第28話静かな廊下に漂う、冷たい空気。季節は夏に近づき暑くなるはずの廊下だが、今の状況下では仕方のないこと。神校が学校を襲撃し、校内にいた全ての先生や生徒を黙らせて出来た静けさが、廊下だけでなく学校の全てを冷たくさせている。 そんな中、静かな廊下を歩くのはアロハシャツを羽織った興志郎、淡い紫色の長髪を靡かせる露緒羅、そして露緒羅に腕を掴まれながら歩く、強固な表情を見せる明日香。3人は静かな廊下に自分達の足音を響かせ、先へ先へと進んでいく。 「ど、何処連れてく気なのよ・・・!」 「そう緊張すんな。これから行く場所はセキュリティ弄った時に見つけたいい部屋だからよ」 「いい部屋・・?」 「こいつの良い悪いの選別は他の奴より狂ってるからねぇ、あんまりあんたも気にするんじゃないよ」 「何時になくヒドイねぇソルジャー4。・・・おっと、着いたぜ」 そう言うと、興志郎はある教室の扉の前で足を止め、それに釣られて露緒羅と明日香もその足を止める。明日香が扉の上にあるネームプレートを見ると、そこには「特活室(とっかつしつ)」と書かれていた。 特活室というのは属に言う「空き教室」のことで、余った机や椅子がいくつか置かれている部屋。広さは普通の教室と変わらないため、総合学習等の授業で使われることが多い教室である。その教室の扉を開き、3人はその中へと入る。 特活室の中は掃除が行き届いていないためか埃がちらほら目立っているものの、カーテンがないため日差しが万遍なく部屋の中を射し、他の教室よりも比較的明るい。更に部屋の端には古びたピアノまで置かれており、部屋の中に放置された余った机と椅子との不思議な雰囲気を漂わせている。神校が襲撃してきた今の学校の空気とは全く違うその長閑な場所に、明日香は今ある現状を一瞬忘れそうになっていた。 しかし、それは本当に一瞬だった。明日香の腕を掴む露緒羅が傍にあった椅子に明日香を半強引的に座らせ、腕を組んでその横に仁王立つ。それを受けて明日香はすぐに今ある現状を思い出し、再び強固な表情を浮かべた。 「さて、どうだいこの部屋は。最上階の部屋だから日当たり良好、さりげなく置かれたピアノと乱雑した机と椅子のグッドマッチなムード。何処をどう見ても学校内で1番いい部屋だろう」 「・・・どこが?床は埃目立つし、日当たり良好って言ってもカーテンなくて返って眩しいだけじゃない」 「確かに言ってることは正しいねぇ。けど、大人に対してその態度は頂けないわね。少し教育が必要かしら?」 「おいおい、口が悪いのもこの少女のナイスなところだぜ?それよかソルジャー4は妙に子供に対して厳しいが、もしかして子供が嫌いか?」 「フン、ガキはうるさくて大っ嫌いだよ。石動十兵衛といいこのガキといい、この学校にはあたしの癇に障るガキが多くて困るわ」 「フフフ、まぁそれもソルジャー4の良いところ。俺は別に否定はしないさ」 椅子に座らせた明日香を他所に、ごく普通の会話を交わす興志郎と露緒羅。今なら逃げれるのではないか、そう思ってしまう程に平凡な会話を交わす2人だったが、2人の視線は隙を与えることなく明日香を捕え、一瞬たりとも明日香に対して気を許すことは全くなかった。その視線を受けた明日香は、改めてこの2人が神校の幹部であることを実感する。 顔では強固な姿勢を見せているが、2人の監視するような視線を前に明日香は指先1つ動かせない状況に陥っていた。金縛りとも違うその異様な体の異変に明日香は自分が恐怖に襲われていると思い、怖くないと必死に心の中で念じ続ける。 明日香が心の中で怖くないと念じ続けて少し経ったその時、それは起きた。 露緒羅の内ポケットから鳴り響く、甲高く短い呼び出し音。何も色気のない、ただ呼び出すための機械音を耳にした露緒羅は胸ポケットから音の主である小型の無線機を取り出し、教室の端まで移動する。そして通話ボタンを押し、それを口元まで近づけ応答した。 「なんだい?」 「こちら玄関前!リストに乗っていたルシフェルが教室から逃げ出しております!」 「教室・・・あのボウヤか。今そいつはお前達の近くにいるのかい?」 「現在戦闘中です!取り押さえ次第そちらに・・・ぐあぁぁ!!!」 無線機からマシンガンの銃声と電撃の音、そして悲鳴を上げる般若軍の声が雑音混じりに響き、無線を掛けた本人の悲鳴が発した瞬間、その無線は途絶えた。それを耳にした露緒羅はその身に苛立ちを膨らませ、その苛立ちから手にした無線機を力強く握り締める。 「どうした?」 「あいつが逃げだしたよ。あんたの言う一文字隼人に次ぐナイスボーイがね」 「石動十兵衛・・・そうか逃げ出したのか。やっぱりあいつは神校に入学するべき存在のようだ」 「フンッ、あたしにはうざったいクソガキにしか思えないけどね」 「そう言うなって。・・・で、どうするんだ?」 「無線してた部隊があいつにやられたんだ、このまま野放しにはしないわ。あたしが今から行ってくるから、あんたはそのガキと好きにやってればいいわ」 そう言い残すと、露緒羅は苛立ちを表情に出しながら特活室を後にしていった。残された興志郎は呆れた様子で鼻から軽く息を吐き、椅子に座っている明日香に目を向ける。その視線に明日香は強固な表情をそのままにしていたが、興志郎はそれを見て何故か口元に笑みを浮かべた。 「フフフ、強がってる姿を見てるとなかなか面白いものだなぁ」 「な、何よ・・・!私に用があるんでしょ、だったら早く済ませなさいよ」 「そう固くなるなって。君をここに連れてきたのはただ単に隼人君をここに来させるためさ」 「なっ・・・!?」 「それだけかよって顔だな。もちろん、俺はそれだけを思って行動する程馬鹿ではない」 そう言うと、興志郎はゆっくりと1歩ずつ、明日香に近づき始める。近づいてくるのはアロハシャツを羽織ったただの男。しかしそれでも恐怖を感じる。その恐怖によって明日香の強固な表情は少しだけ崩れ始め、それに乗じて指先も恐怖で痺れ始める。興志郎1人しかいないこの状況なら逃げられると思ったか、それとも恐怖に耐えきれなくなったのか、明日香は椅子から立ち上がりその部屋から飛び出そうとする。 だが、その明日香の足元に向けて興志郎は指先から眩く細い光線を放ち、逃げ出そうとした明日香を威勢した。弾丸の如し威力で床に衝突した光線は甲高い音と床に小さな穴を開けさせ、それらが更に明日香を恐怖に陥れた。 「何処に行くつもりだ?俺の許可無しにここから出ようなんて思っちゃダメだなぁ」 「うっ・・・」 「さぁ、座れ。そう、ゆっくりと・・・」 光線を放った人差し指を向けながら、興志郎は静かに、それでいて不気味な声で明日香に椅子に座るよう促す。従わなければ殺される、そう察知した明日香は表情に少しだけ恐怖を浮かべながらゆっくりと椅子に腰掛け、それを見た興志郎は更に明日香に近づく。目の前まで来た興志郎に明日香の表情から強固な態度は消え去り、目の前にいる脅威の象徴に対する恐怖がその表情を侵食していた。 「フフフ、君もそういう顔を見せるんじゃないか。女には興味ないが、これはこれでなかなかいいねぇ」 「う、うるさい・・・!別に、怖くなんか・・・!」 「ほぅ?誰が『怖い顔してる』って言った?」 「そ、それは・・・!」 「そ・れ・に」 興志郎がリズム良くそう呟くと、椅子に座った明日香の顎を、そっと指で持ち上げた。目の前の脅威に触れられたことで明日香の身に宿っていた恐怖は一気に爆発し、表情は恐怖で震え、指先だけでなく手足そのものが痺れ始める。それを見て楽しむかのように興志郎は不気味な笑みを見せ、更に明日香に話しかける。 「怖くないなら、どうして声が震える?怖くないなら、どうして手を動かして俺に抵抗しない?」 「う・・・ぁ・・・」 「当ててあげようか。君は今、目の前にいる俺を恐れている。だから強がって出した声も震えてるし、俺に抵抗できず手も足も出ない。そうだろ?」 「うっ・・・ぅ・・・」 「俺は女に興味はないと言っているが、その気になれば女が相手でも楽しむことが出来る。もちろん相手が男の方が俄然やる気になるから、あくまでそれなりに、だ」 「ぃ・・・ゃ・・・」 「さぁ・・・どうやって遊んであげようか。フフ、フフフフフ・・・」 恐怖。目の前で不気味な笑みを浮かべる興志郎に抱いた、明日香の心の中の存在。それは明日香の体を侵食するように全身に痺れとなって広がり、その身も心も、明日香は興志郎に対する恐怖に襲われていた。 手足の言う事が効かない。体中から鳥肌が立つ。冷たく嫌な汗をかく。全身に恐怖が滲み出た明日香はついに涙を流し始め、身に広がる恐怖に怯え、そして祈った。 (隼人・・・助けて・・・!!) 願ったのは助け。助けを求めたのは、幼馴染で大好きな隼人。巨大化した黒い手と蝙蝠の翼を生やした、悪魔のようにカッコイイ隼人が脳裏に浮かび、身に広がる恐怖に明日香はただただ、その隼人に祈り続ける。 そして、その時だった。 「明日香ぁぁぁ!!」 突如窓から響いた、少年の叫び声。その声に興志郎と明日香が窓の方へ顔を向けた瞬間、轟音と共に窓が突き破られ、そして間髪入れずに興志郎の体が吹き飛び、その凄まじい衝撃に興志郎の体はそのまま壁を突き破った。それによって部屋に粉塵が巻き上がり、明日香は視界を封じられる。 しかし、目の前で起きた一瞬の出来事が何だったのか、明日香はわかっていた。興志郎は外からやって来たある少年によって吹き飛ばされ、そしてその少年は、自分のすぐ目の前にいることを。 巻き上がっていた粉塵が徐々に消えて行き、封じられていた明日香の視界も少しずつ元に戻っていく。やがて明日香の目の前にぼんやりと人影が姿を現し、それは少しずつはっきりと姿を現す。そこにいた人物に、明日香は自分が見た光景が間違いでなかったことを確信した。 興志郎を吹き飛ばし、今目の前にいる少年。それは、黒い両手を巨大化させ、背中から蝙蝠の翼を生やした隼人。 粉塵の中から姿を見せた隼人は傍にいる椅子に座った明日香を見ると、すぐさまその体を明日香の方へと向け、心配そうな表情で明日香に声を掛けた。 「明日香、大丈夫!?」 「は・・・やと・・・」 「怪我とか痛いところとかない!?それよりどうして明日香がこんなとこ――――」 心配そうな表情で声をかけていた隼人の言葉を制して明日香は隼人に跳びかかり、そして、その体に抱きついた。突然の行為に動揺を隠しきれない隼人だったが、それを他所に明日香は隼人の肩に顔を押し付け、泣きながら隼人の体に自分の体を密着させる。 そして、明日香は大きな声で叫んだ。 「どこに行ってたのよ!!あんたがいなくて・・・どれだけ心配してたと思ってんのよ!!」 「明日香・・・」 「ぅう・・・怖かったんだから・・・すごく、怖かったんだからぁぁぁぁ!!」 身に広がっていた恐怖を吐き出すかのように、明日香は隼人の肩に顔を押し付けながら泣き叫ぶ。Yシャツ越しから感じる涙の感触と明日香の温もりを受け、隼人は明日香が受けた恐怖がどれだけ大きなものだったかを実感する。大事な幼馴染の恐怖を受け、隼人は正直な気持ちでそれに答える。 「・・・ごめん。明日香を、怖い思いさせて・・・」 「ぅっく・・・馬鹿・・・隼人の、馬鹿ぁ・・・!」 「もう怖がらせないから・・・もう絶対に・・・明日香から、離れないから・・・」 「ぅん・・・離れないで・・・ずっと・・・離れないでよぉ・・・!」 いつもとは違う明日香の正直な言葉を聞きながら、隼人は明日香の温もりと涙の感触を受け続ける。絶対に離れない、やがてその気持ちを体で表現したくなった隼人は黒く荒々しい皮膚に覆われた巨大な両手で明日香の体を抱きしめ、その両掌で明日香の体を優しく包み込んだ。ゴツゴツとした巨大な両手の感触とその両手から感じる温もりに包まれた明日香は、涙を流しながら安堵の表情を浮かべ、温かく優しい温もりの中で明日香は零れる涙を流し続けた。 だが、その時だった。粉塵が巻き上がる突き破られた壁から眩い光が発し、その光が隼人と明日香を照らす。その光に「危険」を感じ取った隼人は明日香を抱きしめたまま翼を羽ばたかせ、自分が突き破った窓から外へと飛び出す。そしてそれと同時に、壁から巨大な光線が放たれた。 発射された巨大な光線は部屋の机や椅子を破壊し、隼人を追うように窓を突き破る。隼人はとっさに翼を羽ばたき上空へと上昇していたため光線はその足元を通り、隼人の足元を通過した光線は空の彼方へと消えていく。それを確かめながら隼人は上空へと上昇を続け、学校の屋上へとその足を着地させる。 抱きしめていた明日香も屋上に立たせると、隼人は明日香の体を離し、明日香の顔を見た。 「明日香、大丈夫?」 「ヘ、平気・・・。でも、何があったの・・・?」 「あの人が光線を撃ったんだ。なんとか避けれたけど、もし遅れてたら――――」 「フフフ、やっと来たねぇ、隼人君」 隼人と明日香の頭上高くに広がる上空から声が発したと同時に、2人の体を大きな人影が覆った。その影は背中から巨大な翼を生やしており、屋上に映し出されたそのシルエットは天使の姿。その影を出す本人がいるだろう上空を、隼人と明日香は見上げる。 2人が見上げた先にいる人物は、アロハシャツを脱ぎ去り刺青のような白い模様が入った裸の上半身を晒し、背中から巨大な白鳥の翼を生やした興志郎。太陽を背に堂々と空に立つその姿は正に天使と言わざるを得ず、その神々しさに2人は圧倒されていた。 しかし、隼人は圧倒された気を立ち直らせ、明日香の前に立ち巨大化した手のツメを上空にいる興志郎に向ける。その戦う姿勢を見せる隼人に、興志郎は口元に笑みを浮かべた。 「随分やる気があるみたいだなぁ。この俺に惚れたのかな?」 「違います。僕はあなた達神校を倒すことを決めた。だから真っ向から立ち向かうだけです」 「ほぉ~、俺が見ない間にえらく逞しくなったもんだ。もしかしてソルジャー3の死が影響しちまったか?」 「勤二さんの影響も確かにあります。でも、それと同じぐらいに、学校を襲って、僕の友達や、僕の大事な幼馴染を危険な目に合わせたあなた達が許せない気持ちもある!」 「隼人・・・」 「だから、僕は全力であなた達に挑む!そして、あなたを・・・逮捕する!」 「フフフ・・・アーッハッハッハッハ!これは傑作だ。いいだろう、俺も君と楽しみたいと思っていた所だ。さぁ来い、この俺を極限まで楽しませてくれ」 不気味な笑みと共に呟いた興志郎は隼人にかかって来いと促すように指を動かし、明日香の前に立つ隼人をじっと見下ろす。それを見た隼人は視線だけを明日香の方へ向け、視線をそのままに明日香に話しかけた。 「明日香、絶対ここから動かないでね、危ないから」 「・・・隼人」 「ん?」 「・・・負けないでよね」 「・・・うん」 明日香の言葉に頷きながらそう答え、隼人は視線を再び上空にいる興志郎の方へ向ける。そして、背中の翼を力強く羽ばたき、隼人は興志郎のいる上空へと一気に飛び立った。 蝙蝠の翼で空を飛翔した隼人は一直線に興志郎のいる上空まで上昇し、とてつもない勢いで興志郎に迫る。興志郎のすぐ目の前まで来た隼人は興志郎の体を捕えんと勢いよく巨大な右手を突き出すが、興志郎はそれを読んでいたかの如くその場から横へと飛翔しそれを避ける。 隼人はすぐさまその後を追おうとしたが、その瞬間、興志郎は隼人を指差し、その指先から光を放った。 「フィンガー・・・フラッシュ」 そう呟いた瞬間、興志郎の指先から紐の如く細い光線が放たれた。発射された白い光線を前に隼人はとっさに体を捻らせ、胸元のネクタイすれすれのところで興志郎の光線を回避する。光線が学校を通り過ぎ空の彼方へと消えたと同時に隼人はその場から上昇しながら興志郎から距離を離し、興志郎を中心にその周りを旋回し始めた。 興志郎の光線は威力も速さも強力なものだが、一直線にしか進まない。ならば興志郎を軸にして光線を避け、徐々に近づき捕える。それが隼人が考えついた興志郎への対策であり、その方法で以前河川敷で戦った時は興志郎を捕えることが出来ていた。 だが、その隼人を目の当たりにしても興志郎の表情に変化が現れることはなく、余裕の笑みを浮かべていた。 「俺の光を恐れての対応か。なるほど、初めて戦った時と変わってないなぁ。けど、その程度の動きじゃ、俺の光からは逃れられないぜ?」 そう呟くと、興志郎は余裕の笑みから不気味な笑みへとその笑みを変え、両手を軽く広げ始める。すると、その両手から光が発し始め、白い模様が浮かび上がった自信の体を明るく照らす。 「ホーミング・・・スターダスト」 興志郎の声が上空に小さく響いた瞬間、光を放つ両手から細い光線が幾つも発射され、それは一直線に興志郎の頭上へと上昇した。一直線に飛んで行ったざっと数えて8つはあろう細い光線に、隼人は疑問を抱く。 だが、その瞬間上空へと上昇した光線は生き物のように突如動きだし、一斉に隼人の方へ襲いかかった。突如進路を変えた光線に驚きを隠せないでいた隼人だったが、迫りくる光線達に隼人は旋回しながら上昇し、それを避けようとする。しかし、その隼人の軌道をなぞるように光線達は隼人を追跡し、動きまわる隼人を執拗に追いかけていた。 「くっ・・・なんなんだ、この光線・・・!」 「フフフ、苦しんでるようだなぁ隼人君。その光は俺の力が強く込められた追跡型の光。狙いを定めた相手に当たるまで、そいつらは追いかけていくぜ?」 隼人の姿を見て興志郎はそう呟く間も、隼人は後をつけてくる光線達から逃げ回っていた。もはや意思を持っていると言っても過言ではないその光線を背後に、隼人は追跡してくる光線をどう退けるか考えていた。どんなに逃げても追いかけ、相手を射抜く光線。自分の背後を追いかける光線を改めて意識した時、隼人はある方法を思いついた。そして、それを実行する。 隼人は飛翔する速度を上げ、眼下に見える体育館の屋上まで降下する。以前学校に飛来したGとの戦闘で破損した壁が目立つその体育館の屋上まで降下した隼人は、その後を追いかけてきた光線の方へ体を向け、光線が近づいてくるのを待つ。接近した光線が隼人の体を射抜こうとするその瞬間、隼人はその場から勢いよく横へ飛翔した。 すると、隼人を追いかけようとした光線は射ぬこうとした直前に動きだした隼人を追いかけるのに間に合わず、体育館の屋根に次々と直撃した。追跡する光線達を退けることに成功した隼人は興志郎がいるだろう上空へ上昇し、興志郎がいた場所に視線を向ける。 しかし、そこに興志郎の姿はなかった。慌てて隼人は辺りを見回すが、何処にも興志郎の姿はない。 「ムーンライト・・・ブレード」 後方から発した声に気づき、すぐさま隼人は背後を振り向く。振り向いた隼人の瞳が映したのは、白い模様が浮かび上がった右腕から光を放ち、その光で剣のような長い光の刃を作り出した興志郎が隼人目掛けて突進して来ている姿だった。光輝く剣と一体化したかのような右腕を構え、隼人の目の前まで接近した興志郎はその右腕を素早く振り下ろす。 迫りくる光の刃に隼人はとっさに巨大化した手のツメを振り上げ、硬質のツメで興志郎の攻撃を防ぐ。グォンッ!と鈍い音を立てながらツメと光の刃は激突し、ツメに防がれる光の刃がツメと隼人の体を明るく照らす。そんな中、興志郎は自らの攻撃を防いだツメに驚きを見せていた。 「ほぉ。そのツメがクソ硬いのは知っていたが、俺のムーンライトブレードを防ぎきる程とは思わなかったなぁ」 「このツメは、鋼よりも硬い断罪の爪。あなたのような悪を倒すためにある、僕のただ1つの武器です」 「なるほどねぇ。そいつは結構だが、懐がガラ空きだぜ?」 興志郎がそう答えた瞬間、興志郎は隼人の腹部に蹴りを放った。力強い強烈な蹴りを受けた隼人は苦い声を上げ、その体は後方へと吹き飛ぶ。その吹き飛ぶ勢いを止めようと隼人は力強く何度も翼を羽ばたかせ、空中で姿勢を立て直す。 そんな隼人が興志郎の方へ顔を向けると、興志郎は光の刃を作り出していた右腕から光を無くし、その右手で学校の屋上にいる明日香を指差し始めていた。指差された明日香は興志郎に突然指差されたことに驚いた表情を見せている。 その光景に隼人が嫌な予感を感じた時、興志郎はその口を開く。 「うん、隼人君は基本的に強いことに間違いはないが、まだまだ足りない部分があるなぁ」 「な、何が言いたいんですか・・・」 「簡単に言えば、君はまだまだ甘いということだよ。さっきも攻撃を防いだだけで満足しているし、前の河川敷の時も俺を捕えて満足していた。この先もそれだと自分も他人も危うくすることになるのさ」 「僕は甘くありません・・・。大人と比べたらまだ弱い所があるかもしれないけど・・・僕は悪が相手ならいつでも全力です」 「甘くはないねぇ。じゃあこれから5秒後にあの少女を殺すと言ったら、君は俺と彼女のどちらを選ぶ?」 「なっ!?」 興志郎の呟いた言葉に、隼人は驚きの余り声を上げる。その直後、明日香を指差す興志郎の指先から光が発し始める。 「河川敷の時は少女の方を選んだが、今回も自分の甘さを突き進んで少女を選ぶか?それとも、自分の甘さを押し殺して俺を捕える事を選ぶか?」 「え、選ぶって・・・そんなの・・・!」 「さぁ、決めるのは隼人君、君自身だぞ?5・・・4・・・」 そう答え、カウントを始める興志郎。それを耳にした隼人は慌てて明日香に逃げるように叫ぼうとしたが、明日香は指先を光らせた興志郎を前に恐怖で動けなくなっていた。その間にも、カウントは刻々と進んでいく。 ――――時間がない! 決意を固め、隼人は明日香の元へ一気に急降下する。興志郎を捕えに行っても明日香を射抜くのは目に見えている。そして、明日香を傷つけたくない。そう思っての隼人の行動だった。 「2・・・1・・・0」 カウントが0になったと同時に、興志郎の指先から細い光線が発射された。弾丸の如し勢いで光線が明日香に襲いかかった時、急降下してきた隼人が明日香の体を抱えてその場から屋上に転がり込む。やがて勢いが無くなり明日香を抱えていた隼人の体は転がるのを止め、隼人はゆっくりと両手を開き明日香の様子を見る。 巨大な両手と隼人の体に覆われていたため、明日香は無傷で済んでいた。それを確かめたと同時に明日香は体を起こし、それに乗じて隼人も体を起こす。 「は、隼人・・・」 「無事みたいだね、明日香・・・」 「ごめん・・・あの時、私が逃げてれば・・・」 「いや、それはいいんだ・・・。僕の方が悪いんだから・・・・・つっ!」 「隼人・・・!?」 小さく短い悲痛な声を発し、悲痛の表情を浮かべた隼人に、明日香は心配そうに隼人の様子を伺う。そしてふと足を見ると、灰色のズボンの左太腿の部分が血で滲んでいた。明日香を助ける際に、興志郎が放った光線が隼人の左太腿を掠めていたのだ。 「隼人、この傷っ!」 「へ、平気だよ・・・。ちょっと・・・掠っただけだから」 「でも血がすごいじゃない!こんな怪我してまで・・・私を・・・」 「フフフ、言っただろう?甘さは自分も他人も危うくすることになるって」 上空から発した興志郎の声に、2人はその視線を上空にいる興志郎の方へと向ける。神々しい天使の姿をそのままに興志郎は不敵の笑みを浮かべ、地面に膝をつけて立ち上がろうとする隼人を見ながらその体を屋上の近くまでゆっくりと降下させる。 その姿を見た隼人は左太腿の痛みに歯を食いしばり立ち上がり、痛む足を動かして明日香の目の前に立つ。屋上のすぐ傍で飛行する興志郎を前に隼人は痛みで歪む瞳を鋭く睨ませ、興志郎に闘気を叩き込む中、興志郎は不敵の笑みを浮かべながらその口を開く。 「身をもって感じただろう?自分の甘さが危険に繋がることを。神校に入学したらまずはその甘さを取り除くことから教え込まないとなぁ」 「僕は・・・神校の手には落ちない。それはあなたも分かってることじゃないですか」 「そうだねぇ、だからこそ君を動けなくする程に力を出してこうして挑んでいるわけだ。けど君も随分がんばるねぇ。その足の傷は浅くはねぇのに、まだ戦う気でいるんだから」 「・・・目の前に悪がいるのに、諦めるはずがないです」 「フフフ、それにしても頑固過ぎるだろ?何か理由があるのか、それとも、ルシフェル犯罪対策課で悪に対して頑固になれって教わったのか?」 「それに近いことは教わってます。でも、何よりもここまで出来るのは・・・・・僕の大事な、明日香を傷つけようとしたあなたが許せないからだ!」 「は、隼人・・・」 「だから僕は最後まで諦めない!例えこの体が、どんなに傷ついても!」 それは、隼人の悪を倒すという強い気持ちが込められた言葉だった。興志郎を睨む視線から叩き込まれる闘気と隼人の言葉が混ざり合い、興志郎に目には見えない圧力が襲い掛かる。 しかし、興志郎はそれを喜々と感じていた。表情を綻ばせ、微笑する興志郎は、戦う姿勢を見せる隼人を目にして言葉を発す。 「フフフ、さっきも言ったことだが、随分と逞しくなったもんだ。そんな君は俺のタイプだが、そろそろ眠りについて貰おうか」 そう呟き、興志郎は自分の目の前で両手の手首を合わせ、その状態で掌を開く。漫画に出てきそうなその姿勢を見て、隼人は河川敷で戦った時に見せた興志郎の「光」を思いだす。 「明日香、すぐここから離れて」 「またあいつ・・・何かするの?」 「うん。今までのよりも、ずっと強いことをする・・・。だから、すぐここから離れるんだ」 「ま、待って!それじゃ隼人は・・・大丈夫なの?」 「・・・僕は負けない。勝って、また明日香の傍に戻るから」 「隼人・・・」 「だから・・・今は僕を信じて」 「・・・・・うん!」 強く頷きながら明日香は答え、隼人の背後にいた明日香は走りその場から距離を離す。屋上の端まで明日香が離れたのを確かめると、隼人は再び興志郎を睨み、黒く荒々しい皮膚に包まれた巨大な手を構えた。 「やっぱりあの少女を離させたか。フフ、大分君の行動が読めるようになったなぁ。だが、あの少女を学校の外に避難させなくてよかったのか?俺の光はその気になれば、この屋上を吹き飛ばすことだって出来るんだぜ?」 「・・・あなたがどんな強い光を出そうと、僕にはこのツメがある。このツメは鋼よりも硬い断罪の爪。このツメがある限り・・・僕は、悪に負けません」 「ほほぅ・・・ならそのツメ、俺の光で打ち砕いてやろう」 そう呟き、興志郎の手首を合わせた状態で開いた両手から光が発し始める。掌で輝く光が興志郎の体を照らした時、興志郎は自身が持つ最強の光を放った。 「フラッシュ・・・ブラスター」 興志郎の声が発した瞬間、光を発していた両手から凄まじく巨大な光線が放たれた。人の身の丈はあろうその極太の光線はとてつもない勢いと音を立てながら隼人に迫り、隼人が足をつけている屋上ごと吹き飛ばそうとする。だが、迫りくる巨大な光線を前に、隼人が怯むことはなかった。 光線の光によって全身が照らされた時、隼人は両手の巨大なツメを自分の体を覆うように構え、光線を防ぐ体制を見せる。興志郎の作り出した光の刃が防げたなら、この巨大な光線も防げるはず。そう思っての隼人の行動であり、隼人はその行動に自信を持っていた。そして、隼人のツメに巨大な光線が直撃する。 「ぐっ・・・!」 両手に生じる凄まじい衝撃と、瞼をも通過する強烈な光に、隼人は苦い声を発した。大きなハンマーで殴られているかのような衝撃と、間近でスポットライトを浴びているかのような強烈な光が止むことなく隼人に襲いかかり、隼人は立っていられるのがやっとな程だった。 しかし、明日香を助ける際に生じた左太腿の傷が力む隼人の邪魔をし、光線を防ぐ体を力強く支える左足が震え始める。その震えは滲み出るような痛みをも伴わせ、立っているのがやっとな隼人の体を微弱ながら揺らぐらせていた。力が入りにくくなった足に隼人は苦しい表情を浮かべ、諦めまいと力強く歯を食いしばる。 そして、その時だった。 「頑張って、隼人!!」 遠くの方から響いたのは、少女の声。はっきりと聞こえたその声に隼人が声がした方に視線を向けると、そこにいたのは明日香だった。 明日香はこれでもかというぐらい大きな声を上げ、苦しむ隼人に声を送っていた。 「負けないで、隼人!!あいつを倒すまで、絶対諦めないで!!」 興志郎に負けないで。その気持ちが込められた言葉は、隼人の耳の奥にまで響いていた。遠くまで聞こえるほどの声を上げてくれた明日香の声に、隼人は不思議と体に力が漲ってきていた。 (負けるわけにいかない・・・!学校のためにも、みんなのためにも、明日香の・・・僕の大事な、明日香のためにも!!) 心の中で力強く声を上げると、隼人は隼人は背中から生えた巨大な蝙蝠の翼を力強く羽ばたかせ、それに乗じて一歩ずつ足を前へと動かした。ツメで防いでいる巨大な光線を押し戻すかのように力強く前へと歩む隼人に、光線を放っていた興志郎は驚愕する。 「馬鹿な・・・怪我している隼人君の何処からこんな力が・・・!」 「ぐっ・・・は・・・ぁ・・・・・あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 喉から飛び出す雄叫びを轟かせ、隼人は光線を押し戻す歩みを速くさせる。その足は次第に歩みから駆け足へと変わり、やがて翼を羽ばたかせて空を飛んだ。力強い飛翔によって興志郎の光線はみるみるうちに押し戻され、隼人と興志郎の距離は徐々に縮まっていく。 「んぐっ・・・!このままじゃ・・・光の衝撃が・・・こっちに来ちまう・・・!」 「はあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 光線を押し戻し、雄叫びを上げながら力強く飛翔する隼人に、興志郎は驚きと焦りの混沌した表情を浮かべる。そうしている間にも隼人と興志郎の距離は更に短くなり、その距離は目と鼻の先にまで近づいていた。全力を持って放った光線が押し戻されている状態にもはや興志郎はどうすることも出来ず、ついに隼人は興志郎の目の前まで接近する。 そして、隼人の巨大なツメは興志郎の両手に達し、興志郎の放った巨大な光線は完璧に押し戻された。隼人と興志郎の間から光が消え、刹那に時が止まる。 瞬間、興志郎の体は押し戻された巨大な光線の衝撃を受け、勢いよく上空に吹き飛んだ。全身を襲った衝撃は興志郎の体を痛めつけ、その口から真紅の血と断末魔の叫び声を吐き出させる。 その興志郎を捕えようと、隼人は上空に吹き飛んだ興志郎目掛けて勢いよく飛翔し、口元を血で汚した興志郎の体を黒く巨大な手で握り取る。興志郎をその手に捕えた隼人はそのまま一気に屋上まで降下し、興志郎を掴む手を高く上げる。 「はあぁぁっ!!」 その気合いの声と共に隼人は屋上に勢いよく着地し、そして、手にした興志郎の体を屋上に叩きつけた。巨大な手が誇る怪力によって屋上の地面は見事に砕け、興志郎は2度目の断末魔の叫びを上げる。 隼人は息を荒くさせながら興志郎を叩きつけた手をずらし、叩きつけた興志郎の様子を見る。口元を血で汚した興志郎の翼は叩きつけられたことによって酷く折れ曲がっており、純白だった翼は傷だらけの血みどろな翼へと変貌している。更に光線の衝撃を受けたことによって呼吸器官に異常が起きたのか興志郎の呼吸は歪な音を立てており、確かめるまでもなく興志郎は重傷を負っていた。 しかし、その時だった。 「フ・・・フフ・・・」 その微笑は、興志郎のものだった。満身創痍にも関わらず声を発した興志郎に、隼人は驚きを隠せずにいた。それを他所に、興志郎は更に声を発する。 「・・・まだ生きてたかって・・・顔してるなぁ・・・隼人君・・・」 「そんなこと思ってないです・・・。でも・・・声が出せるとは思いませんでした・・・」 「フフ・・・フ・・・俺は・・・そこらにいる・・・下等なルシフェルじゃ・・・ねぇからなぁ・・・。だが・・・こんなことなら・・・自殺しちまった方が・・・楽かもしんねぇなぁ・・・」 「させませんよ、興志郎さん・・・。もしそうしようとしたら・・・脇の下を蹴って気絶させます・・・」 「おっかねぇ・・・こと・・・するなぁ・・・。だが・・・そんな君も・・・俺のタイプだ・・・」 「・・・興志郎さん、あなたを・・・・・・逮捕します」 「フッ・・・だが・・・俺がいなくなっても・・・神校は・・・崩れない・・・。あの・・・校長がいる・・・限り・・・」 「ど、どういうことですか・・・?」 「ふ・・・古い地球は・・・やがて死ぬ・・・。それは・・・運命ではなく・・・・・必・・・・・然・・・・・」 興志郎は最後の力を振り絞りそう答えると、微かに開いていた瞳を閉じ、気を失った。光線の衝撃を受けて体に蓄積されたそれに、体が耐えきれなくなったのだ。歪な呼吸をしながら倒れる興志郎を前に、隼人は神妙な顔を見せる。 「隼人!」 遠くから発した明日香の声に、隼人はその顔を向ける。それと同時に距離を離していた明日香が隼人の傍まで駆け寄り、心配そうに隼人のことを見つめる。 「大丈夫なの、隼人?」 「うん、なんとか・・・」 「そう、良かった・・・」 「・・・さっきはありがとね、明日香。声、ちゃんと聞こえてたよ」 「あ、あれは・・・その・・・べ、別にいいわよ!」 突然の隼人の感謝の言葉に明日香は頬を赤くし、照れている自分の顔を見せまいと隼人から顔を逸らす。その時、明日香の目に倒れた興志郎の姿が映った。 「こいつ・・・死んでるの・・・?」 「ううん、気絶してるだけ・・・。もう体もボロボロで、意識を保つのが限界だったんだ」 「そう・・・。でも、これで神校の幹部が1人減ったわね」 「そうだね・・・。だけど・・・」 「だけど?」 「・・・ううん、何でも無い。それより、これからどうするかを考えないと」 そう答え、隼人はこれからどう行動すればよいかを考える。傍にいた明日香も隼人と一緒に考え、神校の襲撃にあった学校での行動に頭を働かせていく。 その中で、隼人は興志郎が言い残した言葉を気にしていた。 ――――古い地球はやがて死ぬ。それは運命ではなく、必然。 To be continued... メニューへ 管:はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!毎度ながらやってきましたあとがきコーナー!ここまでのご拝読、真にありがとうございますm(_ _)m。 興:これからもGENOMEをよろしくだぜ、ナイスリーダーズ(ナイスな読者達)。 管:ちょっwwwwww(☆Д☆;)。ガチホモ天使の天魔興志郎が来たのかYOwwwwww。 興:来たのかって、今話の主役は俺だろ?来て当然じゃないか。 管:いやいや主役はいつも隼人か十兵衛か英二って決まってるからwwww!そりゃあボス的な意味ではある意味主役だろうが・・・。 興:ほう、ボス的な意味で俺とやりたいとは、相変わらず味のある管理人だ。 管:だからどう聞き間違えればそうなるんだよwwwwwww(☆Д☆;)。えぇいこのままでは話が終わらん、勝手だがあとがきコーナーを始めるぞ! 今話は「神校バトル イン 四木中学校」の中盤、隼人対興志郎を描いた話になっており、以前から(というよりも当初から)考えていた設定がたくさん出てきています。まぁ属にいうボス戦場面なので、当たり前と言ったら当たり前なのですが・・・w。 そんな今話の最初は、明日香が興志郎と露緒羅と共に特活室までやってくる所から。ここで登場する特活室は自分が通っていた中学校に実在した教室で、実際も幾つかの机と存在理由が不明なピアノが置かれていました。その部屋の様子をそのままこっちで使ってしまっているわけですが、多分問題ないでしょう^w^(蹴。 で、その特活室で無線を受けた露緒羅が退室した後、明日香と興志郎の会話が始まる。この辺で明日香が恐怖に怯える姿が描かれるのですが、これは以前から考えていた設定で、いつも強気な明日香が本当に恐怖で怯える所をイメージしていました。ちなみに、ここで興志郎が「女が相手でも楽しめる・・・」と言っているのですが、これはただ明日香を怖がらせるために言ったものであり本当にそう出来るわけではありません(なんせ超がつくほどのゲイなのでw)。 その明日香の元に、窓を突き破り隼人が駆けつける。そして興志郎を吹き飛ばした隼人に明日香は抱きつき、自分の身に宿った恐怖を隼人にぶつける。この場面は↑の設定よりも前の当初に考えていたもので、その当時は場所が正確に定まっておらず、窓を突き破って助けに来た隼人に抱きつくという感じでしか構築されていませんでしたw。ですが話が進んで行きこの学校襲撃の設定が生まれ、それとこの設定を合わせることにしたわけです。 吹き飛ばされた興志郎の光線を避けるために明日香を抱えて外へ飛び出し、屋上についた隼人。そしてそこへやって来た興志郎と隼人は対戦する。この辺の設定も当初からあったものなのですが、当初の設定では興志郎とは市街地で戦う予定でした。というのも浅草の事件で出てきた勤二の立場がその当時は興志郎になっており、学校を襲撃するのは勤二の方だったためです。しかし話の展開上先に勤二がいなくならないといけない感じになり、現在の形になりました。 興志郎と戦闘する場面で登場する技として第4話で登場した「フィンガーフラッシュ」「フラッシュブラスター」とは別に、追跡光線「ホーミングスターダスト」、光の刃「ムーンライトブレード」が登場します。この技については実はつい最近になって思いついたもので、モチーフはそれぞれ別のものから来ています。まずホーミングスターダストのモチーフは魔法少女リリカルなのはで登場した「アクセルシューター」(アクセルシュートだったかも・・・)。名前については遊戯王のカード「スターダストドラゴン」のスターダストをいただいたりしてます。で、ムーンライトブレードのモチーフは前作、前々作で登場したトーカ=リグナンの使っていた白魔法「サンライトソード」。名前は適当ですが、見た目はあえてサンライトソードと似た作りにしています。 そんな興志郎の最強の技「フラッシュブラスター」を前に、隼人はツメでそれを防ぎ、そして押し戻す。この倒し方は実はつい最近になって思いついたもので、それまではどうにかして屋上に叩きつけて倒す、というものでした。叩きつける設定は本編で現れているのですが、事実上興志郎の敗因は屋上に叩きつけられたことではなく、フラッシュブラスターを押し戻されてしまったことになっています。 興志郎を倒し、最後に言い残した言葉を気に掛ける隼人。その言葉は、以前(第17話)で魚沼謙信が口にしていた言葉・・・。そんな中、学校にいるソルジャーは露緒羅ただ1人。果たしてこの後どうなるのか。それは次回のお楽しみ~。 興:や・ら・な・い・か? 管:っていきなり何言い出してんだよお前はwwwwww(☆Д☆;)。阿○高○もビックリだぞwww。 興:いやいや、俺の設定が色濃くてついついやっちまいたい気分になっただけさ。あんまり気にしないでくれ。 管:そこは気にするだろ普通www。いきなり「やらないか?」とか言われて気にしない方がおかしいだろうがwww。 興:ほぅ、そんなに言うなら、一発やってやろうか?フフフ^w^。 管:ちょ、やめ(☆Д☆;) ズキュンズキュンズキュンズキュンフタエノキワミアーッ!!(ガチホモプレイ中) 管:もう・・・ダメぽ・・・。 バタッ!(気絶) 興:おいおい管理人、もうダウンしちまうのか?全く、なら仕方無い。とりあえずあとがきコーナーだけでも終わらせておこう。俺はもう登場しなくなるから最後ぐらいビシッと終わらせたいしな。 それでは皆さん、次の話でまた会おう。 |