを確保、湯浅の市街地は意外と広範らしいので有難く利用させてもらいますが、酔っぱらい運転は本意でないので先に喫茶巡りを済ましてから、ゆっくりとかの食堂を堪能するつもりです。その充実した喫茶巡りと情感に満ちた町並みについては翌週に送るとして、まずはかの食堂で呑むべしであります。う~ん、なんとも味わいのある店だとさも今初めて足を踏み入れたかのような書きぶりですが、散策前に営業や確認を済ませていたのであります。それでも店のボロさは少しも損なわれぬのだからやはり大したボロさであります。先客もおります。高校の教員というおぢさんと列車に足止めを食らったご夫婦です。おぢさんは昼なのにすっかり良い加減に出来上がっていて、生徒たちに目撃されても大丈夫なのか。夫婦モンはシラスの丼を召し上がっているけれど、大丈夫なのだろうか。何がどう大丈夫かを赤裸々に記すわけにはいかぬけれど、塩瓶に☓☓☓☓が安置されていたことからも危険さは明らかであります。がしかし特に支障なく営業しているのだから心配は無用なのかもしれぬ。店主は学がある事を誇っておられて、その珍妙かつユーモラスなことに好感が持てるのです。若い娘にも好かれていると嘯いていたら、本当に若くてキレイなお嬢さんが姿を現したのにはたまげたものです。自慢の煮込みは普通に美味しく名産のシラス、ただし先のあるわれわれは天ぷらで頂きましたがこちらはボチボチですがここは何よりオヤジの奇天烈さを楽しむ店です。 さて、駅に引き返し、しはしなやみます。紀伊田辺駅まで運行を再開したらしいのです。少しく酔ったわれわれはここでは悩みもせずに下り列車に乗車してしまうのです。駅舎を出て、ようやく事の重大さに気付くのですが時すでに遅し。ここでも別行動でぼくは喫茶巡りを済ませました。 次にお邪魔したのも酒場放浪記で放映された酒場です。「とっくり」には開店直後に潜り込むことができました。さもなくば予約客で断られていたに違いない。それ程に人気の酒場なのでお出かけの際は予約することをオススメします。開店直後でも埋まっていることが予想されます。座敷席では壁に面した何とも具合の悪そうな席さえ埋まってしまうのだから、大した人気であります。それも宜なるかな、刺身の盛合せとアラの炊いたの、中身は内緒だけれど珍奇な卵焼きのいずれもが絶品であり、量も多い。正直これほどまでに旨いマグロや鯛のアラ焼はこれまで食べたことがないと言っても過言ではない。しかも値段がさらに驚愕すべきもので、ひたすらここで呑んでも良かったのであるけれどそうはしなかったのだ。それは和歌山に戻らねばならぬとか、翌日のスケジュールに差し支えるとかいうケチ臭い話では消してないのであります。オヤジも渋くて親切だし、本当にここで酔いつぶれても構わぬとさえ思ったのであります。ならなぜそうしなかったかと言えば、もう腹が一杯でこれ以上は肴も酒も喉を通らぬようになったからなのです。ここには次の機会があれば、是非ともちゃんと予約をして体調を万全にして望みたいものだとつくづく思ったのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/12/04 08:30:03 AM
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