まさかまさかのNHK杯
オリンピックでも世界選手権でもないグランプリシリーズなのに、こんなにドキドキハラハラさせられるとは思っていませんでした。NHKなのに更衣室までも映す羽生選手へのストーカーのようなカメラもまさかでした。誰が得をするのでしょう?羽生選手は集中できないでしょうから羽生選手のファンも嬉しくないし、他の選手のファンも面白くない。多分苦情殺到で、2日目には改善されていて対応の早さには感心しましたが。公式練習での他の選手が接近してきたときの異常な怖がり方を見て、中国杯でのことがトラウマになってしまっているようで心配しましたが、他にも練習不足や治り切っていない怪我など多くの問題を抱えながらもグランプリファイナルへの切符をつかみ取ってしまうところに、改めて羽生選手のポテンシャルの高さを感じました。今回の試合の演技は、最初から集中できていないのが画面越しにも分かるほどで、気力だけでは乗り越えられなかったのかなと思っていました。それだけに、エキシビションの演技もまさかでした。今の状況で、こんなにも心のこもった素晴らしい演技を見せてもらえるとは思っていませんでした。解説の鈴木明子さんだけではなく、多くの方が感動の涙を流したようです。十代最後の試合は辛いものになりましたが、十代最後の演技が「花は咲く」でよかったなと思いました。それにしても、フィギュアスケートの19歳といえば、ジュニアからシニアに上がったばかりで、本来ならスケート選手としてスタートをする年齢なのに、金メダルでなければ許されない空気は酷すぎる気がします。ただ、オリンピックの金メダリストになると、どこの国でも勝って当たり前の空気になるので、皆引退したり、長期休養したりで、オリンピック直後の世界選手権でさえ負けることを恐れて出ることをしません。勇気ある決断をし続けている若い五輪チャンピョンをもう少し温かく見守れないものでしょうか?それに、全ての試合にピークを持ってくることは不可能なので、世界選手権等の大切な大会にピークを合わせるためにも、グランプリシリーズにピークを持ってきてはいけないのです。今シーズンは「まさかの2位」と報道されたところから始まりましたが、選手を追い詰めるのではなく応援する姿勢になってほしいものです。(来週出品する人形の写真は近いうちにアップします。)