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休憩場

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第8話

第8話【サタンシャーク】











「うああぁ!!」

「お父さん!?」

「きゃああぁ!!」

「お母さん!?」

「熱い・・・熱い・・・!!」

「いや・・・燃える・・・!!」


「お父さん!お母さん!」

「き・・・来ちゃ・・・ダメだ・・・隼人・・・!」

「は、早く・・・逃げて・・・隼人・・・!」


「そんなこと出来ないよ!お父さん・・・お母さん!!」

「隼人・・・隼人・・・!!」



「隼人!!」

耳を貫かんばかりの声に、隼人はようやく目を開く。体に感じる掛け布団の感触、ぼやけた視界に映る天井と、天井よりもはっきり映る小さなポニーテールをした明日香の心配そうな顔。すでに制服に着替えている明日香が隼人の体に膝立ちで跨り、肩の上に手を伸ばしじっと隼人の顔を凝視しているのだ。

その光景を目の当たりにした瞬間、ようやく隼人は自分がいつも通り寝ていたことに気づいた。

「あれ・・・明日香・・・」

「どうしたの隼人、お父さんお母さんってうなされてたわよ。それに、顔中酷い汗だし・・・」

「汗・・・?」

明日香の言葉に疑問を感じた隼人は、布団の中に潜っている黒く荒々しい皮膚で覆われた手でそっと顔を触る。すると黒く荒々しい手に生暖かい水滴が大量に付着し、その手を潤した。

「ホントだ・・・凄く汗かいてる・・・」

「もしかして隼人・・・死んだお父さんとお母さんの夢を・・・?」

「うん・・・。もう昔のことなのに、全部終わって平和になったのに・・・まだあの悪夢を見ちゃうんだ・・・。火の中から聞こえるお父さんとお母さんの声と、火の中で苦しんでると思うお父さんとお母さんを助けられない自分の夢を・・・」

「隼人・・・」

「・・・あ、ごめんね。なんか変な感じにさせちゃって」

「べ、別に。あんたが寝汗かいてうなされてたから、ほんのちょっと心配しただけよ。それよりもうすぐ朝食だから、早く起きてよね」

明日香はそう呟きながらゆっくりと立ち上がり、部屋の扉へと歩いていく。隼人もその後を追おうと、布団の中で横たわった体を起こす。

だが、その時だった。

「うっ・・・!」

短い声を零し、苦しい表情を浮かべる隼人。前頭葉から後頭部に走る割れるような頭痛が隼人を襲い、更に痛みが酷くなる。やがて痛みのせいで全身の力が抜けていき、布団から起きた体が重たく倒れた。

その隼人に気づいた明日香は重たく倒れた隼人の姿に慌てて駆け寄り、苦しそうな表情を見せる隼人にはっきりと聞こえるような大きな声で話しかける。

「隼人!ど、どうしたのよ!?」

「あ、頭が・・・痛い・・・」

「頭が痛い・・・?あんた、頭痛ってことじゃない!」

「う、うぅ・・・ホントに・・・痛い・・・」

「待ってて!今お母さん呼んでくるから!」

そう言うと、明日香は慌てて部屋を出て行った。1人残された隼人は頭の中を走る痛みに苦しみ、その体を布団の中に落としていた。

それから、明日香に呼ばれて部屋にやって来た涼子が隼人の姿を見てすぐに頭痛に効く薬を隼人に飲ませ、薬が効いたためか隼人は眠りについてしまった。朝食を取る前に起きた出来事が落ち着き、2人はようやく緊張の糸を解く。

「ねぇお母さん・・・隼人、どうしちゃったの?」

「多分、お仕事で疲れてたのね。お母さんもたまに疲れて頭痛起こしちゃう時があってね、隼人君みたいに倒れるぐらい痛くなっちゃう時もあるのよ。でも、お薬飲んでゆっくり休めばすぐ良くなるわ」

「ホント?ホントにそれで、すぐ良くなるの?」

「なるわよ。もう明日香ったら、なんか心配しすぎじゃない?」

「だって・・・・・隼人は、私の・・・」

聞き取れない程小さな言葉で呟きながら、眠りについている隼人の顔を見る明日香。その目は眠りにつく幼馴染を心配しているというより、大切なものがどうなってしまったのかと心配するような目をしていた。

それに気づいた涼子は口元に小さな笑みを見せ、そっと明日香に話しかけた。

「ねぇ明日香・・・隼人君のこと、どれぐらい想ってる?」

「ど、どれぐらい?えっと・・・隼人は私の幼馴染だし・・・それなりに」

「フフ、『それなり』の割には、隼人君のこと、ずっと気にしてるわね」

「そ、それは・・・その・・・」

「いいのよ。別に隼人君のこと心配することがいけないわけじゃないんだから、むしろ嫌がられるぐらい心配してあげなさい。幼馴染って、それぐらい出来てもいいんだから」

「お母さん・・・」

「とは言ったけど、これからどうしましょうねぇ。明日香が学校行ってる間はお母さんもお仕事だし、このまま隼人君を寝かせたままにしておくわけにもいかないし・・・」

「私が看る」

涼子の言葉に即答する明日香。予想もしてなかった返答に、涼子は思わず声を上げて驚いてしまった。そんな涼子を他所に、明日香は決意を固めた瞳で隼人の寝顔を見続ける。

「学校休んで、今日1日隼人の傍にいる。隼人が起きたら医者に連れてって、酷くなってないか確かめる」

「あ、明日香・・・確かに嫌がるほど心配してあげなさいとは言ったけど、学校休んでまでしなくても――――」

「隼人は!隼人は・・・私の大事な幼馴染なのよ。学校休んででも、私は隼人が元気になるまで看ていたいの・・・」

決意を込められた言葉、そして決意の籠った瞳で明日香は涼子に答える。幼馴染の隼人を想う明日香のとても大きな気持ちを知り、涼子の心は明日香の気持ちに圧倒されていた。

そんな涼子は小さなため息を吐くと、優しい微笑みを見せながら明日香に話しかけた。

「・・・わかったわ。それじゃ、先生には休むように言っておくわ」

「ありがとう、お母さん」

「そう言えば・・・隼人君が家で生活してること、もう皆に話してる?」

「そ、そんな事言えるはずないでしょ!クラスメイトと同棲なんて皆に言ったら、クラスで見せる顔がないわよ・・・」

「ん~・・・それだと隼人君が休むこと、どう伝えたらいいのかしら・・・。隼人君は身寄りがいないわけだし、お母さんが隼人君のこと連絡するのもおかしいし・・・」

「そんなの、隼人から気分が良くないから今日は休むって電話が来たとか言えばいいことじゃない。そうすれば先生も怪しまないわ」

「なるほど~、ならその方法で隼人君の事も連絡しておくわね。それより明日香、こういう時は頭が冴えるわね。これも隼人君に対する想いがため?」

「べ、別に!隼人のことをお、おおお想ってるからじゃないんだから!」

「フフ、あんまり大声出すと、隼人君が起きちゃうわよ?」

「大声出させてるのはお母さんでしょう!!」

顔を真っ赤にして叫ぶ明日香に、クスクスと微笑する涼子。その時の空気は隼人を心配していた時の静まった時とは一変し、どこか和やかなものになっていた。










しばらくした後の、学校。

隼人と明日香のクラスである2年B組の教室はいつも通りの朝を迎え、席についている生徒達の雑談がいつも通り響いている。賑やかな教室の中、隼人の前の席の主である十兵衛は話し相手の隼人がいないためか退屈そうに窓から見える空を眺めていた。

今日の空はねずみ色に染まった曇り空。雨が降り出しそうな濁った雲でも無く、はてまた太陽が姿を現しそうな薄っすらな雲でも無い微妙過ぎる雲を、十兵衛は何も考えず、ただただ眺めていた。

「おはようございます、石動君」

その時、ふと背後から聞こえた声に十兵衛は気づく。隣の席の主である「怪力女」の異名で名高い明日香の耳に障るようなツンツンした声とはかけ離れた、女神のように柔らかく優しい声。その声の主を知るのに、十兵衛は2秒と掛からなかった。

振り向くと、そこには手提げバッグとトランペットが入っているだろうプラスチックで出来たトランクケースを持った薫の姿があった。予想通りの人物に十兵衛の爬虫類の太く長い尻尾は大きく左右に振れ、学年トップと言っても過言ではない美少女に興奮を示していた。そのためか、十兵衛の退屈そうだった表情も今では鼻の下が伸びた下心丸見えの表情になっている。

「い、いよぉ上御霊!今日も清々し・・・くない朝だなこの空は・・・」

「フフ、そうですね。でも、今日は40分授業ですぐ帰れると思えば大丈夫ですよ」

「ヘッヘッヘ・・・残念ながら俺は生徒指導だ・・・」

「生徒指導・・・ですか?」

「服装、頭髪の規則を守ってねぇからだと。別に良くね?たかが茶髪染めにノーブレザーにノーネクタイにYシャツ第5ボタンまで全開に腰パン!これぐらいで規則違反とか厳し過ぎるっつの」

「ん~・・・それは明らかに校則違反だと思いますよ・・・」

「はぁ・・・。ま、今日はセンコー達が会議だから、生徒指導もあんま長くならないからいいけどな。でも・・・やっぱめんどくせーなぁぁぁぁ・・・」

大きくため息を吐き、生気を感じさせぬ声を出す十兵衛。そんな十兵衛に薫は苦笑し、手にしていた手提げバッグとトランクケースを机の上に置きそのまま席に着く。

その時、ふと隣にある隼人の席を見る。いつも自分が来る時には席についている隼人の姿が無く、バッグも無いためまだ教室に来ていないことを薫は察知した。

「石動君、隼人君はまだ来てないんですか?」

「んぁ?あぁそういえばまだ来てねぇなアイツ。よく見たら怪力女もまだ来てねぇし」

「そういえば、明日香ちゃんもまだでしたね。いつもなら教室にいるのに、どうしたんでしょう?」

「さぁね。ま、怪力女はどうでもいいとして、隼人がこねぇのはなぁ・・・」

十兵衛が不思議そうにそう呟いたその時、教室の扉が開き廊下から先生が教室に入って来た。手にはいつも通り出席簿と朝自習のプリントを持っており、教卓まで来た先生はそれらを教卓の上に置く。

「はい出席を取るから静かにぃ。っとそうだ、今日は一文字と小泉が休みだったな」

「えっ!?隼人今日休んだのか!?」

「あぁ。気分が良くないから休むって小泉の親が連絡受けたそうだ。まぁ一文字には身寄りがいないから、幼馴染を通して連絡するしかなかったんだろう」

「あの、それじゃあ明日香ちゃんはどうしてお休みなんですか?」

「明日香も気分が良くないらしい。親が言うには昨日の晩に賞味期限切れのパンを食べちゃったそうだが」

「そんなもん普通食わねぇだろ・・・」

「まぁとにかく、2人が休むってことは連絡来たんで2人は欠席と。それじゃ、出席取るぞぉ」

教卓に置いた出席簿を取り、先生は生徒達の名前を1人1人呼び出席を確かめる。全ての生徒の名前を呼び終えた先生は朝自習のプリントを配り、教室を後にする。

生徒達が配られた朝自習をやり始める中、十兵衛と薫は隼人と明日香が休んだことに少しだけ驚きを見せていた。

「しっかしあの隼人が休みかぁ。去年はそんなことなかったのに」

「まだ春の終わりだから風邪も流行ってませんし・・・どうしちゃったんでしょう?」

「まぁ賞味期限切れのパン食って体調不良っつうのはまず嘘だな。そんで隼人も休み・・・・・このシチュエーション、なんか臭うぜ」

「臭うと言いますと?」

「まぁ例え幼馴染といっても相手があの怪力女だからありえねぇ気もするけど、学校サボって『デート』って可能性もあるっつうこと」

「デ、デート!?そそそそんなこと、あるはずないじゃないですか!」

「だから相手が怪力女だからありえねぇ気もするって言ったんだよ。そんで確率はゼロに近いし、何よりデートしてるっつう確証もねぇからな。ま、2人が休んだ所で俺には関係ネッシーだぜ」

「そ、そうですよね。私達にはあんまり関係ないことですし、明日になれば2人とも来ると思います」

「あぁ・・・明日になったらまた怪力女が隣にいるのか・・・。明日も怪力女が休みますよーに・・・!」

祈るように呟きながら十兵衛は机に置かれた朝自習のプリントを眺め、バッグからシャーペンを取り出しその問題を解いていく。簡単すぎる問題を十兵衛が解いていく中、薫は机の上にある朝自習のプリントを眺めながら悩んでいた。

(隼人君と明日香ちゃんがデート・・・。もし本当だったら、2人はただの幼馴染じゃなくて・・・隼人君は明日香ちゃんと・・・)

心の何処からか芽生えてきた感情を抑えきれず、薫の心に何故か不安が過ぎる。学校を休んだ隼人と明日香のことを気にしながらも、薫はプリントの問題を解いていった。



学校の授業が全て終わり、放課後。

何人かの先生に囲まれながら行われた生徒指導も終わり、十兵衛はようやく下校することが出来ていた。いつもより早く授業が終わったため校庭ではすでに軟式テニス部や陸上部が部活動をしており、音楽部の奏でる演奏が音楽室から微かに聞こえている。

そんな微かな音色を聴き校庭で汗を流す生徒達を目にしながら十兵衛は犬走りを歩き、校門を抜ける。十兵衛は生徒指導で疲れたためか大きな欠伸をかき、だるそうに道を歩いていく。

しかし、その時だった。

「そこのルシフェル」

自分の事を呼んだのか、背後から太く渋い声が発した。十兵衛が振り向くと、そこには黒いコートを羽織った長身でガタイのいい男が1人立っていた。校門を抜ける時にはどこにもいなかったその男に十兵衛は少しばかり警戒心を強めていたが、呼びとめられてしまったからには無視するわけにもいかないため、十兵衛は男に答えた。

「なんすか?」

「少し聞きたいことがあるんだが、いいか?」

「めんどくせぇことじゃねぇなら、別にいいけど?」

「この学校に通っている、一文字隼人という少年のことを知っているか?」

「隼人?なんであいつのことを?」

「あまり詳しくは話せないが、ルシフェル犯罪対策課に所属しているルシフェルを1人1人調査している。そのために一文字隼人という少年の情報を集めている」

「調査って、あんた一体何モンだよ?」

「それは答えられない。これは貴様が思っているよりも大きな調査でな、あまり詳細は話せられないのだ。して・・・名前で呼んでいることからその少年を知っていると解釈して良いな?」

「さぁ、どうだろうねぇ~。皆がそう呼んでるから俺も呼んでるだけかもしれないぜ?ヘヘヘ」

「だが、そう呼んでいる者と接している時点で、貴様が一文字隼人のことを知っていることになるのではないか?」

「おいあんた、普通相手から何か聞く時は、まず自分のこと言わねぇか?調査だかなんだか知らねぇけど、そっちが何の調査してるのか話さねぇなら俺は喋らねぇぜ」

「その口だと一文字隼人のことを知っているようだな。ならば俺の質問に答えてもらおう」

「あんた・・・人の話聞いてた?嫌だっつってんだよ。隼人のこと知りたかったら隼人に直にあって聞けっつーの。そんじゃ俺はもう行くぜ」

十兵衛は強引に話しを終わらせ、早歩きで男から離れる。道を歩いていく十兵衛の背中を、黒いコートを風で靡かせながら男はじっと凝視していた。










葛飾区は下町として有名な街であるが、いくつかの国道が区内を通っており、四木中学校の近くにも国道が通っている。

その道の名は、国道6号線・水扉(みとびら)街道。

葛飾区から茨城県・水扉市を繋ぐ片道3車線の国道であり、車種問わず交通量が多い道。葛飾区内を通る水扉街道の道沿いには飲食店や大手雑貨店といったものが並んでいるため、歩道を通る人達も少なくない道である。

そんな水扉街道を、鮮やかな茶色いに染めた髪を風に靡かせながら十兵衛が歩いていた。いつも家に帰る時はこの道を通らず帰っているのだが、この道を通っても家に帰れないというわけでもなかった。

しかし、その道を通って家に帰るのはかなり遠回りだった。にも関わらず水扉街道の歩道を歩く十兵衛は陸橋を超えた先の所まで歩んで行くと、ふとその場所で歩みを止める。

「いつまでついて来るんだよ、あんた」

独り言のように十兵衛がそう呟く。自分以外の歩行者は誰もいないため、はたから見れば本当に独り言のように思える。しかし、それは当然独り言ではない。

「フン、なかなか鋭い奴だな」

十兵衛の背後から、それもあまり距離が離れていない所から太く渋い声が発する。すると、十兵衛の背後に建っている建物の影から、十兵衛に声をかけた黒いコートを羽織った男が姿を現した。

それを感じたか十兵衛も背後を振り向き、男の奥が見えない濁った瞳を凝視する。男も十兵衛の透き通った若々しい瞳を凝視し、その口を開いた。

「いつから俺の存在に気付いた?」

「あんたから離れてからずっとだよ。ったく、隼人のストーカーかなんか知らねぇけど、俺までストーキングするつもりかよ?」

「俺が求めているのは一文字隼人の情報。それさえ教えれば俺は貴様の前から消えてやる」

「嫌だね。お前みたいな一方的な男に俺は興味ねぇんだ。ま、可愛い同い年の女の子だったらいくらでも教えてるけどな」

「・・・ならば仕方無い、力尽くで聞くまでだ」

「ヘヘヘ・・・上等!見知らぬ男に戦いを挑まれるこの展開・・・・・興奮してきたぜ!」

十兵衛はニヤケながらそう言い放ち、爬虫類の太く長い尻尾を左右に大きく振れ動き興奮を示す。そして、風に靡くYシャツの右腕の袖を肘まで捲る。

「見せてやるよぉ。俺の・・・・・カッケェ姿をなぁ!」

そう叫ぶと十兵衛は全身に力を入れ、変身を開始した。

体の右半身の皮膚が爬虫類の鱗に覆われ始め、右半分の頭部から龍の如し鋭く長い3本の角が生え始める。それに乗じて右目も凄まじく鋭い爬虫類の眼へと変貌し、右牙が喉に達する程に長く伸びる。更に右腕の袖を捲って露になった爬虫類の鱗に包まれた右手の爪が鋭くなり、右肘から凄まじく長い刺が生える。

変身を完了させ、尻尾を生やした龍人と化した十兵衛。その姿に男は驚いているのか目を大きく見開き、しかしすぐに冷静になったのかそれ以上に驚く表情を見せない。

「なるほど・・・『ドラゴン』のゲノムコードか」

「そん通り。結構鋭ぇじゃねぇか」

「貴様のような小僧とは、歩んできた道が違う。他の奴と一緒にされては困る」

「大した自身じゃねぇか。この石動十兵衛様が、隼人のストーカーをここで倒してやるぜ!」

「石動十兵衛・・・それが貴様の名か。情報提供者になるだろう小僧だ、その名前、覚えておこう」

「おいおい、隼人の事マジで力尽くで聞き出そうとしてるのか?まぁそれならそれでこっちは正当防衛で戦うから構わねぇけど、俺はそんじょそこらのルシフェルとは一味違うぜ?」

「フン・・・。ホラは吹き終えたようだな・・・」

男は小さくそう呟くと、瞳を閉じてその頭をゆっくり下ろし、深く俯く。髪で顔が見えなくなる程頭を下ろした男は足、胴体、腕、そして指先に至る全ての筋肉に力を入れる。

「変身・・・」

そう呟いた瞬間、男の体からとてつもない殺気が放出する。ピリピリと肌を刺すような殺気に十兵衛は思わず一歩後退り、深く俯く男にこれまで以上の「危険」を感じ取る。

そして、男は真の姿になるべく、変身を開始した。

瞳を閉じ深く俯いていた頭が紺色の鮫の頭部へと変形し始め、鋭い牙を生やした大きな口、深い溝のような鰓(えら)、鋭く尖った鼻を作り出す。更に背中から生えた巨大な鮫の背びれが黒いコートを突き破り、紺色の鮫の皮膚に包まれた両手の指と指の間に薄い膜が張る。

変身した男の真の姿、それは紺色の鮫肌に身を包みその頭部を鮫のものと化した鮫のルシフェル。男は閉じていた瞳を開き、ギョロリと丸くて黒く、しかしそれでいて凄まじく鋭い眼で十兵衛を睨む。

「なっ・・・!これが・・・あいつの変身・・・!?」

「冥土の土産に教えてやろう。俺は、魚沼謙信。ゲノムコードは・・・・・『サタンシャーク』」

そう呟いた瞬間、謙信は地面を力強く蹴り十兵衛目掛けて跳躍した。助走無しで走り幅跳びの如し跳躍を見せ、十兵衛との距離を一気に縮める。そして指と指の間に膜が張った右手の拳を握り締め、その拳を構える。

すると、握り締めた手の甲から透き通った水が突如噴き出し、その水は一瞬にして鋭い刃の形に変化する。その光景を目の当たりにした十兵衛は慌てて後方に跳躍し、その場から離れる。それと同時に謙信の手の甲に装着された水の刃が十兵衛の立っていた場所を貫いた。

水で出来ているはずの刃はいとも簡単にアスファルトで出来た地面に突き刺さり、本物の刃の如く地面に斬痕を刻んでいる。その水の刃に、十兵衛は驚きを隠せずにいた。

「外したか・・・。小僧にしては動きがいい」

「ちょっ!?水が地面に突き刺さった!?」

「言い忘れていた。俺の能力はこの体から『水』を生み出すこと。この水は俺の意思でその形状、硬度を変え、俺の武器にも、防具にもなる。この俺に楯突くこと、考え直した方がいい」

「へっ、誰が考え直すかよ。考え直したら、隼人のこと教えることになるだろ!」

十兵衛はそう言うと、変身して「龍の腕」と化した右腕に力を入れる。するとその腕に一瞬淡い青色の電気が走り、その瞬間掌から青色の電気が放出し始めた。突如十兵衛の右手から発生した青い電気に、謙信は鮫の目を大きく見開き驚きを示した。

「喰らえ!雷神ビーム!」

青色の電気を放出している右手を構えた十兵衛はその右手を謙信に向けて勢いよく突き出し、掌から放出している電気を謙信目掛けて放った。凄まじい速度で電撃は一直線に進み、謙信に襲いかかる。

だが謙信はその凄まじい速度の電撃を、横にステップするように移動して軽やかに避けた。電撃は一直線上に建っていたガードレールに直撃し、直撃した所を焦がす。それを見た謙信は十兵衛の放った電気の威力に改めて驚いていた。

「電気・・・それが貴様の能力か」

「御明答~。まさかあの雷神ビームが避けられるとは思わなかったけど、当たってれば間違いなくあんたぶっ倒れてたぜ?」

「確かにそうだな。だが・・・その程度の能力では、俺を倒すことはできない」

そう言うと、謙信は左腕をすっと胸の前まで運び、指と指の間に膜が張った紺色の鮫肌をしたその手に力を入れる。すると手の甲から透き通った水が噴き出し、右手に装着されたものと同じ刃に変形した。

両手に装着された刃は水で出来ているにもかかわらず、本物の刃のような鋭い輝きを見せている。その両手の刃を構え、謙信は足を広げてゆっくりと腰を落とす。

そして何かの武術のような構えを見せた、その時だった。

謙信のズボンの裾、否、紺色の鮫肌で覆われているだろう足から大量の水が噴き出し始め、周りを水浸しにする。その勢いは止まることを知らず、巨大なホースで放水したかの如く水を放出し続ける。突然の出来事に、十兵衛は驚きを隠せずにいる。

やがてその水力で謙信の体はふわりと持ち上がり、そして足から放出するロケット噴射の如し勢いの水で十兵衛目掛けてその体を発進させた。

波に乗るサーファーのような足から噴射する水に乗り、ミサイルの如し勢いで十兵衛に迫る謙信。両手に装着された水の刃を構えている謙信は、十兵衛の体を切り裂かんとその刃を振るう。

水に乗りながら迫って来た謙信に驚愕していた十兵衛だったが襲い来る水の刃にすぐに反応し、その場から横に転がり込みその刃を避ける。しかし十兵衛の横を勢いよく通過した謙信は体を180度回転させてその進行方向を変え、再び水に乗りながら十兵衛に迫った。

「ちっ!歩道でサーフィンなんかすんじゃねぇっつーの!」

十兵衛は迫りくる謙信に思わず舌打ちすると、右腕に力を入れ、右手から電気を放出する。そして青く輝く電気を右手に溜め、謙信の水を放出する足目掛けて右腕を突き出しその電気を放った。

水は電気を通す。それは中学生なら誰でも知っている常識であり、水を操る謙信の弱点を意味していた。十兵衛の電撃は凄まじい速度で一直線に飛び、謙信の水浸しの足に直撃する。

しかし、水浸しの足に直撃したにも関わらず、謙信の体は感電しなかった。むしろ、足から放出している水が電気の感電を阻止したようにも見える。そんな感電しない謙信に、十兵衛は驚愕する。

だがその瞬間、十兵衛のすぐ傍まで迫った謙信は十兵衛の体を両手に装着した水の刃で斬りつけた。水の刃は肩から胸にかけて斬りつけ、その傷口から血が噴出する。

「があぁっ!」

肩から胸に感じる痛みに十兵衛は短く悲鳴を上げ、痛みの余り地面に膝をつける。その間に謙信は十兵衛の横を通過し、足から水を放出するのを止め地面に足をつけてる。

十兵衛は痛みを堪えて謙信の方を向くと、電撃が直撃した足は何の外傷もなく、水を放出したことによって酷く濡れているだけだった。

「ク、クソ・・・どうして・・・!」

「水が電気を通す原理を利用して俺を倒そうとしたのは良い判断だが、残念だったな。俺の体から生み出される水は純100%の混じりけのない水。純水は電気を通さない、つまり、俺に電気は通用しない」

水でびしょ濡れになった足で歩み、十兵衛の目の前まで歩み寄る謙信。鮫の眼で痛みに苦しむ十兵衛を睨み、手の甲に装着した水の刃をその眉間に突きつける。

「これ以上苦しみたくなければ、一文字隼人の事を話せ。さもなくば・・・」

「俺を・・・殺すってか・・・?へっ、お前みてぇな奴のこった、どうせ話しても・・・俺を殺すんだろ・・・?」

「フン、本当に鋭い小僧だ。その通り、俺の顔を見た者を生かしておくわけにはいかんからな。例えそれが、まだ若い中学生だとしても、だ」

「ヘッヘッヘ・・・面白ぇ・・・。どっちにしても死んじまうなら・・・何も喋んねぇで・・・最後までぶつかってやらぁ!!」

十兵衛が痛みを堪え力強くそう叫ぶと、龍の腕と化した右手の拳を握り締め、その拳を振り上げる。そして人のそれを遥かに越えた超怪力で、地面を力強く殴った。

十兵衛の右手の拳は地面にとてつもない衝撃を与え、拳の直撃した所を中心に歩道の広い範囲を砕く。その小さな隕石が落ちたかのような衝撃が地面を走り、すぐ傍にいた謙信の足にもそれが襲い掛かり謙信は一瞬よろめいてしまう。

その一瞬の隙を十兵衛は逃さすはずもなく、十兵衛は謙信の体目掛けて右手の拳を放つ。しかし謙信はとっさに両腕に装着した水の刃を変形させ、大きな円形状の水の盾を作り出した。その水の盾で謙信は十兵衛の拳を防ぎ、十兵衛の拳は水の盾と衝突する。

だが十兵衛の右手は「超」がつくほどの怪力を持っているためか、水の盾で防いでいたはずの謙信の体を水の盾の上から殴り飛ばした。謙信の体は宙を舞い、空中で体制を立て直した謙信は足から地面に着地する。

「まだ足掻くか・・・。小僧、何故そこまでして一文字隼人のことを話そうとしない?」

「答えは1つ!お前のようなドブ川みてぇな水出してくる非道な鮫野郎に・・・隼人のこと話したくねぇからだよ!」

「フン、まともな理由ではないな。話すつもりがないならそれでいい、すぐに殺してやる」

謙信がそう呟いた瞬間、両手に作り出していた水の盾を変形させただの水へと戻す。足元にその水が垂れ落ちたと同時に、謙信の足からロケット噴射の如し勢いで水が放出した。そしてサーフィンのようにその水に乗り、十兵衛目掛けてとてつもない速度で迫った。

既に胸を切り裂かれているため、十兵衛はその体を動かすことが出来ずにいた。避けることも出来ず、攻撃の要たる電気が通用しない謙信に、十兵衛はなす術がない状態だった。それを知っているのか、謙信は一直線に十兵衛に迫る。

「死ね・・・石動十兵衛!」

謙信が十兵衛のすぐ目の前まで来ると、十兵衛に体当たりするような勢いで十兵衛の体を紺色の鮫肌で包まれた両手で捕える。そして鋭い牙がびっしり生えた大きな口を勢いよく開き、十兵衛の鱗に包まれていない左首筋に齧り付いた。

肉を貫き、骨にまで達している謙信の牙がもたらす激痛に断末魔の叫び声を上げる十兵衛。しかしそれでもなお謙信は十兵衛の首筋に齧り付き、血を噴き出す首筋の肉を喰らおうとしていた。

「い・・・ま・・・だあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

十兵衛が断末魔とは違う、力強い叫び声を上げたその瞬間、十兵衛は右手の拳を力強く握り締める。そして謙信の脇腹を超怪力の拳で殴り飛ばした。

「ごあぁっ!!」

首筋に齧り付いていた謙信は脇腹から伝わってきた激痛に短い悲鳴を上げ、十兵衛の首筋から牙を離す。更に全身にまで広がった衝撃が謙信の体に更なる激痛を走らせ、腕の力が抜けてしまったためか捕えていた十兵衛の体を放してしまった。

それによって十兵衛は歩道に倒れ落ち、謙信も全身を走る痛みから歩道に倒れる。左首筋から鮮やかな血を流れ出して苦しむ十兵衛と、脇腹から内臓に衝撃を受けて苦しむ謙信は同時に立ち上がり、互いに睨み合う。

「がっ・・・!この小僧・・・俺に確実に攻撃を喰らわすために・・・わざと俺の攻撃を・・・」

「ハァハァ・・・あれぐれぇしねぇと・・・お前に攻撃できねぇだろうがよ・・・」

「だが・・・貴様も俺も・・・この様だ・・・。次で確実に殺してやる・・・」

「上等・・・!今度こそお前をKOさせてや――――」

十兵衛が次の言葉を口にしようとした、その時だった。

どこか遠くから響く、パトカーのサイレン。その音は徐々にはっきりと聞こえるようになり、パトカーが近づいてくることを意味していた。

「警察か・・・誰かが通報したようだな・・・。警察事は避けるのは・・・校長の命令・・・。貴様を殺しておきたい所だが・・・今日はここまでだ・・・」

謙信が苦しみながらそう言うと、両手の袖からものすごい勢いで真白い霧が噴き出した。その霧は謙信と十兵衛のいる歩道一帯を包み込み、十兵衛の視界から謙信が見えなくなる。

「ま・・・待ちやがれ・・・!まだ・・・終わってねぇぞ・・・!!」

「石動十兵衛・・・貴様の命は必ず取る・・・。それまで・・・首を洗って待っている事だ・・・」

霧の中から謙信の声が響き、十兵衛の目の前から人の気配が消える。それと入れ替わるようにパトカーのサイレンがすぐ傍で近づき、霧で見えない視界のどこかに何台ものパトカーが来ているのを感じた。

やがて霧は風に流されて消えていき、霧で真っ白くなっていた視界が元に戻る。しかしその時には既に謙信の姿はどこにもなく、謙信は十兵衛の前から姿を消し去っていた。

「おい、お前!」

ふとその時、背後から聞いたことのある声が聞こえた。十兵衛が振り向こうとしたのと同時に、その声の主は十兵衛のすぐ傍まで駆けつけた。

その声の主は、馬のマスクを被った四木中学校の主事にしてルシフェル犯罪対策課・英二だった。こっ汚い作業服に身を包んだ英二は、肩から胸にかけての切り傷や首筋の酷い咬みつき傷を負った十兵衛に驚きを隠せずにいる。

「おい、大丈夫か!?どうしたんだこの怪我!?」

「わ、渡辺さん・・・どうしてここに・・・?」

「ルシフェルが歩道で争ってると通報があって駆け付けたんだ。だがまさかお前が争ってたとは・・・」

「あぁそうだ・・・俺、石動十兵衛っす・・・。今度から覚えててくだせぇ・・・」

「そんなこと言ってる場合か!今はこの怪我を治療するのが先だ」

「大丈夫っす・・・。もうほとんど・・・血ぃ止まってるから・・・。でも・・・痛ぇ・・・」

「当たり前だ。こんな怪我、普通の喧嘩じゃあり得ないものだぞ」

「向こうは・・・俺を殺す気で来てたからな・・・。あの鮫野郎・・・俺に傷だけ負わせて逃げやがったぜ・・・」

「鮫・・・?もしかして、魚沼謙信のことか!?」

「えっ・・・?渡辺さん・・・知ってるのか・・・?」

「あぁ知ってるとも。魚沼謙信は何十人もその手にかけてきた凄腕の殺し屋で、10年ぐらい前から行方不明になっていた男だ。俺が昔追いかけていたルシフェルだったんだが、そいつとやり合ってたならお前相当運がいいぞ」

「こ、殺し屋・・・!?おいおい・・・俺はそんな奴とタイマンしてたのか・・・。つか・・・そんな奴が・・・何で隼人の事を・・・?」

十兵衛はそんな疑問を零しながら、魚沼謙信という名の鮫魚人が消えた歩道を眺める。その歩道には、水の使い手が生み出した純水の泉だけが残っていた。










To be continued...

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あとがきコーナー




管:はいはいはーい!とやってきましたあとがきコーナー!ここまでのご拝読、真にありがとうございますm(_ _)m。

魚沼謙信(以後「謙」):これからもGENOMEをよろしく頼む。そして一文字隼人の情報を求む。

管:ちょっwwwwww謙信wwwwwww!!!いきなり登場して隼人の情報求めてんじゃNEEEEEEEEEEEEEEwwwwwwww。

謙:今話ではろくに情報が手に入らなかったからな。ソルジャー1も来たここでならと思って言ってみた。

管:あ、興志郎からここの事聞いたのな(☆w☆;)。なんという情報の速さ・・・w。

謙:まぁそれはどうでもいいとして、早速一文字隼人の情報を公開してもらおう。

管:違うだろおいwwwww(☆Д☆;)。ここはあとがきコーナーだからあとがきを書く所なの!それではあんまり話すとまた長くなるから、早速始めますよー!


父親と母親の悪夢を見る隼人。反ルシフェル運動は解決して平和な時代が訪れたとしても、その爪跡はすぐには治まらない。そんな感情を現しているのがこの場面で、もう顔すら忘れかけている両親のことを今でも想っている隼人の姿が明らかになっています。

そんな隼人はこれまでの疲れが災いしたか、酷い頭痛を起こしてしまう。その事態に明日香は学校を休んで隼人を看ることを決意する。この辺の設定はつい最近になって思いついたもので、後述の場面に繋げるためにどうしても隼人と明日香が休まなければならなかったので、こういう場面となりました。

そんな事があり、十兵衛は隼人と明日香がいない中ごく普通に授業と生徒指導を終わらせ、下校。そしてその時、背後から男(=魚沼謙信)に話しかけられ、水扉街道までつけてきた男と十兵衛が会話する。この水扉街道という道のモチーフは実在する国道である「水戸街道」で、自分の家の近くを通っている道だったりしますw。この道は実際でも交通量が多く、歩行者もそれなりに多いです。ちなみに十兵衛と男が話している時と↓で話す戦闘している時は歩行者は誰もいない設定になっています(いたらあんな戦闘はできませんw)。

魚沼謙信、鮫のルシフェルに変身。このキャラの設定は当初からあり、十兵衛が戦う最初の強敵という形で考えていました。またゲノムコードに「サタンシャーク」とつけたのはただ単に鮫に該当するカッコイイ名前がなかったので、適当に作ってしまいました(ぉぃ。また紺色の鮫肌に覆われていると書いていますが、実際鮫の肌は黒に近かったりします(でも黒だとシャチにもなりかねないので紺色にした感じですw)。

謙信の能力である、体から水を生み出す力は当初から設定していた能力で、鮫のルシフェルとはいえ陸上で戦う事になるので、陸でも戦えるような強い能力を考えていたら思いつきました。この能力は水を生み出すだけでなくその水の形状、硬度(硬さ)を自由自在に変化させ、ロケット噴射のように水を一気に放出したり霧のように水を気体にして放つこともできます。また能力だけでなく変身した体そのものも十分な戦闘能力を持っており、今話の終盤で十兵衛の首筋に齧り付く等、鮫本来の獰猛な攻撃も仕掛けることが出来ます。

十兵衛の首筋に齧り付いていた謙信を十兵衛は超怪力の右手で脇腹を殴り、互いに苦しい状況に陥る。そして互いに最後の一撃を喰らわそうとしたその時、警察のパトカーのサイレンが響き戦いが終わる。しかしこの時、謙信は苦しみながら「警察事を避けるのは校長の命令」と口にしています。これはつまり、魚沼謙信=ソルジャー2ということを明らかにしているのです。

そんな謙信が逃げ去った後、十兵衛の元に通報を受けた英二が駆けつける。2人の会話で謙信が凄腕の殺し屋だったことが明らかになり、謎が深まり始める。果たしてこの後何が起こるのか?それは次回のお楽しみ~。


謙:そういえば疑問があるんだが、俺の名前はどこかで聞いたことがあるような気がするんだが・・・。

管:察しの通り、謙信の名前はかの有名な戦国大名・上杉謙信から拝借してたりする。でもその実、「謙信」という名前より「魚沼」という苗字の方が先に出来てたんだよねぇ(☆w☆ )。

謙:しかし、今どき「謙信」なんて名前の者はいないだろう?どうも名前が古臭い気がするぞ・・・。

管:まぁそこは気にしたら負け。謙信だけじゃなく信長も光秀も秀吉も家康も使おうとすれば使えるんだからYO。

謙:歴史上の人物ばかりではないか・・・。やはり管理人は相当のパクり魔――――。

管:い、言うなあああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!俺の前でそれを・・・・言うなあああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!

バタッ!(気絶)

謙:なんだ?いきなり叫んだと思えば倒れてしまった・・・。まぁ良い、今回のあとがきコーナーはこれで終わりにする。・・・そこにいる貴様、次の話もよろしく頼む。


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