カテゴリ:囲碁
勝負事は、勝っても負けても楽しいという話をしたが、それでも公式戦の大事な対局でひどいポカや緩みすぎで大逆転されて負けると、本当に死にたい気持ちになることがある。このような時は、すべての慰めが無効であり、時間と次の勝利が唯一の薬である。
昔、全国大会の相当な急所で、大優勢になって気持ちがすっかり緩んでしまい、うっかりミスが飛び出したことがある。自分の60目の一等地が20目くらいになってしまい、半目負けした。この時は、早く忘れようとしたができず、突然記憶が蘇って発狂するような発作がたびたび起き、完全に治癒するのに5年くらいかかった。今もミスは頻繁だが、この経験で泣きが入ったためか、その後は極端にひどいケースはない。 もう一つ、悲しくなるのは、あまりに碁の内容と関係ない手段を使われて負けた時である。学生碁で慣れているので、普通の時間攻めなどは苦にはならないのだが、延々と終局させない方法で本気でやられると、小寄せで10分くらい残っていても必ず時間切れになる。今住んでいる所は、すごくマナーがいいのでこういうのは経験しなくなった。 一番悲劇的な経験は、空手チョップ叩きである。こちらの時間が少なくなって来た時に、相手が凄まじい勢いで体重の乗ったチョップで対局時計を叩き始めたのである。完全に対局時計が壊れてもいいという姿勢であった。この碁は団体戦で、すでにチームの勝敗に関係ない碁だったので私は勝ち負けより対局時計が心配だった。数千円くらいする品である。一番一般的な、青いプラスチック製の対局時計だったのだが、よく壊れなかったものである。結局私の時間が切れて、相手チームは全員で大喜びしていたのだが、県代表クラスの打ち手がこういう行為をするのを見て、悲しさを通り越して呆れてしまった。 ストレスを嫌って、公式戦に一切参加しない人もいて、世の中には隠れた強豪もいる。でも私は、勝負の醍醐味が忘れられない。今年もそろそろ泣き笑いのシーズンが始まる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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