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テーマ:蘭を咲かせましょう!(8981)
カテゴリ:胡蝶蘭
昨日書いた『胡蝶蘭の株分け&植え替え作業内容報告(前編)』の続きです.
子株だらけのアマビリスの株分けから再スタート! ↓が作業前の状態です. 昨日紹介した『ナオリンさんから昨年の秋に戴いた株』と異なり,新根が全く出ておらず新葉も出てくる気配がありません. つい先日まで多くの花を開花させるためにエネルギーを使っていたので成長に振り分ける体力がなかったのかもしれませんが,今後成長を再開してくれるか大いに不安です. かといって根が動き出すのを待っていたのでは作業時期を逸してしまいかねませんので,見切り発進しました. 株を鉢から取り出し,傷んだ根を切りとる作業までは『ナオリンさんから戴いた株』に対して行ったものと全く同じです. 根の整理が済んだ株 う~ん,マトモな根が無い…. 本当はもう少し切り詰めたかったのですが,あまりの状態にこの程度で終わらせてしまいました. これが吉と出るか凶と出るかチョット不安です. 次にメインイベント(w)の子株1&2号の株分け~. 一般的に茎から子株が顔を出す事は稀だそうですが,それは園芸品種でのお話. 原種ではそれなりの頻度で発生するみたいです. まぁそうは言っても,何の問題も無い健康な株で,完璧な管理条件下で育成されていれば子株なんて出てこないのが普通でしょう. 高価でマニアックな専門書は見たことが無いのでなんともいえませんが,これまで私が目にした様々な本やWebでは,株元や茎から出た子株の株分けなんてお目にかかったことはありませんし,園芸品種を育成している園芸農家さんはHPのQ&Aでは 『まれに親株の根元に子株ができることがあります。原因は親株に何らかの障害が出たためにできるものが多いみたいです。私の経験上無理に分けることは株にとってよくないみたいです。どちらかが病気になったり腐食したときに感染を防ぐため除去する以外ではこのままがよいと思います。』 って書いてありましたからね(BBSで既に文章は流れてなくなっていますが良く似た内容がここの下の方にあります). しかし,とある本(図書館で借りて必要箇所だけコピーしたので書名が不明の2冊の本)に『長期間育てて下葉が落ち腰高になってしまった株』の処理方法が載っていたのです. そこには『茎の上部を年本かの根を取って切り取り,一番下の葉元がミズゴケの表面スレスレになるように植えつけ直す』とあります. また更に『(茎の上部を切断して)葉が無くなった株もしばらくそのまま管理を続けていると新芽が出てくる事もある』との記載もあるのです. これを拡大解釈すれば茎から出た子株も株分け可能ということになりますよね! ちゅーことで子株の切り取りを実施する事にしたわけです. 残った数少ない根を傷つけないよう細心の注意を払って親株から切り離したのが↓. 奥:子株1号 右手前:親株(子株3~5号を含む:既に親株の葉はほとんどありませんが…) 左手前:子株2号 後はこれらをそれぞれ3.5号の素焼き鉢に植え込むだけ. これ以降は昨日書いたのと全く同じ手順ですので,作業途中の写真は割愛させていただきます. そして↓が作業終了後の写真. 右:子株1号 左:子株2号 手前:親株(子株3~5号を含む) ミズゴケの量は株を持ち上げても鉢が落下しない程度,シッカリと高密度で入れました. そうする事によって鉢内部が『乾湿のバラツキが少ない状態』になると共に,水遣りの際にミズゴケ同士やミズゴケと鉢の隙間から水がダダ漏れになる事も防げるので,水管理が非常に楽になるのです. 鉢内部の過湿を防ぐ為,鉢底に発泡スチロール片を入れたりする事もあるようですが,そうすると鉢内部の湿り具合がわからない(鉢底の穴から指でつついて湿り気を確認できない)ので私は実施していません. また株のどこまでをミズゴケで巻いて鉢内に収めるかですが,腰高になってしまうと花数が少なく,葉も小さなものしか育たなくなる事もあるので,一番下の葉がミズゴケの表面スレスレになるようにするのが良いとの事. 自然の状態では木の枝や幹に沿うように倒れて生長する為,腰高になる(根と着生面の距離が伸びる)事は無いそうです. 更にミズゴケの量に関して前回(2年前)のアマビリスの植え替えで失敗したと感じ,今回意識して気をつけたのが『ウォータースペース』をシッカリと作る事. まともなウォータースペースを作っていなかったせいで,この二年間の水遣り&施肥がやりにくかった事この上無しです! ゆ~くり時間を掛けて注がないと鉢上部からあふれていましたからねぇ~. 特にミズゴケ表面がカラッカラに乾いた状態だと,水を与えてもしばらくは完全に水を弾いてしまうので難儀しましたよ. ところで傷んだ根の選別方法ですが,先端が緑色のものは成長中の根なので当然残します. 先端が白色(=生長をSTOPした根)でも表面全体が白い色で軽く触ると弾力があるものは健康な状態ですので残します. 一方,表面の海綿状組織が黒っぽくなってボロボロになっているのは根腐れなのでカットです. わかりにくいのは白っぽい色をしているが,触ってみるとへこむような根. これは根腐れの初期症状なので切り取った方が無難なのだそうです. 根腐れがあった場合(全く無いのは稀でしょうけどw),該当部分を切除後,幹部(患部?)に直射日光を10分ほど当てて殺菌消毒した方が良いそうですが,私は幾つかの殺菌剤を定期散布しているのでこの操作はすっ飛ばしました. だって葉にも当たるであろう直遮光のせいで,万が一葉焼けを起こしちゃったら嫌ですから.w それにしても今回の植え替えで痛切に感じたのは 安物のミズゴケは作業しづらい! と言うこと。 ホームセンターで購入した格安品(昨日載せたの写真)が残っていたのでそれから使い始めたのですが,ミズゴケ一本一本の長さが短いのです. だから胡蝶蘭の根の下方に丸めたミズゴケを押し当てる際や,根の周りをミズゴケで覆う作業の際に,ポロポロ落ちて非常にフラストレーションがたまりました. 格安品を使い切ったので途中からコチラで購入したミズゴケを使用したのですが,品質の差が明らかで作業効率が一気に上がりましたよ. ニュージランド産水苔 500g 皆さん,安物のミズゴケを買う事だけは避けましょう.w さて,今後2週間は屋内の日陰で一切水遣りを止めて葉水だけで管理していく事になるのですが,その間に新しい根が動き出してくれるかなぁ~. 屋内の置き場所の温度は最高最低温度計で測定すると終日20℃以上あるので問題ないと思うのですけど…. あぁ,早く本格的な育成を開始させたいよぉ~. 子株2号を一刻も早くナオリンさんに押し付けたいのに…. ------ 胡蝶蘭の株分け&植え替え作業内容報告(前編)はこちら 胡蝶蘭のその後の様子はこちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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