ある役者のつぶやき（送料無料市場）

山口県光市の母子殺害事件の
被告の実名が書かれている本
「福田君を殺して何になる　
光市母子殺害事件の陥穽（かんせい）」
（増田美智子：著）が、
10月7日、都内の大手書店のいくつかでも、
販売されたようです。

よく行く大手書店に行ってみましたが、
販売しない方針とのこと。

書店によって、対応が分かれています。

出版差し止め請求中であり、
かつ、少年法第61条の規定により、
訴追の恐れがあるからでしょうか。

楽天アフィリエイトでも、
アマゾンでも、商品すらありません
（しばらくして、楽天ブックスで、
取扱いがありました。
ただし、「福田君」という
文字列を含む商品画像は、掲載なしです）。

福田君を殺して何になる

しかし、ヤフーオークションでは、
何冊も、出品されており、
すでに、定価を上回っています。

入手困難の初版4,000部の
うちの1冊だから、
希少価値があるのかもしれない
（ヤフーオークションの
掲載可否は、どうなっているんだろうか）。

まだ、本を読んでいないので、
「福田孝行被告」「福田君」という
文字列を見ても、
あくまで「噂の域」を超えません。

そもそも、出版ぎりぎりという、
すでに、版元、取次、書店と、
受注、発注が、終わっているであろう
タイミングでの出版差し止め請求が、
意味をなすのかどうかも、
よくわかりません。

当然、
販売を「強行」した書店のように、
「仕入れたからには、販売する」、
というのは、商売としては、
本筋とも思え、
出版日が決まっている以上、
裁判所の決定を待てない書店が
出てくるリスクは、あったはず。

つまり、「被告（被告人）の実名が
出ないようにする」という、
本来、守るべき法益が
損なわれてしまうわけで。

死刑廃止論において、中心的役割を
果たす、人権派弁護団ということらしいが、
2審の広島高裁における法廷戦術も、
本書の出版差し止め請求も、
不可思議だなぁ、と思う
（奇策とも思える策を弄することで
耳目を集め、死刑廃止の議論を喚起することを
目指しているのだろうか）。

著者の一橋大学職員も、
死刑廃止の立場から、
本書を書いている模様。

同じゴールを目指しているはずの
死刑廃止論者の足並みが乱れているように
見える。

「死刑廃止論者イコール危ない人たち」
になってしまわないか。

村上春樹の長編小説「1Q84」のような
本の出版をめぐる駆け引き
（この場合、図らずも
「共同戦線」が成立することに
なったわけだが）。

被告や弁護団が
出版日を知らなかった
（知らされていなかった？）、
被告が心変わりした（？）など、
いろいろな可能性が
あるんだろうけど、
流れてくる情報だけで
思う、率直な感想。

台風18号が列島縦断。

電車が動いているうちに、
目的地には、着きましょう。

電車が「鉄の塊」になる前に。

また、明日。

【追伸】

福田孝行被告のものと思われる
画像も、すでに、多数、ネット上に
氾濫中です。



死刑