のびゆらの 花咲く旅路

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  山崎豊子『運命の人』（3）（4）

  灼熱の8月に、ちょうど読了いたしました。運命の人（3）価格：1,600円（税込、送料別）運命の人（4）価格：1,600円（税込、送料別）1巻、2巻に続き、図書館から。極東軍事裁判のリアルな描写が印象的だった「二つの祖国」的な展開を予想していましたが、法廷闘争の描写は3巻で終わってしまい、4巻は、舞台がほとんどすべて沖縄です。（おそらく完全にフィクションですね）弓成は、沖縄へたどり着きます。そして、暖かい沖縄の方々に助けられて、一度捨てたペンをもう一度執るのです。そこで、彼が出逢ったライフワークは、「沖縄の悲劇」でした。沖縄…。じつは、一度も行ったことがなく、ビーチリゾートのイメージがぼんやりあるくらいで、太平洋戦争で唯一地上戦がおこなわれたとか、普天間基地問題とか聞いても、まったくピンとこなかったのですが、4巻を読んで、…本当に、自分の無知を恥じいりました。鉄の暴風。ひめゆり学徒隊。集団自決。基地の島。少女事件。悲惨、という言葉では足りない、ただただ悲しく、苦しい…。沖縄だけを踏み台にして、安穏と暮らしてきたという記憶が、しっかりわたしの遺伝子にも、刻み込まれているのでしょう。密約事件は、弓成を沖縄へ連れていくためのきっかけに過ぎず、本当に山崎豊子が書きたかったのは、この4巻だったのではないかと邪推しました。それにしても、ちょっと距離が離れていると、途端に遠い国の出来事のように、無関心になってしまうのはなぜなのか。沖縄の基地問題もしかり、六ヶ所村の問題もしかり。アンテナをしっかり立てて生きよ！と言われたような気がします。

  2010.09.11

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  『北欧、暮らしの道具店』の本

  ある日、ネットサーフィンをしていて、とある食器のシリーズに一目惚れしてしまいました。Rorstrand/ロールストランド/Pergola/ペルゴラ/カップ＆ソーサー【北欧雑貨】【北欧食器】Rorstrand/ロールストランド/Pergola/ペルゴラ/ボウル(大）【北欧雑貨】【北欧食器】RorstrandRorstrand/ロールストランド/Pergola/ペルゴラ/ピッチャー【北欧雑貨】【北欧食器】それが、こちらのRorstrand社、Pergolaシリーズ。以前から気に入った食器で食事をしたいという気持ちがあったのですが、自分の好みで、なおかつリーズナブルという条件がなかなか満たされず。Pergolaについては、見つけた瞬間目がになっちゃいましたね。しかも、いわゆるブランド食器のようなお値段でもなく、おおお～！と喜んでしまいました。どこで買おうかな？と思って、お店をいろいろ検索しているうちに、また出逢いがあって、それが北欧、暮らしの道具店　楽天市場店でした。北欧の食器、雑貨を取り扱う店は数あれど、屋号に「暮らし」と入っているだけあって、なーんとなく地に足のついた感じというか、デザインだけで選んでいるのではないという雰囲気が伝わって、このお店のファンにもなってしまいました。初めてこちらで購入したのが、Pergolaのディーププレート。Rorstrand/ロールストランド/Pergola/ペルゴラ/ディーププレート24cm【北欧雑貨】【北欧食器】結構なんでも合います。パスタでも、カレーでも、チャーハンでも。なによりこの青いツル草の模様を見ているだけで、ニコニコしてしまうんですよねぇ…。また、娘が酉年ということで、小鳥の雑貨を集めているのですが、スウェーデンの小鳥のオブジェも一緒に。北欧の雑貨には、小鳥をモチーフにしたものが大変多いんですよね～↓別のお店のリンクですが…、いま欲しいもの。Casalinga　Bird Wall Deco 4birds set・ホワイト 【送料無料】《 カーサリンガ / バードウォール デコ 4羽セット 壁掛け 陶磁器 アクセサリー オブジェ 飾り 》Casalinga　Bird Wall Deco 4birds set・ピンク 【送料無料】《 カーサリンガ / バードウォール デコ 4羽セット 壁掛け 陶磁器 アクセサリー オブジェ 飾り 》さてさて、前置きが長くなりましたが、この「北欧、暮らしの道具店」が本になりました！！北欧、暮らしの道具店これがまた可愛いんですわ～大型のムック本かと思いこんでいたら、B5くらいの大変可愛らしい本でした。商品の紹介はもちろん、買い付け日記、モノを通して見える北欧文化の紹介など、どのページから読んでも愉しい。ただ一つ困るのは、あれもこれもほしくなってしまうことですかねそろそろ涼しくなりそうなので、秋の夜長にFIKAしながら、じっくり読みふけりたいと思います。

  2010.09.06

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  山崎豊子『運命の人』（1）（2）

  図書館で予約していて、半年以上待っていた本が届きました。運命の人（1）価格：1,600円（税込、送料別）運命の人（2）価格：1,600円（税込、送料別）ハードカバー2冊なのに、あっという間に読んでしまいました。山崎豊子の作品は、実話をベースに「国家や大企業の闇に抵抗する個人の姿」を描いたものが多いですが、この『運命の人』もまさにそのパターン。辣腕政治部記者・弓成は、外務省事務官・三木と懇意になり、外務省の機密文書を入手。それは、沖縄返還にあたって、日米で交わされた「密約」の存在を示唆するものだった。何度か記事にするが世間の反応は鈍く、ついに最終手段として、文書を野党議員に渡して国会での追及を仕掛ける。しかし、質問に立った議員が、文書そのものを国会で暴露してしまう。機密文書の漏洩ルートはすぐに明らかになり、弓成と三木は逮捕。舞台は法廷へ―――――――――――というのが、(2)までのあらすじ。昭和47年に実際に起こった「外務省機密漏洩事件」の裁判を軸に、国家とはなにか、国益とはなにか、知る権利とはなにか、今後は、読者に考えさせる展開になるのだろうと思います。(2)までは三木の実像がほとんど明らかになっていないのですが、裁判が進むにつれて、そのあたりがちょっとずつわかってくるかな？それにしても、この時代に一般市民が情報を入手するには、「テレビ」より「新聞」が絶対優位なメディアだったわけで。「第四の権力」とかいわれていたんですね。スクープを書くためには火の中もいとわない、新聞記者の生活もリアルに描写されています。でも、今ってどうなんでしょう。2010年時点だと、新聞記者の方が記事を書く前に、政治家の側がtwitterでダダ漏れしたりとかできるわけですよ。（実際にやってるかどうかは知らない）昭和47年と比べて、市民が情報を入手しやすくなったし、そのスピードも全然違う。市民側も情報を発信しているし。ホント、時代は変わったな～と思います。（といっても、新聞がいらないというわけではありませんが、現実問題、我が家では新聞取っていません）あと妄想したのが、この「機密漏洩事件」が、かりに今年の出来事だったら、裁判のゆくえはどうなったかということ。きっとblogやtwitterで、弓成や三木を擁護する意見などがとびかって、（もちろん批判もね）一方的に有罪になるということはなかったのでは～、なんて。夢見過ぎかな（苦笑）とりあえず、(3)(4)が早く読みたい。

  2010.08.06

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  帰省中に読んだ本（その2）

  まだまだ美崎本は続きまして…お次は成果を生む人が実行している朝9時前のルール数ある美崎本の中で、現時点のBEST！と思える1冊。タイトルは一見、ちまたにあふれる「早起き本」のようですが、実のところは「セルフブランディング本」。「会社」の看板のない自分を、どうタグ付けて、認知してもらうか？がわかりやすく書かれています。パーソナル名刺の実例もたくさん掲載されていて楽しい。（美崎さん、次は名刺本も出してほしいなぁ）先日伺った朝活市場のオープニング講演会でも、「ブランディングはワールドカップと同じ」↓「パス（発信）をつないでいってゴールに結び付ける」というお話がありました。いま、たまたま図書館から回ってきた、勝間さんの「目立つ力」も読んでいるのですが、目立つ力発信することが重要と訴えているのは同じ。（というか、成功者はみんなそう言ってますよねー）ただ、すこし違いがあって、勝間さんの「発信」は、blogとかtwitterとか、web上のサービスを利用したものに特化されているのに対し、美崎さんの「発信」は、blog、mixi、twitterなどのwebサービスでの発信＋築地朝食会、ひみつの学校などの主催という、バーチャルとリアルの二本立てであること。正直、ごくごくフツーの一般市民にとして、バーチャルだけでキャラを立たせていくのは難しい部分がありますが、（あ、でもその方法は「目立つ力」に書いてあります）リアルですこしずつ周囲の方を巻き込んでいって、「みんな」で楽しいことをやってきた、というところが、美崎さんの強みなんだなぁと感じました。読むと、勉強会の主催をしたくなるので不思議です。お次は、視覚マーケティングのススメこちらは、（その1）で紹介した、『「結果を出す人」の仕事のすすめ方』に、推薦図書として掲載されていた本。『朝9時前のルール』を読んで、パーソナル名刺をつくりかえよう！とフツフツと考えていたところに、「セルフブランディングにデザインは必須である」というこの本。絶妙のタイミングでした～～～。この本で「トーン＆マナー」という言葉を初めて知りましたが、この言葉を知ることができただけでも、読んだ価値があると思いました。ウジトモコさんの他の著作も読みたいです。視覚マーケティング実践講座売れるデザインのしくみそして、オオトリ。旅先では旅行記を読みたいのびゆら、これも出発直前に届いたばかりの1冊。はるや一家のネパール旅行記自然育児友の会のミーティングでご縁をいただいた、「はるや」の藤村ゆみえさんご一家が、ネパール旅行をされた時の旅行記です。ご長男さんが文章を書かれています。これがうまいの～ネパールという国にまったく興味がなかったのですが、ちょっと行ってみたくなりました。やっぱアジアはいいなぁ。DNAが郷愁を叫ぶ感じです。でもダルバートの連続はいやかも…。ということで、「読書な帰省」大満足だったのでしたっ。

  2010.07.26

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  帰省中に読んだ本（その1）

  下書きに入れっぱなしだった記事をupします～活字中毒なのびゆらですが、残念なことに、目下のところ、本の購入量＞読書量です。気になる本は、ネット書店でもリアル書店でも買うのですが、読む時間がなかなか捻出できない…。（フォトリーとかできません）1冊の本を3週間くらいかけてチビチビ読む、なんてざら。というわけで、今回の帰省はたまった本をちょっと片付けるチャンス！と思い、結構持って行きました。機内ではジェネラル・ルージュの伝説理由は簡単、（軽い）文庫だから。じつはこの本は、Antosさんに行ったときに、持参した本を読了してしまって、大宮駅構内の書店で購入したもの。でも、目次を見たら単行本のほうがコンテンツが多いみたいですねー。「凱旋」では、オトナのかっこよさ満点の速水先生ですが、「伝説」では、ちょっと頼りない、生意気な若造です。「凱旋」の外伝的な作品（-疾風-2006）も掲載されていまして、以前、ジェネラル・ルージュの凱旋映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』を観たときに、あるエピソードについて、凱旋にはなかったな～と思っていたら、疾風のほうに収録されていました。映画のスタッフさん、すごいです。まだまだ桜宮サーガは制覇できてないのびゆらですが（8割ぐらいかな）、桜宮の年表とか、海堂先生による自作解説があり、マニアの血が騒ぐ、お得な感じの1冊でした。「結果を出す人」はノートに何を書いているのか（実践編）出発前日に楽天ブックスから届いた1冊。前作の「結果を出す人」はノートに何を書いているのかは、美崎さんご自身のノート術を紹介されるという内容でしたが、「実践編」は、前作を読んで、美崎さんのノート術を実践した方々の、ノートに関する悩みについて、美崎さんが答えるというQA形式。（へんなたとえですが、あな吉さんの手帳術アドバンスみたいなものかな？アドバンス受講していませんが…）昨日、たまたま堀江貴文氏（ホリエモン）のインタビュー記事を読んでいて、有料メルマガのコンテンツとして、読者へのコンサルをQA化して記事に載せてみたら読者数が増えたという話があったのですが、他人への回答が自分に役に立つというケース、結構あるんですよね。某新聞の「人生相談」コーナーが、なくならずにずっと残っているのも良い例かも。この「実践編」、職種、年代もさまざまな方々のノートを拝見できて、興味深いですし、美崎さんの回答も、ちょっと美崎さんの思考回路を覗ける感じで面白いです。「結果を出す人」の仕事のすすめ方またまた美崎本。これは、美崎さんの著書について、企画～執筆～発売までの流れを、そのときに影響を受けた本の考え方とリンクして紹介するという、仕事術＆読書ガイドの本。帰省前からちびちび読み進めていて、気になった本はついつい楽天もしくはAmazonでポチってしまうという、おそろしい本です（笑）ポチり率高い。仕事術の本としても読めるよう工夫されているのですが、目下のところ、読書ガイドとしてしか使えていないかな…。美崎さんごめんなさい（長くなったのでつづきます）

  2010.07.25

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  花ふきん

  あちゃーみさんのblogで知って、気になっていた「花ふきん」。【花ふきん】《遊中川》中川政七商店【楽ギフ_包装】【楽ギフ_のし】価格：735円（税込、送料別）品川駅のecuteで実物を手にする機会があり、我が家に2枚、やってきました～～蚊帳の生地を使っているとのことで、シャリシャリした手触りが心地よいひとまず、お弁当を包むのに使っていますが、娘もお人形遊びに使いたがって、奪い合い状態です（苦笑）。あまりにも気にいったので、先日の母の誕生日に、5枚セットをプレゼントしました。《遊中川》99-中川政七商店【花ふきん　平城遷都1300年　箱入り5色セット】【楽ギフ_包装】【楽...価格：3,885円（税込、送料別）平城遷都1300年限定ラッピングが可愛い母は「花より団子」の人なので、自己満足なんですけどね～帰省した時に、こっそり持って帰ろうかしら…。あ～、今年は絶対奈良に行くぞぉ。正倉院展。

  2010.06.03

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  徳川家の姫君たち

  のびゆら＠残業帰りです。娘が寝てしまったので、こっそりblogを。土曜にUPした、美崎さんのダダ本会議の記事は、twitterで美崎さんご本人　@a16misaki がRTしてくださったおかげで、たくさんの方に読んでいただいたみたいです。URL短縮サービス（bit.ly）によるクリック数カウントも、普段は、10いかないくらいなのに、今回は100超えました。ホント、自己中心的に、気ままに綴っているblogなので、こういうことがあると驚きます…。遊びに来てくださった方、ありがとうございましたさて、話は全く変わって、最近ハマっているもの、それは徳川家の姫君たち。正しく言うと、女性作家による姫君たちの物語に、かな。いっとき「歴女」という言葉がありましたが、そういう意味ではわたしもレキジョかもしれません。きっかけは、以前blogでご紹介したこともある、宮尾登美子『東福門院和子の涙』。東福門院和子の涙この本で「浅井三姉妹」を知り、三女のお江与の方の血を継ぐ、徳川家の女性たちにガゼン興味が。ネットの系図サイトなんかも見に行ったりして（笑）その後図書館で、平岩弓枝『千姫様』を借りました。千姫様画像がなくて、残念。平岩弓枝といえば『御宿かわせみ』ですね！かわせみは、わたしが唯一読める捕物帳。（というか、最近はすでに大河小説ですが…）娘にはるいと名付けようかと思っていたくらい、好きな小説です。時代考証キッチリの平岩作品なので、期待に相違せず、この『千姫様』も面白かった。ご存知、千姫は、徳川幕府二代将軍・徳川秀忠と、お江与の方の長女として誕生。大御所・徳川家康の孫娘です。これはあとから知ったのですが、豊臣秀頼に嫁いでいたのに、大阪の陣で、豊臣方が負けたあと、家康に助けられ、その後、本多忠刻に嫁いだために、「淫乱」というレッテル？が貼られたんだとか…。この小説では、そういうレッテルなしに、後年「徳川宗家」と呼ばれる千姫の、器の大きさが、爽やかに描かれています。夫となる本多忠刻のイケメンぶりも、すごい。東吾もまっさおです。世界遺産で有名な姫路の白鷺城が、ふたりがラブラブな新婚時代を過ごした場所ということも、初めて知りました。姫路、行ってみたいな～そして、これもいまさらって感じですが。ようやく宮尾登美子『天璋院篤姫』が予約しなくても、図書館で借りられるようになったので、ゲット（笑）天璋院篤姫（上）新装版天璋院篤姫（下）新装版生まれは島津家（のさらに分家）かもしれませんが、一応、徳川家の姫君としてカウント。まだ上巻しか読んでいませんが、いやー、賢い人ですねぇ。びっくりびっくり。TVはほとんど観なかったので、とても新鮮です。千姫や和子姫の頃は、徳川将軍家が、まさに藤原氏のように、栄華を極めていた時代。しかし、篤姫のころまで時代を下ってくると、将軍家の威光もかーなーり衰えていて、夫である第十三代将軍・家定も、身体が虚弱で、昼間から料理ばかり。黒船の到来などもあり、「徳川の人間だから一生安泰」、というわけにもいかない、斜陽の時代でした。そんな中、賢夫人として家定を支え、大政奉還まで幕府を支えた篤姫は、やっぱり凄いですね。女子的には、お嫁入り道具をあれこれ揃えるシーンもツボでしょうか。お道具類、季節ごとの衣装、小物。すべて京都の職人に注文して作らせたのですが、その陣頭指揮を執ったのは、あの西郷隆盛ということになってます。（本当？）和子姫のお嫁入りも空前絶後でしたが、篤姫も負けてはいません。安政の大地震の後避難していた渋谷の島津藩邸から、花嫁道具の行列が一カ月以上続いたというから、想像を絶します。島津藩の総力を挙げて、篤姫を送り込んだんですねー。学生時代に磯庭園や集成館に行ったことがありますが、かなり忘れているので、また行きたいなぁ。下巻が楽しみ。で、このころの姫君たちの婚姻って、当然政略ですし、逢ったことない人と結ばれたりするんですね。そういう「あらがうすべのない運命」の中で、人として、女性として、懸命に生きた姫君たちの物語を読むと、現代社会で、ある程度自由に生きていられる自分の悩みなんて、ちっぽけだなーと思えてきます。なので、レキジョはやめられません（苦笑）

  2010.02.09

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  『会社って楽しい？』は、フリーランスで活動するママにもおすすめ。

  昨日お逢いしてきた、美崎栄一郎さんの最新作がこちらです。会社って楽しい？じつは、昨年の秋にtwitterを始めてから、初めて美崎さんという方を知ったのびゆら。それ以前に、mixiのマイミクさんが、美崎さんが主催されている「築地朝食会」に行かれていて、日記に参加レポートを書かれていたのを拝読したのですが、「ツキジチョウショクカイ？ナニソレ？」みたいな感じで、スルーした記憶がま、タイミングじゃなかったんでしょう。その後、twitterを通じて情報が集まってきて、「凄い方なんだ～」という認知に至ったわけなんですが…。この『会社って楽しい？』は、年末から1月上旬にかけて、予約をした方限定の販促キャンペーンがありました。twitterでつぶやかれるコメントに、美崎さんのお人柄が出ますし、サイトの作り、特典の内容にも惹かれるものがあり、もともとビジネス書自体にさほど興味がないのびゆらですが、なんとなく「面白いな」と思ってしまったんですよね。実際に、美崎さんの1冊目のノートの本（『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』）も、その時はまだ読んでいませんでしたし、1月に2冊目が出ると聞いても、「へー」という感じでした。ま、経緯はともあれ、予約して買ってみたわけです。（ちなみに、キャンペーン参加者には、「購入以後」にも仕掛けがしてあり、それもとっても楽しみです）全然期待していなかったのに、…面白かった！小説仕立てになっていて、8人の主人公がいます。一言でまとめるとすると、いま東京を中心に盛んに開催されている、「朝食会」というツールを使って、自分磨きをしたり、社外の方とのつながりを深めたりするには、こんな風にしたらいいですよ、というハウツー本、ですかね。ところどころに、美崎さんこだわりの、文具ネタも入っていたりして、とってもお洒落です。また、参加者の心得だけではなく、主催者の心得もみっちり書きこまれているのが、素晴らしい。美崎さんご自身がモデルと思われる「イチロー」は、朝食会の席次を決める際、mixiのプロフィール等からその方のキャラクターを想像して、なるべく「化学反応」の起こるような組み合わせにしている、とか。ほほーー！と思っちゃいましたよ。それだけで、どれだけ主催者が配慮しているかってわかりますよね。なるほど、それで美崎さんの朝食会はリピーターの方が多くて、長年安定した開催が実現されているんだ～と。そういう内容も含まれていますので、この本は組織に属する会社員だけではなく、たとえば、フリーランスで活動するママにも役に立つな、と思いました。blogやmixiで情報を発信して、おうちカフェやママ向けのお教室を開催されている方って、たくさんいらっしゃいますよね。集客がなかなかうまくいかないとか、単発で参加される方はいても、リピート受講につながらないとか、お悩みがあるのではないかと思います。その活動を「朝食会」と置き換えて、この本を読んでみると、意外とスッキリするかもしれません。のびゆらも過去、ママイキを含めて、さまざまな集まりを主催したことがありますが、ここまでの心配りをしたことはなかったです！（反省）ネットをきっかけにリアルで出逢い、交流を深めていくための教科書。ですね。タイトルに騙されず、ぜひお手に取ってみてください。会社って楽しい？

  2010.02.07

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  AVATAR（アバター）

  話題の『AVATAR』、川崎IMAXで観に行ってきました。アバター　公式サイトストーリーや人物造形のプロットなどは、ある意味、ジブリ作品とFFとダンス・ウィズ・ウルブズを、いいとこどりしたような感じ（笑）で、もーすこし練っても良かったんじゃん？とツッコミどころ満載ですが。でも、凄かったです。人類がレアメタルを求めて降り立つ衛星パンドラの風景。人類が地上に現れる前の地球って、こんな感じだったのかな？と思わせる、奥深い森、森、森。凶暴だけれど、美しい獣たち。鳥たち。幻想的な植物たち。それが、本当に素晴らしかった。ナヴィ族のもつ死生観、自然観の描写も良かった。日本人にはとても共感できる部分があると思います。3Dならではの「飛んだ～！」「落ちるー！」という感覚を、映画館で共有するというのも新鮮で。これからのエンターティメントは、「仮想現実を多数で共有する」という方向に行くのか、と、業界人でもなんでもない素人が腑に落ちましたよ。キャメロン作品、ぜんぶは観ていませんが、過去の作品とのリンクも楽しめました。彼の作品によく登場する、芯の通った、潔い女性。『ターミネーター』のサラ・コナーには、当時小学生だったわたしも大ファンになり、リンダ・ハミルトンの出演作品を追いかけたほど。『AVATAR』では、グレイス博士も良かったですが、惚れてしまったのはパイロットのトゥルーディ。めちゃかっこ良かったです♪また、キャメロン作品には、身に負ったハンディ（と書くと語弊がありますが）を、別の技術で転換し、ハンディとしないヒーローも登場しますね。『ダーク・エンジェル』では、ローガン。車椅子の身ながらも、ITを駆使して電波をジャックし、政治や汚職などの真実を伝える放送を続ける存在でした。この人も、ホントかっこよかったんですよね～。シーズン2は、ストーリー自体がグダグダでしたけど･･･。『AVATAR』では、主人公ジェイク。戦争で脊椎損傷し、下半身不随となりますが、アバターとリンクすれば、パンドラの大地を自由自在に走り回れる。ラストの決断は、彼としては当然だったでしょう。さて、もともと「アバター」という言葉は、コンピュータネットワーク（SNSやチャットなど）で、「自分の分身となるキャラクター」という意味で使われています。Yahoo！やアメブロなんかにもありますよね。そういう意味では、誰もがアバタードライバーで、誰もがドリームウォーカーになれる･･･可能性があります。実際にオンラインゲームは、かなり近いレベルまで達していると思います。セカンドライフはやったことないので、わかりませんが、どうでしょう。「アバター」で現実に絶望のファン続出、なんていうニュースもありましたが、本当に怖いのは、映画ではなく、身近に使っているPCから入れる仮想現実だったりして。ふと、そういうことも考えてしまいました。ま、そんなことはさておき、本当にエポックメイキング的な作品だと思います。ぜひ足をお運びになってみてください。

  2010.01.19

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  バカの壁を突破する／KING of POP

  ひさびさにコーチの講座、「パパママ＠川崎」へ。これが「最後の主催」という桃ままさんから、主催チームのコンビネーションの良さはちょくちょくお聞きしていて、とても楽しみな講座でした。また、主催者側でないため、とても気楽で、当日、すこし会場ナビなどさせていただきましたが、楽しかったです～～（パパさんがお子様を連れて保育室に入られる姿が、とっても新鮮でした！）さて、肝心の講座はというと、主催チームのふみさんが、素晴らしいまとめをしてくださっているので、そちらをご覧いただくとして。一言であらわすなら、バカの壁を突破するあるいはダイバーシティを楽しめ！という感じでしょうか。チルドリンのG社長ほか、コーチのマネージャーYさん、あきのりさん、henchanさん、あきさんなどなど、たくさんの懐かしい顔にお逢いできたのも、一粒で二度おいしかった～ランチ会の後は、またまた映画。「This is it」に行ってまいりました。残念ながら、MJブーム（？）にはちょっと乗り遅れた世代で、実は彼の楽曲をよく知らなかったりするのですが、「これもそうだったんだ！」「へ～、この曲も？」と驚きの連続。歌も、踊りも、完璧すぎて…、哀しい。昔読んだ、村上龍さんの文章で、才能というのは心の欠損である。ニキ・ラウダにはF1のマシンの形に、ジミ・ヘンドリクスにはギターの形に、ジョン・マッケンローはラケットの形に心の穴が空いているというのがありまして、このフレーズが何度も何度もよみがえってきて。さしずめ、マイケル・ジャクソンはマイクの形に心の穴が空いているってところでしょうか。「I'll be there」なんて、本当に泣けました。聴いているスタッフやダンサーが、手を振っているのがさらに泣かせる。女の子がギターソロをやっているのも良かった。まさにKING of POP！さまざまな奇行の噂が飛び交いましたが、自分の歌以外で、心の穴を埋めるものを探していたのかな。こんなに素晴らしい、歌とダンスなのに…。サントラを買おうと、CD屋さんに行ったら、初回限定版と通常版があり、初回限定版は軒並み売り切れ。「最上志向」なので、初回限定版を楽天で見つけて、注文しちゃいました。マイケル・ジャクソン THIS IS IT↑これは通常版です。届くのが楽しみ。てか、また観に行きたいなぁ～～

  2009.11.21

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  映画「沈まぬ太陽」

  「沈まぬ太陽」、観に行ってきました。沈まぬ太陽（1（アフリカ篇・上））映画『沈まぬ太陽』オリジナル・サウンドトラック当時は小学生でした。ちょうどお盆で、祖父母の家に行っていました。新聞を隅から隅まで読んで…。あの事故のことは、しっかり記憶に刻まれています。冒頭から、涙、涙でした…。なんだかツボにはまってしまったみたいで。原作を読んだのは昔ですが、たくさんのエピソードがうまく処理してあって、映画版らしい見所がたくさんあるなぁ、と思いました。とくに、恩地が赴任するカラチ、ナイロビ、ケニアの風景…。サバンナに沈む夕陽、これは大きなスクリーンで観るべきですね。俳優さんたちが、どの方もその役を生ききっていて、素晴らしかったです。山崎先生の悲願の映画化だったそうですが、被害者の方には、観るのがつらい映画かもしれません。でも、あの事故を風化させないために、こうやって映像という形になって、良かったなぁと思いました。月末、帰省のため飛行機に乗るのですが、だ、大丈夫よね（苦笑）

  2009.11.15

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  「皇室の名宝～日本美の華」展（その3）

  古墳時代から奈良時代に思いをはせた後は、「第2章　古筆と絵巻の競演」です。時代は平安時代へと移ります。ここで「かな」が出てきてちょっとほっとします。なんとなく読めるので（笑）。「書」の世界はまったくわからないので、ほとんど斜め読みに近い感じ…。（わが身の無教養が悔やまれる瞬間）藤原行成筆と伝えられる「粘葉本和漢朗詠集」は、素人目にも素晴らしかった。こんな字が書けたらいいなぁ～書ばかりでちょっと疲れたころに、お待ちかねの絵。「春日権現験記絵」と「蒙古襲来絵詞」。とくに「春日～」は三重くらいの人だかりで、大人気でした。人垣が薄いところだけ、ちら、ちらと拝見。やはり絵はダイレクトに情景が伝わってくるので、いいですね。日本史の苦手な受験生も観に来たらいいのに。江戸時代の写本を、奈良女子大学が公開されています。こちらもどうぞ。そして、後半パート、「第3章・中世から近世の宮廷美　宸翰と京都御所のしつらえ」へ。宸翰（しんかん）とは、天皇が自筆で書いた手紙(消息)や日記、写経や懐紙・短冊などのことだそうです。「翰」は筆や手紙などの意味で、「宸」は天子に関する語の上にそえる言葉です。平安初期までの宸翰は、中国書法の影響がありますが、平安中期以降は和様の書が中心でした。また、鎌倉から南北朝の一時期、禅宗を通じて宋代の書の影響がありました。総じて大らかで帝王の風格が偲ばれる格調の高い書風です。天皇が出す文書として、詔勅、宣旨、口宣案などがありますが、これらは宸翰とは呼びません。 （東博HPより）天皇の書だけではなく、藤原定家の懐紙とか（和歌を何度も推敲してる）、おもしろいものがたくさんありました。「花園院宸記」は、南北朝時代の天皇・花園天皇の日記です。書もさることながら、絵がお上手なのはびっくり！御陽成天皇と後水尾天皇父子の書も見つけてしまいました。おおー！和子姫を泣かせた後水尾天皇！！（↑それかい！）実在の人物なのであたりまえですが、小説の中の人物が、リアルに存在していたことを実感…。こんな後世にまで書が伝えられるくらいなので、本当に和歌とか、芸術の世界では凄い方だったのでしょう。武家から嫁いだ和子と話が合わなかったのも、無理はないかも…。この「和子姫＆後水尾天皇」との再会はまだまだ続くんです。まず、最後のお部屋には、狩野永納筆「寛永行幸図巻（巻下）」が。これは寛永3年（1626）9月、二条城の徳川秀忠、家光のもとに、後水尾天皇の行幸があったのを絵にしたもの。（秀忠の娘である中宮和子も同行しています。皇后さまなら行啓ですが…、当時はなんといっていたのかしら？）「天皇が武士の城に行幸する」という、この寛永行幸は大事件だったようで、たくさんの絵巻物、屏風として描かれているそうです。国会図書館所蔵の絵巻はこんな感じですが、御物であるこの図巻はフルカラーで、とても繊細に描かれていて美しかった。中宮の輿を観たかったけど…、残念ながら、後水尾天皇の乗る御鳳輦を中心とした一部分の公開でした。そして、図巻のお向かいには「御即位行幸図屏風」。（これも御物）右隻が、後水尾天皇と和子姫の間に生まれた女一宮が、8歳で明正天皇として即位したときの様子。華やかな即位の大礼（というのかな？）が描かれていますが、明正天皇の姿自体は御簾の影です。左隻が、明正天皇の即位にともない後水尾院・東福門院となった二人が、それぞれ仙洞御所・女院御所へ引っ越しをする際の様子。車に乗っているので、やはり姿は見えません。小説を読んで、想像は膨らませていたのですが、実際に絵巻や屏風で様子をうかがい知ることができ、より小説の世界をリアルに感じることができました。うん、ライトタイミング。ここ最近、美術館巡りにはまっているのびゆらですが、なんでこんなに楽しいのか、ふと気が付きました。もちろん絵や工芸といった「美術品」を観るのも楽しいのですが、絵に描かれている「人」について想像したり、工芸品を使った「人」を感じるのが楽しいんですよね。今回みたいに、絵と人物像がシンクロしちゃうと、…もうやめられません。「皇室の名宝」第二期はいよいよ11/29（日）まで！めったに観られない名品ぞろいですので、ぜひこの機会に足を運んでみてくださいませ～～

  2009.11.14

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  「皇室の名宝～日本美の華」展（その2）

  この週末、夫が友人たちとのキャンプに娘を同伴するというので、産後初の「48時間おひとりさま」でした。ひゃっほ～～～しかし悲しいかな、仕事が山積みだったので、午前中は会社に行き、こっそり資料作り。その後、一路上野へ。開幕したばかりの、「皇室の名宝」第二期がお目当てです。公式サイト秋も深まり、東博本館前の銀杏が綺麗でした。こちらは大好きな表慶館。東洋館が耐震工事のため休館中なので、「アジアンギャラリー」となっています。大混雑は予想していたので、本館のコインロッカーに荷物を預け、最初にミュージアムショップをひやかし。お手洗いを済ませて、15時過ぎに入場しましたが、開幕後初の週末とあり、まだまだ人は多かったです。でも今日はタイムリミットないんだも～ん第一章は「古の美　考古遺物・法隆寺献納宝物・正倉院宝物」ということで、一番最初の展示品は、石川県で出土した石器。その名も「御物石器」です。珍しく行列に並んで、最前列で観ました。皇室の宝物の中に石器があるって、ちょっと不思議な感じでした。その後は、銅鐸や鏡など、日本史の教科書さながらの展示が続きます。聖徳太子の直筆の書などもあり、「ほお～！」とため息。そして、いよいよ正倉院宝物エリアへ。光明皇后がお書きになったという、「杜家立成雑書要略」。杜家立成（とかりっせい）というのは、隋末唐初の学者・杜正蔵の書簡文例集のことだそうです。当然ながら、すべて「漢字」。中国から伝えられた漢字を自由自在に使いこなせたというだけで、第一級の知識人だったんだろうなぁ。　「赤漆文欟木御厨子」という厨子も凄かった。文欟木というのは、木目の美しいケヤキの呼称で、これに蘇芳をかけ、生漆を塗って仕上げた、観音開きの扉を持つ収納具。これは天武・持統直系の天皇にのみ相伝された、由緒正しい品だそうです。まさに「皇室の名宝」。百人一首の世界でしか知らない持統天皇が、この厨子の扉を開いたり、なかに宝物を納めたりしたのかと思うと、遠い、遠い昔の時代が、妙にリアルに感じられ、ゾクゾクしました。「螺鈿紫檀阮威」。↑の公式サイトトップ画像にもなっている楽器です。螺鈿のオウムがかわゆい。音声ガイドで阮威の音を聴くことができて、満足でした。他にもたくさん展示品がありましたが、一つ一つにいわれがあり、本当に貴重な品々。日本人がなにを美しいと思ったか、それを知る上でも興味深いものたちでした。続きます。

  2009.11.14

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  「ウィリアム・ド・モーガン　艶と色彩-19世紀タイルアートの巨匠-」展

  なぜかタイルに心惹かれるのです。ガウディも好きだし。イスラム建築のアラベスク文様なんて、たまりませんなぁ。車内吊りでこの広告が目にとまった瞬間、行こうと決めました。公式サイトタイル・パネル1872-1907 ド・モーガン財団蔵 photo ©　Ｄｅ Morgan Foundation, Credit: Graham Diprose子連れでの強行軍でしたが、土曜午前中の汐留は、人気が少なく、のんびりお散歩できました。パナソニック電工ビルは、大きな窓から自然光が取り入れられる、特徴的なデザインが印象的。1～3Fはショールームになっており、結構お客さんがいらっしゃいました。ミュージアムは4F。本社受付の前にあります。美術館を持つ会社っていいなぁ。サントリーとか。娘は途中まで一緒に観ていたのですが、面白くなかったらしく、ロビーでルオーのDVDが放映されていたのをずっと観ていました。（おかげでゆっくり観られた）photo © De Morgan Foundation　すべてド・モーガン財団蔵 ド・モーガンという人は、ウィリアム・モリスの「アート＆クラフト運動」にも深くかかわった陶芸家だそうです。技法など、詳しいことは分からないけど、色彩が素晴らしい～～イギリスには、この人のタイルを一面に使った邸宅などもあるそうです。行ってみたいなぁ。珍しく、図録もお買い上げしてしまいました。絶対よそでは観られないと思って。11/21（土）、パパママ＠川崎開催！

  2009.11.07

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  宮尾登美子『東福門院和子の涙』

  図書館で『東福門院和子の涙』を借りてきました。東福門院和子の涙『序の舞』に続く、久しぶりの宮尾作品です。内容をよく知らずに借りたのですが、予想以上の面白さで、一晩で一気読みしてしまいました。主人公は徳川和子（まさこ）姫／東福門院。家康の孫、二代将軍秀忠の末娘であり、後水尾天皇の中宮（皇后）となった女性です。皇室から武家に嫁いだ和宮さんについては、以前、こちら和宮様御留を読んだので知っていましたが、その逆、徳川家から天皇家に嫁いだ女性がいるとは知りませんでした。物語は、和子の女中をしていた、ゆきの回想として、ゆったりとした語り口調で進んでいきます。私が初めて江戸城西の丸に上りましたは慶長十九年、姫さまお八つの年、私十二の四月ついたちでござりました。（中略）その後は生涯の大半を和子姫のもとで京の御所住いをいたしましたなれど、徳川（とくせん）家へのご恩浅からず、いまだに東照宮さまはじめご歴代将軍様並びに御台所様のおん位牌を仏間に安置し、朝夕の礼拝怠りなく相勤めおります。…武家言葉のままだそうですが、ゆきの語る言葉のテンポに身を任せていると、あっという間にタイムスリップしています。和子姫の母は「お江与の方」といいますが、お江与の方の母は、あの織田信長の妹、「戦国一の美女」と謳われた「お市の方」でした。華麗なる系図はこちら浅井長政に嫁いだお市の方には、三人の姫君があり、これが名高い「浅井三姉妹」。茶々姫（淀君）、初姫（常高院）、お江与の方（崇源院）です。この三姉妹の運命については割愛させていただくとして、お市の方に厳しくしつけられ、小さいころから修羅場を見てきたお江与の方は、秀忠に嫁いでからは、ただただ「お身内ご大切」、徳川家大事を旨とした人生を送ります。「女子と生れし第一の勤めは、何と申しましても立派なお子を挙げること」。このお江与の方、八名もお子をなすのです。まさに良妻賢母！温厚な秀忠は側室をおかず（実際にはいたけど）、お江与の方とは琴瑟相和し、江戸城の奥とも思えぬ、暖かい家庭をはぐくんだそうです。ちなみにお江与の方、2011年の大河ドラマの主人公だそうですよ！江～姫たちの戦国～さて、そんなお江与の方の八番目の子、五番目の末娘として誕生したのが和子姫でした。徳川家の姫を天皇家へ入内させるという家康の宿願は、秀忠・お江与の方夫妻に引き継がれ、和子姫は、「ゆくゆくは帝のお妃となり給う姫君」として、大切に育てられます。語り手であるゆきが、八歳の和子姫に逢った時の様子を、こう述べています。私初めてお顔を拝しました折、おそれながら「まあ、何ておかわゆきおん方」と思わずため息が洩れたことをおぼえております。色白のまろやかなかんばせに、おん目お唇許、みけしき、皆春風に吹かれているような笑みを浮かべておいでなのでござります。うれしいうれしいご表情なのでござります。私その折、このおん方はきっとお胸のうちに美しく輝く珠玉をかくし持っておいでなのだと思いました。う～ん、素晴らしい。娘を持つ親なら、こんな子に娘を育てたい、と思いませんか？（わたしは思いました！）さて、和子姫が嫁ぐ、そのお相手はのちの後水尾天皇。系図父である後陽成院の三の宮であったにも関わらず、なぜか兄君たち、一の宮、二の宮が門跡に出る（僧侶となる）ことになり、帝の地位を襲うことになったのです。誕生時、陰陽寮の陰陽頭が、歴代聖上のなかで、一きわ光り輝く星を頭に頂き遊ばしておいでになります。稀有なる卦にあらしゃりますと申し、ひれ伏した、というエピソードが紹介されています。しかもかなりのイケメンで、学問にも秀で、書も達者だったとか。後水尾天皇の女御として入内するように、との内々の宣旨は、和子姫が八歳になった慶長十九年（1614年）に下されました。しかしその後、大御所・家康の死や後陽成院の崩御などが続いたため、実際の入内は元和六年（1620年）、和子姫十四歳のときでした。江戸から都までの旅の様子は、もちろん文中でも十分楽しめますが、ひときわ豪華なのが、都での実家となる二条城から御所への行列。行列の先頭はすでに禁中に届きましても、後尾はいまだ二条城を出でず、この長き道中の真ん中に我が姫君さまは位置されておいで遊ばします。二頭曳きの牛車は金銀梨地高蒔絵紫毛白絹で御簾を垂らした一きわ立派なもの、内には松に鶴の金銀の縫取りのある緋の内掛けを召した姫君さま、…この様子は『東福門院入内図屏風』に残されていて、今でも観ることができるそうです。東福門院入内図屏風（部分）いやー、素晴らしいですね。徳川美術館に所蔵されているのかしら？いつか観てみたいものです。さて入内してからの和子姫は、なかなか帝と打ち解けることができません。また、禁裏のしきたりの難しさ、違いなども、丁寧に描かれています。もちろん、関東からやってきた武家の姫君をさげすむ、御所の女房たちに意地悪などもありつつ…。このへんの江戸方のやきもき具合、読んでいるこちらも一緒になって「きー」となってしまいます。ようやっとのことで、和子姫は、帝と寝所をともにすることができたのですが、当然のように、帝は和子姫以外の女房たちとも…。これが、和子姫をどれだけさいなんだことでしょう。まったく男ってやつは…。そんな中でも、和子姫は母君お江与の方と同様、「お身内ご大切」を旨に、七名もの子をなしますが、皇子は短命で、お育ちになったのは姫君ばかり。（ここで皇子が長生きしていれば、徳川の血を継ぐ帝が誕生ということで、また日本史が変わったのだと思いますがー）朝廷と幕府の関係も、年を追うに連れ、緊迫感が増し、後水尾天皇は、持病を理由にまだ八歳である女一の宮、興子内親王に譲位してしまいます。なんと奈良時代以来、800年以上ぶりの女帝。徳川家の血を引いた帝が即位、ということで、おめでたいようですが、女帝は一生独身を通さなければならない決まりがあり、次の帝は、傍系から選ばなければなりません。すると、それは和子姫の（徳川の）子ではないのです。もしかしたら、そのために（徳川の血をひく帝を絶やすために）後水尾天皇は譲位したのか？と勘繰ってしまいますが…。後水尾天皇は、譲位して、後水尾院に、中宮である和子姫も、後水尾院から「東福門院」という名前を賜ります。東から福来る、という意味だそうですよ。表面上はそんな感じで、中宮をいたわる帝ですが、本当の意味で心が通い合う関係ではなかった様子。暖かい家庭を築くことを夢見て、入内した和子姫には、まったくもってやるせないことだったでしょう。それがタイトルの「涙」につながるのですが…。江戸時代の禁中を覗き見ているような、わくわく感とともに、「夫婦のあり方」についても考えさせられる、見事な一冊でした。東福門院肖像（源秀飛筆、光雲寺蔵）11/21（土）、パパママ＠川崎開催！

  2009.11.06

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  青空文庫に、上村松園のエッセー

  上村松園のエッセーを、インターネット上に見つけました。あゝ二十年――やっと御下命画を完成した私のよろこび――画筆に生きる五十年――皇太后陛下御下命画に二十一年間の精進をこめて上納――底本はどちらも「青眉抄・青眉抄拾遺」（講談社）で、 初出は1937年、ちょうどこの作品を皇室に献上したその年です。 上村松園「雪月花」　昭和12年　三の丸尚蔵館この本は、Amazonではすごい値段がついているんですよねぇ。青空文庫の皆さま、ありがとうございました。11/21（土）、パパママ＠川崎開催！

  2009.11.04

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  「皇室の名宝～日本美の華」展（その1）

  宮尾登美子の「序の舞」を読んでから、上村松園さんにハマったのびゆら。皇室献上作品の「雪月花」が出るということで楽しみにしていた、「皇室の名宝～日本美の華」展に行ってきました。公式サイト天皇陛下御即位20年を記念し、皇室ゆかりの名宝を一堂に集めた特別展を開催します。御物および、正倉院や三の丸尚蔵館など宮内庁が所蔵する作品の数々を1期（10/6～11/3）と2期（11/12～11/29）に分けて展覧いたします。＜1期：永徳、若冲から大観、松園まで＞では、近世から近代にかけての絵画の名品を展示します。なかでも、狩野永徳「唐獅子図屏風」や、全30幅が一挙に公開される伊藤若冲の代表作「動植綵絵」は1期の白眉です。また、明治時代に美術工芸作家の保護と制作奨励とを目的に設置された帝室技芸員制度に着目し、横山大観、上村松園らの近代絵画、海野勝みん【王偏に民】、川之邊一朝らの工芸作品を紹介します。ということで、普段はお目にかかれない皇室の宝物が、一挙に公開されるという贅沢な展覧会。最近は話題の美術展が多く、いつも混雑との戦いですが、今回も、やっぱり混んでました。オルセーは空いてましたけどね。係の方の勧めで、2章「近代の宮殿装飾と帝室技芸員」から観ることに。音声ガイドは加賀美幸子さん。この落ち着いた語り口調、大好きです～大河ドラマ観てる気分。最近の音声ガイドはホント凝ってて、今回も「若冲の一生」の紹介や、「蘭陵王」にちなんだ雅楽の演奏などがありました。さて、第2章は、明治宮殿の装飾品としてつくられた工芸品や、天皇の婚礼や即位のお祝いに献上された品々が中心です。またまた無知をさらけ出しますが、徳川時代の終わり、大政奉還成った後、明治天皇が東京に行幸して即位するときに、新しく宮殿を作ったんだそうです。（知らなかった～）それが明治宮殿。京都御所を模した和風の外観に、椅子やシャンデリアのある洋風の内装という、和洋折衷の様式の木造建築だったそうです。残念ながら、戦時中の空襲で、火の粉を浴びて全焼してしまったそうですが…。今回の展示品のケースには、「明治宮殿で使われたものを模した壁紙」がつかわれていました。それが薄い水色にレースのような文様が施されていて、とても美しかったんです！（ブロガープレビューにいらした方が数人、写真を撮られていますので、気になる方は検索してください）この壁紙のデザインのポストカードがあったら買ったのに！…と、大事な美術品のことを書いていませんでしたが、とにかく有名作家・大作揃い。国宝にも指定できない「御物」ですからね。気に入ったのは、海野勝みん【王偏に民】「蘭陵王置物」明治23年　三の丸尚蔵館雅楽「蘭陵王」の舞姿を金細工であらわしたものだそうです。北斉の蘭陵王高長恭の逸話にちなんだ曲目で、眉目秀麗な名将であった蘭陵王が、優しげな美貌を獰猛な仮面に隠して戦に挑み、見事大勝したため、兵たちが喜んでその勇士を歌に歌ったのが由来だとか。この像も仮面をかぶっていますが、じつは仮面を取ることができ、端正なお顔が下に隠れているそうです。ちょうど田中芳樹さんがこんな新刊を出されています。蘭陵王機会があれば、読んでみようかな。あと、画像はありませんが、並河靖之「七宝四季花鳥図花瓶」も素晴らしかった。漆黒の地に、きらきらと輝く星のように、四季の花や鳥が。先日のオルセーでも七宝のものがたくさん出ていましたが、引けを取らない美しさでした。そしてそして！待ち焦がれていた「雪月花」に逢うことができました！！上村松園「雪月花」昭和12年　三の丸尚蔵館貞明皇后のご下命を受けて、完成までに20年以上を費やしたという大作。小説「序の舞」でも、その苦心ぶりが描かれていました。でも、実際の絵には、そんな苦労の後をまったく感じさせない、澄み切った、清らかな世界…。これぞ松園ワールド、でした。雪と月と花（桜）の絵は、それぞれ、『枕草子』『源氏物語』『伊勢物語』といった、古典文学を下敷きにしているそう。どのシーンか探しながら、これらを読んでみるのも楽しそうですね～～長くなったので、とりあえず第2章はこんな感じで。続く？かな？？「皇室の名宝」展は、11月4日～11日は展示替え中です。第二期は11月12日～29日と短いのでお見逃しなく！なお、11月12日（木）は天皇陛下御即位20周年を記念し入館無料です。※来場者多数の場合、ご入館いただけないことがあります。11/21（土）、パパママ＠川崎開催！

  2009.11.03

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  「オルセー美術館展　パリのアール・ヌーヴォー」

  世田谷美術館で開催中の、「オルセー美術館展　パリのアール・ヌーヴォー　19世紀末の華麗な技と工芸」に行ってきました。公式サイト トリエジと同じく、「弐代目・青い日記帳」のTakさんから、招待券を送っていただきました。Takさん、ありがとうございます！用賀で降りるのは初めて。駅前にSun Microsystemsの本社ビルがそびえていることにびっくり。なんとなく、もっと都心にあるイメージだったので。仕事上、Javaにはいろいろ悩まされていますよ～～（苦笑）世田谷美術館に行くのも初めてで、美術館直行バスに乗ろうかと思っていましたが、ちょうど出たばかりで、次の便は15分後。駅周辺に、「オルセー美術館展こちら」の立て看板が、たくさんあるので、迷うことはないだろう、と徒歩で行くことに。「用賀いらか道」をあるいていきます。 「いらか（甍）」の名の通り、瓦で舗装してある遊歩道です。路面には小倉百人一首が刻まれています。これは紫式部。持統天皇の歌が好きなのですが、見つけられなかった～。 水路があり…、じゃぶじゃぶ池もあります。 いろいろな形のベンチも。子連れで来ても楽しそう！こんな感じで、てくてく歩いていきます。環八とぶつかったところに、三陽商会のアウトレットショップ「G&B」がありました。帰りに覗いたら、FRAGILEとかEVEXとか、バーバリーもありましたよ。環八を渡って、砧公園内へ。大きな公園にわくわく。そういえば、世田谷在住の友人に、「レジャーシートとか持ってきてぼーっとするのもいいよ」と言われていましたっけ。 美術館自体の建築デザインも素敵だなと思いました。この空中回廊の先が展示室です。いつものごとく、ほとんど予備知識なしでの鑑賞です。まず「オルセー美術館がもとは駅舎だった」ということを、初めて知りました。写真で観ると、大きな吹き抜けがたしかに駅舎の面影を残しています。用途に合わなくなったからといってむやみに取り壊さず、ちゃんと活用しているのがいいですね。どこかの国と大違い…。展示は、「サロン」、「ダイニングルーム」、「書斎」、「貴婦人の部屋」と部屋ごとに分かれています。一番最初に、パリに今も残るアール・ヌーヴォーな館の映像投影もあり、美術展全体が「アール・ヌーヴォーな館へようこそ！」というコンセプトみたいです。グリーンで統一されたダイニングルームの調度、輝くシルバーのカトラリーセットも素晴らしかったですが、やはり気になるのは「貴婦人の部屋」…。エミール・ガレ「婦人用机"オンベリュル"」1900年の万国博覧会に出品されたモデル© Musée d'Orsay, Dist RMN - ©Patrice Schmidt / distributed by DNPartcom寄木象嵌で「はなうど」という花がデザインされています。脚部にはなぜかかえるが…（笑）当時の貴婦人は、この机でお手紙などを書いたのでしょうか？写真にはありませんが、七宝のボンボニエールも美しく、かわいらしかった。エクトル・ギマール「シャンデリア」1909-11年ごろのモデルチラシにも、上の立て看板にも登場するのですが、これは一体なんだろう？と思っていたら、シャンデリアでした。美しい～～このギマールという人は、建築家であり、卓越したデザイナーでもあったようですが、（パリのメトロもデザインしています）長く忘れ去られた時期があり、現在も再評価中であるとか。ガウディに似た建築の数々、わたしは好きだなぁ～～いつかパリに行ったら訪れてみたいものです。サラ・ベルナールのコーナーもありました。おなじみのミュシャのポスターをはじめ、写真、映像まで！アール・ヌーヴォーのミューズとしての面目躍如、といったところでしょうか。最後は「七宝」「陶芸」「金工」と、技法別の展示になっていました。こちらは、七宝で装飾された小箱です。アルマン・ポワン　シャルル・ヴィリオン　オート＝クレール組合工房「蛇型脚付き小櫃」1897-99年　日本だと「用の美」ということで、日常使いにする道具を美しく、という考えがあると思うのですが、この時代のフランスでは「装飾用」と「日常使い」は、完全に別なのだそうです。これはもちろん装飾用。貴婦人な気分に浸れる「オルセー美術館展」、今月29日（日）までの開催です。砧公園でのピクニックと合わせて、訪れてみてはいかがですか？11/21（土）、パパママ＠川崎開催！

  2009.11.02

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  「聖地チベット　ポタラ宮と天空の至宝」展

  トリエジの後は、次の予定まで2時間くらいあったので、上野の森美術館で開催中の「聖地チベット」展に行くことにしました。チケットは東京都美術館の地下にある画材店でゲット。（しかもラッキーなことに前売り券）お客さんがだーれもいなくて、行列なし。上野以外の美術展のチケットも扱っていて、かなり穴場的スポットでした…。上野の森美術館サイト公式サイト総合的にチベット文化を紹介する展覧会は、日本で初めてだそうです。たしかに「チベット」と言われても、「ダライ・ラマ」くらいしか思い浮かばないかな。あと「FreeTibet」運動とか…。（無知ですみません）世界遺産になっているポタラ宮。いつもながら、wikipediaより引用させていただきます。ポタラ宮は、1642年チベット政府「ガンデンポタン」の成立後、その本拠地としてチベットの中心地ラサのマルポリの丘の上に、十数年をかけて建設された宮殿。標高3700mに位置し、7世紀半ばにチベットを統一した、吐蕃王朝第33代のソンツェン・ガンポがマルポリの丘に築いた宮殿の遺跡を、増補、拡充するかたちで建設され、ポタン・マルボ（紅宮⇒宗教的なことを行う）、ポタン・カルボ（白宮⇒政治的なことを行う）をはじめとする、様々な建物から形成されている。ポタラの名は観音菩薩の住むとされる「補陀落」のサンスクリット語名、「ポタラカ」に由来する。ポタラ宮、wikipediaの画像。すごい傾斜ですよね～1950年代に勃発したチベット動乱が、1959年中央チベットに波及し、同年3月、ガンデンポタンはダライ・ラマとともにインドへ脱出、ポタラ宮は主を失った。同年、「西蔵地方政府」（ガンデンポタンに対する中国政府の呼称）の廃止を宣言した中国政府は、ポタラ宮を接収し、現在は博物館として使用されている。ということは、本当はチベット王とダライ・ラマの宮殿なんですね。複雑…。展覧会で楽しみなのが、音声ガイド。トリエジは俳優の沢村一樹さんが、ロゼッタ・ストーンを解読したシャンポリオン役で登場していましたが、チベット展は、情熱大陸でおなじみの窪田等さん。たまたま、iPodで「情熱大陸＋P」というポッドキャスティングを聴いていたので、「わ～、同じ声！」とうれしくなってしまいました。展示は、吐蕃王国の成立についてのものがたりからスタートです。魔女仰臥図紙本著色／チベット・20世紀／77/5×152.5cm／ノルブリンカチベット高原には羅刹女（一種の魔女）が横たわり、災いを起こすという伝承があったそうです。吐蕃王国のソンツェンガンポ王は、唐から迎えた妃・文成公主の占いに従い、羅刹女の手・足・肩・肘・膝・臀部にあたる12か所を抑える釘として寺院を建て、心臓に当たる湖を埋め立ててチョカン寺とラモチェ寺を建立したのだそう。「魔女仰臥図」は、この伝説を描いたものだそうです。日本にもヤマトタケルの伝説などがありますが、荒ぶる国つ神・山つ神を平定する神話は、どこの国にもあるんですね～。そして、チベット密教の神々たち。どこをとっても、キラキラです。吐蕃王国の初期は、まだキラキラの仏像を作る技術がなかったらしく、インドに仏像をオーダーしたりしています。そして、オーダーした仏像をを各地の寺院に奉ったんですね。そんなつながりで、技術的交流、人的交流が活発だったのでしょう。チベット仏教は、4世紀ごろにインドで仏教が滅亡した後の、正統的な後継者になります。（インドからお坊さんがたくさんチベットに亡命している）ポスターにも、上の画像にも登場している、展覧会の目玉はこちら。カーラ・チャクラ父母立像（ぶもりゅうぞう）銅造鍍金、トルコ石、珊瑚、彩色　／　チベット・14世紀前半　／　総高59.5cm　／　シャル寺 いや～、キラキラも凄いのですが、このお姿も凄いです。展覧会HPから、解説を引用させていただきますと、後期密教において、チャクラサンヴァラ、ヘーヴァジュラ、ヴァジュラバイラヴァ、カーラチャクラなどのへールカと呼ばれる忿怒尊（ふんぬそん）が登場します。これらの仏たちは多くの顔と腕を持ち、明妃と交わり、しかも人々を恐れさせるような外見をしています。４つの顔にはそれぞれ３つの眼があり、２４本の腕には金剛杵、鈴、斧、弓、矢、索などが見られ、明妃ヴィシュヴァマーターを抱いた姿にあらわされます。この仏の名前が、サンスクリット語で時間（カーラ）と輪（チャクラ）を意味することからわかるように、時間の流れを象徴する尊格です。こうした父母仏の姿は一般には見せるものではないとされているため、通常は錦の衣をまとっています。ここだけの話、密教ってエロティックなイメージありますよね～（孔雀王の読み過ぎ？）タンカという仏教絵画もたくさん展示されていたのですが、その中にも、こういう「父母仏」がたくさん描かれていました。音声ガイドでも、「高僧がヨガの行をおこなった後、観想をする際のみ錦の衣を取る」と言っていました。なのに、なんの修行もしていないわたしたちが、観てしまっていいんでしょうか～～錦の衣はつけておいたほうが良かったんじゃないかなぁ。興味深かったもの。ドゥンチェン（チベットホルン）という、チベットの楽器です。長いんですよ～。3m25cmもあるんですって。支えの台には、「チャム」と呼ばれる、チベット仏教で行われる、僧侶による仮面舞踏会に登場する、ドクロ面をかぶり、骸骨を描いた衣装をまとったチティパティが装飾されています。音声ガイドで、実際の音を聴くことができましたが、ホルンというより、響きのないチューバ、バリトンサックスのような感じでした。もうひとつはこちら。四部医典タンカ・樹木比喩図紙本著色　／　チベット・20世紀　／　77.0×64.3cm　／　チベット博物館四部医典とは、吐蕃王朝の医学者によって記されたチベット医学の大著で、病理、治療、投薬など医学に関する内容を包括した総合的な医学書。この図では、四部医典の「食餌療法、生活療法、薬物療法、外科療法」の4種類の治療法を、樹木の根元、幹、枝、葉に喩えて、具体的に解説されているそうです。図に描かれている治療法を、パネルですこし解説してあったのですが、現代にも通じるような養生法でした。アーユルヴェーダの影響などもあったのでしょうか？と、以上のようにたいへん興味深い展覧会だったのですが、ネット上に、こんなメッセージも見つけてしまいました。良いものを見せていただいた、と素直に喜べない現実、なのかもしれません。

  2009.10.15

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  トリノ・エジプト展最終日

  こちらも振り返り日記。ムーミンオーロラカフェの翌日、またまた上野に行ってきました。まず、トリノ・エジプト展の最終日に滑り込み。美術ブロガー・Takさんから、招待券を送っていただいていたのに、なかなか行けなくて、本当にギリギリでした。（Takさん、ありがとうございました！）間にあって良かった～～やはり最終日ということで、混雑、混雑。10時前に到着しましたが、すでに入場規制中、5分待ちでした。しかし、展示物は噂にたがわぬ素晴らしさ！たくさんの石像、石碑がどんっ、どんっと。上の画像に載っているツタンカーメン王とアメン神の像は、想像していたよりすこし小ぶりでしたが、本当に美しかったです。そして、本物のミイラもいました。ミイラをつくる風習はローマ支配時代まで続いたそうで、今となっては「え～」って感じですが、当時の人々は死者が来世で困らないよう、真剣につくっていたんでしょうね。ミイラの作り方もパネルで展示されていました。彼らは紀元前にすでに内臓の存在を知っていて、臓器別にカノポス容器におさめたり、鼻の穴から脳味噌も掻き出してたりしたわけですよね。いま検索してみたら、日本で初めての人体解剖がおこなわれたのは、1754年に医師の山脇東洋らが実施したものだそうです。宗教や死生観が違うとはいえ、それにしてもエジプトの人々はすごいなぁ～話は変わって、最近の美術展は、マンガ家とコラボするのが流行？なのでしょうか。先日の海エジは「王家の紋章」。王家の紋章（1）この作品、どうも絵が苦手で読んだことのないのびゆら。一方、トリエジは山岸凉子先生とコラボです。ツタンカーメン（第1巻）ツタンカーメン（第2巻）ツタンカーメン（第3巻）イシスこの愛蔵版チケット、ほしかったな～～今回、エジプトの神話についてもかなり解説があったので、山岸先生の作品が、神話の設定や当時のエジプトのカルチャーを、忠実に描いているということが、初めてわかりました。オシリスが一度死ぬけれど、イシスがそれを助けて、息子がホルスになるとか。子どもは髪の毛を横で束ねていて、あとは坊主にしているとか、大人はみんな丸坊主でかつらをかぶっているとか。ちなみに、『イシス』に収録されている『ハトシェプスト』には、「イメージするだけで血を止められる」女性が出てきます。彼女は「首を切られる」というイメージだけで死んでしまうのですが、これがまさに量子場～～、って、あ、話がずれちゃった。トリエジのミュージアムショップでは、「ウジャト」のピンバッチを購入。携帯撮影ですみません～『ツタンカーメン』のハワード・カーターが、作中でお守りにしていたのです。もちろんラピスラズリでも、ファイアンスでもないけれど…。今はこっそり通勤バッグにしのばせていますウジャトというのは、ホルス神の眼のこと。詳しく書かれたページがあったので、転載させていただきます。（転載元）ホルスの眼（ウジャト：udjat）※wjatとかujatの誤記もあります、 『万物照覧の眼』と称されます。（保護と安全のシンボル）エジプト人はホルスの眼を「良好な状態であるもの」を意味する語「ウジャト」と呼び、人身保護の護符としていました。 また全てを見る物の意味を持ちます。 個人には身体的繁栄を、宇宙には豊かさをもたらす象徴とされました。ホルスの眼をエジプト文字であらわすとき、その6個に分かれた部分のそれぞれが1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64をあらわす数字で、全部を加えれば、63/64ですが、これがホルスの眼（聖眼）の力で64/64、すなわち「1」になるとされたとか。（wikipediaより）さて、薬局で"Rx"と言う看板を見かけたり、処方箋に"RX"と表記されているのを見たことはありませんか。 （wikipediaより）この"Rx"と言う記号は、西洋で処方箋をあらわすものとして使われてきました。最近はRpとの表記もあるそうですが、本来はRx。 実は、これは言葉の省略ではなく、古代エジプトで「療し(ウジャト)」をあらわすホルスの眼（Eye of Horus)の左眼の形なのだそうです。 古代エジプトの神のひとり「ホルス」の左眼の神聖文字が、丁度アルファベットの"Rx"に似ていた為"Rx"と書かれるようになったそうな。レメディーの表記も「Rx Arn.」とかって書くことがあるので、ウジャトとRxのつながりにちょっとびっくりしてしまいました！トリエジの後は「聖地チベット」展へ。別記事にします～

  2009.10.10

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  「黄金の都　シカン」展＠一日ブログ記者

  上野の国立科学博物館で開催されている、「黄金の都 シカン」展へ行ってきました。科博公式サイトTBS公式サイトはこちらなんと一日ブログ記者としての入場です。入場無料＋館内の撮影OK＋豪華お土産付きというありがたい企画。（現在、すでにエントリーは締め切られています）美術ブロガー・Takさんのblogで、この「一日ブログ記者」の募集を知って、さっそく応募。運良く当選したのでした。各地で良い評判を聞くのですが、あんまり興味のなかったシカン展。「アンデス」「ペルー」といえば、サイモン＆ガーファンクル「コンドルは飛んでいく」と、アニメ「太陽の子エステバン」のイメージしかない…。（あとは「マヤ暦」ですが…、これをアンデス文明に入れていいのかな？）こんな状態ですが、無料なら観に行ってみよう、とわくわくしながら一路上野へ。 科博の入り口。連休中の上野公園。着いたのはお昼すぎでしたが、すでに混雑しており、シカン展のチケット売り場も長い行列…。「ブログ記者」としてエントリーしていることを、チケット売り場で申し出る必要があり、その行列に加わりました。いま考えたら律儀に並ばなくても、スタッフの方に声をかければ良かったのかな？という気もしますが…。受付を済ませ、首から下げるパスと、「取材」と大きく書かれた腕章を受け取ります。腕章を付けるのはちょっと気恥ずかしかったですが、撮影のためなら仕方ないですね。長いエスカレーターを降り、展覧会の会場へ。じつはシカン展については、公式サイトをかるく読んだくらいで、まったく予備知識がなかったのびゆら。インカ帝国は有名ですが、シカンはそれよりももっと古い文明なんだそうです。そして、このシカン文明の発掘・調査・研究を、30年以上に渡り続けてこられたのは、なんと日本人。南イリノイ大学・島田教授という方です。Sican Archaeological Projectのサイト（日本語対応ですが、調子が悪いときがあるみたいです）困難な発掘、世紀の大発見といえば、ツタンカーメンの墓を発見した、ハワード・カーターが有名ですよね。のびゆらはコミックで読みました（笑）ツタンカーメン（第1巻）文字が存在したエジプト文明で、王の名簿に載っていたツタンカーメンですら、その存在はずっと疑われていて、カーターの発掘は困難を極めるものだったと思います。まして文字のないシカン文明。しかも、歴史上の空白地帯で、シカンという文明があったかどうか定かではないのに、みずからの仮説をもとに何年も掘り続けるって、凄いとしか言いようがないです。 出土した土器のスケッチ。とっても精密です。 中央がロロ神殿。神殿を取り囲むように墓所が点在しています。それらを一つ一つ発掘していった島田教授…。凄すぎ。 儀式に使われた黄金製のトゥミ（ナイフ）。美しさにうっとりですが、これは儀式の際、生贄ののどを切るのにつかわれたんですって ロロ神殿を模して…。内部は3Dシアターです。 黄金の御輿。王や祭司が乗ったのではないかと。すばらしい細工が施されています。その他、墓所の副葬品として発見された、たくさんの土器たちも展示されており、当時の人々の生活ぶりをしのぶことができます。印象に残ったのは、「高貴な女性が（お墓の主として）葬られた墓」があったこと。古代文明で、女性がきちんと埋葬されているお墓が、どのくらいあるのか知りませんが、お墓の主が女性というのはかなり珍しいとのことです。その女性は、ビーズでできた首飾りを付け、銀の胸当てをしていたんだそうです。どのような身分だったかは知るすべがありませんが、もしかしたら、卑弥呼のようなシャーマンで、雨乞いの祈りか何かのために、生き埋めにされたのかもしれませんね。娘たちとの待ち合わせに遅れそうになり、楽しいお土産コーナーも駆け足で。かろうじて、ガチャガチャだけはやりました。（ナスカ地上絵のサルでした。トゥミがほしかったな～）とにかく大混雑、三脚なしの苦しい戦いだったので、結局、ほとんど写真は撮れませんでした。でも、記録に残すより、自分の記憶にしっかり刻みつけたかな。シカンの発掘はまだまだ終わっていないそうなので、これから世界史（アンデス史？）もどんどん書き変わるんでしょうね。展覧会も、もうあんまり日数がありませんが、島田教授たちの偉業を目にするまたとないチャンスです。上野に行く機会があったら、ぜひのぞいてみてください。 ぼくも待ってるよ～

  2009.09.22

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  相馬範子『生活リズムでいきいき脳を育てる』

  なかなか感想をアップできませんが、ポツポツ本は読んでます。育児本はあまり読まないのですが、保育園のおたよりで紹介されていて手に取った1冊。生活リズムでいきいき脳を育てる表紙画像だとわかりませんが、B5判の書籍です。（週刊誌と同じ）普通の単行本サイズを想像していたので、届いたときに、ちょっと驚きました。中をパラパラめくって、二度びっくり。まるで医学書みたいに図版がたくさん掲載されています。図版を豊富に入れるために、この判型にしたんでしょうね。サブタイトルのとおり、テーマは「子育ての科学」。著者は、横浜市西区にある保育園の園長で、園のHPにも「子育てに科学を！」と謳われています。（でもそれに関する詳細なコンテンツは、とくにHPには見当たらないんですけどね）「子育てに科学」と聞いて、すぐにピンときますか？のびゆらはまったくピンと来ませんでした。夜21時過ぎから成長ホルモンが分泌されるから、子どもは21時までに寝かせないといけないとか、そういう話はぼんやりと知っていましたが、まったく実践できていないし。（だいたい20時まで保育園にいるウチの娘…。朝は7時過ぎまで寝てます。で、朝ごはん食べられない悪循環）普段、「科学」よりは、どちらかというと「本能」とか「経験」をもとに、育児をしているような気がします。娘の睡眠時間のズレについても、まずいとは思いつつも、それなりに元気だし、今のところ大丈夫かな？みたいな感覚でした。でも、人間の生活がこれほど極端に夜型になったのって、ほんのここ30年くらいの話。直立二足歩行をするヒトとしての人類が誕生してから、だいたい300万～400万年くらい経っているといわれていますが、生体としての基本的な形は、夜明けとともに起き、日暮れとともに寝ていた時代と、現代はそう変わっていないはず。なんですよね。「本書を読まれるみなさまへ（前書き）」から、すこし引用。現在、私が園長を務めている「ムーミン保育園」は、1980年に創立され、河添先生（*）が提案された「早寝・早起きのリズム」と「午前中の昼寝」を取り入れた保育を行っています。ところが、保育を行ううちに、保育目標のなかに、あるいは日々子どもと接ししている保育士たちの間で、「何を理論的な根拠として、どう見通しをもって子どもたちを育てていけばいいのか」という、子育ての科学と発達の見通しが不足していることに、気がつきました。（中略）どの子も発達する権利があり、大人は子どもをより良く育てる義務を負っているのです。その際、よりどころとなるものは科学に裏付けられた発達の理論です。*河添先生…著者の大学時代の恩師であり、重度障害児保育と教育の実践者。「生体の生活リズム」の重要性を最初に提案した。（のびゆら註）保育士さんが仕事にも生かせるようにも書かれているので、すこし専門的なことも含まれていますが、（発達心理学、脳の可塑性の話とか…）上で書いたようにイラストがたくさんあるので読みやすいです。再重要ポイントは、「子どもの睡眠を整えること（早寝早起き）」、「子どもの食事を整えること」、「親子のコミュニケーションを密にすること」。これについては類書が数多くあると思いますが、科学的なエビデンスをもとに、淡々と書かれていますので、「あ～、ウチ実践できていない」「あぁ～、これもだめだ」と、かなりへこみます（笑）。でも、ちゃんと改善策も書いてありますよ～。ご紹介したいキーワードを、いくつか。■子育て態度の5大罪悪(1)過保護(2)過干渉(3)過管理(4)過放任(5)過期待■科学的根拠のある子育ての手抜き法・時間を効率よく使って子育てする（朝6時起床、夜8時就寝の生体の生活リズムをもとに生活する）・夕食は軽く、粗食で・眠ることを優先する・寝る前にコップ1杯の水を飲む・1日の終わりを笑顔で締めくくる・翌朝は6時ごろ起こすそれぞれの根拠は本書にてご確認くださいませ。ちなみに、朝6時に起きられない子には、朝の散歩が良いそうです。（連休中にチャレンジしてみようかな～）就学前のお子様をお持ちのかたはもちろん、小学生ママにもぜひ！おすすめしたい1冊です。

  2009.09.20

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  「海のエジプト展」

  海エジへ行ってきました。はい、いま話題の海のエジプト展でございます。（ブログパーツ貼りたかったのに、楽天は非対応なのね…）ひさびさに家族三人で外出。完全にわたしの趣味ですが、夫はロンドンに行った時に大英博物館に入り浸ってたし、なんとかなるかと。夏休みだし、お盆休みの最終日でもあるし、大混雑は想定の範囲内。あらかじめチケットを近所のコンビニで調達し、朝イチ入場を目指しました。 気持ちのいい青空です！ パシフィコを横断中～ 歩きながら撮ったのでブレててすみません。当日券売り場です。ふみさんのblogと比べると空いてますね～開場の9:30にはやや遅れましたが、9:40には入場完了！けっこう早めに入ったのに、音声ガイド貸し出しはすでに5人くらいの行列になっていました。一般バージョンとコナンバージョンがあり、1つずつ借りました。（ちょっと思ったんですけど、こういう音声ガイドって、事前に有料ダウンロードするような仕組みってできないんですかね？）コナンバージョンはそれこそ、あの名探偵コナン君がガイドしてくれるというもの。両方聴きましたが、一般バージョンにはないクイズとか、エジプト豆知識みたいなのが盛り込んでありました。娘はコナンバージョンをずっと聴いていて、「コナンがしゃべってる！」と興奮しておりました。（まだ展示品と合わせて聴くということは理解できておりません）わたしは一般バージョンの声のかたが好きでした～場内は撮影禁止なので、公式HPなどから雰囲気を味わっていただくとして…。とにかく、最初からどの展示品の前にも、かなりの行列ができていました。二重、三重にも列ができて、少々小競り合いになっているところも…。皆さん、大人なんですから、譲り合って観ましょうね一般バージョンの音声ガイドを聴きながら、ひとつひとつゆっくり観たかったのですが、娘がそれを許してはくれず「おもしろくな～い」、「こわ～い」、などなどブーイングの嵐。しかたがないので、夫と交代で観ることにして、ひとまず子ども受けしそうな、展示ブースの最後のほうにある体験ゾーンへ。まだ人の流れが前半部分で固まっている時間帯だったので、後半に設置されている、目玉作品である3体の巨像だとか、プトレマイオス8世のステラ(石碑)なんかの前には、ほとんどお客さんがいない状態！ゆっくり観たいのに、足早に通り過ぎるしかなく、それがとても残念でした（笑）娘は、体験ゾーンにある、砂の中から宝物を掘り出すゲームに熱中！そして、バーチャル体験シアターは初回上映、しかも最前列でゆったり観ることができました。シアターの観客も20人くらいしかいませんでしたしね。帰るころにはシアターの入場待ち行列ができていたので、この順序は結構オススメかも…。その後、無事夫とバトンタッチし、順路を逆走して展示品を再チェック。10時半は過ぎていたでしょうか。かなり来場者が多くなっており、ごった返している会場内。（海エジブログによると毎日1万人以上の方が入場しているとか）先ほどはガラガラだったプトレマイオス8世のステラも、鈴なりの人だかりそれでも、がんばって観るのです。個人的には、やっぱり女の人の像が好き。アルシノエ2世か、と言われている王妃の像は、本当に美しい。 これが紀元前の作品！？名前を忘れましたが、こちらの王妃の像も良かった。 眼の部分には宝石が嵌めこまれていたと推測されているそう。三体の巨像。実物の高さは5mです！ 左から、王妃、ファラオ、ハピ神（豊穣の神）。それにしても、1200年以上もよく海の中にあったなぁ～それを、またよく根気よく発掘したなぁ～とつくづく思います。陸上に残ったままだったら、まちがいなく略奪とか破壊にあっていたでしょうね。海にあったのがかえって良かったのかな？？？この発掘はまだまだ現在も続行中で、あと100年かかっても終わらないんだとか。サグラダ・ファミリアのようだ…。出口に、発掘のスポンサーであるヒルティ財団の宣伝がありましたが、こういうことにお金を出している企業って凄いなぁ。お土産屋さんにて。 キラキラ この子は3,990,000円だそうです。そして戦利品たち。 娘がガチャガチャで引き当てたハピ神＆ファラオ。 かわいくてつい買ってしまった…。おまけ。 9月に平日休みが取れたら、また行きたいな～

  2009.08.16

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  藝大アートプラザ

  ひととおり所蔵品展を見た後は、係の方にうながされ、3Fで開催中のこちらの展覧会にも行ってみました。天皇陛下御在位二十年記念　日本藝術院所蔵作品展 入場無料です。日本画、洋画、彫刻、書など、現代の作家たちによる受賞作品が展示されています。日本画でも、松園さんの絵とはまたちがって、風景だったり、抽象画だったり、こういうふうにも描けるんだ～と勉強になりました。ちょうど美術館に入っている間に、にわか雨が降ったようで、外に出ると雨上がりの空でした。行きがけに「藝大アートプラザ」という、かわいい看板を見かけていたので、そちらのほうへ向かいます。途中、美しいランプがオブジェのように飾られていました。 なんだか見たことのある形、ではありませんか？皇居二重橋の飾り灯だそうです。ドイツのハーコート社に注文したもので、架け替えの際に、1基をこちらに移設したとのこと。う～ん、美しい～～～この飾り灯のうしろに見えている建物が陳列館。ちょうど学生さんの彫刻の展覧会をやっていました。彫刻―労働と不意打ちちょっと難しげなタイトルだったのですが、またまた入場無料につられて入ってみました。彫刻だけの展覧会というのは初めてですね。ちょっと現代アート過ぎて難しかったですが…うまく木の節や穴を生かしたマリリン・モンロー（？）に逢えました。そして、藝大アートプラザへ。オープンカフェ風の、おしゃれな店構えです。雨が降ったあとだったので、椅子が片付けられていました。ミュージアムグッズのセレクトショップという感じでしょうか。アート作品もあれば、各地の展覧会の図録もあり、もちろん美術関連書籍もたくさん！『序の舞』の複製画も売っていました。休憩スペースがあり、コーヒーなどを飲みながら、おしゃべりすることができます。上野の散策に疲れたら、ちょっと寄ってみるのもおすすめです！外国の方への日本のお土産を探すのにもいいかも。いままで藝大は音楽のイメージしかありませんでしたが、美術のほうも面白かった。9月には大学祭（藝祭）があるそうなので、また遊びに行ってみようかな。お申込みお待ちしています！8月22日(土) 広報部主催　納涼会

  2009.08.10

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  ついに『序の舞』と対面！

  亜莉さんのアーユルヴェーダオイルケアにて、身も心もほっこりしたあとは、ポカポカの身体を感じながら京王線、JR線を乗り継ぎ、上野へ。ちょうど、東京藝大の美術館で、「コレクションの誕生、成長、変容―藝大美術館所蔵品選―」という展覧会が開催されているのです。こちらで藝大の所蔵品である、松園さんの『序の舞』もちょうど公開されているとを知り、これは行かねばならんでしょ！ということで、強行軍。上野の駅から、てくてく歩きます。東京文化会館では、世界バレエフェスティバルが開催中。毎回NBSからDMが来ますが、チケットが高いので行けない…。美術館・博物館の宝庫である上野。夏休みということで、どの施設も力の入った企画展が多いです。行こう！美術館・博物館　上野・浅草ガイドマップトリノ・エジプト展、コルビュジェ展にも行ってみたいですが、スケジュール的に無理だなぁ。上野動物園の前を右に曲がって、奏楽堂へ。日本の近代建築（洋館）＆クラシック音楽好きののびゆら。日本におけるクラシック草創期の、先人たちの血と汗の歴史を感じるこちらの建物、大好きです。 今日は残念ながらコンサートがあるとのことで、内部は見られませんでした。そして、藝大エリアへ。 この門、昔は使っていたんでしょうか～後ろは東京藝術大学正木記念館。（↓に出てくる正木校長の記念館です） 柵も立派なデザインです。こちらが展覧会の会場、東京藝大大学美術館。 1994年竣工。新しい建物です。展示物はすべて所蔵品なので、当日チケットでも\500という安さ。わくわくしながら、地下2Fの展示室へ。この展覧会には、絵ばかりではなく、彫刻や工芸、布など、いろいろなものが展示されています。東京藝大といえば、岡倉天心、フェノロサ、黒田清輝、という名前がすぐに思い浮かびますが、今回「正木直彦」という方を初めて知りました。明治34年から昭和7年まで大学の校長を務められて、所蔵品の収集に多大な貢献をなさった方だそうです。この方は官僚出身で、画家ではなかったようですが、ものすごい「目利き」だったんでしょうね～『序の舞』も正木校長時代に政府買い上げとなり、藝大に所蔵された作品。そう、ついに『序の舞』と対面しました―――。ほとんど等身大くらいの、かなり大きい絵。松園さんは小柄な方とお聞きしていますが、どうやって描きあげたんでしょう。ものすごい集中力だと思います。舞の中で、扇をひるがえすその一瞬が凝縮されています。思わず息を止めて観てしまいました。そして画像や画集より、本物の絵のほうが何倍も美しかったです。正木校長が退官する時に、藝大ゆかりの作家たち（高村光雲とか）が贈った、贈呈品の一覧も展示されていました。これが本当に素晴らしく。自分が会社を定年退職する時に、こんな品々を贈られたら、本当に嬉しいだろうなぁ。いかに正木校長が敬愛されていたかがわかります。別室には、西洋画のコレクションも展示されていました。洋画の勉強って大変だな、と思ったのが、昔は文字通り「洋行」して、現地に行かないと、西洋の絵画を見ることができなかったということ。現代は海外の美術館から、絵を借りてきて、日本で公開するというのが、ごく一般に行われていますが…。日本で西洋画の勉強をしたいという後輩たちのために、留学生たちはどうしたかというと、現地の絵画（ルネサンス期のフレスコ画など）を模写して、日本に送っているのです。ホルバインの原画を模写した絵が展示されていました。きっと日本で待つ後輩たちの、良い教材になったことでしょう。ルネサンス期のメダルの複製コレクションもありました。これも、詳細は忘れましたが、現地で展示されていたのを見て、日本に持ち帰りたいと願ったある人が、所蔵館の全面的な協力のもと、複製をしたそうです。複製を試みた人もすごいですが、それを許す懐の深さもすごい…。現代はなんでもネットに繋げれば、「見た気」になれるイージーな時代ですが、本物にしか備わっていない品格、オーラ、みたいなものを、できるだけ見て、感じて生きていきたいな～と思いました。上村松園画集帰りに購入しました。もう、うっとりです。お申込みお待ちしています！8月22日(土) 広報部主催　納涼会

  2009.08.09

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  「上村松園／美人画の粋」展へ

  というわけで、行ってきました。「上村松園／美人画の粋」＠山種美術館HPに掲載されている地図があまりにも簡略すぎて、半蔵門の駅を出たとたん、目が点になってしまいましたが…、なんとかたどり着きました（笑）。携帯なので画像イマイチです会期は明日まで。間に合って良かった～こじんまりとした美術館で、自動ドアを開け、左手の受付でチケットを購入し、小さなミュージアムショップコーナーを横目に左に進むと、すぐに展示室です。日本画について、ものすごく詳しい方のblogを発見し、この展覧会のレポート記事もありましたのでリンクさせていただきます。会場の雰囲気がよくわかりますよ～生で観る松園さんの絵は、本当に精密で、美しかったです。これが一枚、一枚、手で描かれたの？と驚いてしまうくらい。膨大な時間と手間の結晶だな、と思いました。会場には、男性の画家たちの作品も並んでいたのですが、舞妓を描いていても、表情はさみしげだったり、その人の「内面」を表現することが、重視されているような印象を受けました。（あとはこれが美人？というようなのも…）松園さんの絵は、21世紀に観ても掛け値なしの美人たち。絵に描かれた人の「内面」はあまり伝わってこないし、伝えようともしていない。ただ、ただ、美しい。たとえば、満開の花やまぶしい新緑に出逢った時、心が洗われるような気持ちになりますが、松園さんの絵を観た時にも、同じような感覚を覚えました。観ていると、時が止まって、絵の空間に同化してしまいます。雪の絵なら、自分の上にも雪が降っているかのような。蛍の絵なら、自分のそばにも蛍が飛んできたかのような。絵から放射される美しいエネルギーだけを浴びて、ほぅ～～～っとなってしまうのです。あとで小冊子を買ったのですが、そこに本人が語っていたのが、一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願のするところのものである。芸術を以て人を済度する。これ位の自負を画家は持つべきである。という言葉。これにはとても納得でした。人生を送っていくうちには、つらいこともかなしいこともあるけど、あえてそこにフォーカスせず、美しいものや綺麗なものを見つめていった方なんですね。（しかし「焔」とか、狂女を描いた作品もあり…、観てみたいです）個人的には「新蛍」という、御簾ごしの美人の絵が好きでした。御簾をとおして、ちゃんと着物が見えるんですよ！どうやって描いてるんだろう？美術館の帰りは、千鳥が淵の桜並木を通って、回り道。皇居のお濠の上に高速道路…不思議な光景壮麗なイギリス大使館を、こっそりのぞき見英国王室の紋章だそうです　ソースはこちら山種美術館はこの展覧会を最後に、広尾に移転するとのこと。広尾なら我が家からのアクセスも良いし、機会があればまた行ってみようかな。お申込みお待ちしています！8月22日(土) 広報部主催　納涼会

  2009.07.25

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  宮尾登美子『序の舞』

  実家にかえったとき、父の蔵書をひっぱり出してきて、宮尾登美子『夜汽車・岩伍覚え書』を読みました。たしか一度、高校生くらいの時にも読んだのですが、そのときは土佐弁が難しくて、あまり作品世界に入れず。今回は、一気に宮尾ワールドにはまってしまいました～帰りの飛行機でも、なにか宮尾作品を読もうと、豪雨の中、地元の本屋へ。『櫂』とか『陽暉楼』みたいな、廓ものがいいかなと思っていましたが、あいにく在庫がなく、『序の舞』を選びました。これが凄かった！かなり分厚い文庫（だって\1200もする）なのに、本屋から帰宅してすぐ読みはじめ、飛行機でも読み、横浜に戻ってもまだ読み、二日くらいで一気に読了。舞台は京都。実在した上村松園という女流画家がモデル。（作中では島村津也、雅号「松翠」）この松園さんという方は、女性で初めて文化勲章を受章した方だそうです。タイトルにもなっている『序の舞』は、切手の図案にもなったそうで、なんとなく見たことがあるような気がしました。 上村松園『序の舞』（東京藝術大学大学美術館所蔵）だいたい日本画なんて、ときどきこの番組とかでちょっと見かけるくらいで、今のわたしたちの日常からは、とおくかけ離れたところにあるものですよね～日本人なのに能や歌舞伎を見たことがないのと同様、日本画についてほとんど知らないというのも、ちょっと恥ずかしいかも。ま、それはさておき、津也の絵にかける執念も、未婚で二人の子どもを産んだ、その人生も、それぞれ凄いのですが、わたしはどちらかというと、津也の母である、勢以の姿に圧倒されてしまいました。嘉永生まれの勢以さん。最初の夫は放蕩もので、自分から離縁を言い渡し、二番目に夫になった人とは津也の産まれる2か月前に死別。この二番目の旦那様に、操を立てて、その後は浮いた噂ひとつなく、葉茶屋をきりもりしながら、志満と津也の姉妹を、女手ひとつで育てます。すごいなーと思ったのが、勢以の洞察力。口数が少ないのに、娘や孫の様子をよく見ていて、折おり、勢以が津也に語る言葉は、選び抜かれて、真実を言い当てているのです。津也の、絵に対する常軌を逸した入れ込みように、一番最初に気がついたのも勢以なら、悩みに悩んだ末、画学校への入学を許可したのも勢以。こと絵のこととなったら、まっしぐらになる津也と、口さがない世間との間に立って、生涯、娘のことを守り通した母でした。果たして自分自身は、こんな態度で娘に接することができるかしら？津也の息子も画家になり、作中には出てきませんが、その孫も画家になります。上村家から、松園、松篁、淳之という、三代続けての画家を輩出したのは、この「勢以」のモデル、仲子さんの功績が大きかったのではないでしょうか。凛と背筋を伸ばして座る、京女の姿が思い浮かびます。さて、物語の余韻にひたっている間に、松園さんの絵を見てみたいな～と思い、検索したら、なんと！この週末まで、東京で展覧会をやっていました！今年は没後60年になるんですね～さっそく今日は、山種美術館に行ってきますお申込みお待ちしています！8月22日(土) 広報部主催　納涼会

  2009.07.25

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  スペインの夜

  とっっっても楽しみにしていたコンサートに行ってきました。スペイン・ビルバオ交響楽団荘村清志アランフェス初録音記念コンサートお目当ては、ギタリストの荘村清志さん。会社でとてもお世話になっている上司（女性）が、アマオケでOb.を吹いているのですが、以前、所属オケでアランフェスをやったとき、なんとゲストが荘村さんだったのですね。（だから東京のアマオケって恐いわ～）上司はコールアングレを購入したばかりで、第二楽章冒頭のアングレsoloを、荘村さんと共演！したのです。わたしもその演奏会を聴きに行きました。演奏の素晴らしさはもちろんのこと、そんな超一流の演奏家でありながら、飾り気のない荘村さんのお人柄に、上司はすっかりぞっこん。そして、お話を聞いているうちに、わたしも大ファンになってしまったのでした。今回は、あの思い出のアランフェスを、なんとスペインのオーケストラと演奏ということで、上司を誘って一緒にコンサートに行くことにしたのでした。もちろんCDも事前に購入。《送料無料》荘村清志（g）／アランフェス協奏曲(CD)iPodに落として、100回くらいは聴いたと思います（笑）。さて、今日は有休を取りたかったのですが、諸般の事情により断念。時短の定時17時であがって、一路新宿へ～オペラシティは初めて。ホールへのアプローチ。雰囲気あります～「オペラ座の巨人」。かすかに鼻歌のような音楽を奏でます。上司と合流し、会場へ。サントリーホールのような、豪華な大ホールを想像していたのですが、シューボックス型で、木目が美しいこじんまりとしたホールでした。席は、2Fのバルコニー席、しかもかなり後方（涙）。じつは、このコンサートの情報に気がついたのがとても遅く、S席はほとんど残っていない状態でした。そのため、なんとか荘村さんのお姿は見えましたが、下手に並んでいた打楽器群は全然見えませんでした～以下、プログラム順に個人的感想など。1)武満徹：夢の縁（へり）へ オペラシティのホールは武満徹さんが設計段階からかかわっていたそうで、「タケミツメモリアル」という愛称が付いているくらい、深い縁があるそうです。荘村さん自身も武満さんとは交流があったそうで、武満徹へのオマージュとして、そして日本の聴衆へのrespectの証として、オープニングにこの曲が選択されたのだと思いました。とはいえ、なんだかおっかなびっくりの演奏で…（オケが）。う～ん、微妙。2)ロドリーゴ：ある貴紳のための幻想曲目の前で、ベラスケスの描いたマルガリータ王女が踊ってました。CDで聴いていた時も「バロックだな～」と思っていましたが、LIVEで聴くとさらにバロックでした。1954年作曲なのに、なぜ？と思って調べてみたら、17世紀スペインの作曲家の作品をもとにしているのですね。納得です。オケも徐々に本領発揮な感じでしたが、なんと第三楽章と第四楽章の間で拍手が～～～。荘村さんも集中がちょっと切れてしまったらしく、チューニングし直しをされていました…。あ　り　え　な　い。（今回、企業の冠コンサートで、関係者の方が多数いらしていたのです。招待チケットだとしても、曲の勉強くらいして来てほしい！）2)ファリャ：バレエ「三角帽子」第２組曲 スペインといえば、ファリャです。自国の作曲家の作品ということで、オケもノリノリでした。派手なパーカッションたちが、座席の関係でまったく見えなかったのが残念！学生時代、スペインを旅した時に、グラナダでファリャの家に行ったことを思い出しました。アルハンブラ宮殿に行く坂道を、ちょっと曲がって1時間くらい歩いて行ったような…。今ではもうそんな旅できないなぁ。4)ロドリーゴ：アランフェス協奏曲休憩をはさんで、一部では黒ずくめだった荘村さんも、白黒に衣装を替えられて登場。木立の間からきらきらと降り注ぐ光のような、第一楽章冒頭のギター。あたたかく包み込むオケの音。しっとりと哀愁の漂う第二楽章。また一転、明るく、軽く終わる第三楽章。LIVEで聴けて良かった～しかし。しかしですよ…。あろうことか、第二楽章と第三楽章の間でまたもや拍手が～～～いやぁ、まじで泣きそうでした。鳴りやまない拍手。何度かカーテンコールを繰り返し、荘村さんご自身のアンコールとして、1曲お弾きになりました。（よく聴く曲でしたがタイトルが不明）しかし、あくまでも主役はオケなので、「ボレロを聴いてください」とおっしゃって退場されました。この謙虚な態度、本当に感銘を受けました。5)ラヴェル：ボレロ ボレロ。説明するまでもないですね。先日、NHKでギエムが踊っているのを観たばかりだったので、またも眼前にギエムが…（笑）。有名な曲ですし、楽章に分かれているわけでもないので、安心して聴けました。アンコール）ヒメネス：ルイス・アロンソの結婚個人的にとっても嬉しかった1曲。学生時代、コンクールの自由曲として演奏したことがあるのです。クラシック界ではマイナーかも？スペインのサルスエラという喜劇の曲で、とにかく明るくて、楽しい曲です。思わず身体が動きだしてしまいました。オケも、これの演奏が一番良かったんじゃないかなー。終演後は、ちゃっかり荘村さんにサインをいただき、握手もしていただきました一流の芸や、一流の人に出逢うと、身が引きしまります。わたしも一流目指してがんばろう～～～ご参加ありがとうございました！7月4日(土)・5日（日）　夏の大交流会2009

  2009.07.09

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  シエナ・ウインド・オーケストラ＠ミューザ川崎

  ということで、行ってまいりました。シエナ･ウインド・オーケストラ　第29回定期演奏会シエナの演奏会に初めて行ったのは、2004年の12月、みなとみらいホール。産休に入る直前で、まだ娘がおなかにいた頃でしたが、当時、職場がランドマークタワー内でホールに近かったのと、演目が凄くて、迷わずチケット購入。吹奏楽経験者にしかわからないと思いますが、ディスコキッド、高度な技術への指標、風紋、ホルストの第一組曲、そしてフェスティバル・バリエーションズ！！「プログラム見て、行くしかないと思った」と、その日、大阪から来横していた、淀工の丸谷先生もおっしゃってましたっけ。う～ん、懐かしい。↓ちなみに、このときの演目はCDになっています。ブラスの祭典3そして、今回。2回目のシエナ。アメリカ特集ということで、コープランド「戸外の序曲」に始まり、マッキー「レッドライン・タンゴ」ほか。メインは、ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」。真島俊夫先生の新編曲の初演ということで、客席には真島先生ご本人もお見えでした。が。第二部「Takeshi Ito with Siena！！」で登場した、T-SQUAREの伊東たけしさんに、全部持っていかれたのでは…。伊東さんの吹き鳴らす、SAXとEWI（イーウィ、吹くシンセ）が、オケと丁々発止と渡り合い、火花が散るような白熱したステージでした！いやー、かっこよかった。ステージからものすごいうねりを感じましたよ～。T-SQUAREの「宝島」や「オーメンズ・オブ・ラブ」は、ブラスでもお馴染みの曲で、わたしも昔、定演か、野球応援か何かでやりました。音楽って不思議で、最初の一音聴いただけで、当時にトリップできるんですよねぇ。一瞬で、学生時代に戻っていました。若かったなぁ～。。。（遠い目）最後は、もちろんF1テーマ曲「TRUTH」で〆。拍手が鳴り止まなかったですね。T-SQUAREのコンサートにも行ってみたくなりました。そうそう、指揮の金聖響さん。写真などで見ると、わりとお顔がすました感じなので、「どんな人？」と思っていましたが、しゃべりは関西人で、かなり面白かったです！指揮者さんが、指揮台の手すりに片手をついて、リラックスした感じで振るお姿が好きなのびゆら。第二部では、この「片手振り」を結構やってくださいました。うふ。4月から神奈川フィルの常任指揮者にもなられたそうなので、一度演奏会に行ってみようかな。アンコール2曲目は、お約束、全員参加の「星条旗」で締めくくり、Happyな気持ちで家路に着きました。やっぱりLIVEはいいですね！↓買って帰ったCD。ガーシュウィン＆コープランド～アメリカン・アルバム！／金聖響＆シエナ好評お申し込み受付中！7月4日(土)・5日（日）　夏の大交流会2009

  2009.05.30

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  今夜はコンサート

  最近、トシのせいか（？）、やたら吹奏楽を聴きたくなるのびゆらです。10年以上もブラスに関わっていたので、いろいろな曲を演奏しましたし、まさに「青春がよみがえる」んですよね。先週の『題名のない音楽会』、ブラス特集楽しかったな～（カット、カットでちょっと物足りなかったけど）iPodにもたくさん曲を入れてあります。憂鬱な月曜の朝は、ジョン・ウィリアムズの、オリンピックファンファーレ＆テーマを聴いて、自分を鼓舞。↓これに入ってますブラスの祭典2意外と、カルミナ・ブラーナなんかもいいですよ（笑）ひとりのランチタイムは、最近はフラメンコが多いですが、ついつい聴いてしまうのが、シバの女王ベルキス。↓この2曲はこちら　レジェンダリーII「近畿大学吹奏楽部」／ Legendary Kinki Universityベルキスは、学生のとき定演メインでやったのですが、全員がステージの上でひとつになったことを感じた、忘れられない思い出の曲です。会社の帰りはクールダウンで、A・リードが多いかも。ラッシュモアとか、アルメニアンダンスとか、大好き～。↓あ、音楽祭のプレリュードもいいね。リード!リード!!リード!!!そして、今日はシエナの川崎公演で、久々にナマ吹奏楽を楽しんできます♪残念ながら、指揮は大好きな佐渡さんではないのですが、金聖響さんは初めてなのでわくわく！課題曲なんかもやるので、中高生も多いだろうなぁ。帰ってきたらまたレポートしますね。好評お申し込み受付中！7月4日(土)・5日（日）　夏の大交流会2009

  2009.05.29

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• Ｘを見い出したものの強さ

  一夜明けてもまだ、LKの興奮が冷めません～ふるさとのことや、父のことを忘れ、ハクナ・マタタァ♪と、その日一日楽しく暮らせればいいという、根無し草的な生活を送っていたシンバ。でもなんだか、モヤモヤする気持ちをもてあましていて。やがてナラと再会し、ラフィキに示唆され、自分のＸを思い出す。お前こそ、王となる。父も祖父もお前の中に生きている。どこか頼りなかった若ライオンが、トラウマを乗り越え、堂々と高台を登っていくさまに、Ｘを見い出したものの強さを見ました。答えは、すべて自分の中にある。あとはそれを見つけるだけ。11月からCATSが横浜で始まるそうです～！楽しみ！！

  2009.04.30

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  劇団四季「ライオンキング」

  娘が4歳になったお祝いに、劇団四季のライオンキングを観てきました。実際の誕生日から1ヶ月以上過ぎてますが…（笑）。ま、お祝いというのは口実で、わたしが行きたかっただけですね。昨年は、3歳のバースデー当日に、赤毛のアンを観ました。四季は3歳からチケット料金が発生するので、大人と同じチケットで入場。（当時はまだファミリーゾーン設定もなかった！）結構がんばって観てくれていたのですが、やっぱり後半は撃沈…。時期尚早だったかとすこし後悔した思い出が（涙）。今年は体力もついてきたし、DVDで多少予習もしたし、なんとか最後まで観てほしいと祈るような気持ちで、自宅を出発。12:30開場、13:00開演なので、まずは昼食。浜松町での休日ランチは、いつも悩んでいましたが、（お店が大門駅方面に集中している、休日にランチ営業しているお店が少ない）汐留ビルディングができてから楽になりました～椅子とテーブルのある休憩スペースが多く、お弁当なども広げられます。早めに着いてAENのビュッフェ、と思っていたのですが、開場時間ギリギリになってしまったので、お向かいの菜々やというお店へ。ぜんぜん下調べもなにもしていなかったのですが、壱岐から直送という魚介類が自慢のお店でした。（ちなみに壱岐は大学時代に行ったことがあるのですが、とっても良いところですよ～！）一日10食限定の漬けチラシ定食で腹ごしらえおなかがいっぱいになったところで、いざ四季劇場へ。LKはロングラン10周年を迎えたとのことで、劇場の周りは10th Anniversaryのお祝いだらけ。劇場に入っても、いろとりどりの垂れ幕が！世界各地でLKを上演しているカンパニーから寄せられた、祝福のメッセージも飾られていました。じつは、LKを観るのは2回目。前回は妊娠直前で、たしか「ロングラン5周年」と言っていたから、5年前くらいになります。そのときは夫もわたしも、いまいちハートに響かず、「LKは面白くなかったね～」と話していました。（今にして思えば、伝説の濱田ナラだったはずのに…）しかし今回は、冒頭の「Circle of Life」から、涙がポロポロ。劇中も、ムファサとシンバの親子の会話などで、涙が出ることが多かった…。5年の間に親となり、自分も観客としてすこしは成長できたのでしょうか。意外だったのは、スカー。原作の映画だと、単に卑屈な悪役キャラでしたが、より味わい深く、憎めない性格の役になっていました。ルー大柴と沢田研二を足して2で割ったような？（意味不明～）たしかにムファサより出演シーンは多いし、狂言回し的存在でもあるし、重要キャラクターなんですね。そして、そして！語りつくされていることとは思いますが、あの秀逸な衣装？装置？美術？を考え出した方は、本当に天才的ですね！！鳥は糸で釣ってあるとか、キリンは竹馬みたいなのに乗ってるとか、ライオンはお面だとか、明らかに不自然なのに、でも自然。まさに原作（映画）を超えたミュージカル。だと思います。CDほしいなぁ。ディズニー ライオンキング ミュージカル娘も、眠くなりつつも最後まで楽しんでくれましたし、大満足のLKでした

  2009.04.29

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  樹 なつみ『花咲ける青少年』

  今夜23時から、樹なつみのコミックを原作にした、アニメ『花咲ける青少年』が始まります。NHKアニメワールド・花咲ける青少年Blog改装にあたり、タイトルを思いつくきっかけにもなりました（その後、また変えたけど）高校生くらいのときに読んでいたマンガなので、アニメ化されると聞いたときは驚きました。いや～、もう大好きなマンガで、実家には花とゆめコミックスで全巻揃ってます。「おまえが呼べばいつなりと」。この立人の台詞にハートを鷲掴みにされた、女子中学生・高校生はたくさんいたはず！そしてネット限定の同人誌も買いました。いまどこにあるんだろー。最近出た愛蔵版も、6冊まとめて大人買い～花咲ける青少年（1）花咲ける青少年（2）花咲ける青少年（3）花咲ける青少年（4）花咲ける青少年（5）花咲ける青少年（6）表紙絵が美しいのです～6冊並べてみると壮観。ちなみに、樹先生のヴァムピールも面白いですよ。ヴァムピール（1）ヴァムピール（2）アニメは、原作とは別ですから、あまり期待しすぎてはいけないと思いつつ、でもやっぱりワクワクしちゃいます。公式サイトのイメージ画像から、むりやりデスクトップの壁紙をつくりました（笑）そのうち壁紙とかスクリーンセーバとか、DLできるようになるといいなぁ。ちなみに、花咲け～の後の、グイン・サーガも楽しみ。うふふ。

  2009.04.05

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  小室 淑恵『6時に帰るチ-ム術』

  月曜日、なんとか夫は出勤できましたー。休んでいた間の仕事に追いまくられて、大変だったみたいですが。男の人ってWMと比べて、「いつ・なんどき会社休むかわからない」っていう前提がない分、ちょっとした引継ぎがうまくなかったり、普段から「仕事を見えるようにしておく」って発想が、どうも薄いような気がする…。今回の夫のぎっくり腰、わたしにとっても大誤算でした。というのも、3月下旬からスタートする新規プロジェクトの、立ち上げ隊長をやることになり、珍しく仕事が忙しいんですよ～～～週に2日はお迎えを頼んで残業しようと思ってたのに、あてがはずれました。このプロジェクトですが、チームメンバーがおもしろいです。わたしの上にいるクライアントさんとの窓口となる上司が、時短勤務の2児の母。チームリーダー（わたし）も時短勤務。メンバーはあと3人いますが、パート勤務の方がいます。（じつはこのパートの方が一番の戦力！）まさに「ワケあり社員」だらけ！？なんとかラクに立ち上げ期を乗り切りたいので、以前あきのりさんがオススメされていた、こんな本を買ってみました。6時に帰るチ-ム術小室 淑恵さんは、以前BookLoversに出演されていたとき、お話を聞いたことがあります。詳しいレビューはあきのりさんの記事をご参照ください（笑）全体としては、中間管理職以上向けの本かなーという感じで、すぐ自分のチームに取り入れられるかは微妙。でも、紹介されているツールの中で、朝メールは個人的にさっそく実践しています。自分宛にメールを出すのではなく、Excelでつくった一日の予定表に、ざーっと行動計画を書いているだけですが。時短になって以来、仕事で時間に追われることがなかったので、（ある意味、幸せものです）タイムマネジメントをすることなかったのですが、これだけやることがたくさんあると、必要ですねーーー。もうちょっと余裕ができれば、夜メールも使って、一日の振り返りをしたいですが、今はまだちょっと無理かな。プロジェクトの立ち上げは、ずっとやってみたかったので、それ自体にはワクワクなのですが、時間の制約がありすぎてむむむ…、です。早く子守ができるようになってくれーい＞夫しばらくは保育園の夕食＋20時まで延長で乗り切るしかなさそう。がんばるぞーー

  2009.03.17

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  浅田 次郎『シェエラザード』

  その後も愛新覚羅家の人々の手記や、戦争末期を描く小説をいろいろと読んでいます。（図書館さま、ありがとう！）映画『ラストエンペラー』以外は、さほど興味なかったのに、なにがきっかけになるかわからないですね。男装の麗人村松 友視著。川島芳子のお話です。昨年TVドラマにもなったようですね（観てない～）。この小説には底本があり、それは昭和7年から「婦人公論」誌上に連載された『男装の麗人』。じつはこれを発表した村松梢風は、実は著者の祖父にあたります。（作中では梢風は「加賀美正一」という名で登場）川島芳子の行き方同様、虚々実々織り交ぜた、限りなくノンフィクションに近いフィクション、という感じでしょうか。清朝の王女に生れて改版愛新覚羅 ケンキ著（ケンは「顕」、キきは「王」偏に「奇」）。上記の川島芳子の同腹の妹さん、とのことです。幼少から学習院に学んだ（大学は日本女子大）彼女は、もちろん日本語堪能で、翻訳ではなくオリジナルの文章です。ただ、その出身と経歴があだとなって、文革時代の中国では、監獄に15年、その後強制労働7年を課せられることに。「中国人でありながらあまりにも祖国を知らさすぎた」と述べています。でもまったく悲劇的ではなく、おおらかに、淡々と思ったままをに素直に書いている、という印象。前半は、素人商売をしたり、画家のパトロンとして結婚をしたり、没落したとはいえ、生まれつきのお姫さま、という感じなのですが、収監されて、強制労働の日々を送る頃には、考え方も、本当に「人民」になっているのですよー。まさに人間改造。世間って、いろいろな考え方があって、みんなが違うから面白いのであって、みんなが同じ考え方になっちゃったら、それってどうなの？と思ってしまいました…。シェエラザード（上）シェエラザード（下）浅田 次郎著。いろいろ映画化なんかもされているのは知っていたのですが、じつは浅田さんの小説は初めて。リムスキー=コルサコフのシェエラザードが好きなので、手に取りましたが、これも「戦争もの」で驚きました。戦争末期に、米軍の誤爆か故意かで沈没させられた弥勒丸。なんでも、何千トンもの金塊が船内に残っているらしい。謎の中国人から、これを引き揚げてほしいとの依頼が入るところから、ストーリーは始まります。モデルとなった実在の事件があったということにも驚きましたが、過去と現在が交錯する構成のうまさ。いや～、ひさびさに小説で泣きました。噂の浅田マジックですね～iPodやCDでシェエラザードを聴きながら読みましたが、この読み方は本当におすすめ。シェラザードは交響組曲といって、4つの楽章から成り立っています。各楽章のタイトルがそれぞれ小説の筋にリンクしているのですよねー。第1楽章《海とシンドバッドの船》 第2楽章《カランダール王子の物語》 第3楽章《若い王子と王女》 第4楽章《バグダッドの祭り。海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲》 隅々までよく練りこまれた、素晴らしい小説だと思います。ご来場ありがとうございました！2月28日(土)　ひろっしゅコーチ講演会DVD上映会　無事終了

  2009.03.08

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  真理子とRURIKOのために、BOOK LOVERS

  男もすなるpodcastといふものを、女もしてみむとてするなり…。ということで、勝間さんのBOOK LOVERSを、初めてiPodにダウンロードして聴いてみました。BOOK LOVERSは、もともと勝間さんのブログだけ読んでいたのですが、12月に林真理子さんがゲストで出ている週があり、どうしてもこれが聴きたくって！いやぁ～、「試験」という足かせがはずれると、なんでもできますね(笑)以前、あきのりさんも書いていらしたような気がしますが、podcast自体はとても簡単でびっくり。ただ、iTunesには、最新10エピソード分のバックナンバーしかなくて、12月の分は自動で落としてこれませんでした。これはpodcast初心者がぶつかる壁のようで、検索すると、同じ質問がネット上にた～くさん。こちらのサイトを参考に、勝手にポッドキャストでのpodcast化を試しましたが、なぜか1エピソードしか変換できず…。結局、バックナンバーとしてサイトに公開されている元のmp3ファイルを、「音楽」としてiPodに入れることに。ちょっと見ためは悪いですが、ま、聴ければいってことでまだ『RURIKO』の回と、その他数エピソードしか聴けていませんが、おもしろい裏話がてんこ盛りです！勝間さんの声も想像どおりでしたが、林さんの声もイメージどおりでした。RURIKO他のエピソードにも、さすが聞き手が勝間さんだからなのか、ハッとするようなお話があって、ついつい無料で聴いていいんだろうか～？と思ってしまいます…。たとえば、BOOK LOVERS Vol.95で、江戸文化研究家の田中優子さんからは、わたしたちは教科書で「江戸時代は鎖国をしていた」と習ったけれど、だんだん研究が進んできて、今は必ずしもそうとらえられていない、教科書等でも明確な記述を避けている、というようなお話が。（Webでもそういう記事が見つかります）また幕末から明治にかけて、政府が「鎖国（＝江戸）は悪であった、開国（＝明治）こそが善である」と、プロパガンダしたので、わたしたちはなんとなくそう思い込まされていると。文明開化って、なんだか良いイメージありますもんね。どっひゃー。ですよ。刷り込みってこわい。こういう操作って、現代でも巧妙に行われているんだろうなぁ。また、BOOK LOVERSは音声メディアということで、「耳」から知的好奇心を刺激できるのもうれしいですね。仕事でPCも使うし、とにかく「目」は一日中使っているので、脳の普段使っていない部分が活性化している気がします。バックナンバーを全部聴きおわったら、また面白そうなpodcastを探してみようっと。（オススメあったら教えてくださいませ～）お申し込み受付中！2月28日(土)　ひろっしゅコーチ講演会DVD上映会

  2009.02.26

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  愛新覚羅 浩『流転の王妃の昭和史』

  試験が終わったら読もうと思って、図書館で借りて帰ったのですが、やっぱり読んでしまいました(苦笑)流転の王妃の昭和史数年前、常盤貴子と竹野内豊の主演でドラマ化されたのを、なんとなく観ていました。おおよそのストーリーは知っていたんですが、改めて文字で読むと、いろいろな意味で興味深かったです。えー、ちょっと言いにくいですが、最初に書いておきます。（文中敬称略）この本は浩が原稿を書いた後に、夫君である溥傑もチェックしたそうなので、ある意味「お二人の主観に基づいた歴史」、「世間に見せておきたい歴史」なんですよ。（自伝なんてそんなもんですよね）なので、書いてあることはもちろん嘘ではないとは思いますが、100％すべてを鵜呑みにしてはいけない、とも感じます。たとえば、この『流転の王妃』というタイトル。溥傑は、ラストエンペラー溥儀の弟ではありますが、清朝での立場はあくまでも「臣下」。なので、「臣下」の妻である浩は、清朝でも満州国でも、「王妃」という称号は一切つかないそうです。著者名の「愛新覚羅 浩」。中国では、結婚しても妻が夫の苗字になることはないので、これは単なる自称、だそうです。彼女、あとがきでも「愛新覚羅 浩」とサインしてますしね…。（溥傑は「溥傑」と二文字だけ）このあたりは、旧華族の令嬢としてのプライドを色濃く感じます。そして物語の冒頭、浩と溥傑の間に婚約話が持ち上がり、お見合い～結婚に至るまでの流れは、かなりあっさり目に仕上げてありますが、きっと、当時の上流階級の女性なら、ものすごい葛藤があったはずだと思うんですよ。でもそんなことはおくびにも出さず、（だって溥傑も読むし）あくまでも日満親善のシンボルとして、高潔にその役目を果たした、という雰囲気です。（林真理子が小説にしてくれたら、そのあたりをもっと、ドロドロに書いてくれるんじゃないかなぁ～）覗き趣味のびゆらとしては、侯爵家の婚礼支度のあれこれについて、もっといろいろ知りたかったですけどねーちょっと物足りない(笑)他にも、満州国で浩＆溥傑夫妻を邪険に扱ったとして、かなり悪者にかかれている吉岡も他の資料だとそうではないらしい、とか、本当に突っ込みどころはたくさん。そんなわけで、事実と脚色のブレンドとはいえ、それでも事実にしかない重みは、ずっしりとあります。とくに、満州国が崩壊した後、次女のコセイ（漢字が出ないのでカタカナ）を連れて、中国各地を逃避行するくだりは、同じ母親として胸を衝かれるシーンが多かったです。こんなエピソードがあります。八路軍の公安局に拘束されていたときに、日本軍が「救出に来た」と銃撃戦を繰り広げるのですが、失敗に終わり、日本軍は撤退します。その後、壁に穴があき、砲弾の破片が散乱した公安局の部屋で、零下三十度の換気に震えつつ、一週間も暮らさなければなりませんでした。（まるで救出に来た日本軍が悪いかのような書きっぷり！）この激烈な寒さ。大人ならなんとか理性で我慢できたでしょうが、5歳のコセイはどうやって耐えたんだろう？と思うと、本当に想像を絶します。たまたま、娘が隣に寝ている、暖かいベッドの中で読んでいたので、余計にそのシーンが身にこたえました。平和ってありがたい…。さて、ドラマではまったく気がつきませんでしたが、浩がなんとか引き揚げ船に乗って、帰国した後は、ご実家（嵯峨家）の疎開先である、日吉で一緒に住んでいるんです。そこには日本に残していた長女の慧生がいて、ようやく家族三人暮らしがスタートしました。おお、親近感～日吉のどのあたりなんだろう？と、いろいろ調べてみましたが、よくわからず…。妄想を膨らませています。（じつは旧住所表示での住所は突き止めました。区役所とかに行ったらわかるかしら？）しかし、やっとのことで再会した長女・慧生は、悲劇的な死を遂げます･･･。心中か、無理心中か、真相は藪の中ですが…。慧生は、清朝皇家の血を継いでいる、というだけではなく、幼いころのお写真を拝見するかぎり、才色兼備、本当に聡明そうなお嬢さんで。そのまま成人されたらさぞご活躍されただろうに…、と思うと、浩でなくても残念な気持ちがします。（とはいえ、浩の慧生にかける凄まじい期待は、文中からも読み取れ、Carc.化してたんじゃなかなぁと憶測していますが）いろいろ書きましたが、表向き、いまの日本からは消えてしまった「華族」とか、「（古きよき）皇室」の姿が垣間見えて、大変面白く読みました。（最近D子の事件簿という某サイトにハマっているもので･･･）そして、溥傑が書いているあとがきは、本当に素晴らしいです。これを読めただけでも、この『昭和史』を読んだ甲斐がありました。今度は溥傑の自伝も借りてみよう。食在宮廷（しょくはきゅうていにあり）増補新版↑これも読んでみた～い。浩が書いた料理本です。お申し込み受付中！2月28日(土)　ひろっしゅコーチ講演会DVD上映会

  2009.02.18

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  さあ、才能に目覚めよう／ストレングス・ファインダー

  今朝、娘の熱は下がっていたのですが、「保育園にはいかない」と言うし、週末飛行機に乗らないといけないこともあり、大事を取って病欠ぽっかり時間ができたので、朝からおでんを煮込み(笑)、そしてストレングス・ファインダーをやってみました。さあ、才能に目覚めよう「才能」と書いて「じぶん」と読みます。このテスト、3年前のハピチア＠自由が丘で知って、本も購入していたのですが、ずっとタイミングを逃していたのですよねー。勝間さんも著書で紹介されていたので、今年はやりたいと思っていました。カバー裏に印刷されているコードを入力して、テスト画面に進みます。（コードはユニークなので、中古本は買わないほうがよいです！たまたま使われていない場合もあるかもしれませんが…）途中、宅配便が来たりして、数問回答できなかったのがありましたが…。結果はこんな感じ。自分だけの特長的な資質「自分だけの特長的な資質」のレポートは、あなたのStrengthsFinderの結果に基づき、上位5つの資質を強い順に並べたものです。 全34項目中、これらの資質があなたの強みの上位5つです。最上志向 優秀であること、平均ではなく。これがあなたの基準です。平均以下の何かを平均より少し上に引き上げるには大変な努力を要し、あなたはそこに全く意味を見出しません。平均以上の何かを最高のものに高めるのも、同じように多大な努力を必要としますが、はるかに胸躍ります。自分自身のものか他の人のものかに関わらず、強みはあなたを魅了します。ポジティブ あなたは人をよく誉め、すぐに微笑みかけ、どんな状況においても常にポジティブな面を探します。あなたのことを陽気と言う人もいます。あなたのように楽天的になりたいと思う人もいます。しかし、いずれにしても、人々はあなたの周りにいたいと思います。コミュニケーション あなたは説明すること、描写すること、進行役を務めること、人前で話すこと、書くことが好きです。これにはあなたのコミュニケーションという資質がよく現れています。アイデアはアイデアに過ぎません。事実は、その時々に起こったことに過ぎません。あなたは、それに命を吹き込み、活力を与え、刺激的で生き生きとしたものにしなければならないと感じます。そこであなたは、「単なる事実」を「物語」に転換させて、それを上手に語ります。収集心 あなたは知りたがり屋です。あなたは物を収集します。あなたが収集するのは情報――言葉、事実、書籍、引用文――かもしれません。あるいは形のあるもの、例えば切手、野球カード、ぬいぐるみ、包装紙などかもしれません。集めるものが何であれ、あなたはそれに興味を引かれるから集めるのです。そしてあなたのような考え方の人は、いろいろなものに好奇心を覚えるのです。世界は限りなく変化に富んでいて複雑なので、とても刺激的です。社交性 あなたは知らない人と出会い、彼らにあなたを好きにさせることに挑戦するのが大好きです。あなたは見知らぬ人を怖がることがめったにありません。むしろ、あなたは見知らぬ人に元気付けられます。あなたは彼らに惹かれるのです。あなたは彼らの名前を知り、質問をし、共通に関心のあることを見つけ出し、それによって会話を始め、関係を築きたいのです。省略して転載していますので、全文知りたい方はぜひ書籍を。ストレングス・ファインダーで定義されている強みは、全部で34個あります。こうしてみると、人の違いはあくまでも違いであり、差ではない、ということが実感できますね。才能は永続的なものだそうなので、せっせと磨いていきたいと思いますお申し込み受付中！2月28日(土)　ひろっしゅコーチ講演会DVD上映会

  2009.01.29

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  よしもとばなな『イルカ』

  先日、書店に行ったら、気になっていた本が文庫になっていたので、即GETしてしまいました。イルカデビュー作『キッチン』を手にしたのが小6だったので、早20年くらい？（トシがばれるわぁ）わたしの中高時代はばななさんとともにあった、といっても過言ではありません。田舎でしたし、インターネットなんてなかったので、作品と、ときどき雑誌なんかに載る記事だけが、作家とつながる手段でした。『ムーンライト・シャドウ』という作品には、着想の元となった音楽があると知ってCDを買いに行ったり、TVで伊豆の海が出たら、ここが『TSUGUMI』の海かぁ、なんて想像したり。映画化なんてされた日には、ビデオになるのを待って、レンタルで借りてきて。まさにマニアですね。う～ん、懐かしい。ばななさんの小説は、不思議な夢とか不思議な出来事が登場することが多く、超リアリストのわたしにも「あっち側の世界」を垣間見させてくれました。今で言う代替療法のこともときどき書いていらして、初めて「ニールズヤード」の製品を実際に手にしたとき、「これが、昔ばななさんが言ってたあのお店か！」、と感動した記憶があります(笑)ばななさんがいろいろ書いてくださったことが、わたしにとってのホメオパシーの入り口になったような気がします。（彼女は実際ホメオパシー愛用者ですし…）影響を受けたことはたくさんありますね～ちょうどお名前がひらがなになったあたりから、出産と重なり、なかなか文芸書を読めなくなって、新刊が出ているのは知っていても素通り、という感じでしたが、『イルカ』は妊娠をテーマにしているということで、ずっと読みたかった1冊でした。ばなな作品は、血縁関係にない人々が、なにかのきっかけで一つ屋根で暮らすことになったり、あるいは、すでに一緒に暮らしていて、擬似的な家族を構成していたりすることが多いのです。この『イルカ』も同様で、主人公と子どもの父親になる恋人は、戸籍上での婚姻はしていないし、今後することもなさそうです。ただ、シングルマザーとシングルファーザーであるふたりが、子どもを通してゆるやかに繋がり、「家族」になるというのは、新しい関係性だな、と思いました。血と血が繋がるという濃さ、凄さ。そして、剥製。作中に剥製がたくさんある家、というのが出てくるのですが、…気持ち悪いことこのうえない。これはシャーマ先生の言う、「魂は光の世界へ行こうとしているのに、身体だけを現世につなぎとめる手法」ですね。剥製をつくっていたのは年老いた医師。新しい命を生み、はぐくむことができる女性に対して、死の訪れをを引き伸ばすことしかできない男性という鮮やかな対比とも読めます。南極物語のタロとジロも剥製になってましたよね…。なんだか複雑だわ…。ご来場ありがとうございました！11月27日　ひろっしゅコーチ初の講演会

  2008.12.04

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  ターシャ・テューダーのクリスマス

  街中のイルミネーションがひときわ美しく、楽しい季節になりましたね～保育園の帰り道に、娘が寄りたがる場所が増えて困っています(笑)急に思い出して、昨年NHKで放送されたものを録画しておいた、「ターシャ・テューダーのクリスマス」を観ました。同タイトルの書籍もあるようです。ターシャ・テューダーのクリスマスクリスマス当日ももちろん楽しいけれど、「その日のために準備する楽しさ」も十分に味わっている、ターシャのクリスマスまでの日々。モンゴメリの「赤毛のアン」シリーズも好きなわたし。アンをはじめとする登場人物の魅力もさることながら、質素な中にも豊かな暮らしぶりの描写がふんだんにちりばめられている、ということも好きな理由の1つです。牧師夫妻をお招きするのでケーキを焼く、とか、パーティーのドレスに1つ1つ手で刺繍をする、とか…。「けっきょく、一番幸福な日というのは、素晴らしいことや、驚くようなこと、胸の沸き立つような出来事が起こる日ではなく、真珠が一つずつ、そっと糸からすべり落ちるように、単純な、小さな喜びを次々に持ってくる一日一日のことだと思うわ」（アンの青春）アンのいう、真珠のような日々を過ごしていらしたターシャさん。もう逢うことはできないけれど、映像や本でたくさんのメッセージを届けてくださっていますね。ありがとうございます。ターシャ・テューダーのクリスマスアドベントカレンダーこれもかわいい！ご来場ありがとうございました！11月27日　ひろっしゅコーチ初の講演会

  2008.12.03

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  イヴの七人の娘たち／愛とは、怖れを手ばなすこと

  コーチのお話し会ブルームで、恒例の本の交換会がありました。（発案は忘れもしないflowerさん…、その後、忘年会、新年会などでいつもやってます）わたしが持っていったのはイヴの七人の娘たち本の交換会では、やっぱりコーチングとか子育てとか、自己啓発系が多いので、あえてこちらをチョイス。祖母から母、母から娘へと、母系のみで受け継がれる「ミトコンドリアDNA」をキーに、世界中の人々のDNAを調べていったら、七人の女性たちに集約されることがわかった、という話です。研究の過程で、歴史学の定説をひっくり返すことになって、ものすごい妨害にあったり、スリリングな科学読み物でもあります。今よりもっと環境が厳しくて、洞穴で暮らしていたような時代に、たくましく生き抜いて子孫を残してくれた女性たち。彼女たちがいてくれたからこそ、いまの私たちがいるんですよね。戦争とか、人種差別とか、無意味だなぁと思ってしまいます。さて、代わりにいただいてきたのは愛とは、怖れを手ばなすこと本田健氏訳です。文庫で、うすいのですが、まだ数ページしか読んでないのに、「おおお～！」と思う言葉がたくさん。シャーマ先生の授業で聞いたような話や、ときどきぴろこさんのblogで教えてもらう、ラムサの言葉に似たものも。先駆者たちというのはみな同じことを言っているんだなぁー。今日から会社なので、続きは電車の中で読みまーす(笑)ご来場ありがとうございました！11月27日　ひろっしゅコーチ初の講演会

  2008.12.02

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  医学書・自習室・パンドラ

  怒涛の1週間が終わりました～3連休は、賢人シャーマ先生の密度の濃～い授業。これについてはすでに先輩方、同期たちなど、RAHつながりの方々がいろいろblogやmixiに書かれています。わたしも近々UPします！そして木曜は、半年以上準備していたひろっしゅコーチの講演会。講演会についてはコチラでレポートしていきますので、ご興味のある方はぜひ遊びにいらしてください♪実は今週いっぱい休暇をとっていまして、期間限定・専業主婦生活を満喫しています。（でないとこのスケジュールこなせなかったわ…）昨日は午前中免許の更新へ。二俣川の運転免許試験場前には、神奈川県立がんセンターがあるんですねー。知りませんでした。シャーマ先生の授業で、がんのこともいろいろやったので、免許の講習ビデオを観ながら、思いを馳せてしまいました。その帰り、ひさびさに横浜駅周辺を歩きました。出産前は桜木町勤務だったので、毎日使っていた駅ですが、最近本当にご無沙汰です。とにかく腹ペコだったので、ランチのお店を探していたら、JOINUSの地下にクイーンズ伊勢丹を発見。なんと開業2周年だそうで…、いかに時代に乗り遅れているかがわかります(笑)ふらっと入ってみると、大好きなスープストックトーキョーを発見。隣接するフードコートでそのままイートインも可能！（フードコートは神戸屋キッチンとドーナツプラントとの共用）カウンター席も長く、たくさんありお昼休み中のOLさんや、マダムたちでいっぱいでした。テーブル席には子連れも多く、女子たちの休憩所の様相を呈してました。おひとりさま女子にはうれしいじゃないですか～西口でさっとランチしたいときには使えますね。その後、「波動」の特集だった雑誌「Newton」でも見に行こうと、地下ダイヤモンド街の有隣堂へ。有隣堂は横浜地場の有力書店で、コーチの本をいち早く店頭に並べてくださったお店でもあります。（関係ないって？）子育てしながらママがイキイキ輝く法行ってみると、有隣堂医学書センターなる店舗が、すぐ近くにオープンしたというポスターが。医学書は中身を見ないと買えないので（なにしろ理解できるかどうかわからないし）、つい、Amazonなどで注文するのをためらってしまいます。ジュンク堂や紀伊国屋もなかなか行けないし、実物を手に取れるのはチャーンス！お店の人に場所を聞いて、さっそくGO～いや～、いろいろありました。なかでもめっけもんは、ネッターコンパクト解剖学アトラス（上・下巻）柴田先生の解剖の授業のときに、にこらんたん先輩がネッター解剖学アトラス原書第4版をお持ちになっていて、調べたいページをさっと開かれているお姿が美しく…。それで解剖図のカラー図解が多い本がほしいな～、と思っていたのです。「原書」のほうはタウンページより大きくて厚いですが、「コンパクト」のほうはちょっとした単行本くらいですよ。（マーフィーよりぜんぜん軽いです）勝間さんもなにかで書かれていましたが、専門分野以外の本って、情報がうすいので、リアル書店でないと出会えないですよね。その他にも、文系のための生命科学と、雑誌「日経メディカル」11月号をゲット。記事のレイアウトが日経パソコンと同じで読みやすい～いろいろ面白い記事がありましたので、またご紹介しますね。この有隣堂でも面白い出会いがありました。コチラのチラシを見つけたのです。■横浜ノリノリ勉強室有料自習室ってよく知らなかったのですが、なかなかいい感じです。2月の試験前にちょっと使いたいな～まだ続きます。講演会が終わったら借りてこよう！と思っていた、パンドラを観はじめました。【DVD】パンドラ　コレクターズ・ボックス ／三上博史いや～、うわさにたがわず面白い！がんの特効薬（新薬）をめぐる医療ドラマです。医学会、製薬会社などの業界の内幕に踏み込むため、あえて、スポンサーのないWOWWOWで製作されたとのこと。（ということは一般の地上波の番組なんて、かなりこれらの息がかかってるってことですよね～知人の話だと、いま万能細胞関連の研究には、企業からの助成金がバンバンついているそうです。カネって強いのね～）腹に二物も三物もある登場人物たち…。なかでも、野口英世と芥川龍之介を足して2で割ったような、三上博史の奇人博士ぶりから目が離せません。はやく続き借りてこなくっちゃ～■パンドラ公式サイトひさびさなので長くなっちゃいました…。徐々に楽天も復活しますので、よろしくお願いします～ご来場ありがとうございました！11月27日　ひろっしゅコーチ初の講演会

  2008.11.29

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  憎しみや怒りをとかすもの

  今週に入り、ようやく仕事のほうがすこし落ち着いてきました。ということで、ひさびさに図書館へ。（昼休みに、職場近くの図書館に行くのです）自分で買う本はどうしても、ホメオパシー関係や代替医療系の実用書が多くなってしまうので、借りるときは小説も選ぶようにしています。現実逃避？？？たまたま棚で見かけた、この本。林真理子『花』林真理子の、大正・昭和シリーズとでもいうのでしょうか、太平洋戦争の前後を舞台にした一連の作品群が好きです。『天鵞絨物語』とか、『本を読む女』、『ミカドの淑女（おんな）』、『白蓮れんれん』など。この『花』も同じ系譜の作品で、まさにわたし好み♪物語は、衣料商社の看板プレスとして多忙な日々を送る知華子が、祖母の葬儀に出席するところから始まります。知華子の祖母は芸者で、その娘である知華子の母も芸者でした。知華子は私生児として生まれ、ゆえに心を傷つけられる出来事に多く遭遇。「母を芸者にした」祖母と、「芸者であることを誇る」母に心を閉ざしています。葬儀の後、ふとしたきっかけで祖母の半生記を読むことになった知華子は、自分がまったく知らなかった祖母と母の姿を知ることになる―――というのが、ざっくりとしたあらすじ。わたし自身の祖母は、父方も母方ももう亡くなっています。父方の祖母にいたっては、遠方だったので、3歳くらい以降一度も逢っておらず、ほぼ他人も同然。（お葬式はちょうど海外旅行中で、参列できなかった）母方の祖母とは、もっと関係は親密でしたが、おばあちゃんが生きていた人生のことはほとんど知りません。祖母のおいたちのことなどを、母から聞かされたことはあるけど、それはあくまでも「母の話」であって、祖母自身から聞いたことはない。みなさんはどうですか？人間って不思議で、ある人には白と見えているものが、ある人には黒と見えてたりする。それはどちらも間違いではない。血を分けた家族といっても、お互いに見えているもの、見えていると思っているもの、見えていないもの、見えないふりをしているものがある。わたしたちは「見たいものを見て」生きているのです。もう思っても詮ないことではありますが、おばあちゃんのお話、聞いておきたかったなぁ。じつは時を同じくして、DVDでコチラを観ました。『オール・アバウト・マイ・マザー』シングルマザーのマヌエラは、息子エステバンと二人暮らし。マヌエラはある理由で、エステバンの父親のことをずっと秘密にしてきました。元夫と撮った写真は全部、半分に裂いていたくらい。17歳の誕生日プレゼントに、初めて父親のことを話すと約束した夜、エステバンは突然の交通事故で亡くなります。作家志望だった息子は、「僕の人生には半分が欠けている」と書き残していました。その後のストーリーを引っ張っていく原動力は、父親の人生を話してやればよかったという、マヌエラの後悔です。実はマヌエラは17年前、妊娠を隠して、元夫の家から飛び出していたのでした。今度は、元夫に死んだ息子のことを伝えなければ、という思いに駆られて、彼女は旅立ちます。この作品では逆に、自分の人生をどこまで娘や孫に伝えられるかということを考えさせられました。知華子の場合は、祖母の死後にそれを知ったわけですが、本人からしてみれば、なんでもっと早く教えてくれなかったの―――という気持ちになったのではと思うのです。現時点でわたしの人生、30数年。成功も失敗も、恥も挫折も、それなりに経験。面と向かって話すには恥ずかしいこともたくさんあります。うーん、娘に語るにはもっとがんばらねば(なにを？)。『花』のラストシーン。それまで親族、血族ともなるべく疎遠に暮らし、子どもを産むことすらまったく興味を持っていなかった知華子は、逢ったこともない伯母に「逢いたい」と手紙を書く。命の連鎖をしっかりと感じたい。その執念は女ならでは…、でしょうか。ただ「伝える」ということだけで、憎しみや怒りがとけていく。不思議とシンクロした、2作品でした。ママイキのHPができました！遊びに来てくださいね♪http://mamaiki.net/好評お申し込み受付中！11月27日　ひろっしゅコーチ初の講演会

  2008.08.27

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