カテゴリ:囲碁
箱根で、カヤの木の植樹祭と記念囲碁将棋大会が行われるという。残念な事に国産のカヤの大木はバブル期に投資の対象になったこともあって、切りつくしてしまってほとんどないらしい。「次の世代にカヤの森を」ということで植樹際となったという素晴らしい話である。
カヤの木というと、懐かしく思い出すのは小学生のころに学校のすぐ近くの民家の庭にあったカヤの大木である。実の生る季節になると、カヤの実で笛を作って遊ぶのが楽しみだった。しかし、それには子供達にとって大きな関門があった。 民家の高い塀から、枝の一部が顔を出しているのだが、その塀と道との間に川が流れていて、簡単なことではなかったのだ。運動神経のいい子が塀をよじ登って、集めて来たような気がするのだが、はっきりとした記憶がない。もうずっとそこには行ってないので、その木が今もあるのかどうかもわからない。思い出にしておく方がロマンがあるだろう。 もう一つ、最高に面白い話がある。それは、もう亡くなられたYさんから聞いた話である。林業関係の仕事をしていたYさんが、退職の時にたまたま山に生えていたカヤの大木をプレゼントされることになったという。 もしバブル期ならば、数千万円の値がつく宝の木である。碁キチのYさんは大喜びした。早速伐採してもらい、碁盤の大きさの木材に切り出してもらったという。すると、思いがけず質の良い木材がいくつも取り出せたと知らせが来たとのこと。 そしていよいよ、興奮を抑えながらその木材を見に行ったのだが、宝を拝んだ瞬間そこで卒倒しそうになったという。もともと碁盤用木材の産地でないから起きたのであろうが、とんでもない悲劇がYさんを襲ったのである。なんと、カヤの木は将棋盤の大きさに切り分けられていたのである。 想像しただけでも恐ろしい。私は、これほどの悲劇を他に知らない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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