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カテゴリ:埼玉県
近頃、川口にちょくちょく足を運んでいます。恥ずかしいことなので余り過去を振り返りたくはないのですが、以前川口ってつまらない町だなんてことを口走ってしまったことがあります。勝手な思い込みと見識不足によって己がそう信じ込む分には勝手な話となりますが、万が一にもぼくのそうした根も葉もない独断で川口に訪れる機会を奪うなんてことがあったとしたら申し訳の付けようもないのです。実は最近になるまで川口というと駅の西側と東側の大酒場であれば大概お邪魔したであろうと過信していたのであります。これまでも自分の好きなように記憶と経験を改竄してきているということなんだろうなあ。前にも書いたかもしれないけれど、どんなに退屈そうに思える町だってちゃんと隈なく歩いてみたら多少なりとも面白いものがあるのだと思われるし、加えて町といいうのは生き物のように常に変化するもので前がそうだったからといって次も同じとはいえないのです。場合によってはその変化によって見えなかったものが見て取れるようになるなんてこともあるのかもしれません。だから町というのは一度訪れただけでこうと決め付けてはいけないのでしょうし、どうしても再訪する気になれないなら隣の駅なんかから通過するように歩いてみるというのも手かもしれません。むしろ町の外れにこそ思わぬ拾い物があったりするものです。
ということで川口駅にやって来ました。知人から川口にちょっと良い酒場があったとの連絡があったので、大宮駅方面を北上することにしたのです。大雑把な場所は聞いていたのでなんとかなるだろうとどんどん歩いて行ったのですが、おやまあうっかりと通り過ぎてしまっていたようです。でもそれが功を奏する場合もあるのですね。改修工事の養生がなされた建物の一階にちょっと気になる酒場があったのです。間口も狭く小ぢんまりした構えに思われます。まずはこちらに立ち寄っておくことにしようと、戸を開け放つと、なんとまあ驚くべきことに店内は50名は入れそうななかなかのキャパだったのです。店の手前こそカウンター10席程度ですが、その奥の座敷が相当な広さです。座敷は苦手ですが、そちらに案内されました。恐らくはカウンター席は常連さん向けなのだろうとの予想は大当たりで入った時には座敷に6名程度の家族連れがいただけだったのが、入れ替わりに座敷はぼくとA氏のみになり、カウンター席はほぼ埋まってしまったのでした。近隣の方に人気があるようだなあ。店は3名でやっておりましたが、混み合ったら相当大変だろうなあなんて思ったけれど、きっとそれで何とかなるのでしょう。ホッピーを注文します。ナカの量がたっぷりなのが嬉しいですねえ。焼きナスのお通しもたっぷりで嬉しいですねえ。これでちょうど1杯目が空きました。2杯目を頼んだところにもつ焼き、3杯目でイカゲソ揚げと偶然でしょうが実にタイミングが良いのです。どれもちゃんと美味しくてしかも見かけ以上に量もあっぷりで非常に満足度が高いです。こちらは一人客が多く、ぼくも次があるならできれば独りで来たいところ。できればハーフサイズのおつまみも用意してもらえると嬉しいなあ。「阿仁」という良店でした。多様な使い方ができそうで覚えておく価値ありのお店です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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