カテゴリ:本の感想(あ行の作家)
浦賀和宏『女王暗殺』 ~講談社ノベルス、2010年~ 浦賀和宏さんの最新作です。安藤直樹シリーズの第2部ですが、「萩原重化学工業シリーズ」というシリーズ名となったようですね(裏表紙の見返し参照)。 メモ程度ですが、簡単に内容紹介を書いたうえで、あらためて感想を。 ーーー 育ての母が殺された。何者かに、刺し殺されたのだった。死ぬ直前、彼女は俺―武田誠に電話をくれた。しかし最後の言葉は、「1101」という謎の数字だった。 子供の頃に心臓の手術をした武田誠は、ふたたび手術を受けることになる。人工弁を取り替える必要ができたというのだ。その後、誠が入院していた部屋に入院していた男が殺された。男は腹を切り裂かれ、心臓が持ち去られていた…。 * 大学生になった久能正治は、一冊の小説を書き、それで小説家としてデビューすることになった。ところが、母親や親戚に抑圧され続けていた彼は、読者からの批判にも常に対応し、ついには売れる作品が書けなくなり、編集者からもほとんど見放されることになる。そんな彼のもとに、ファンだと名乗る女性が現れる。渡辺カンナというその女性は、直後に正治が窮地に陥ったところを救う。そして正治は、ある計画に参加することになる。 ーーー 前回が脳の話なら、今回は心臓の話です。 前作を読んだのが半年前の6月のことですが、もはや大部分は忘れてしまっていました。本書を読了後、自分の記事を読み返して嬉しい驚きが味わえました。しかしこのシリーズ、既刊の2冊とも分厚いので、再読してじっくり世界を把握しようとするのはなかなかしんどそうです。しばらく続くと思われますし、完結した時にあらためて通して読んでみたいと思います。 続刊がますます楽しみになる一冊でした。 (2010/01/10読了)
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