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カテゴリ:足立区
北千住には魅力的な寿司屋が沢山あります。ぼくが書くから銀座なんかの高級店などとは一線どころか二線、三線も庶民的であります。かといって回転寿司店のような気安さ、ファーストフード的な安直さとは高級店よりもさらに違っているのです。一言で語るなら居酒屋の気配が濃密な寿司店という感じなのです。やっちゃ場を奥に控える町の成り立ちがそうさせるのでしょうが、市場から仕入れた新鮮な魚介を当初は素直に寿司として振る舞っていたのだろうと思うのです。しかし、この今でこそ人気の住宅街としての立ち位置を獲得したようでありますが、そこはそれやはり町のイメージというのはそうやすやすと覆されるものではないのであって、どうしても負の印象は拭いきれていない気がします。そうした負のイメージの一つとして呑み屋と呑兵衛が蔓延る町というのがあります。ぼくも時折、そうした負のイメージの亢進に寄与しているのだから偉そうな事を言うつもりはないけれど、純粋な寿司屋ですら居酒屋化するのは、本当の通人なら眉を潜めるところでありましょうが、ぼくのような半端な者には使い勝手良いのです。このブログには純然たる酒場以外も出てくるし、というかこのところはその傾向が加速している気もするけれど、寿司店の登場機会はやはりまだ稀有なことなのです。この滅多にない寿司店の登場する町の殆どが北千住にある事は過去の報告をご覧頂ければご理解頂けるはずです。 今回目指したのは、北千住駅の西口を出てを駅を背にまっすぐ、国道4号つまりは日光街道の寸前の地下にあります。以前からこのやっているのか閉まっているのか判然とせぬ、しかし妙にぼくの気持ちを揺さぶる「大黒鮨」という地下の寿司店が気になっていたのです。居酒屋であればいくら怪し気でも平気で暖簾をくぐるような不感症を備えてしまったが、これが寿司屋となるとどうも気後れするのを認めざるを得ません。だから少人数の会合をやる事になったのは良い機会だったのです。沈没するなら他人もろともという小心さはこれまでもこれからも変わることはないでしょう。地下には真っ直ぐな洞穴が穿たれていて、そこに階段が続いています。後ろ盾があると懸念などどこへやら俄然好奇心ばかりが首をもたげ出すのです。入ってみると地方の小さな町にいくらでもありそうな少しスナックの風味をまぶしたようなお店でした。でもここ、何かやけに落ち着くなあ。それほど混み合っていない状況で、たまに座敷で呑むのも悪くないものです。むしろ実家とは似ても似つかぬけれど、どこか郷愁を喚起させられて無性に嬉しくなってはしゃいでしまうのですね。はしゃぐとどうしても酒量が増加する。で姿勢悪く坐しているせいか、立ち上がると一挙に酒が体内を駆け巡る感じがするのです。血管中をアルコールが勢いよく循環し、脳味噌を痺れさせやがては酩酊状態へと追いやられる。ここのトイレがまた、昔は共同便所だったのだろうなあ。薄暗くて店が店ならおっかなくてとても入れないような怪しさなのであります。その蠱惑的なムードにもやられてしまい、勘定の際にはすっかりいい気分となり果てたのでした。さて、お造りや寿司はというと、うん、どれもちゃんとしていると思います。高級寿司の絶佳なる境地は知らずともそこまでではなさそうだけれど、やはりそこらの回転するのよりは立派な感じはありました。寿司屋って業態のお店は未だ通いなれぬけれど、北千住のこれまで訪れた何軒かのようなお店であればまた行きたいものですねえ。 どうやら次に「極上焼鳥 極上もつ焼き 雑賀 北千住駅前店」にお邪魔したようです。ようですってまあホントはそれなりに覚えはあるのだけれど、さほど語るべきこともなかったので忘れたことにするのであります。少なくとも言えるのはここに来るのは初めてと思っていたけれど、実はすでに訪問済みのお店であったことすら思い出せなかったということのみなのであります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018/11/28 08:30:09 AM
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