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休憩場

休憩場

第5話

第5話











クシャルの案内で街を歩くこと数十分。俺達は目的地であるショッピングモールに辿り着いた。

どんな場所かと言うと、一言で言えば馬鹿でかい建物だった。俺の体に匹敵するほどのでかい建物に俺が寝転んでも尻尾まで収まりきれそうなほど広い屋外駐車場、更にクシャルが言っていた通り蟻の軍団のような数の人間がそこに群がっていた。

そのでかい建物と莫大な人間の数に、俺の肩に乗っていたチィは驚きを露にしていた。

「すっごーい、人間がたくさんいるぅ」

「でしょでしょー!あたいがこの街に来て最初に見つけた場所なんだからー!皆も驚いてくれなきゃねー!」

「わしも何ヶ月もこの辺に住んどったが、こんな建物があるとは知らんかったのぉ」

「つかなんでオレ達こんな場所に気づかなかったんだ?」

「知るかし」

メキドの言葉に即答した俺だが、確かになんでこんな場所に気づかなかったのだろうかと疑問に思わなくはない。これだけ人が集まる場所ならばすぐに気づくような気もするが・・・どうやら神様は自分で幸福を探せと言っているんだろう、神様なんて信じてないけど。

しかし、ここは本当にすごい場所だ。ショッピングモールの入り口と思わしきでかい自動ドアの周辺にいる人間達だけで食える人間が軽く百の桁に達している。今ここでリビングを張って皆で飯にあり付いたとしても1体当たり約20人は食える計算になる。これはすごい。

だが・・・。

「飯は有り触れておる。人化けしてるときは人間と戯れながら食うのがベストじゃ」

あぁ・・・やっぱり言うかこのクソ婆。これだけの飯を前にして1人1人ちまちま食えっていう意味不明なことを。まぁ今回のメインは飯ではなくあくまで人化けして遊ぶこと。人化けして人間と絡み、こっそりと最小規模のリビングを張ってその人間だけを食うという行動のため、あんまりがっつくなということなのだろう。

だが、俺はいいにしてもメキドはそうも行かないようで・・・。

「はぁ!?一気に食っちゃいけねぇってか!?」

とまぁ当然の反応を示した。だがオルガは慣れた様子でこう返事した。

「人化けは特定の人喰魔に与えられた能力じゃ。それを有効に生かす為にも、人間と戯れながら食うのが良いのじゃ」

「いやいや、答えになってねぇんだけど!?」

「あ?なんか言ったかのぉ?」

「大いに言ってるだろ!俺の疑問に対してまるで答えになってね――――」

「ほぉ、ならその体に染み付くようにみっちり教えてあげていいんじゃよぉ?そうじゃのぉ、まずその厄介な口を後頭部に達するまで引き裂いてやるわい」

「ごめんなさい十分わかりましたオルガ様」

流石のメキドもオルガ相手に屈したようだ。このクソ婆は有言実行な人喰魔だから一度何かすると何をしでかすかわかったもんじゃない。

「さてさて、いつまでもこんな所で立ち話もあれじゃし、さっさと中に入ろうではないか、ウオッホッホ」

そんな陽気なことを言いながらオルガは我先にとショッピングモールの入り口へと向かい、それを追うようにクシャルが駆け足で入り口へと向かう。俺とメキドもその後を追うように入り口へと赴き、そして・・・。

「ドルト・・・マジオルガって何もんなんだよ?」

「知ってたら俺もこんな苦労しないし」

とメキドの愚痴に答え、俺達はショッピングモールの中に入った。

外で見たときもとんでもない光景だったが、中に入ってもとんでもない光景だった。入り口の正面から広がるだたっ広いロビーに上の階へと続くエスカレーター、そして至る所にある店の店内やそれらを繋ぐ通路など、ありとあらゆる所に人間が犇めき合っていた。ざっと数えただけで数千人はいるだろうか、食える人間もそれの半分ぐらいはいるので流石の俺でもびっくりの数だった。

「すごいな・・・これは遊ぶにはもったいないぐらいの人間の宝庫だ」

「人間いっぱーい」

「やーん!チィちゃん今の声かぁいいよー!」

「つか・・・これだけいるのにガッツリ食えないっつうオレ達ってなんなの?」

「何を落ち込んでおるんじゃメキド。これだけの数の飯を時間を掛けて食っていけば結果として食う数に変わりはないじゃろう?」

「違う・・・違うんだ・・・。酒のおつまみみたいにチマチマ食うんじゃなくて、山盛りのカレーライスをがっつり食うみたいなそんな感じの勢いで食っていきたいのよオレは」

「人間の食事で例えてもらって悪いんじゃがのぉ、どうせ胃の中に入る量は一緒なんじゃ、文句言ってないで今あるこの現状を受け入れなさいな」

「くっそぉ・・・・・このクソ婆・・・!」

「あ?なんか言ったかの?」

「なんでもありません・・・」

メキド、諦めろ。もう人化けしてオルガと一緒にいる時点でガッツリ飯にありつこうなんて夢のまた夢なんだ。ホントに無謀すぎるよなぁこのクソ婆のすることは。

まぁそんなことは口が裂けても言えないので、そろそろ話を変えさせてもらうとする。

「で、着いたはいいがどう行動するんだ?いつもみたいにオルガについてって行動してればいいのか?」

「いや、今回は『5人』じゃ。まぁチィちゃんはあんたと一緒にいなきゃいけないから実質『4人』になるが、とりあえず半分に分かれて行動するのはどうじゃ?」

「じゃああたいはメキドと一緒でいいやー」

「クシャル、ナイスだ!」

「え?何がー?」

「いや気にしなくていい。とにかくナイスだ!」

スッゲー嬉しそうな表情でメキドはそう叫んだ。まぁオルガと別行動できると考えたら、当然と言っちゃ当然だな。

・・・ハッ、てことは俺がオルガと一緒に行動するということなのか!?

「まぁそういうことじゃのぉドルト」

「なんで俺の心読めるし!?」

「それじゃ皆の衆、日が沈みそうになったらまたここで落ち合うことにしようや」

「ア~イア~イサ~!じゃあメキド、行こ行こー!」

「おぅ。んじゃドルト、がんばれ!」

そういい残してクシャルとメキドは人混みの中へと姿を消していった。メキド・・・清々しい顔しやがって、お前らが来てオルガと戯れている間俺は自由の身になろうと思っていたのが台無しじゃないか・・・。ちくしょぉ、これじゃいつもオルガと遊んでいるのとまるで変わらない・・・。

「まぁそう気を落とすなやドルト。まだ始まったばっかだぞ?」

「だからなんで心読めるし・・・」

「勘じゃよ勘。この歳になるともう相手の表情だけで物事わかってしまうんじゃ。あんたはまだ若いんじゃ、この老いぼれの頼みを素直に聞いておくれや」

「いつものことだろうが、全く・・・。はぁ・・・早く今話終わんねぇかなぁ・・・」

「ドルトォ、何言ってるのぉ?」

「なんでもない」

いかんいかん、また変な妄想をしてしまったようだ。ここは今ある現実を受け止めてさっさとこのクソ面白くもない遊びを終わらすとしよう。そう思いながら、俺達は人間達で蠢くショッピングモールを歩いていった。

ショッピングモールというのはホントにすごい所だ。絶えることのない人間達の波、そして今まで見てきた以上の食える人間達。これだけの数を見るとメキドの悔しさがよくわかる気がする。

「わぁ・・・人間がいっぱーい」

チィも周りにいる人間の大群に声を零す程驚いているようだ。そういえばチィは人化けしてこうして行動するのは初めてなんだよなぁ。後々から腹が減って勝手に行動しないように見張っておかなければ。

「きゃー!見てお兄ちゃん、これすっごいかわいいー!」

隣では俺の腕を引っ張りながらオルガがカワイイ声で人間の振りをしている。さっきまでの年寄り臭い喋り方はどこに言ったのかやら、今では(このでかい胸は怪物だが)立派な人間に成りきっている。その可愛らしい声とエロティックな姿のせいで周りにいる人間のオスが(俺も含め)オルガに視線を向けざるを得ないでいた。

つか・・・今回俺はオルガの「お兄ちゃん」という設定らしい。前に人化けした時は「友人B」的な存在で、その前は「お父さん」だったな。まぁ人間から見て違和感がない組み合わせにしても、この肌の色でお兄ちゃんは通じるのだろうか?まぁ別に俺自身は関係ないので気にすることでもないが。

「ねぇお兄ちゃーん、これかわいくなーい?」

なんか俺に話しかけてきているようだ。オルガの方に視線を向けてみると、オルガは俺達の前方に見える熊(らしきもの)の人形が置かれた店の人形を指差しながら俺に顔を向けている。なるほど、どうやらあの人形をカワイイと言っているようだ。

しかしこの場合なんて答えればいいんだ?オルガのノリに合わせて「かわいくなーい」と答えればよいのだろうか?それともチィに返答権を渡して俺は無視すればいいのだろうか?ん~、わからん。

そんなことで迷っていると、オルガは俺のことをじっと見てきた。その視線から察するに・・・。

――――早く返事しろや。

と言っているのだろう。あえてこのまま返事しないでスルーするのもありだが、そんなことしたら俺の目ん玉が抉り取られてしまう。ので、早速返事する。

「かわいいんじゃねぇの?」

「だよねー!さっすがお兄ちゃん!話がわっかるー!」

「さっすがおにぃちゃぁん」

オルガの言葉を聞いて今度はチィも俺のことをお兄ちゃんと言ってきた。チィが言う分には別に問題なさそうだが、オルガに言われても全然嬉しくない。同じメスに言われるならこんな婆よりクシャルの方がまだマシというものだ。

さて、今気づいたんだが周りの視線が妙に俺達に集まっている。しかもその視線の大多数がオスからのものだ。どうやら人化けしたオルガの可愛さにみんな釘付けになっているようだ。そして俺はそんな奴のお兄ちゃんだから嫉妬の対象になっているのだろうな、まぁそんなこと気にするだけ無駄だが。

そんな光景を目にして、オルガは口元に笑みを浮かべながら俺に小声で話しかけてきた。

「ウオッホッホ、やっぱり人間は単純な生き物よのぉ」

「そんなこと言われても俺はさっぱりだけどな。ただ人間達のオスがお前のような奴を好むのは改めてよくわかった」

「そうじゃろう?人間は異性に対する強い生殖本能を持っておってのぉ、一定の時期を越えると異性との交配を強く望むようになるんじゃ」

「それを引き立てるのがその格好ってか?」

「まぁ大体あっておるが、少し違うのぉ。人間のオスは巨乳で若い人間を好む。それを狙ってわしはこの姿になっておるに過ぎんわ」

「なるほど・・・」

オルガのご丁寧な説明を聞いて俺はそう答えた。別に納得したわけじゃないが、オルガがそういうのならそれで合っているのだろう。人間について語らせればオルガが1番なのだから。

そうそう、今まで俺が人間のことについて語っていけたのも実のところこのオルガに教えられたからだ。オルガは長い間こういう人化けの遊びをやり続けているため、自分でも認める『人間研究家』なのだ。つまるところ人間のことでわからないことがあればオルガに聞けばほぼ100%解決するということだ。まぁ俺達からすれば無駄な知識なのだが。

そんなことを思っていた時、ふと俺達に目を向けていたオス達の中から1人、えらく人相の悪いオスが俺達に近づいてきた。俗にいう「不良」という奴だろうか、髪の毛は今のオルガみたいな派手な金髪で耳や鼻にピアスをつけ、わざと着崩した派手な服装から露出している肌は意図的に日焼けして作り上げた俺みたいな茶色い肌をしている。オルガしか見ていない様子からして、どうやらお目当ては俺の隣にいるオルガのようだ。

「よぉよぉカワイー子ちゃん、こんな地味な男と一緒にここらぶらついてちゃダメだぜぇ?」

「えー?どうしてー?」

なんかオルガが話を進めているが、そうホイホイ話を続けていいのだろうか?まぁこの不良なオスは食える人間だからどうせ食っちまうんだろうが。

「なんでかって?俺と一緒にいたほうが100倍面白いからだよ」

「ほんとにー?ねぇお兄ちゃん、この人とちょっと遊びに行ってもいい?」

今度は俺に振るか。まぁ視線を察するにこのオスを食いにいくからちょっと待っとれ、といった所か。とりあえずそれっぽく返事しておこう。

「別にいいぜ、行ってきな」

「ありがとー!じゃあ行こ行こ!」

オルガは(表面上で)スッゲー楽しそうな笑みを見せると、声をかけてきた不良のオスの腕を取って俺達の傍から離れていった。不良のオスはざまぁみろと言わんばかりに口元に笑みを浮かべながら俺のことを睨み、オルガとそのまま何処かに行ってしまいそうな感じだった。もっとも、どこに行こうと結局オルガに食われるわけだが・・・。

その時、ふとチィが俺の髪を引っ張りながら俺に話しかけてきた。

「ドルトォ、オルガ追わなくていいのぉ?」

「なんだ?気になるのか?」

「うん」

「別に気にしなくてもいいだろ。どうせいつもみたいにさっさと食っておしまいだ」

「いつもってなぁにぃ?」

そうだ、チィは人化けして行動するのが初めてだった。なら知らないで当然だ。だが別にどういうものか見せる必要もない気がするんだが・・・。

「・・・まぁ、後つけてみるか」

「追いかけるの?」

「あぁ、お前もなんのために人化けしたか知りたいだろ?」

「うん!」

「なら見せてやる」

結論、後々めんどくさくなりそうなのでやっぱ見せておくことにした。肩に乗せたチィをそのままに、俺はオルガに気づかれない距離を保ちながらオルガと不良のオスを追った。

しかしいざ追いかけるとなると大変なもので、目の前には人という人が犇めき合っていて思うように前に進めない。人化けしないで実体がない状態ならこんな状況でもスイスイ先に進めるのだが、人間の体というのは実に不便だ。それとは裏腹にオルガはまるで実体がないかのようにスムーズに先に進んでいる。こういう状況にオルガは慣れているということか。キャリアの差が目に見えるなこりゃ・・・。

さて、そうこうしている内にオルガと不良のオスは人通りのない階段へと入っていった。姿を消したオルガと不良のオスを追うため、俺は歩く速度を少しだけ早めて階段へと向かう。

だが、それと同時に俺が足を踏み入れた所から突如周りの空間の色が変わった。ついさっきまではベージュ色の床や壁が見えていたのに、今はグロテスクな緑色に変貌している。

この色のリビングを張る奴はまぁ・・・オルガしかいないだろう。つまるところ今俺が足を踏み入れた所がリビングの端っこで、オルガが最小限サイズのリビングを張ったということだ。

「ドルトォ、このリビングってオルガのぉ?」

「だな。向こうもどうやら食事タイムってとこ――――」

「うぎゃあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

俺の声を遮るような馬鹿でかい悲鳴に、俺とチィは同時に耳を塞いだ。この状況からして当然悲鳴はさっきの不良のオスのもので、しかも肉を引きちぎる鈍い音や血が滴り落ちる水音なんかも聞こえてくる。この音だけでわかる、スーパーオルガ食事タイムだってことが。

そんなこんなで俺達が気づいた時には周りを緑色に染めていたリビングは一瞬にして俺達の前から姿を消した。そしてその直後、階段の入り口から人化けしたオルガが何事もなかったかのように姿を現した。

「おや?あんたらここまで来てたんかい?」

俺達の姿を見てオルガがそう問いかけてきた。まぁオルガに気づかれないようについてきたのだから当然と言えば当然か。

「オルガァ、もう食べちゃったのぉ?」

「うぅん?あぁさっきの人間かい?あんまりうるさいもんだから頭から一気に食っちまったわい」

「おいおい、年寄りなんだから無理すんなし」

「なぁに言っとんだいドルト。わしはまだまだ元気千倍じゃい。で、チィちゃんに今のところ見せたくてここまで来たってことでいいかの?」

「なんでわかるし」

「だから勘じゃよ勘」

「オルガの勘すごーい」

「すごいの域を超えてもはや超能力になってねそれ?」

「ウオッホッホ、まだまだ若いもんには負けられんからのぉ」

何に負けるかはさっぱりだが、オルガもまだまだ元気だってことですねわかります。元気なことはいいことだがここまで勘が的中すると元気で収まりきれない気がするのは俺だけじゃないはず。

まぁそんなことはいいとして、話を進める。

「で、また何処かぶらつくのか?」

「そうに決まっとるじゃろぉ。他に何をしようというんじゃ?」

「いや・・・何もねぇけど・・・」

「・・・チィ、お腹空いた・・・」

なんかチィが呟いた。なんだって、お腹が空いたって?じゃあご飯の時間でちゅねー、そうでちゅねー。

「ほぉ・・・じゃあドルト、チィちゃんにご飯上げてこいや」

やっぱそうなるのか・・・。あぁめんどくせーことがまた1つ増えたわぁ・・・。そろそろ自分で食えてもいいんだけどなぁ・・・。

いや待てよ、ここはチィに自分で飯を食えるように特訓してやるか。これだけ飯で溢れているのだから、別に難しいことでもないだろう。

「なんじゃ?チィちゃんだけで飯を食わそうとしとるな?」

「だからなんでわかんだし!?」

「ちょーのーりょくー?」

「いやいや、ただの勘だよチィちゃん」

「いやいやいや、ゼッテー勘じゃねぇだろそれ」

「とにもかくにも、チィちゃんの特訓をさせるんならわしとは別行動のほうが良さそうじゃのぉ。親と一緒の方がチィちゃんもやり易いじゃろう?」

「まぁ・・・そうだろうな」

「うむ、決まりじゃの。んじゃ日が沈みそうになったらあの入り口で会おうや、そんじゃのー」

そう言い残し、オルガはそのまま階段を下りて何処かに行ってしまった。残ったのは俺と俺の方に乗っているチィだけ。

「・・・さっさと行くか」

「うん!」

チィの元気な返事を合図に、俺は階段を背にして元来た道を歩いていった。










それから30分後(ぐらいだと思う)。俺とチィはショッピングモールの中を歩き続けていた。

なんだろうか・・・さっきから同じ道をグルグルと歩きまわっている気がする。これを迷子というのなら今俺はその迷子の真っ最中だ。俺の肩に乗っているチィもさっきから同じ光景を眺めて飽きているのかひっきりなしに俺の髪を弄くっている。

てっとり早くその辺にいる人間をリビングに巻き込んで食っちまうのが一番なのだが、それではチィだけで飯を食わせるという本来の目的に反しているし、なによりもオルガの無謀な要求の1つであるリビングは最小限サイズで張るというルールにおもいっきり違反することになる。チィだけでも食えるようなやわな人間を見つけて、さっきのオルガみたいに人気のない所まで誘い込んでチィに食わせる、これが一番ベストな流れだ。

だが、食える人間の中からやわな人間を探すのも流石に一苦労で、今俺の視界に入っている人間達は少なくともやわではない。チィを相手にしたらまず逃げ去ってしまうほどだ。逃げることすらできないぐらいの軟い人間がそこらにいればいいんだが・・・。

「ドルトォ・・・お腹空いたぁ・・・」

チィがそんなことをぼやきながら、俺の髪で蝶々結びをしでかそうとしている。よちよち、すぐに飯食わせてやるから蝶々結びしちゃだめだぞー。

そんなことを呟きながら蝶々結びしようとするチィの手を俺が押さえた、その時だった。

「きゃっ!」

俺の胸に感じた小さな衝撃と同時に、すぐ間近でその声は聞こえた。俺が視線を下に向けると、そこには俺みたいな長い髪をしたメスの人間が床に尻もちをついていた。どうやら俺がチィの手に気を取られているうちにぶつかってしまったようだ。

こういう時、人間は確か相手に向かって手を伸ばしてこう言うんだったか。

「大丈夫か?」

「は、はい・・・大丈夫です」

そう言うと、メスの人間は俺の伸ばした手を取ってゆっくりと立ち上がった。この時(正確にはメスの姿を見た瞬間から)、俺はこのメスの人間が食える人間であると認知した。

見た感じ歳は比較的に若く、大人しめな服装からしてまず運動系の人間ではなさそうなそのメスの人間は明らかに「か弱い」オーラを醸し出している。俺はこのメスの人間こそチィだけで飯を食うのにぴったりな飯だと判断した。

ということで、適当にこのメスの人間を引き止めようと思う。

「ごめん、他所見してた」

「い、いえ・・・こちらこそ避けられなかっただけですので・・・」

「いやいや、こっちの方が悪いし」

「ドルトがわるーい」

おっと、どうやらチィも会話にリズムをつけてくれているようだ。まぁ無意識なことだろうが。だけど人間相手に「ドルト」って名乗っていいのだろうか?この肌の色もそうだが、ここにいる人間にあまり馴染めていない気もするんだが・・・。

そんなことを思っていると、目の前にいるメスの人間が俺に問いかけてきた。

「あ、あの・・・もしかして、海外から来た人なんですか?」

メスの人間は俺の肌の色と「ドルト」という名前から、俺を外人と思っているようだ。なるほど、周りの人間から見れば俺は外人として通っているのか。

ならば、その設定を使わせてもらおう。

「あぁ、そうだけど?」

「もしかして、アメリカからですか?」

「あ?まぁ・・・そうだけど?」

「ホ、ホントですか!?すごーい!あ、あの、もし良ければアメリカのことについて教えてくれないでしょうか!?」

な、なんだなんだ?適当に返事したら急に疑問形連発してきたぞこのメス。アメリカのことについて教えてくれと言われてもアメリカ行ったことないからわからんし、それ以前にアメリカってなんだし。

しかしこのまま返事しないというのもおかしいので・・・。

「と、とりあえず・・・ここで立ち話も変だから、歩きながらでも」

「あ、はい!」

「あるきながらー、はい!」

チィが意味不明な言葉を言っているが、まぁ気にしない。とりあえず今はこのメスを人気のないところまで連れて行かなければ。

そうして俺達は人混みの中を進んでいき、俺は歩きながら人気のなさそうな所を見て探していった。その横で、メスの人間がなんか話し始めた。

「あ、私、来月からアメリカに留学するんです。それでアメリカのこと少しでも知りたくて・・・」

「りゅーがくぅ?」

「海外に何日か滞在して、その国の言葉を勉強することですよ。ん~・・・子供にはちょっと難しいかな?」

「みぃ・・・むずかちぃ・・・」

「そう言えば、この子はドルトさんのお子さんですか?」

「ん?あぁ・・・一応はな」

「一応・・・ですか?」

「あぁ。なんというか・・・代わりに俺が育ててる」

「あぁ・・・養子なんですか。どうりで肌の色が違うんですね」

なんか俺が人化け下手糞のせいかボロクソ言ってくるなこのメス。だがチィと肌の色が違う違和感は(よくわからないが)払拭されているようなので、なんとか人気がない所までは話が進められそうだ。

「で、お前はなんでアメリカにりゅーがくしようとしてんだ?」

「え、えっと・・・夢があるんです。大きくなって、アメリカで生活したいって夢が」

「生活して何がしたいんだ?」

「いろいろありますよ。例えば・・・一口じゃかじれないぐらい大きなホットドッグを食べてみたいですし、海辺のランニングコースを走ってみたいですし、夜の明るい街を散歩してみたいですし・・・」

「なんかえらく普通だな」

「そ、そうですよね。アメリカに住んでる人からすればそれは普通ですよね。でも・・・私にとっては、小さい頃から憧れてて、夢に見ていた生活なんです」

「なるほど・・・」

と呟くものの、このメスが何を言っているのかさっぱりわからん。なんかえらく普通だな、という発言も実は適当に行っただけで、実際内容を理解して言ったわけではない。

「みぃ・・・何言ってるかわかんなぁい・・・」

流石のチィも正直な気持ちを口にしてしまっている。人間の考えなんぞ俺達人喰魔が理解できるはずがない、といったところだろう。

ただ、チィの言葉を聞いてメスの人間は何故か微笑んでいた。

「フフ、ごめんね。君も大きくなったら多分わかると思うよ」

「ホントォ?」

「うん、ホント」

疑問を見せるチィにメスの人間は微笑みながらそう答えた。どうやらこのメスは小さい子供と接するのが好きなようだな。クシャル程まで行ってないからまぁいいにしろ、もしこれでクシャル級だったら全力で俺が食っちまってるところだ。

さて、そうこうしている内に俺達は人気のない階段の所まで辿り着いた。周りを見回していろいろ見てきたが、オルガもここを使っていたようにやはりここが一番人気が少ない。俺は早速階段に足を踏み入れ階段を降りると、その後を追うように人間のメスも階段を降り始めた。

そして、踊り場についた所で、俺は足を止めた。

「さてと・・・」

広さに関してはちょっとばかし心細いが、人が来るか来ないかに関しては全く問題ないだろう。この手のでかい建物の中では大概の人間はエレベーターとかエスカレーターとかいうものを使って移動するので、こんな場所には滅多に人は来ない。

「ドルトさん・・・?」

っと、俺が足を止めたことに疑問を抱いたのだろう、俺と向かい合うように人間のメスは踊り場に立ち止まっていた。まぁ別にこのメスがどうしてようと今の状況ではさして問題にならないが。

俺は肩に乗せたチィを床に下ろし、まだ肩の上に乗っかっていたいと駄々をこねるように俺の服を引っ張るチィの頭を軽く撫でる。そして・・・。

「リビング」

そう呟き、俺は最小限サイズのリビングを張った。足下から放たれた俺の赤紫色のリビングは今俺がいる踊り場から上へと続く階段、そして下へと続く階段だけを覆い、覆った狭い空間を赤紫色に染める。これで飯を食う準備が出来たわけだが、目の前にいる人間は突然のことに驚き腰を抜かして床にへたれこんでいた。

「ひっ!?な、なに・・・これ・・・」

まぁ当然の反応だな。今はまだでかい声を上げてないから良いにしろ、チィの姿を見たらどうなることやら・・・。

それを考えるとあんまり気が進まないが、とりあえずチィの人化けを解かせようと思う。

「チィ、飯の時間だ。もう元に戻っていいぞ」

「いいのぉ?」

「あぁ」

「わかったー」

そう答えるとチィの体から眩い光が発し始め、その姿が光で見えなくなった。しばらくして光が姿を消すと、光に包まれていたチィは人間の体から元の真白い体へと戻っていた。

その光景に目の前のメスはというと・・・。

「き、きゃああああああああぁぁぁ!!!!」

案の定悲鳴を上げたわけで・・・今俺の耳の中でメスの人間の悲鳴がガンガン響いております。なんで人間という奴はこんなに馬鹿でかい声を上げるんだ全く。これさえなければ人間っていいんだけどなぁ。

さて、そんなことよりも今はチィだけで飯を食わせる特訓のことを考えるとしよう。まずは俺が張ってるリビングからだが、チィだけで飯を食うということは当然リビングはチィが張らなければならない。

「チィ、リビングだ」

「リビングゥ?」

「この空間のことだ。今は俺のリビングだから、今度はお前がこのサイズで俺のリビングからお前のリビングに張り替えろ」

「うん!・・・リビングゥ」

元気のいい返事とは裏腹にえらくだらしない喋り方でそう呟くと、チィの足元から血のように赤い空間が俺の周りに広がった。一応リビングの張り方は俺やオルガのやり方を見てきているのでちゃんと出来ているようだ。サイズも俺が張ったリビングのサイズに合わせてやったためか最小限サイズで出来上がっている。この辺の腕前を見ると、生まれて2週間しか経ってないが意外と成長しているのかもしれないな。

しかし・・・なんというか、チィのリビングの色が真っ赤なためか妙にグロテスクな空間になったなおい。まるで人間の血で辺り一面を塗り潰したみたいだ。チィの目も赤いからだろうが、こればかりは人喰魔の俺でもちょっと引くな、うん。

まぁそれはいいとして、肝心の飯はというと俺の目の前でまだへたれこんでいた。もはや恐怖で声も出なくなっているのだろう、体を震わせて俺やチィを眺めていた。やわな人間は大抵こうなるので、チィの初自分だけで食べる飯としてはうってつけだったわけだ。

リビングも張れたし、飯は動けない状況だし、ここまで来ればもう俺がすることは何もない。チィも腹を空かせているわけだし、さっさと食わせてやるか。

「いいぞ、チィ。食っちまいな」

「え?ドルトがチョメチョメしてくれないのぉ?」

チョメチョメというのは人間を食いやすいサイズに「バラバラ」にすることをチィの中では意味しているようだ。もちろん今回はチィだけで飯を食わせたいので俺は一切手を出さない。

「今日はお前が自分で飯を食うんだ。だからチョメチョメしない」

「みぃ・・・チィ、食べ方わかんない・・・」

「どう食うかは自分で考えろ。自分の食いたいところから食い付けばいいんだから」

「みぃ・・・」

困ったような表情を浮かべるチィだが、じっと飯を眺めている内に自分の食い方を見出したらしく、軽快な足取りでメスの人間に近づいて行った。メスの人間は近づいてくるチィに更に恐怖を感じたのか・・・。

「きゃあああぁぁぁぁ!!来ないで・・・来ないでえええええええぇぇぇぇぇ!!!!」

とさっきよりも馬鹿デカイ声で悲鳴を上げた。流石の俺もこの声には耳を塞いだが、腹を空かせたチィにはそんな声も耳に入っていないようで、迷うことなくメスの人間の足元まで近づいた。

そして、そのメスの両足にチィは齧り付いた。チィのでかい口に挟まれた両足はいとも簡単に骨が砕け、肉が千切れ、チィのリビングと同じ色の真っ赤な血を噴き出させる。

「いやあああああぁぁぁぁぁ!!!!痛い、痛いぃぃぃいいいいいい!!!!!」

悲鳴の直下型ボムが俺の耳に落下してきた。全く、ホントに人間はうるさくて困るもんだ。耳にガンガン響く悲鳴に俺が耳を塞いでいる内に、チィはその人間の両足を食い千切り、口の中で頬張っていた。足だけとはいえ血が流れていることには変わりなく、流れ出る血の味にチィも大満足のようだ。

ただ、足を切断して食っちまったため当たり前だが人間の方は足から大量に血が流れ出ている。これは勿体ない、下手したらこの人間の体の血が全部抜け出てしまうかもしれない。

「いや・・・死にたくない・・・死にたくないよぉぉぉぉ!!!」

なんか悲鳴を上げながらメスの人間は床でゴロゴロと動きまわっている。足を失って立つこともできないので当然のことだが、あんまり動き回って血が更に噴き出しそうで怖いなこりゃ・・・。

だが、チィも人間の足から血が出ている事には気付いていたようで、口の中で頬張っていた両足を飲み込むと、今度はダイレクトに切断した足の付け根から腹部にかけて豪快に齧り付いた。切断された足の付け根から流れる血を吸い出し、ゴクゴクと音を立てながらその血を飲んでいる。そればかりではなくちゃんと齧り付いた腹部を噛み締めていて、もうちょいで下半身を食い千切りそうだ。

グジャァ!!

おっと、言った傍からチィは人間の下半身を食い千切った。腹部から綺麗に切断され上半身だけ残った人間はまだ辛うじて意識があるようで、それを示すように両手をジタバタと動かしていた。

「い、いや・・・いやぁぁぁぁ・・・!!」

もはや痛みで声もまともにでないようだ。まぁこれぐらいの声になってもらわないと耳が痛くて仕方ないわけで、チィにとってもうるさくなくて食いやすいだろう。

そんなチィはまた切断した腹部から食いつくのかと思えば、今度は場所を移動して人間の頭の方へと自分の体を持っていっている。そしてでかい口をめいいっぱい開くと、またしても豪快に今度は頭から上半身に齧り付いた。

「んぐ・・・んぐううぅぅぅ!!!」

チィの口の中で悲鳴を上げながらメスの人間は両手でチィの口を押さえようとする。だがチィからすればそれは意味のない抵抗であり、チィは一気にメスの人間の上半身を口の中に押し込んだ。パンパンに膨らんだ口をチィはゆっくりと上下に動かし、口の中に含んだ上半身を頬張っていく。俺の感覚からして上半身は筋肉が一番集中してるし、頭蓋骨や肋骨といった骨もあるし、なにより心臓があるので一番美味い場所だと思うんだ。だからこそ上半身を頬張っているチィの表情は今にもとろけそうな程の満足した笑みに包まれていた。

ゴックン、と音を立てて口の中の飯を飲み込んだチィは、大満足と言わんばかりに口からプハーッと大きく息を吐いた。こんなチィの姿を見ていると幸せそうに見えて仕方がない。

さてと、チィが立派に飯を食い終えたことなので、リビングを解かせようと思う。

「チィ、飯食い終わったらリビングはさっさと解いちゃえよ」

「うん!」

「あと解いたら人化けしろよ」

「うん!」

元気な返事を連発したチィは俺の言った言葉を忠実に実行した。まずリビングは一瞬にしてチィの足元に吸い込まれていき、あっという間に俺達の周りは元の空間に戻った。そして次にチィの体から眩い光が発し始め、しばらくして光が消えると、先ほどの小さい子供の姿をしたチィが姿を現した。

「ドールトー」

俺の名を呼びながら駆け寄ってきたチィは肩に乗りたいと言わんばかりに俺に飛びつき、俺は胸に迫ってきたチィの体を受け止め、そのまま俺の肩に座らせる形で乗せてやった。飯を食って元気が出たのだろう、飛びつくにしろなんにしろ元気いっぱいだ。

「自分でちゃんと食えたなチィ。よくやったな」

「ありがとぉ、ドルトォ」

「腹いっぱいになったか?」

「んーんー、まだお腹空いてるぅ」

「マジかよ・・・。体小さいんだから1人だけで満足しろし・・・」

「チィ、まだお腹空いてるぅ・・・」

「はいはい、じゃあまた飯食わせてやるからな」

「やったー!」

「ただし、またお前だけで飯を食うんだぞ。いや、これからはずっとお前だけで飯を食うんだ」

「み、みぃ?」

「嫌か?」

「んーんー。チィ・・・自分でごはん食べるー!」

チィは元気な声でそう返事すると、俺の頭に元気よく抱きついた。むぅ、頭を締め付けられて少し痛いが・・・まぁ、こうしているチィがカワイイわけで、自覚したくはないがこんなチィのカワイイ姿を見ることが親としての喜びというものなんだろう。

さて、オルガ達と合流する時間までまだたっぷりある。またその辺をぶらついてチィに飯を食わせるとするか。あと俺も腹減ってるから俺も飯食わないとな。

その後のことは、まだ何も考えていない。










To be continued...

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あとがきコーナー




管:はいはいやってきましたよ、あとがきコーナー!いつもの如くですがここまでのご拝読、誠にありがとうございますm(_ _)m。

オルガ(以後「オ」):これからも「オルガの日常」をよろしく頼むぞよ~。

管:ちょwwwwwww違っwwwwwwwwww。つかなんでオルガが来てんだしwwwwwww。

オ:なんでと言われても、わし以外に誰が来るというんじゃい?

管:いやいやドルトとかチィとかメキドとかクシャルとか他にもいっぱいいるでしょw!?

オ:はて、そんな輩達おったかのぉ?

管:ダメだこいつ・・・早くなんとかしないと・・・( ̄w ̄;)。

オ:なんか言ったかい?

管:言った、スッゲー思いっきりいいましたが何か?(☆w☆ )

バクッ!(管理人、オルガに食われる)

オ:ゲップ・・・ふぅ、飯も食ったことだし、早速始めようかのぉ、ウオッホッホ!


今話はオルガ主催(?)の人化け遊びの場面がほとんどとなっているため、ドルト達が人喰魔の姿と人間の姿で登場する割合が2:8というほぼ人間の姿しか登場していないお話となりました。そのため普段の人間から姿を見られない人喰魔という立場から、人が目にすることが出来る人間の立場で話が進んで行っている感じです。

になっているものの、中身は一緒なのでドルト達の会話は相変わらず・・・w。つか会話の上での上下関係はオルガ>メキド=クシャル=チィ>>>>>>>越えられない壁>>>>>>>ドルトとなっています(ぉぃ。けどチィはまだ会話の流れをわからない赤ん坊なので、この上下関係に含まなくてもいいかもな感じですw(それでも少なからずドルトよりは上w)。

そんなドルト達が2チームに分かれ、それぞれで行動を始める。ここでドルト、チィ、オルガの「3人」が会話して、オルガが不良を食う場面まで流れるのですが、この辺の設定は当初からあったものでした。が、当初の設定では不良が声をかけてくるのではなくオルガが不良に声を掛ける設定になっていて、しかし「これではドルト達の影が薄くなるのでは?」という疑問から、主役であるドルトを引き立てたく不良から声を掛けるという設定にしてドルトの視点にアクセントをつけました。

チィだけで飯を食わす、その特訓のためオルガと別れたドルトとチィは飯を探して徘徊する。ここでやわそうな人間を見つけ、その人間にチィがありついていく。この辺の設定も↑の設定と同じく当初からあって、しかしこの設定もまた当初の設定とは別になるように弄くっています。どう弄くったかというと、まず当初の設定ではチィに食われる人間のメスはギャル軍団の影が薄いキャラとして登場し、ドルトがギャル達を食している間に、チィがその人間を食うという形でした。しかしこれだと肝心のチィだけで飯を食っているところをドルトが見ていないことになるので没にして、今の設定となりました。またこの場面、食われる人間の心情とかが絡み合って今までよりもグロテスクな場面になっていると思います。夢があるのに虚しく尽きる・・・そんな現実を描いた場面とも言えます。

チィが食事を済ませ、しかしなおも腹が減っているチィ。そんなチィに飯を与えてやろうと、「2人」は再びショッピングモールを徘徊する。果たしてこの後どうなるのか、それは次回のお楽しみ~。


オ:なんじゃい、わしのことが少ししか書かれておらんではないか。なんでもっと書かないんじゃ管理人?

・・・・・・。

オ:あ、そうじゃ、管理人はさっきわしが食っちまったんじゃったの。仕方がないの、いつもよりすごい早いが、ここはあとがきコーナーを終わらせておくかのぉ。

ピカァッ!(オルガ、人化け)

オ(人化け):それじゃ次の話もまた見てね、お兄ちゃん!絶対だよ?約束だからね!










管:うわっ・・・引くわぁ( ̄Д ̄;)。

オ:ちょい!?あんたどっから湧いて出たんじゃ!?


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