|
テーマ:心の病(7312)
カテゴリ:薬
最近、製薬会社を選んでくださいというテレビCMを見かけます。特許権が切れた薬剤を他のメーカーが安価に製造するジェネリック医薬品が一般化してからは、薬剤ではなく薬剤メーカーという新たな選択肢も生まれたという事だと思います。
現在、製造メーカーではなく処方薬その物の広告を出す事は許可されていません。世界的に見ても許可されているのは米国とニュージーランドのみで、処方薬の広告宣伝というのは極めて稀な事となっています。 世界的には規制されている処方薬の広告宣伝ですが、許可されている米国では2005年の時点で製薬業界が投入した広告宣伝費は5000億円を超えると言われ、かなり力が入れられている事が判ります。 米国の隣国、カナダでは処方薬の広告宣伝は禁止されていますが、米国からの電波は届くために米国のメディアの影響を受ける事が多いと考えられています。そのカナダは英語を日常的に使う英語圏とフランス語を日常語とするフランス語圏がある事から、両地域を使って処方薬の広告宣伝の効果についての研究が行われています。 関節リュウマチの薬剤であるエンブレルとアレルギー性鼻炎の薬剤のナゾネックス、過敏性腸症候群の治療薬ゼルノームの3種類の薬剤について5年間の統計値を追跡したところ、エンブレルとナゾネックスについては広告宣伝の影響が確認されず、ゼルノームについては販売の増加が見られましたが長続きはせず、一時的なものと考えられました。 結果として広告宣伝の効果が否定された事となりますが、処方薬は消費者が広告を見て直接買いに行くものではなく、医師の処方によって入手している事を考えると当然の結果とも言えるかもしれません。無駄と判った5000億円の広告宣伝費、できれば薬代を下げる方向に回してほしいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年10月02日 07時53分22秒
コメント(0) | コメントを書く |
|