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台風のおかげで久方ぶりの無為な時間を持つに至る。
北海道より石垣島へと住みつき十余年の月日を経るも我が心のうちに一向に郷里に向かう気配なく、何故にこれほどに彼の地にこだわるのか思惟を巡らせたのである。ブルーセイジの香など焚きながら。 で、わかった。 彼の地 沖縄県八重山には影が、大小無数の影が、もうそれこそそこら中が影だらけであり、若年の時分より世間の隅々まで広く蔓延るキレイごとやら偽善的言動やらポジティビティの賛美一辺倒が気に入らなくてしょうがなかった私にとって彼の地に差す影こそはまさしく捜し求めていたものであるのだ。 何故に捜し求めていたかと言えば我が郷里に住む人々や都会に生く者の大半は影を否定し、否定まで出来ぬものは隠蔽し、否定と隠蔽のあとにくるのは忘却であれば、影の存在をまったく真っ当なものとして取り扱う若年の私はあらぬ批判に晒され、危うくそれら批判を甘んじて受け入れようとさえした事もあったが、やはり理を求めれば分があるのは当然こちらであれば本土都心部にて虚しき我が闘争を繰り広げる代わりに私は私の理を信じて疑わず、我が主張の正当性を立証したかったのである。 とは言っても誰に対して立証したいわけではなく自分自身に対して裏づけを与えたかっただけであり、昨今わけのわからん凶暴な殺傷事件を起して嬉々としているどこぞの偽悪少年らと一緒にしてもらっては心外だ。私はただ「美味しいものを食えば臭いウンチが出るよ」と言ってるに過ぎないのだから。 美味しい食事ばかりをファイルして喜ぶ趣味は持ち合わせていないし、ウンチを誰彼構わずに投げつけて喜ぶ性癖もない。あくまでそれら両方の意味と意義と存在を真っ当に取り扱おうではないかと言ってるに過ぎない。 で、昨今の世の中はどちらかに偏った人ばかりがものを言うが、皆さん御自身の危うさに気づいてないのが私は怖かったりする。人を殺した奴は悪い奴だ。殺せ。死刑にしろと大合唱したり、覚醒剤をやった芸能人はその芸歴や人格まで否定し非難し尽くし、その一方で人を殺して何が悪いと概念ばかりをいじくり回して得意げになってるような阿呆ばかりが目に付きはしまいか。 影を否定して影なきものの正しさを妄信するから一方で影ばかりを見せ付けて喜ぶ軽薄漢が現れるのであり、それこそが現代ニッポンの危うさの基幹部分だろう。 私はそうじゃないと思っている。どちらも在るのだ。どちらもOKだ。どちらもあるから私たちは精神のバランスを整えられるのであり、どちらしか在ってはいけないとなるから精神のバランスも肉体のバランスも崩すのだろう。私はそう思っている。 そして彼の地 八重山はどうだ。影だらけだ。ぶっきらぼうな顔で乱暴狼藉をはたらき、優しい言葉をささやきながら平然とひどいことをやり、それを責めると本人は全然悪びれていないし、本当に悪いとも思っていないようなのである。悪いってことばかりではなく、だらしないのも、いい加減なのも、約束を守らないのも、言葉に責任を持たないのも、変な言い逃ればかりするのもまた然りだろう。 で、そういう連中ほど善き行いや楽しき語らいに腐心する感性をちゃんと持ち合わせていたりするし、それはまた同時にたいへん魅力的な人物であるよう私には感じられるし、そんな連中に囲まれて右往左往したり泣き笑いしている今の暮らし方が私はわりと気に入ってるようだ。 ブルーセイジの薄い煙を吸いながら斯くのごとき自己分析をした次第。 [島ネタ]カテゴリの最新記事
昔から、仁科さまの文章は読ませていただいていました。島社会のかゆいところに手が届く文面に、グイグイ引き寄せられたことを今でも覚えています。
久しぶりに読んだ「島嫁の憂鬱」亜紀子のその後が気になってしょうがありません(笑) なぜなら、私自身が「亜紀子」だったからです。 もう10年はなんとか、ごまかしごまかしやってはきたものの・・・・・・・・です。 次回の掲載を楽しみにしています。 また仁科さまの活躍も応援しています!! 余談ですが、昔、月刊やいまじゃないほうの月刊誌(名前忘れましたが)強烈なおもしろい文章があったのをご存知ですが、、、、 みんな言うだけ言って、島を離れてしまう方が多い中、島在住であって、この文章を書ける仁科さまは、まさに師匠です!! 清志郎!!ブブンブブンブン♪です!!(2009.10.03 20:06:48)
亜紀子さん、コメントありがとうございます。亜紀子を知っているという方はたくさんいるのですが、ご自身が亜紀子だと名乗り出てくれる方はこれまでいなかったのです。やっぱり亜紀子は一寸物怖じするタイプなのでしょうか。
じゃ、なんで私が亜紀子の話を書いたのかと言うと八重山の人々の口々にあがる内地嫁像からその心労の大きさを慮るにある種の文学的感動を覚えたからなのです。『うそ~、俺にはそんな生活、無理っ!絶対無理。男でよかったぁ…』みたいな感動です。 ガラパさんも今しばらく頑張ってください。そして私などの想像にも及ばないような偉大な島の嫁として石垣島に君臨されることを心より祈っております。合掌。(2009.10.06 12:23:16)
コメントありがとうざいました。
心が救われた気持ちです。 今こそ、反撃の時!仁科さまは、今の私にとって、 鳩山由紀夫、もしくは尾崎豊です。 今まで心の中でしかつぶやけなかった気持ちを、 こんなにも赤裸々に文字にできるとは!! していただけるとは!!! NO.21を何度も何度も(あの薄さで)文章を探してしまいました。亜紀子その後楽しみにしています。 ちなみに、NO.20を主人に見せたところ、 「まさか!これ!オマエが書いてないだろうな?」 この一言に、大きなガッツポーズをしたのは、言うまでもありません。まさにあの文章は我が家の新婚時代そのものだったからです。 もっともっとダンナを苦しめてやるーー これからも、仏壇を守っていく決意です。 しかーーーーし、しかし!!! 小さな抵抗をしても許してもらえますよね? この文章を何人の島人が読むか?心にひっかかるのかわかります。 でも、仁科さまの発信を応援することが、 私の唯一の、抵抗の手段です。 長々とすみません。 ご多忙とは思いますが、 執筆活動も何卒よろしくお願いいたします。 (2009.10.28 22:08:13)
別名 亜紀子さんコメントありがとうございます。
休載を一本はさんでしまったのは編集部のミスだし、その前の号でも冒頭の原稿を1ページ分落とされてしまい、周囲の方々からたくさんクレームも頂きましたし、私としても歯がゆい思いです。何やってんだガラパ!しっかりやってくれよと。 ギャラなしで書かせるから何処かしら無責任なんでしょうね。ま、いいんですが。 「まさか!これ!おまえが~」のところは不覚にも笑いました。やっぱりそうなんですか!と。前にも書いたような気がしますが、亜紀子に具体的直接的モデルはいなくて、私がこれまで見聞きした内地からの嫁さんたちを統合した姿形が亜紀子であり、その創造的女性をステレオタイプとするかの如く同様の生活をしてらっしゃるなんてまさに事実は小説より奇なりですね。奇だし、きっともっとヘヴィーだろうし…。 現実と想像の二人の亜紀子様の御多幸と健康を誌上からお祈りさせていただきます。 あ、そうそう。ガラパ編集部や私の周囲から伺ったところでは『島嫁の憂鬱』結構地元の方々も面白がってくれているみたいです。「ナイチャーが書くのは許してやるw」みたいな事で。 で、一部島のおばさまたちから「あの話、具体的過ぎてチョット変な~になるから嫌さ」との軽微なクレームもあるにはあるようですが、それはきっと亜紀子の義母と己の姿にかぶるものがあるからなのでは…と勘繰る今日この頃です。 また来週~。(次号は続きから掲載されます。落とされた原稿部分だけ別枠で掲載するそうです。ま、実際どうなるのかは発刊されるまで不明ですがwww)(2009.11.05 03:46:31)
このような未熟者の私に丁寧なコメントをいただき、心より感謝です。不満ばかりの毎日に、この掲載が今の心のささえです。
前回の私の書き込みで一部訂正がありました。 「この文章を何人の島人が読むか?心にひっかかるのかわかります。」→正しくは「わかりませんが」でした。 文字って、むずかしいですね。一文字ちがっただけで、まったく別の意味合いをもってしまいます。 結論は、たくさんの方が読んでいるんですね!大変うれしいです。今まで日陰で見えなかった部分を、否が応でも知ってもらうチャンスです。関係のない人には、おもしろい話で終わりだとは思いますが、、この文章を読んで耳をふさいでる島嫁のダンナ、オバーたちにに!!ちょっと変になるさ~というオバーは身に覚えがあるからです!!!島嫁と共に苦しむのじゃー(というのは軽い冗談ですが・・・) 亜紀子の結末は、この先どうなるのか。。。 現実の亜紀子は、あえぎながら、行事に振り回されながら、心を許せる友人も見つけられず、ですが、何とかしがみついています。 島嫁うんぬんより、ダンナへの愛が上回っていれば、 すべてオーライ。すべてを乗り切っていけるとは思うのですが、、 そんな今日この頃、占いなどにもいったりして、 架空の亜紀子の今後を気にするより、現実の亜紀子の今後の心配をしたほうがよいかもしれませんね。(笑) 仁科さま、感謝です。次回掲載楽しみしています。(2009.11.05 13:09:53)
出産→ダンナからの一方的離婚宣言。
逆パターンはよくありますが、意外な展開に、私の周りの、島人乙女、移住ナイチャーにどよめきが!! 今週は第何土曜だった!???? 土曜日になるたびに、カレンダーで再確認してしまう亜紀子でした。 この掲載に限らず、ガラパすべてを応援しています。 次回まで、あと6日。(2009.12.20 18:51:26)
亜紀子さん
毎度のご愛読まことにありがとうございます。 ガラパ掲載の亜紀子の物語、いろんなところで色んな反響を呼んでいるようですね。それこそ賛否両論様々なお話が聞こえてきます。 しかし島ナイチャーもシマンチュもあんな小作品にこれほど注目してくれるとは正直意外でした。もっとフツーにスルーされちゃうのかなぁと思ってましたので賛も否も含めて世間様からの反応はありがたいですね。苦労して書いた甲斐があると言うものです。 って本当はそんなに苦労してないかなw しかし今週末に発刊分の島嫁原稿には遂に遂に遂に直しが入ってしまいました。編集部様のご意向で、過激な表現を改めよとの指示があり、読者からのクレームがあったわけでもないのに(まだ掲載してないわけですから)表現自粛とは表現者の風上にもおけんと情けなく感じたわけですが、ましてやフリーペーパーなんで読者から購読料を頂いてるわけでもなく、もっと書き手のスタンスは自由でいいと思うのですが、出版という営為を行ってる人間の覚悟がないっちゅうか矜持がないっちゅうか、ま、とにかく少々寂しいものがありました。 って言っても所詮は石垣島のローカル誌なんでそんな覚悟も矜持もないのも仕方ないのかなぁとも思ったりします。出る杭にならないよう生きる術を身に付けた島の方々に合わせるしかありませんからね。それが嫌なら自分で雑誌つくるしかないわけで。 ま、しばらくそんなことやってる余裕もないでしょうから当面ガラパでしこしこと書いて(描いて)おくことにします。(2009.12.24 23:48:58) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
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