カテゴリ:本の感想(あ行の作家)
石黒達昌『新化』 ~ハルキ文庫、2000年~ 筒井康隆『筒井康隆の文芸時評』で気になっていた作品です。 毛がなく、羽のはえたハネネズミの研究に情熱をそそぐ研究者たちの物語です。 Part1とPart2の二部構成になっていて、Part1では、ハネネズミの最後の二匹の観察実験とその絶滅の過程を、Part2では、ハネネズミの復元をめざす実験が描かれます。 研究者たちのノートや日記、論文などをもとに、ときにそのまま引用しながら、(作中の)石黒達昌さんがハネネズミをめぐる一連の状況を整理したレポート、という体裁になっています。 私が特に面白かったのは、Part2に描かれる、ハネネズミの復元実験です。エンジェルマウスという、ハネネズミとは行動様式などは異なるものの、きわめてハネネズミに近い性質をもつネズミを実験につかうことで、ハネネズミの復元を試みるのですが…。基本的に淡々としているので、特に大きな動きのあるこのあたりを、面白く読みました。 残念ながら、私の読解力や感性では、この面白さがよく分かりませんでしたが、徹底したリアリズム(写真や図表、注も掲載しています)は面白かったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.11.23 13:26:51
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