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テーマ:風邪。(857)
カテゴリ:薬
インフルエンザが本格化してくると予防のためのワクチン摂取の話題が聞かれて、一つの季節を感じるキーワードとなります。子供の頃は学校で集団摂取が行われていて、最初の頃は細い注射器が大量にトレーの上に並べられていたのですが、途中から圧搾空気を使った射出装置のような物が使われていた事が思い出されます。
注射器は注射針を刺される際の痛みが子供心に嫌だったのですが、射出装置でも一瞬の痛みは同じだったように思えます。現在、インフルエンザに関するワクチン接種は注射よるものが相変わらず一般的ですが、それ以外にも鼻からの吸引による鼻粘膜吸収という手法が行われています。 何らかの物質を体内に取り込む際、注射によって直接血液内に送り込む他に飲用して消化管からの吸収、腸管からの吸収、皮膚からの経皮吸収、鼻などの粘膜からの吸収が考えられます。 最近、その中で舌下に摘下して粘膜から吸収させるという、全く新たなワクチンの摂取方法が研究されていました。まだ実験段階と言いますが、実現すれば注射針による痛みを気にする事なく、鼻からの吸引よりも手軽に摂取する事が可能になります。 粘膜には多くの欠陥が集まっていますが、特に舌の粘膜には血管量が多く、舌下に投与する事で吸収が効率良く行われ、広範囲の全身免疫や粘膜免疫が誘導される事も考えられます。 注射針を使用しない事で、開発途上国で見られるような針の再利用による汚染や感染症の拡大を防ぐという、別な面でのメリットも充分に考える事ができます。 また、鼻粘膜からの吸収では、吸収される部位が脳や中枢神経にあまりに近い事から、稀に中枢神経に到達してしまい、危険な合併症が起こる事が懸念されますが、舌下への滴下投与ではそうした懸念はないとされます。 インフルエンザのウィルスは粘膜から体内へ侵入してきますが、ワクチンの舌下投与によって粘膜免疫が誘導されている事で、ウィルスの侵入を効果的に防御する力が高まっているという事が考えら、手軽、安全というだけではないメリットも大きくなります。診断の際、舌を出して喉の奥を検診する事がありますが、その際に済ませてしまうという手軽な施療もありなのではと思ってしまいます。あとは味だけでしょうか...。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年02月20日 07時51分54秒
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