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テクアウトお料理 2… New! 料理長52歳さん

2022年11月06日
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カテゴリ:ペット
 FIP(猫伝染性腹膜炎)は猫のコロナウィルス感染症であり、突然変異によって生じた強毒性のコロナウィルスがさまざまな症状を引き起こしていると考えられています。発症してしまうとほぼ100%死亡する病気とされ、診断と治癒が極めて難しい病気ともなっています。
 猫に感染するコロナウィルスはFCoVと呼ばれ、その中に軽度の腸炎を引き起こすFECVが含まれています。FECV感染による症状は、数日程度で収まる事がほとんどで、その後、これといった症状を生じる事もなく、FECVは腸内に留まり続ける事が知られています。
 それが何らかの理由で突然変異を起こして、強毒化したFIPVとなる事でFIPが発症すると考えられていますが、FIPVは突然変異によって生じるのか、それとも元々存在していてどこからか感染しているのか議論が分かれています。
 名前こそ「猫伝染性腹膜炎」と伝染する病である事が伺えますが、FIPVはほとんど伝染する事はなく、極めて稀な事例とし免疫力が弱った猫に対し、唾液への接触で感染した例はありますが、通常は感染する事はないとされています。他の猫との接触がない状態でもFIPの発症が見られている事を考えると、FIPVは体内において突然変異によって生じたという方が有力ではと思えます。
 また、弱毒性から強毒性のFCoVが幅広く存在してるという意見もあり、そうしたFIPの原因が確定されていない事にも予防法や治療法を確立する妨げとなっているような感じもしています。
 コロナウィルスへの感染を調べるPCR検査では、感染しているのが同じコロナウィルスであるFCoVなのかFECVなのか、それとも強毒性のFIPVなのかを判断する事ができず、FIPの診断は非常に難しいとされ、診断が確定しないうちに悲劇的な最期を迎える事も珍しくないともいわれます。
 FIPの症状がウェットタイプの場合、血管の膜に炎症が起こる事から水分が血液中から血管外へ漏出してしまい、胃の周りや心臓と心膜などに漏水が確認され、FIPと診断される事が多くなっています。FIPによって溜まった腹水はタンパク質の含有量が多いために、特有の色合いをしていて、空気に触れるととろみが付く事から慣れている獣医師はすぐにFIPだと判るとされ、FIPの治療には経験値が重要とされる所以となっています。
 ドライタイプの場合、腹水が溜まるという事はありませんが、いろいろな臓器に肉芽腫が形成され、肝臓や腎臓、腸などに肉芽腫ができると機能不全を起こしたり、脳に炎症が起きると神経症状が見られるようになります。どちらかというとドライタイプの方が進行が遅いといわれるので、治療の機会に恵まれるような感じがしますが、病状が進行した先はドライタイプの方が悲惨ともいわれます。
 坊ちゃんの場合、腹水が溜まらず、肉芽腫ができている事からドライタイプと思えるのですが、進行が非常に遅く、それ以外の症状が見られない事から本当にFIPだろうかと思う事もありました。
 たまたま腫瘍ができていた場所が血管が多い場所で、針を使って組織を採取する事ができず、開腹して取り出した腫瘍の組織がガンではない事が判り、肉芽腫ができる原因を探すための追加の検査を行い、FIPと考えられるという結論が得られたのですが、その時点でもFIP確定とならないところに診断の難しさを感じさせられます。
 嘔吐の原因を探るためにエコーでお腹を診て腫瘍が見付かり、開腹手術を行って検査結果が判るまでに一週間ほどを要し、それから薬を手配してもらって、実際に薬を手にするのに一月ほど掛かりました。聞かされているFIPの進行だとタイムアウトになっていてもおかしくない時間が流れています。最初に体調不良に気付いてからは半年以上が経過していて、経過が遅い特殊な症状であった事に感謝しなければと思ってしまいます。





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最終更新日  2022年11月06日 09時23分14秒
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