テーマ:洋楽(3317)
カテゴリ:音楽
おお。もしかして5日連続でしょうか?!
さすがに息切れしてきて笑顔が引きつってきたので(……いつもと同じ顔です)、きょうは短めにいきましょう。 ![]() (といって書き出したら全然短くならなかった……) *** ここのところいろんなバンドを紹介するときに、米英「インディー」バンドという紹介の仕方をしていますが、もちろん実際には、彼らは最初こそインディーでアルバムを出していますが大体途中でメジャーに移籍しています。例えば昨日の3バンドなら、 The Replacements : Twin/Tone → Sire('85から) Husker Du : SST → ワーナー('86から) R.E.M. : I.R.S. → ワーナー('88から) という感じです。 MTVが81年にスタートしたこともあり、日本にいると、80年代前半というのはアメリカの音楽は華やかだったイメージを持ちがちですが、実はアメリカの地道にがんばっているバンドにとっては大変な時期でもあったようですね。売れているのはイギリス人という感じで。アメリカの景気自体は深刻な不況だったらしく、ミュージシャンに配分されるお金や宣伝費は削られ、そもそもメジャー契約自体が伸び悩んでいたという話も聞きます。そういえば、ノジヲは子供の頃に日本車をアメリカ人がみんなで壊している映像をニュースで観た記憶があるようですが、あれも不況の一つの現れだったのでしょうか。あれは対日貿易赤字のせい? MTVならば、一旦プロモーション・ビデオ(PV)を作れば何度も流してくれますし、結構な宣伝になります。しかもそれが外国のアーチストなら尚更、向こうで勝手にPVを作ってくれたりしますので、例えばイギリスで人気が出始めた頃のアーチストと比較的安価な契約をすれば、育てる必要もなく宣伝費をあまりかける必要もない。一方のアーチストにとってはPVだけで宣伝できるのでわざわざ全米をライブをやって回る必要もない。アーチストにとってもアメリカのレコード会社にとっても好都合だったようです。(第2次)ブリティッシュ・インベイジョンといった雰囲気だったのは、そういう側面もあったようです。 しかし、もともとレコード会社が持っている予算の総額は増えていないのに、少ないと言っても外国のアーチストにお金が回れば、米国内で地道にやっているバンドはなかなか契約もできないことになります。そのバンドがPVを作ってもなかなかアピールしないような、ビジュアル的に地味なバンドだったりしたら尚更ですね。いいアルバムを作っても、広くその音楽を伝えるのは難しくなります。 ![]() この人たちが Husker Du です。右から、ちょっと太めでゲイという噂のプロレスマニアのギター、長髪だけど顔はいたって普通のちょっとだけマッチョな唄うドラマー、特徴的なひげで一番怪しい雰囲気を醸し出しているのに実は一番普通な人のベース。00年以降なら、キャラ設定で売り出せるのかもしれませんが、当時のPVでは受けなかったようで……。 *** これは余談ですが、ニコライがここのところ80年代の名盤について話題にしていました。名盤というものを、当時のリスナーだけでなく、後の音楽を形作るようになる他のアーチストや批評家と、そして後世のリスナーと、この3つともに影響を与える(与えた)ようなアルバムだと、例えば考えてみます。そういう面から見れば、例えば映像がなくても後々の世代にもその詞と音だけで勝負できるようなロックバンドの名盤が80年代に少ないのも、こうした背景があるのかもしれないなあと、ちょっと思いました。まあ、深く考えるにはもっといろんな側面からの考証が必要ですね。 *** 80年代は、全米でカレッジ・ラジオ局と地域色を出したインディー・レーベルが急激に発達した時期だとも言われています。そして、75年頃のNYパンクがロンドンに渡り70年代後半に華を咲かせ、それが巡り巡って全米に戻ってきてハードなパンクサウンドを演奏するバンドが増えた時期でもあります。ReplacementsもHusker Duもハードコア・パンクからスタートしたようです。そんな音だったから、いいバンドなのにメジャー契約が遅れたのか、逆にメジャーがMTVの音楽に気を取られていたから、インディーではそういうハードな音が好まれたのか。 きっとどちらも正解のような気もします。 "8 Miles High" - Husker Du ('87のライブ映像:もちろんバーズのカバー:シングル発売は'84) "8 Miles High" - The Byrds (バーズのオリジナル) ……やっぱり、こういう音だったからメジャー契約が遅れた、が正しいのかな(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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