カテゴリ:本の感想(あ行の作家)
有栖川有栖『スイス時計の謎』 ~講談社ノベルス、2003年~ 講談社ノベルス特製ブックカバーが届いたこともあり、3/31-4/4の週の通勤の友はこちら、『スイス時計の謎』にしました。 法月綸太郎さんは、最新作『犯罪ホロスコープI』の著者の言葉で、その本の性格を「気楽に読んで愉しめる、そして後にはいっさい何も残さない」と言っておられますが、この作品集もそんな感じです。 では、それぞれの簡単な内容紹介と感想を。 ーーー 「あるYの悲劇」Yの字型のギターで殺害されたバンドのメンバー、山本。彼は、犯人に殴られ、死亡するまでの間に部屋に訪れたメンバーの一人に、犯人の情報を伝えようとする。しかし、そのメッセージは不可解だった。「やまもと」と口にし、そして、最後の力をふりしぼって、壁にYの字を書いたのだった。 「女彫刻家の首」自分のアトリエで殺されていた、女性彫刻家。奇妙なのことに、彼女の首が切断され、首の部分には彼女が制作したオブジェの首が置かれていた。 犯人は、いさかいの絶えなかった彼女の隣人か、浮気をしていたという彼女の夫か、あるいは…。 「シャイロックの密室」ケチな高利貸し、佐井六助を、その職業と名前の語呂からシャイロックと呼んでいる男が、彼のもとを訪れる。そして、シャイロックを拳銃で殺害し…。 …その現場は、密室状態であったという。火村は、その家に見られたある特徴的な事実から、犯人に迫っていく。 「スイス時計の謎」高校時代、排他的なサークルを作っていたエリート6人組のうちの一人が殺害された。現場に訪れたアリスは、その被害者とサークルのことを知って驚く。彼もまた、高校時代に彼らと同期生だったからだ。 事件の鍵は、彼らが2年に1度ひらくパーティに行く際につけているという、おそろいのスイス時計。 ーーー うーん、別段感想も残らないですね…(苦笑) 有栖川さんのあとがきはなかなか楽しかったのですが…。それぞれのお話は、通勤・帰宅時間に読むのに、ヘビーすぎることもなく、泣くこともなく、ちょうど良かったです。 (2008/04/04読了)
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