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カテゴリ:新宿区
神楽坂には、縁がなさそうと人にはよく言われます。そんな風にぼくのことを揶揄する連中は、ぼくの真価をまったく理解しておらぬのだと腹の中で憤ってみせたりする。実際にはまったくちっとも憤ってなどおらず、ぼくを揶揄する彼らは恐らくはいつも安酒場にばかり通い安酒ばかり呷っているぼくがおハイソな町である神楽坂で呑むことが不可解だし口惜しいのかもしれません。彼らはちっともぼくのことを分かっていないのは確かだし、ぼくにしたところでぼくのことを他人に安易に理解していると言われたりしたら、非常に不愉快なのであります。しかし、彼らがホントに分かっていないのはぼくの事もそうだけれど、それ以上に神楽坂の事を知らなすぎるのであります。彼らは、神楽坂の一面しか知らぬくせに知ったように語ってみせるのだから笑止千万であるのだ。しかし、そんな多少はその人たちより神楽坂を知っているつもりだったぼくにしたところで、実のところちっとも神楽坂のことを知ってなどいなかったことが判明したのであります。
いや、「加賀屋」に神楽坂店があることはずっと前から知ってはいたのでした。そして何度かは足を運ぼうとも思ったのでありますが、まああれだけ目立つ店なら現地にさえ行けばどうとでも探せるだろうとか、いざ神楽坂に着くと気になる酒場が案外少なくなかったりしたものだから、ここに辿り着くまでに随分と時間が経過してしまったものであります。この夜ばかりは迷うことなく「加賀屋」へと直行しようとまずは神楽坂駅に急いだのであります。駅周辺を一回りしたら見つかるはず。でも探せど見つからぬのでした。閉店してしまったなんてことはないだろうなあ。先日近所の居酒屋で呑んだ際にその店の女将さんも先日近所の居酒屋で呑んだ際にその店の女将さんもその存在を認める発言をしていたはずです。こういう時にスマホの地図アプリは有り難いよなあ。邪道という気もしなくはないけれど、ぼくは便利にものは大好きだし、多いに活用するに躊躇はないのです。と地図アプリを頼りにあっさりとたどり着いたけれど、ここっていかにも住宅地の只中じゃん。こりゃ、適当にさ迷っていたらきっと到達し得なかったに違いない。いやまあ、ローラー作戦を通せばなんとかなったと思うけど。さて、しかしそこは土地柄の予断がもたらすすかした気配など微塵もないこの系列店の好ましい傾向を余すところなく発揮していたのであります。店の佇まいや内装の渋さ、そして肴の手堅さなど、店舗によっては如何にも外れというのも少なくないうちにあってこにらは正統派ー異端な加賀屋もあるということーらしさを高レベルで維持していてとても満足できるのです。うっかり凄い長居してしまうのも無理からぬ事なのだ。残念なのはここだけは場所柄か、多少お値段がお高めなところ。でもまあ神楽坂で気軽に立ち寄れる酒場を知れて満足なのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/04/25 08:30:09 AM
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