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2007.06.08
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石崎幸二『長く短い呪文』
~講談社ノベルス、2001年~

 石崎・ミリア・ユリが探偵役(?)の、シリーズ第三作です。では、内容紹介と感想を。

 前回の事件で知り合ったまみちゃんはミステリィ研究会に入っていた。補習のテストのためにミリア、ユリの名(迷)指導をあおぎがんばっていた彼女が、急に硫黄島に行きたいと言い出した。友人の岐城美樹が「私は呪われているかも知れない」という奇妙な言葉を残して硫黄島のそばの岐城島へと帰ってしまったのである。初めて仲良くなった友人だけに、まみちゃんはひどく心配する。そこで、その「呪い」がなんなのか確かめるべく、ミリア、ユリ、そして石崎の三人は岐城島へと向かった。
 ミリアたちが通う学校の寮の裏では、木にねじが打たれていた。それはまるで丑の刻参りのわら人形をうつ釘のかわりのように思えた。さらに、木の下で見つかった、魔法陣のようなうずまき。昨年には美樹の姉にあたる女性が学校のそばで車にひかれて死んでいた。こうした奇妙なものを見たり、情報を得て島へと渡ったのであるが、三人は呪いには懐疑的であった。
 美樹の双子の妹たちと遊んだりしながらしばらくは何事もなく時間は過ぎたが、やがて一つの事件が起こる。妹たちの人形の右手がはさみで切られていたのだ。後には美樹の部屋でも同じような事件が起こる。人形の胸に包丁が刺され、さらに右手が切られていたのだ。
 呪いについて推理をすすめるミリアたちは、大きな「呪い」の正体を突き止める。
(フリーページに挙げていた内容紹介をほとんどそのまま転載しました)

 ミリアさんとユリさんの、日本史講義がとても面白かったです。たとえば、大化の改新は、日本初の殺人事件で、しかも動物が関連している(入鹿)ことが重要、小野妹子は日本最初の叙述トリックで、奈良の大仏は日本最初の密室トリックということです。これで三度目くらいの再読ですが、この箇所はやっぱり面白かったです。それから、冒頭に、惜しみなくウルトラセブンネタが出てくるのも良いですね。
 美樹さんの「呪い」の話になってくると、一気にシリアスな雰囲気が増します。このシリーズ、回を重ねるごとにシリアスになっているような…。「真相」を知ったミリアさんが激怒するところなどは、けっこうぞくぞくしながら読みました。ミリアさんのある言葉では、少し泣きそうになってしまいました。このノリの石崎さんの作品で泣けるなんて…。いや、やっぱり感動できるシーンだったと思うのです。
 本作も面白かったです。
 次に『袋綴じ事件』を読むと、石崎さんの作品を全て読んだことになりますね…。新作が出ることを、ずっと楽しみにしてたりします。





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Last updated  2007.06.08 06:58:56
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