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人の能力の不思議 ニュースによると将棋界で奨励会に籍を置く16歳の少女が長く女流トップに君臨する清水プロに勝ったとのこと。女流棋士の清水プロにしても男性棋士と研究したり対局する機会もあると思うのだが、経験も浅いが奨励会で研鑽している少女にあっさり追いつかれてしまった。 プロ野球の世界では、2軍の試合で毎年抜群の成績を治めても1軍で全く通用しない選手もいれば、その逆にアマチュア時代や2軍であまり成績をあげてないのに、才能を見込まれて1軍で使われているうちに一流選手になってしまう選手もいる。人の能力は不思議だ。
中国の話。 数年前に中国での少年達の育成の現場を見た時は衝撃的だった。いろんな競技で能力や適性のある子が集められて英才教育を受けるシステムがある。杭州棋院にも大勢の子供たちが集まっていたが、さらにユウビンらの地元出身のプロ棋士が連日指導している。その才能のある子達の中からほんの一握りの天才が選抜されて次のステップに進む。そこに入れなかった子達は、そこで碁は止めて激しい受験戦争へと突入するのだ。あくまで碁は子供の習い事であって、大人の世界に浸透した文化ではない。すごいとは思うが、羨ましいとも思わない。 韓国には行った事はないが聞くところによると民間の道場で連日大勢の子が勉強し、OBのプロ棋士らもたくさん来て、対局したり課題を与えたりして熱心に指導してくれるそうだ。棋士の試験は厳しく、トッププロに近い実力がないと入段できないから、新たに入段する棋士全員がトッププロになるのが確定しているみたいなものだ。
日本では 日本の場合、プロの予備軍の人数が圧倒的に少ない。だから、彼ら全員が貴重な金の卵だ。人数が少ないから見込みがないとは言えない。江戸時代の家元制度の中で何人も大棋士が生まれている。山城9段が島村先生に入門した時はルールを覚えたばかりの初級者だったそうだが、かつてはそういうのが普通だったはず。 院生では週末に午前午後と対局し、わずかな人数の院生師範が対局の手直しをする。ちょっとしたアマチュアのお稽古会と大差ない内容だ。院生対局ではいつも同じような相手との対局になってしまうし、プロ棋士と対局する機会は少ない。 その中で同じような実力の子がたくさんいて、たまたま試験で成績が良かった子が合格する。十代前半ですでに合格しても不思議ない力がありながら、進路変更してリタイアしたり、あるいは20歳前後でようやく合格というケースも多い。 貴重な十代の時間に高いレベルの中で真剣勝負する機会があれば驚異的に伸びたかも知れないのに、可能性のある子達の才能が潰されているのだ。何とも勿体なさすぎる。関西棋院では、最近そんな経歴の人を20歳過ぎてから遅ればせながら棋士に採用しているが、何か妙な話だ。 プロ棋戦を完全にオープンにしてしまえば済む話だが、すぐにそれが無理なら10代である程度力のある子は、プロ棋戦に参加できるシステムにすれば良い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 13, 2011 08:08:02 PM
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