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カテゴリ:薬
骨というと硬いカルシウムの塊として体の中心部にあり、固定的で一度作られると後は一生ものとして、そのまま存在しているように思われがちですが、実は骨も生き続ける細胞の塊として毎日、しっかり新陳代謝しています。
骨を形作っているのは、文字通り骨細胞と呼ばれる細胞とその回りに蓄えられたコラーゲン、アパタイトという物質で、骨細胞はその働きによって骨芽細胞と破骨細胞と呼ばれる二つの細胞によって形成、管理されています。 コラーゲンは皮膚や軟骨などの柔らかく、弾力性に富んだ部分に多く含まれる事で知られたタンパク質で、骨にも弾力を与えて折れにくくする働きを担っています。アパタイトは、歯の成分として知られているカルシウムを含んだ堅い物質で、体の中では堅い組織の原料として使われています。 骨細胞は、骨芽細胞がアパタイトを貯め込んだ事によって作られる細胞で、破骨細胞はその骨細胞を溶かす酵素を出したり、骨と接する部分を酸性にしたりして古くなった骨質を溶かしています。骨芽細胞と破骨細胞という二つの細胞の働きのバランスによって骨は一定の状態が保たれています。 成長期の骨の成長や骨折した時の自然治癒といった骨細胞の成長が必要な時は、二つの細胞の働きのバランスが骨芽細胞の働きの方へ傾き、高齢になって老化したり、骨に外的な負荷がかからない事で骨密度が減少するといった現象は、破骨細胞側へバランスが傾く事が原因となっています。 健康な成人の場合、二つの細胞の働きによって1年間に5~10%の骨細胞が新しい骨組織に置き換わるとされ、破骨細胞によってとかされた古い骨質は血液に溶け込んで、新たな骨の材料として再利用されたり、ホルモンの働きを助けるカルシウム源として利用されています。 ホルモンのバランスが崩れたり、カルシウムの摂取が不足していると必然的に骨を溶かす量が多くなり、問題視される骨粗鬆症になったりしてしまいます。そのため骨粗鬆症の治療として骨を溶かす破骨細胞の働きに影響を与える薬剤が使用されますが、そうした薬剤の使用で破骨細胞に異変が見られる事が最近の研究によって判ってきています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年01月20日 07時56分05秒
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