カテゴリ:囲碁
本因坊戦の最後は、半目差で決まった。アマチュアから見ると半目差というのは無いも同然。こんな微差で一生を左右するような大勝負が決した時の対局者の気持ちは、私などには量りしれない。それにしても、碁は長丁場の試合であるが、途中激しいやりとりがあっても、最後の最後に薄紙一枚差で勝負が決まるのは、神秘的でさえある。
これと似た面白さがあって、見るのが一番好きなスポーツがある。それは自転車のロードレースである。途中に激しい攻防があったり、豪快な大逃げがあっても、最後には鼻の差で決まることが多い。多くのレースでは、山あり谷ありの難コースを200km以上も走り続けているのに、最後の最後に凄まじい半目をめぐる争いで決着する。ある意味これほど神秘的なレースはないであろう。 途中で逃げを打つ選手は、逃げを成立させるのも大変であるし、仮にそれに成功してもほとんど捕まってしまうのである。であるからこそ、果敢に逃げる選手は勝率は低いけれども、すごく高く評価されるのである。このあたりは、寄せに勝負をかけるタイプの方が勝率が良いけれど、宮沢9段のようなロマン派も評価される囲碁界とちょっと似ている。(ただ、私はもっとロマン派の評価が高くあるべきという思いがある。) ところで、長丁場であるのに、最後の土壇場で勝負で決まるレースと言えば、これも大好きなTV番組「どっちの料理ショー」がある。様子を見ていると相当な収録時間らしい。お互い死力を尽くしてこれでもかと最高の料理で魅せようとする。 しかし、勝負がもっとも揺れるのは、どうも最後の盛り付けの瞬間のような印象である。思いがけず付け合せに目玉焼きが登場したとか、雑炊が付いたとか、主役よりもそんな差で決まってしまうのは、当時者にはたまらんであろうが何とも面白い。 いよいよ、ロードレースの最高峰ツールドフランスが、7月2日から始まる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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