テーマ:囲碁全般(745)
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今期のNHK杯は妙に身につまされる教訓が頻繁に現れる。今週のNHK杯、小林光一九段対三村九段の薬局、いや一局。信じられないような事件が二つも起きたのには驚いた。
一つ目は、中央で黒の小林九段がどう打ってもやれそうな局面で、考慮時間をつぎ込んで慎重に考えた末にカウンターを食らって大石が取られてしまった局面である。 あの時の状況からして、読みきったつもりでいて見落としがあったのは間違いないだろう。大矢九段が、「どうやっても良さそうな局面は危ない」と解説言っていたけれどまさか本当になってしまうとは。 どうやってもやれそうだけど確実に仕留めたい、という局面にはしばしば遭遇する。こういう場面でなぜか打ってはいけない手を打ってしまう、という経験を山ほどしてきた。 例えば、相手の大石が取れそうな場面。もしかしたら手抜きでも取れそうな気がするけれど確実に一手入れて殺しを確かめたい場面がある。ここで、味のいい所に手を入れてしまい、味の悪い所を突かれて生きられてしまった、ということがなぜか起きるのだ。 この心理状態は未だに理解できない。慎重になっているが故に、逆に読みぬけが生じるような不思議な現象なのだ。 あの小林九段にして、こんな事が起きるのを見てビックリしたと同時に、ちょっとほっとした気分にもなった。 続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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