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職の精神史

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2008.06.08
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次は「左の社会主義」の煽動者・レーニンの宣伝理論について。


私の家には共産主義の数々の一時文献があるが、この本は手に入れるのに随分時間がかかった。


宣伝・扇動


レーニン「宣伝・扇動」(日本共産党中央委員会宣伝部・編/国民文庫/1969)



◆労働者のあいだでの扇動とは、社会民主主義者が労働者階級の闘争のすべての自然発生的な現われに、労働日、労働賃金、労働条件、等々をめぐる労働者と資本家のすべての衝突に、参加することである。

われわれの任務は、自分の活動を労働者の生活の実際的な、日常の問題と融合させ、労働者をたすけてこれらの問題を理解させ、もっとも重大な濫用行為に労働者の注意を向け、労働者をたすけて雇主にたいするその要求をいっそう正確に、またいっそう実際的に定式化させ、労働者のうちに自分たちの連帯性の意識を発達させ、プロレタリアートの全世界的軍隊の一部をなす単一の労働者階級としての、ロシアの全労働者の共通の利害と共同の事業にたいする意識を発展させることである。(8)



◆プロレタリアートの先進的な諸層のあいだでの扇動は、ロシアのプロレタリアートの全体をも目ざめさせる(運動が拡大するにつれて)ためのもっとも正しい唯一の道である。

都市の労働者のあいだに社会主義と階級闘争の思想とがひろがれば、もっと小さな、もっと細分された水路へも、かならずこれらの思想をそそぎこむであろう。(10)



◆経済的扇動も政治的扇動もプロレタリアートの階級的自覚の発達のためには同様に必要であり、また、あらゆる階級闘争は政治闘争であるから、経済的扇動も政治的扇動もロシアの労働者の階級闘争の指針として同様に必要である。


どちらの扇動も、労働者の意識を目ざめさせ、彼らを組織し、訓練し、彼らを連帯行動や社会民主主義の理想のための闘争に向かって教育することによって、労働者に当面の必要によって自分の力をためす可能性をあたえ、また労働者に、その敵から部分的な譲歩をかちとって、自分の経済状態を改善し、資本をして組織された労働者の勢力を考慮にいれることを余儀なくさせ、政府をして労働者の権利を拡張し、労働者の要求に耳をかたむけることを余儀なくさせ、可能性をあたえるであろう。(12)




◆だから、仕事にとりかかりたまえ、同志諸君!貴重な時間を失うまい!ロシアの社会民主主義者のまえには、目ざめつつあるプロレタリアートの要請を満足させ、労働運動を組織し、革命的グループとそれらの相互の結合とを強化し、労働者に宣伝・扇動文書を供給し、ロシアの全土に散在している労働者のサークルや、社会民主主義的グループを単一の社会民主労働党に統合するための多くの仕事がひかえているのだ!(31)



◆われわれは完全にマルクスの理論の基盤に立っている。この理論こそ、はじめて社会主義を空想から科学にかえ、この科学の確固たる原理をうちたて、また、この科学をさらに発展させて、すべての細目にわたって仕上げるにあたり、すすむべき道をあらまし示したものである。

(中略)

その任務とは、社会の改造計画を編みだすことでも、資本家やその取りまきどもに労働者の状態の改善を説くことでも、陰謀をたくらむことでもなく、プロレタリアートの階級闘争を組織し、そして、プロレタリアートによる政治権力の獲得と社会主義社会の組織とを終局目標とするこの闘争を指導することである。(34-35)




◆社会民主主義者は、これらにさえかぎってはならない。労働者の低い諸層のあいだに意識を目覚めさせるための第一歩が、合法的な啓蒙活動によって分担されなければならないことも、大いにありうるのである。

党にとって非常に重要なことは、この活動を利用すること、この活動を、まさにそれをもっとも必要としているところへさしむけること、合法的活動家を処女地の開墾へさしむけ、あとで社会民主主義的扇動家が、そこに種を蒔くようにすることである。

労働者の低い諸層のあいだでの扇動は、もちろん、扇動家の個人的特質や、場所、職業、その他の特殊性をもっとも十分に発揮させるものでなければならない。(46-47)




◆戦術と扇動を混同してはならない。扇動の方法は、個人的、地方的な諸条件に適応させられなければならない。扇動では、扇動家の一人ひとりにその駆使する手段の選択を一任すべきである。

すなわち、ある扇動家はその激励によって、べつの扇動家はその辛辣な風刺によって、さらにべつの扇動家は、数々の実例をあげる能力、等々によって、最大の感銘をあたえるのである

扇動は、扇動家に順応させられるとともに、聴衆にも順応させられなければならない。扇動家は、自分のいうことが理解されるようにみな話をしなければならない。扇動家は聴衆がよく知っていることがらから出発しなければならない

こういうことは自明なことであって、農民のあいだでの扇動だけに適用しうることではない。馭者と話をするときには水夫を相手とするばあいとはちがった仕方で、水夫と話をするときには植字工を相手とするばあいとはちがった仕方で、話さなければならない。

扇動は個性化されなければならないが、われわれの戦術、われわれの政治活動は、単一でなければならない。(47)




◆社会民主主義派の任務は政治的に無権利な大衆の後尾についてよちよち歩くことではなくて、大衆の政治意識を発達させることである

(中略)

この思想をわがものにするのは、少数の知識的労働者であって、大衆は、本能や直接当面の利益に導かれて、彼らのあとについていくのである。(56)



◆さらに、この抑圧の一つひとつの具体的な現われをとらえて扇動することが必要なのだ(われわれが経済的圧制の具体的な現われをとらえて扇動しはじめたのと同じように)。

ところで、この抑圧は、種々さまざまな社会階級にのしかかっており、職業的といわず、一般市民的といわず、個人的といわず、家庭的といわず、宗教的といわず、学問的、等々といわず、生活と活動の種々のさまざまな分野に現われているのだから、専制の全面的な政治的暴露を組織する仕事をとりあげないかぎり、われわれは労働者の政治的意識を発達させるという自分の任務を果たしえないであろうということは、明らかではないだろうか?

圧制の具体的な現われをとらえて扇動するためには、この現われを暴露することが必要だろうではないか(経済的扇動をおこなうためには、工場内の濫用行為を暴露しなければならなかったのと同じように)?(134-135)



◆一言でいえば、宣伝家は「多くの思想」を、しかも、それらすべての思想全体をいっぺんにわがものとすることは少数の(比較的にいって)人人にしかできないくらいに多くの思想を、あたえなければならないのである。

これに反して扇動家は、同じ問題を論じるにしても、自分の聞き手全部にもっともよく知られた、もっともいちじるしい実例―たとえば失業者の家族の餓死とか、乞食の増加などというような―をとりあげ、このだれでもが知っている事実を利用して、ただ一つの思想―富の増大と貧困の増大との矛盾がばかげたものであるという思想―を「大衆に」あたえることに全力をつくし、大衆のなかにこのようなはなはだしい不公平にたいする不満と憤激をかきたてることにつとめるが、他方、この矛盾の完全な説明は、宣伝家にまかせるであろう。

だから、宣伝家は、主として、印刷された言葉によって、扇動家は生きた言葉によって、活動する。(148)



ロシア全国から集められる政治的および経済的暴露は、あらゆる職業、あらゆる発達段階の労働者に知識の糧をあたえ、また多種多様な問題についての会話や講演の材料ときっかけをあたえるであろう。

(中略)

一つひとつの燃えあがり、一つひとつのデモンストレーションが、ロシアのいたるところで、あらゆる方面から評価され討議されて、他の人々にたちおくれまい、他の人々よりもうまくやろうという願望(われわれ社会民主主義者は、あらゆる張り合い、あらゆる「競争」を、まったく排撃するわけではけっしてない!)―はじめてのときはなにかのひょうしで自然発生的におこったことを意識的に準備したり、その他方あるいはそのときの有利な条件を利用して攻撃計画に修正をくわえたりする、等々の―を呼びおこすであろう。(210)



◆社会民主党の政治活動にはつねにある程度の教育学の要素があるし、これからもあるだろう。すなわち、あらゆる圧制から全人類を解放するための闘士としての役割を果たすように、賃金労働者階級全体を教育しなければならない。

この階級のますます新しい層をたえず訓練しなければならない。この階級の、もっとも無教育な、おくれた、われわれの科学をも生活の科学をも知ることのもっとも少ない代表者たちに、近づく仕方を知らなければならない。(259-260)



◆われわれは、労働者大衆に、「六つ組」の(言論、信教、出版、集会、結社、ストライキの)政治的自由を熟知させた。われわれは、「三つ組」の当面の革命的任務(武装蜂起、革命軍、臨時革命政府)を、いまや幾百万、幾千万回となく繰りかえさなければならない。

これらの任務を実行するための人民の勢力は、日に月にではなく、刻々に自然に成長しつつある。蜂起の試みはふえ、その組織は成長し、武装は前進している。野良着や背広や軍服を着た労働者や農民の隊列のなかから、無名の英雄が押しだされてきており、彼らは群集と切りはなせないように融合しており、人民解放の高貴な狂熱にますますふかくつらぬかれている。

われわれのなすべき仕事は、これらすべての小川が合流して強大な流れになるように、また、われわれの当面の任務の意識的で、率直で、明瞭で正確な革命的綱領の光りが、自然発生的な運動を照らしだし、その力を十倍にするように心がけることである。(268-269)



…重要部分を抜粋し、西南のOさんに入力を手伝ってもらったのだが、ここでレーニンが説いているのは、ヒトラーと全く同じことである。


すなわち、


1)良い政策ではなく、愚かな大衆を選んで近付け


2)暴露と批判によって、大衆の憤激をかき立たせ、利用せよ


3)大衆の権利意識、政治意識を目覚めさせよ


4)大衆を政治的意識にもとづいて団結させよ



というものだ。


実に人をバカにした話だが、バカにされる方にも責任があるのではないだろうか。


自分で勉強しないということは、他人に支配されてもいいと同意しているようなものなのだから。





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Last updated  2008.06.08 10:38:53
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