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カテゴリ:大田区
かつてはとんでもなく待ち遠しく思っていた夏も近頃は休みの多い事ばかりが楽しみになってきました。コイツ(ぼくのことね)は以前はちょこまかと出歩いていたのにすっかり老け込んじまったもんだなあ、なんて感想をお持ちの方もおられるかもしれません。でもぼくは以前は旅が好きだと思ってましたけど、好きなのは列車でもバスでも構わないけれど移動している時の風景を眺めるのが好きだったんですよね。それとは別に散歩が好きです。散歩といっても知ってる道を歩くのは苦痛でしかないのです。知らない町なり通りを歩くのが好きなだけです。つまりは旅と散歩は移動している過程で視界に映り込む景色を受容するのが好きという点でイコールなんですね。違っているのは速度です。基本的に列車というのは歩いても面白くない風景を通るものだからそこを歩くのはかなり厳しい。江ノ電だったり都電だったりの町なり人と密接な場所を通り抜けるのならまだしも自然だったり田園風景しかないような風景は列車から眺めれば多少は眺めていられるけれど、歩いてもちっとも楽しくないのです。列車の楽しみは疾走する列車から眺められる退屈な風景ではなくむしろ停止する際に駅に滑り込むほんのひと時にこそあるものだと思っています。それに比べると路線バスというのは町中の相当に狭い通りだって通ることもあるから、ぼくの好みには合っています。より散歩に近いからでしょうね。当然、歩くよりもスピードがあるからバスからの眺めと歩きの散歩での眺めと風景が違って見えるので、バスで通った道で気になる景色に遭遇したら引き返して歩いてみるのもいいものです。視点の位置の変化も楽しいのです。世の中に列車オタクなりマニアは数多いけれど、バスマニアは希少なのがぼくには残念なのです。田中小実昌や泉麻人のエッセイくらいしかバス散歩の楽しみを伝えられる人がいないものだろうか。
といったところで、全く上段の話とは繋がりませんが、味気のない第二京浜道路のちょっと脇に入ったところYahoo! JAPANの地図検索の結果では、 近隣の駅: 西馬込駅(都営浅草線)-11分 池上駅(東急電鉄)-14分 千鳥町駅(東急電鉄)-17分 といったわざわざ訪れるには少しばかり面倒な場所に町中華の「中華料理 みやぎ」はありました。トタンの波板によるファサード看板がいい感じですねえ。メタリックな波板に古典的なロゴで控えめなサイズで店名が記されています。操業当初はとてもモダンに感じられたんじゃないかなあ。いそいそと店に入ると思った以上の広さです。奥に伸びるカウンターには10数席、5つほど卓席も備えられています。これだけの収容定員を一人で回すのは大変だろうなあと思うけれど、かつては先代夫婦も一緒にやっておられたのかもしれませんが今はそれ程お客さんが押しかけることもなくなったのでしょう。実際、おられるのは若いサラリーマンと一人酒を決め込むご老体、そして小学生の娘さん連れの母親だけです。このお母さんも瓶ビールを召し上がっておられますねえ。ぼくは夏(?)らしく餃子と焼きそばで呑むことにします。って実はコチラ、案外安くないので極力お手頃な品を頼んだってこともあるんですけど。でも実際に食べたかったことは間違いない。安くて食べたいものが食べられたからそれでいいのだ。ビールもいいけどすぐに飽きてしまい清酒にシフトします。居酒屋で清酒を頼むことは案外少ないんですけど、不思議と町中華に来ると呑みたくなるんですね。やはり日本のこうした中華屋の味っていうのは日本の酒に合うようにできてるんでしょうね。われわれが感情を済ませても、ご隠居さんと若い母娘はまだまだ席を立ちそうになかったのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/07/29 08:30:07 AM
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