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2005.07.04
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カテゴリ:夢のような夢の話
あたしの秘密をひとつだけ話すと、

って言っても秘密っていうほどの話でも無いんだけどね。

人のあたたかさとか冷たさとか、そういうものってあるでしょ。

心の、ね。

あの人は心のあったかい人だとか冷たい人だとか。

あたしには、それが見える。

ううん。違う違う。

ほら、人よりそういうのに気付くのが鋭いとか、

人を見る目があるとかじゃなくて、

はっきりと。目に見える形で分かる。

あたたかいなら、そう、敢えて言うならオレンジみたいな、色かな。

ありきたりだけど。

冷たいとね、怖いくらい透き通った白、っていうのかな

そんな色に見える。面白いんだけど冷たい方がキレイな色。

例えばね…ほら。あそこ。あそこの席に座っているカップル。

水色のポロシャツの彼と、カーキのカーデを羽織っている彼女。

あそこの人たちがね、心があったかいか、そうでないか、

あたしには、分かる。

・・・

聞きたい?あはは、聞かない方がいいかもよ。

あそこのカップル、二人ともあんまり心はあたたかくない。

うん。幸せそうだけどね…。

って、人に言ってもどうせ、ね。

信じてくれない。そうに、決まってる。

当たり前だけど。

だから、誰にも言ってないし、言うつもりもこの先、無い。

ああ、あなたに、いま、この場でしゃべったのは

もう、二度と会うことも無いから。

うん、だからね。言っただけ。

・・・

あはは。からかっているだけかもしれないよ?

ただの性質の悪い冗談。

ね?オマエは変な女だって

あなた、いつも言ってたでしょ。

だから変なこと言ってるだけかもよ?

信じなくてもいいよ。

信じなくて、当然。

・・・

変なの。なぁんでこんなことに限って、

そんな真剣な顔で聞いてんの?

いままで一度もさ、あたしの話をまともに聞こうとしなかったじゃない。

いっつもめんどくさそうに聞いてたくせに。

あたしがさ、何を言ってもちゃーんと応えてくれなかったのに。

まーた変なこと言ってるって、そんな目で見てたのに。

・・・

信じて、くれるんだ。

んー…実は、ね。何となく、そんな気がしてた。

だから、話そうと思った。実は。

誰かに話すつもりなんて、絶対に無かったのに。

何となくだけど…あなただけ、信じてくれるような、ね。

・・・

もう、行くね?

そろそろ、行かなきゃ。

じゃ、最後に。

あなたの色も、教えてあげよっか?

あなたの色。

聞きたい?

…教えて、あげない。あはははは。

教えないよ。でもね、ハッキリと見えるよ。あなたの色は。

他のどんな人よりもハッキリと見えてる。

…だから、ね。あたしも、信じてくれると思ったのかな。

あなたが、あたしの話を。

そういうこと。

あなたは、誰よりもうんとあたたかいか、

すーっごく冷たいか、そのどちらかよ。

一生、教えて、あげないけどね。



























そう言うと、彼女はヴィトンのショルダーを肩にかけ、

席を立ちあがった。

僕の視界から彼女が消えるまで一度だって彼女は振り向かなかった。

一度だって。

目が覚めても僕は、彼女が見えていた『僕の色』が何であったか

ずっと思案していたし、でも、それが何の意味も成さないことも

知っているつもりだった。

それでも、僕はずっと、この夢の事を考えている。































彼女は美人で巨乳でした。





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Last updated  2005.07.05 17:13:59
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