テーマ:囲碁全般(745)
カテゴリ:囲碁
先日のNHK杯を見ていたら、よく行く碁会所のトイレを思い出した、という不思議な話です。
NHK杯で新海洋子プロをテレビで久々に見ました。読み上げをやっていた時は淑やかでかわいいお姉さんというイメージでしたが、その後、すごい酒豪だという噂を聞き、何となく気になっていました。今回テレビで拝見し、若いころの雰囲気がそのまま残っていたので、ほっとしました。碁の女流棋士は、なぜか皆さんそうですね。私にとってモントリオールのアイドルだったバレーボール選手のYさんを、その後にテレビで見た時、相撲取りかと思うほどの別人になっていて激しいショックを受けたことがあるので、心配していました。 本題ですが、新海プロの碁を見ていて、「おー、すごい」と思ったのです。それは、着手のリズムがすごく良いことです。序盤の難しい局面でも考慮時間を全く使いわないのです。NHK杯で、こういうリズムの打ち方を見るのは、藤沢秀行、大竹英雄プロくらいではないかと感じたのです。これは、強さや感覚の良さに加えて、すぐ決断できる自信や思い切りの良さがないとできないと思います。よほど、充実しているのでしょうね。実際解説によると、途中まで新海プロが、時間を使っている相手よりもいい流れだったようです。 それとリズム良くポンポン打つことは、有利にも働くと経験的に感じます。私は自分でも呆れるほどリズムが悪いのですが、リズムのいい打ち手と打つと、自分だけが考えているような感じになって、それだけで圧力を感じます。それに現実的にも、相手の時間で考えることができないために、その分自分の時間で余分に考えることになり、すると相手はその時間で考えられる、というようにリズムの悪い方の悪循環になるのです。 これは、特にアマチュアだと相当な武器になると思います。以前、早打ちで有名な同郷のYさんが全国ベスト8に入った時に見ていましたが、それだけで勝っていたという感じでした(失礼)。 ところで、碁会所のトイレの件ですが、そこに本因坊丈和が残したという言葉が、紙に書いて張ってあるのです。それは、「自分の実力以上の手を打とうとして考えてもろくなことはない、仮にそれがいい手だったとしても後につながらない。素直に最初に思い浮かんだ手を打って、それが悪い手なら後で教えてもらえばよい。」という内容です。何と高い見識でしょう。トイレに入って、この紙を見るたびに私は反省しているのですが、相変わらず実力以上の手を打とうとする俗な根性は直りません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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