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カテゴリ:家呑み
うちで最もよく作るのが煮込み料理であります。複雑な手順の煮込み料理も多くて、それはそれで手間暇を掛けただけの出来栄えが期待できますが、そうそう手間を掛けるだけの気迫はないのです。今回はここで紹介するのも恥ずかしい位の定番レシピでありますが、あまり世間に流布されたレシピでは見掛けることのない食材を追加しています。定番料理に大根を追加するというものであります。大根を多用するのはすごい好きということもあるけれど、このところ野菜がどれもこれも高値で、比較的大根の価格が安定しているからという事情もあるのです。以前何かのテレビ番組でカブとかビーツのような大根に近い野菜はあるけれど、日本の大根に近い品種というのはヨーロッパにはないらしくて、とある著名フランス人シェフが「日本の大根という食材には大いに気を惹かれる、潜在力がある」とフランス語で語っていたことを思い出したのでした。確かに日本の大根はどんな料理をも邪魔しない、というかほんのりとした甘みを添付する優れものだなあとしみじみ感じるのでした。 鶏肉に限らず各種お好みの肉の白ワイン煮については、食わず嫌い、いや作らず嫌いというのが適当かもしれぬけれど、ともかく手持ちのレシピの数々がいずれも余りに単純かつ簡単なのでそのレシピの完成度に対し不信感を抱かざるを得ないのでした。単純すぎる料理というのはそのレシピに記された材料を眺めただけで即食べたつもりになってしまうものであります。次に紹介するラタトゥイユもそうだけれど、単純極まりない料理がばかに旨かったりすることが少なからずあることは知っているのだけれど、レシピを眺めて変わった食材や手順がないとどうもその完成度の凡庸さに確信を抱かずにおられぬのです。でもですね、こういう単純な料理っていうのはやはり基本だからきっちり押さえておくべきなんだろうなあ。何ていってもいろいろな料理のベースとなるレシピなのだから、それが不味ければ、いくら変化させても美味しくなどならぬはずであります。いやいや、まあ実際にはベースにちょい足ししただけで別物に化ける料理といいうのもあるけれど、この白ワイン煮に関しては、出来上がった品に生クリームを足したり、フレッシュなトマトを足したりの工夫もできそうだから、ヴァリエーションの展開可能性も期待できるのだから試しておいて損はないはずです。これが赤ワイン煮となると生クリームを加えるのはどうかと思うし、トマトを加えるにしてもきっちり煮詰めるのが適当に思えるのでした。とまあグダグダと語りましたが、簡単料理が好きならシンプルな調理法は試しておくのが良いというお話でした。 鶏肉の白ワイン煮 【材料】 大根1本:二口位のサイズに切る。ちゃんと下茹ですること。 鶏肉600g:ぶつ切り、牛肉でも美味しい。 玉ねぎ1個:薄切り にんじん1本:厚めの輪切り にんにく1片:みじん切り 白ワイン200cc ブーケガルニ1束:ぼくはハーブ好きなのでタイムやオレガノ、パセリ等を追加 オリーブ油大さじ1 バター大さじ2 塩・胡椒適宜 【作り方】 1. 肉に塩・胡椒し、オリーブ油を熱した鍋で傷める。玉ねぎ・にんじん・にんにくを入れて炒めて、白ワインを加えて少し煮る。 2. ブーケガルニを加え、塩・胡椒・バターを入れてじっくりと煮る。 生クリームを加えて味変を。余り煮込まなければさっぱりしてこれもいい。 オリーブ油をまぶすと、これは酒が進む味わいですねえ。 ええーっ、今さらラタトゥイユもなかろうにというご意見はこの際徹底して無視することにするのです。夏野菜をたっぷりと煮込んだこれ以上ない位にシンプルな調理法は、先の料理もそうだけれど定番中の大定番で初めて作った時にはこんな調理で本当に美味しいものかと思ったものです。最初、これは多種多様な夏野菜を量もそうだけど種類を増やすことにより味が複雑に絡むことで旨味に繋がるものと信じて疑わなかったのであります。ところが、これが意外なことにそう多くの種類の野菜を用いずともとても美味しいものになるのですね。また、ラタトゥイユといえば夏野菜と決めてしまっていたけれど、実は冬の野菜の代表のひとつと思っていた大根が何の違和感もなくすんなりと収まってしまうのだからびっくりしたものです。ゴボウやらレンコンやらの具材を用いるよりも敬遠していた大根でありますが、しっかりと下茹でしてえぐみを抜くだけでこれ程までに美味しくなるとは驚きなのです。何より大根のカロリーとか糖分の含有量は知らぬけれど、その淡白な風味は実態はともかくとして罪悪感なくたくさんいただけるのもいいところであります。種類によっては砂糖にもなるから案外糖質が豊富だったりするかも知れぬけれど、そんなことは知ったことではないのです。何事につけコンサバチブ人間のぼくですが、好きな食材はあれこれと色々な料理に加えるのもいいものだと思った次第であります。ところで、最後に一言、ラタトゥイユにクスクスやセムールを添えるのも定番ですが、たまたま通常の粒々の大きい―米粒サイズ―のそば米と間違って、韃靼そば米というのを大量購入してしまったのでありますが、これが独特の風味があって実にいいのです。しかも通常のそば米などより血管に良いという―多分?―ルチンをたっぷりと含むほか、様々な栄養成分に恵まれた穀物といいとこばかり。癖があるので手放しにお勧めするのは憚られますが、何でも食べるという自負があり高血圧などを気にしている方ならば一度お試ししてみるのもよろしいかと。 ラタトゥイユ 【材料】 大根1本:二口位のサイズに切る。ちゃんと下茹ですること。 ズッキーニ2本 玉ねぎ2個 いんげん20本 その他ナス、パプリカなどなど好みの野菜 トマト水煮缶詰1缶 にんにく3片:もっと多くても良し ハーブ適宜:タイム、バジル、パセリなどなど 塩・胡椒適宜 オリーブ油適宜 【作り方】 1. 鍋にオリーブ油を熱し、トマト水煮以外のすべての野菜を適当に炒め、大体火が通ったら他の材料を加えてしばらく煮る。 ぼくはもともとケチな人間であります。言われなくても分かっていると仰られると立つ瀬がありません。たとえそれを自覚していることであっても自ら告白することと、見も知らぬ赤の他人から指摘されるのとでは大いなる差異があるのです。ともあれもったいない精神を貫いてきたぼくでありますが、近頃は、金銭と時間と労力を秤に掛けて、もったいない精神が緩んできたように思っていたのです。なので、せめて大根葉と皮をきんぴらに仕立てるくらいの手間を惜しむことはしないようにしたいと考えるようになったのです。何のことはないかつての倹約に立ち返っただけなのですが、わずかばかりとはいえ時間と労力の程度を幾分たりとも軽減しようという成長はあります。何のことはない、レンチンを多用するだけのことで、もしかすると光熱費を加味するとコスト面で見合っていないかもしれぬけれど、目に見えぬ―実はちょっとした計算で電気代は計算できそうだけれど―コストは気にせぬことにするのです。さて、そうして出来上がったちょっと甘みを利かせた大根のカスでありますが、実は本体よりも旨いんじゃないかと思ってみたりすることもあるのです。旨味は菜部に宿ると申しますが至言であると思ってみたりもするのです。これを先日紹介した勘違いプラオに添えて、ゆかりをパパっとまぶしてみたら、旨さの要素全てが混然一体となったりして実にもう溜まらんことになり、ただでさえ留まらぬ食よ欲中枢への刺激がさらに補強されることになるので注意を要するのです。 大根葉と皮のきんぴら 【材料】 大根の葉と皮1本分 すりごま大さじ1 赤唐辛子1本分:薄切り 酒小さじ2 砂糖小さじ2 だし醤油大さじ1 ごま油小さじ1/2 【作り方】 1. 大根の葉と皮をジップロックコンテナに詰めて、レンチン(自動)。 2. すりごま、ごま油以外を加え、さらにレンチンし、まぜまぜ。すりごま、ごま油を加え、さらにレンチンし、まぜまぜする。
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Last updated
2020/05/17 08:30:06 AM
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