106840 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

休憩場

休憩場

第46話

第46話【インセクト オブ アメリア】











城壁前での戦いが続いている中、城内の廊下をトーカ達は息を荒くして走っていた。

城に漂う黒い気配が、廊下の壁、床、そして空間までも薄暗くし、まるで真夜中の幽霊屋敷のような、不気味な空気が漂っている。それを振り払うかのように、トーカ達は走っていた。

この時ばかりは、ジョーもタバコを吸っていない。目の前の一点だけを見て、ただひたすらに走っていた。

「しっかし、この薄暗ぇ空気はなんなんだ。まさか毒ガスじゃねぇだろうな・・・」

「毒ガスだったらあたし達はとっくに死んでるわよ」

「じゃあなんだってんだよ?」

「そんなのあたしが知るはずないでしょ」

「・・・もしかしたら、クローディアスの魔力かもしれない」

はぁ?とジョーが呟きながら、首を傾げた。いくら魔力が常人より多いからって、肉眼で確認できるはずがない。ジョーはそう思っていた。

しかしトーカはその考えを否定するかのような眼差しでジョーを見ながら、その口を動かした。

「確かに魔力は目で見えるものではありません。でも・・・クローディアスの魔力が、ムンドゥスを封印した神具に影響しているなら・・・」

「この気配は、ムンドゥスの力が混ざり合った魔力ってこと?」

「多分そうだと思う・・・。ううん、それしか考えられない」

トーカは断言するかのように言い張った。自分の周りに漂う不気味な黒い気配を前に、トーカの言ったことが間違っていないものだと、ジョーとヨウコは確信した。

「なるほど・・・。どうやら悠長にしてる暇はなさそうだな。さっさとクローディアスの野郎を見つけて、復活の儀式とかやらを止めてやらぁ」

「でもどこにいるかわからないとねぇ・・・」

「場所ならわかるよ、ヨウコ」

不意のトーカの発言に、ジョーとヨウコは走りながら驚いた。いる場所がわかってるんなら初めに言ってくれよ、とジョーはツッコミみたくなったが、あえてツッコマなかった。

「この黒い気配はクローディアスの魔力そのものだから、その気配が一番濃い場所にクローディアスがいると思うの」

「その一番濃い場所ってのは何処なんでぇ?」

「この城の最上階・・・・・つまり、王室です」

「王室か・・・。国王だけに『いかにも』な場所にいやがるぜ」

ジョーは納得した表情を見せながらそう呟いた。

トーカ達がしばらく走っていると、目の前に大きな庭が見えた。ペガサスの像があるその大きな庭は、かつてロイが月を見ていた場所であり、ロイ達が旅をするために集まった場所でもある。

――――懐かしい。

そうトーカ達は思った。この場所を発ってからどれくらいが経ったのだろう、そう考えもしたが、クローディアスのことを思い出すと、それは一瞬で消え去った。今は目の前のことに集中する。3人は同じことを思っていた。

トーカ達が庭を横ぎった、その時。トーカ達の前方から、マシンガンを手にしたノアザーグ兵達が3人の前に駆けつけた。

「いたぞ!撃てぇ!」

ノアザーグ兵はトーカ達を見つけるや、手にしたマシンガンを構え、引き金を引いた。銃口から発射される雨の如しマシンガンの弾が、トーカ達に向かって飛んでいく。

しかし、トーカはそれに動じることもなく、手にした白い杖を握り締め、集中する。

「ホーリーシールド!」

先端の飾りから仄かな光があがると、トーカの目の前に巨大な光の壁・ホーリーシールドが発動した。マシンガンの弾はホーリーシールドによって防がれ、床に虚しく落ちていく。

ホーリーシールドが消えたときには、トーカの目の前にはマシンガンの弾が火薬のにおいを漂わせながら、山のように落ちていた。ノアザーグ兵達は弾をすべて使い果たし、あわててマガジンを交換する。

しかしそれをさせる前に、ジョーがウインチェスターを構え、銃口からフレイムブレットを放つ。炎の弾がノアザーグ兵達に着弾して爆発し、近くにいた兵士達も爆風で吹き飛んだ。

トーカ達の目の前に倒れるノアザーグ兵達。フレイムブレットによって体を焼かれ、炎にその身を包まれている。

「城内にも兵どもがいるみたいね。まぁ、クローディアスがここにいるんだから当然のことだと思うけど」

「そんなのどうでもいい。さっさと行くぞ」

ジョーの言葉に押され、ヨウコが一歩踏み出したその時、それは起こった。

庭にあるペガサスの像の上に、突如三日月型の魔法陣が現れた。妖しい光を見せるその魔法陣に、トーカは口を大きく開いて驚いた。

「あれは・・・クローディアスの魔法陣!」

「てぇといつぞやの砂漠に出てきたやつじゃねぇか。・・・あの野郎、またあの『トカゲ』を出す気か?」

ジョーが嫌そうな表情でそう呟き、ウインチェスターの銃口を魔法陣に向ける。ヨウコも腰に仕込んだ2本の小太刀を抜き、構える。

すると、どこからか紫色の光線が発射され、魔法陣に直撃した。魔法陣から空高く光が昇り、竜巻の如し風が起こり始める。そして魔法陣から不気味な姿をした「それ」が現れた。

魔法陣から飛び出してきたのは、全身緑色に染まった女の上半身。長く伸びた金髪もうっすらと緑かかり、目は巨大な蛾のものだった。太い蛾の触手も額から生やしている。

その姿に、ヨウコはあっ!と叫んだ。

「あいつは、アメリア!!」

ヨウコの言葉に、トーカとジョーも驚いた。アメリアはブレストヤードでヨウコが腹を突き刺し、ジョーが止めを刺したはず。そのアメリアが上半身だけを魔法陣から飛び出している。

「オ・・・オ・・・オォオォォォ・・・!!」

アメリアは不気味な声を上げながら、魔法陣から下半身を引っ張り出す。しかしそれは「人の形」をした下半身ではなかった。

魔法陣から出てきたのは、ペガサス像を押しつぶしてしまいそうなほど巨大な緑色の蛾の胴体。そしてそれに連動する巨大な蛾の羽と、毒々しい巨大な蛾の腹部が飛び出した。羽に描かれた眼球の模様が、トーカ達を凝視する。

目の前にいるのはノアザーグ司令官のアメリアでも、獣化したアメリアでもない。巨大な蛾の化け物と融合したモンスターのようであった。その異様な姿に、トーカ達は息を呑んだ。

「三十路女が・・・・バケモンになった!?」

「というより・・・召還されたモンスターみたいです」

「どういうこと?アメリアはビーストでしょ?それに死んだはずなのに・・・・なんで召還されるのよ!?」

ヨウコは思わず大きな声でトーカ達に問いかけた。しかし2人ともその理由を知るはずがない。

そうしているうちに、蛾の怪物となったアメリアが低い唸り声を上げながら、空に舞い上がった。巨大な羽が羽ばたく度に、庭に広がる芝生が荒れた海原のように靡く。

「コ、殺・・・ス・・・・。オマエラ全員・・・殺スゥアアアァァァ!!!」

突如狂ったように叫びだしたアメリアは、巨大な蛾の羽を勢いよく羽ばたかせ、瞬時にヨウコに突っ込んだ。アメリアの緑色に染まった上半身の腕が動き、ヨウコと衝突する寸前にヨウコの首を掴み、再び宙へと飛んだ。

「か・・・はっ・・・!」

首を掴まれたヨウコはその緑色の腕を掴み、もがく。口元から涎が垂れ流れそうになるほど、アメリアの手はヨウコの首を締め付ける。

「ヨウコ!!」

「この、ブサイク三十路女!!」

ジョーは銃口に炎を溜め、照準をアメリアの腹に合わせた。そして引き金を引き、フレイムブレットを放つ。

しかしアメリアはそれに気づき、空中ですばやく旋回し、フレイムブレットを避けた。更に2発、3発と放たれたフレイムブレットをも、アメリアは空を旋回しながら避けていく。アメリアの顔が獣化してできた蛾の目が、地上にいるジョーを睨み付ける。

「こ・・・んのぉ!!」

その時、首を絞められていたヨウコが、腰に仕込んだ小太刀を握り、勢いよく抜いた。その刃がアメリアの腕を切断し、切り落とす。首を掴んでいた手がだらりと落ち、地上に向かって落下していく。

腕を切り落とされたアメリアは悲痛な叫び声を上げ、片手で傷を負った腕を押さえる。その腕の中は空洞。血は流れず、痛みだけが伝わっている。そのアメリアを前に、ヨウコは背中から生えた大きなカラスの翼を羽ばたかせ、空を飛んでいた。

腰に仕込んだもう1つの小太刀を抜き、構えた。アメリアが何故、蛾の化け物の姿をしているのかは知らないが、体の中が空洞になっているのを見て、砂漠に現れたサウザーサウルスと同じ召喚獣に違いない。ヨウコはそう思っていた。

2本の小太刀を構えたまま、ヨウコは地上にいるトーカ達に叫んだ。

「ここはあたしが何とかするわ!トーカとジョーは先に行って!」

「でも、モンスターになったアメリア相手に一人で大丈夫なわけ――――」

「大丈夫だよ、トーカ。あたしには、宗次郎の所へ帰るって気持ちがあるんだ。その気持ちが、こんな蛾に負けるはずがない」

「ヨウコ・・・」

トーカは心配そうな表情でヨウコを見る。その視線に気づいたヨウコがトーカのに振り向き、そして笑顔を見せた。それは「大丈夫」と念を押して伝える証のようなもの。その笑顔を見たトーカは少し戸惑いながらも、軽く頷いた。

「任せたぞ、ヨウコ!・・・・嬢ちゃん、行くぜ」

「・・・はい!」

ジョーの言葉に、トーカは頷きながら答えた。そしてヨウコを残し、トーカとジョーは廊下を走っていった。



庭に残ったのは、獣化したヨウコと、蛾の怪物と化したアメリア。空気を切り裂く蛾の羽の音が響き、その巨体を飛行させている。切り落とされた腕はみるみるうちに再生し始め、元の緑色の腕が生え、元通りになった。

「さぁ、これでまた一対一よ。あんたがどうしてそんな姿になったか皆目見当がつかないけど、今度こそ・・・倒す!」

ヨウコは翼を広げ、一気にアメリアに突進した。アメリアも巨大な羽を羽ばたかせ、ヨウコに突っ込んでいく。

ヨウコの首を掴もうと突進してくるアメリアを前に、ヨウコは進行方向を変え、アメリアの下を潜るように飛行する。そして小太刀で蛾の体を切り裂いた。空洞の段ボール箱をナイフで切り刻んだような斬痕が、アメリアの下半身から下の蛾の体に深く刻まれていた。

「うぅぅあぁ・・・!!」

アメリアは蛾の巨体に刻まれた傷を、その巨体から生えた蛾の足で押さえた。見るからに激痛に苦しんでいるアメリア。その様子に、アメリアは少し疑問を抱いていた。

砂漠に現れたサウザーサウルスはいくら傷を負っても「痛み」で苦しみはしなかった。つまり、召喚獣には痛みは感じない。そう言っても決して過言ではなかった。

だが、アメリアはその逆。傷を負ったときの苦しみを見せ、痛みを感じている。もしかしたらアメリアは召喚獣とは違う存在なのかもしれない、そうヨウコは思った。

アメリアについて思案しているうちに、蛾の体に刻まれた傷が消え、アメリアの顔から歪みが消えた。

「オ、己ェ・・・!己エエエェェェァアアアアァァァ!!!!」

アメリアが怒鳴りつけるように叫びだすと、不気味な眼球模様が描かれたその巨大な羽を勢いよく羽ばたかせ、ヨウコ目掛けて緑色の燐粉を撒き散らした。羽に引き起こされた風に乗り、ヨウコにまっすぐ進んでいく燐粉。ヨウコは慌てて両腕で鼻と口を塞ぐ。

ヨウコの周りに漂う緑色の燐粉。フワフワと空中に舞うその燐粉を翼で払い、燐粉を吹き飛ばす。しかし巨大な羽から吹き出されたその燐粉はガスのようにヨウコを覆い尽くし、払いきれない。それでもヨウコは翼で燐粉を払い続ける。

その場で動けなくなっているヨウコに、アメリアは一気に突進する。燐粉という牢獄に閉じ込められたヨウコに体当たりするように突っ込み、小太刀を持った両手を掴み、そのまま更に突進する。その衝撃でヨウコは小太刀を手から離してしまった。そして目の前にある城の壁に、アメリアはヨウコを叩きつけた。

巨大なアメリアの全体重が加わり、壁にぶつけるかのような体当たり。その攻撃に、ヨウコは口から血を吐いた。その血が重力に引かれて地面に向かって落ち、雨のように庭に滴る。

両手に小太刀を無くしたヨウコを見て、アメリアは腕を掴んでいた手を離し、すぐさま首を掴んだ。

「がっ・・・!!」

りんごを握り潰してしまいそうな、強力な握力でヨウコの首を閉めるアメリア。その顔は憎悪で満ち溢れ、不気味な殺気を放っている。荒い息をするアメリアはヨウコの苦しむ顔を見ながら、その口を動かした。

「オ前達ノ・・・・セィダ・・・。オ前達ノセイデ・・・・アタシハ・・・・コンナ醜ク・・・・コンナニモ醜イ体ニ・・・!!」

「ど・・・どういう・・・こ・・・と・・・?」

「アタシガ・・・・殺・・サレタ・・・アノ時、アタシ・・・ノ魂ハ・・・・肉体カラ離レ・・・テ、消滅スル・・・・・筈ダッタ・・・。ダケ・・ド、総督ガ・・・・アタシノ・・・・魂ヲ・・・・呼ビ戻シテ・・・、ソシテ・・・・・蘇ラセタ・・・・」

「た・・・魂?蘇・・・る・・・?」

「ダ・・ケド・・・!!気ヅ・・ケバ・・・・アタシノ体・・・ハ・・・・ビー・・・ストノ体ジャナ・・・イ・・・・蟲・・・ノ召喚獣・・・・ト融合シタ・・・・醜イ体デ・・・・・蘇ッテイタ・・・!!オ前達ガ・・・・オ前達ガ・・・アタシヲ殺サナ・・・ケレバ・・・!殺サナケレバアアァァァァァ!!!!!」

アメリアは両手でヨウコの首を掴み、ヨウコの首を絞める。もはや声を出す力も出せないヨウコ。アメリアの手を掴む手も、徐々に力が抜けていっていた。

「オ前ヲ殺シテ・・・・残リノ・・・奴ラモ殺ス・・・・・!殺ス・・・殺ス・・・殺ス・・・殺オオオォォォスァアアアアアァァ!!!」

狂ったような叫び声を上げるアメリア。その叫び声すら、ヨウコの耳には微かにしか届いていない。

呼吸ができず、意識がもうろうとするヨウコ。全身の力が徐々に抜けていっている。

(・・・・嫌だ・・・まだ、死ねない・・・。死ぬわけに・・・いかない・・・!あたしは・・・宗次郎に・・・・・宗次郎にもう1度会うために・・・・生きる!!)

ヨウコは最後の力を振り絞り、懐からくないを取り出す。そしてそのくないを握り締め、アメリアの眉間に突き刺した。

顔面に突き刺さったくないが痛みを与え、断末魔の叫びを上げるアメリア。その叫び声に間髪いれずに、ヨウコはくないで目から頬へと切り裂く。その痛みにアメリアは泣き叫び、首を掴んでいた手を離した。

首が自由になったヨウコは勢いよく翼を羽ばたかせ、アメリアから距離をとった。空になった肺に酸素を吸い込ませ、肩で呼吸するヨウコ。息を落ち着かせ、顔面が引き裂かれたアメリアを睨む。

手で顔を押さえたアメリアは、その傷が再生しきったのを確認し、ヨウコの方へとその巨体を動かす。

「ウウウゥゥアアアァァァ!!!!殺オオオォォォォスアアァァ!!!」

アメリアは憤怒の表情を見せながら、ヨウコ目掛けて燐粉を飛ばす。しかしヨウコはそれを完璧に読んでいた。翼を羽ばたかせて上空へと飛行し、その燐粉を避けた。そして手にしたくないを、アメリアに向かって投げつける。

まっすぐ飛んでいくそのくないを見ながら、ヨウコは両手を広げた。

「忍法・霰くないの術!!」

広げていた両手をバチンッ、と勢いよく合わせる。すると、その音に合わせて突如くないが煙を上げて爆発し、くないが見えなくなった。

瞬間、爆発して現れた煙から、霰の如し無数のくないが飛び出し、アメリアに向かって降り注いだ。巨大な蛾の体に無数のくないが突き刺さり、羽を貫き、巨大な腹を刻んでいく。

ぼろぼろになった羽で飛べなくなったアメリアは、断末魔の叫び声をあげながら大きな庭にへと落下していく。

その時、アメリアの巨体のいたるところについた傷が、徐々に塞がり始めた。それに気づいたヨウコがふと庭を見ると、アメリアの落下する場所の真下に、自分が落とした小太刀が2本、芝生に刺さっていた。

――――こうなったら行くしかない!

ヨウコは翼の力を全開に使い、小太刀に向かって一気に降下した。落下していくアメリアよりも速く、まるで黒い烏が獲物に急接近するかのように庭に降下する。

芝生とすれすれの位置まで降下したヨウコは、すぐさま2本の小太刀を手にし、翼を羽ばたかせ再び上昇する。小太刀の刃を交差させ、アメリアの眼前まで迫る。

「殺!」

ヨウコが交差させた小太刀の刃でアメリアの首を捕らえ、そしてハサミで木の枝を切り落とすかのように、アメリアの首を切断した。

「ウアアアァァァアアァァァアァァァ!!」

首を切り落とされても叫ぶアメリア。その首、そして巨大な蛾の体は木っ端微塵に砕け散り、そして煙のように消えていった。

ゆっくりと降下し、庭に着地するヨウコ。周りにはいまだに漂う不気味な黒い気配、そして庭の中央に立つペガサスの像しかない。アメリアが砕け散った場所を見上げ、ヨウコは手にした小太刀を腰に仕込んだ鞘に収めた。

「今度こそ、成仏することだね・・・アメリア」

そう呟き、ヨウコは歩き出す。

が、しかし。ヨウコが一歩歩みだした瞬間、手足が震え、痺れ始めた。足をふらつかせるヨウコは地面に膝をつけ、手足の震えを押さえる。しかし一向に痺れは止まらない。

「くっそ~・・・。あいつの燐粉、少し吸っちゃったか・・・」

ヨウコは悔しそうな顔をしながら、そう呟いた。しかしここで休んでいる暇などない、そう心に言い聞かせ、ヨウコは立ち上がった。震えながらも、ゆっくりと一歩一歩歩くヨウコ。壁に体当たりで激突された痛みにも耐えながら、ヨウコは庭から廊下へとたどり着く。

「はぁ・・・はぁ・・・。これじゃ・・・少し時間掛かっちゃいそうね。でも、それでも行かなきゃ・・・!」

ヨウコはゆっくりと足を動かし、トーカとジョーが先に行った廊下を進み、ペガサスの像がある庭を後にした。


そのころ、城を取り巻く黒い気配が、徐々に、しかし確実に、その大きさを拡大していっていた。










To be continued...

メニューへ






























あとがきコーナー




管:えぇ今回もやりますあとがきコーナー!ここまでのご拝読、誠にありがとうございますOTZ。

ヨ:はぁ・・・はぁ・・・。やっとここまで来たわ・・・。

管:おろっ(☆w☆;)。今回大活躍だったヨウコじゃないの。てか何故にそんなに苦しんでるんw?

ヨ:あんたねぇ・・・最後まで読んでないの?アメリアの燐粉吸っちゃった上に、壁に体当たりされたときの痛みで、もうダブルパンチ受けちゃってるのよ・・・。

管:まさかあとがきコーナーにまでそれを引きずるとは・・・。まぁ俺には関係ないし、さっさと始めちゃおうかな(殴。



☆城内に潜入したトーカ達一行。3人はクローディアスがいる(と思われる)最上階・王室まで向かいます。この時クローディアスは確かに王室にいて、復活儀式の準備をしています。儀式の内容はその時が来たら物語上で明かされるでしょう(ぁ。

☆突如庭に召喚された「モンスター化アメリア」。今話のタイトルはそのモンスター化にちなんだものになっていて、インセクト=虫、オブ=~の・・・、アメリア=アメリア(殴、つまり「虫のアメリア」。今話のアメリアは巨大な蛾のモンスターと融合した形で登場しているので、こういったタイトルは実にぴったりだと思います。

☆でもってそのアメリアと1人で対峙するヨウコ。トーカとジョーを先に行かせ、アメリアと戦います。実はこの辺の設定はすべて即興で、次回書くことになる話にもってくるための架け橋的存在になるように考えたものですw。それまではモンスター化アメリアという設定すらありませんでした・・・w。

☆一応このアメリアは完璧なモンスターではなく、蛾のモンスターを媒体にして蘇らせたフランケンシュタインのような存在。だから言葉を話すことができ、痛みも感じてしまいます。この話すことができたり痛みを感じることができるというのは、この蘇生が本人の望んだ結果にならなかったことに対する副作用と考えてもいいと思います。

☆でもってそんな相手とヨウコが戦うのですが、ここで新しい技「霰くないの術」が登場。言うまでもなくこの技も即興の産物(殴。遠距離攻撃ができる技を考えてたら即、思いついた技です・・・w。

☆そしてとどめのギロチンバサミ(勝手に命名w。技名考えてなかった・・・)で、アメリアの首を飛ばします。ネファスの顔面貫いて終わっちゃうといい、召喚獣はどうにも頭が弱点というイメージが強いのは俺だけでしょうかw?(この辺に意見がある人は掲示板にでも・・・)

☆モンスター化アメリアを倒したヨウコ。しかしその体は満身創痍。それでも、ヨウコはトーカとジョーを追いかけます。そして、話はトーカとジョーの方へ移ります。果たしてどうなるのか、それは次回明らかに。



ヨ:うぅ・・・・気になるわね・・・。

管:気になるのはヨウコの容体なんだがな・・・(☆w☆;)。

ヨ:全く・・・ここには「タンタンタララーン♪」って音が鳴る機械はないのかしら・・・。

管:それってポケモンセンターのやつを言っているのか・・・w。

ヨ:と・・・とにかくあたしもホントにボロボロだから・・・これで終わりにするわね。皆、次の話でまた会おうね!

管:最後だけ元気になってる気がするのは俺だけだろうか・・・(☆w☆;)。


© Rakuten Group, Inc.