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2006年8月15日

ことの始まり

最初にも書いたのですが、2005年9月17日、サビキで釣ったアジを持って帰って、

数を数えようと流しに開けたところ、アジの体にヘンな虫が。

(写真)

寄生虫だと思ったので、他にも付いていないか見てみると、

アジの口の中から半分顔を出しているモノがいました。

でもクーラーに入れてから食べられてるのもおかしな話なので、

他のアジの口の中を見てみると・・・出るわ出るわ。(笑)

一体これは何?

ということで、ネットで調べつつ、1匹ずつチェック。

こんなに取れました。(写真)(これでも一部)

調べてわかったことは、

名前は「ウオノエ(魚の餌)」

魚の口の中に寄生して、体液を吸うらしい。魚の舌を壊死させて自分が舌になる、

など、非常にエキサイティングな生き物。

アジ以外にも、タイに寄生する「タイノエ」などと呼ばれるモノもいて、

専門に研究されている方もいらっしゃるとか。

 

 

がんばってみた(笑)

非常に興味をそそられたので、取り出したウオノエや、アジの口の中を観察。

すると少しわかったことが。

 

まず、1匹のアジの口の中に、複数のウオノエが入っていることが多い。

その場合、大きい1匹が舌のところに、残りは小さく、えらにしがみついている。

大きい1匹は、口を開けると簡単に確認できます。

口を開けてのぞき込むと、可愛い顔がこちらを見ています。

わかりやすいように、アジの口を開いたところです。(写真)

えらに付いているモノは、えらぶたをめくるだけでは確認できないモノが多いです。

どのような感じかというのを実際の写真で。

(写真)

これはアジのえらぶたを取り除いたモノを横から見たところです。

舌のあたりにいるのが大きな1匹。

目の後ろ、えらの内側の部分に足が見えているのがわかるでしょうか?

これはまだ大きい方ですが、もっと小さいのがこのような感じで何匹か入っていることがあります。

 

次に、舌の上の大きなウオノエは雌で、卵はふ化するまで親の腹の下にいる。

これはアップの写真を見てもらえればわかると思うのですが、

大きなウオノエの腹側には、卵とおぼしき小さな物体や、

ふ化した直後であろうと思われる小さなウオノエ(目が確認できる)が見られます。

(写真)

真水に入れてしまったので、浸透圧の関係で膨らんでしまっています。

こちらが、卵や幼生の写真。

(写真)

 

もうひとつ、ここで釣れるアジには、横から見ると細長く見えるアジと、

横から見ると体高が高く、丸く見えるアジがいるのですが、

丸い方のアジにはウオノエが寄生していない、ということです。

2種類に分けるのは正確でないかもしれません。微妙な形のアジもいるので。

しかし、確実に丸い方のアジである、と判断できるものには、

現在のところ、1匹もウオノエは確認できていません。

 

 

疑問

そこで、いくつかの疑問が浮かびました。

 

その1

いつ寄生するのか?

サビキで釣れるアジは、お盆を過ぎたあたりから少しずつ大きくなっていきますが、

9月以降、釣れるアジの口の中に寄生しているウオノエの割合がどんどん少なくなって、

とうとう全く見られなくなりました。(正確な時期は確認していません。)

9月に見られたウオノエの腹には卵や幼生が入っていたので、

少なくともこの時期に繁殖するのは間違いないと思います。(1年に複数回も考えられますが)

アジの繁殖時期や行動パターンがわからないので何とも言えませんが、

さらに小さなアジの口に寄生するのでしょうか。

それとも、幼生の間は別のところで過ごすのでしょうか。

ウオノエのお腹にいた幼生を見る限り、動物プランクトンとして海中を漂う、というには

少し大きいような気もするのですが。

ちなみに、翌年8月に釣れたアジに寄生していたウオノエは、比較的小さいものでした。

 

その2

舌の上に寄生するのが雌で、えらに寄生するのが雄?

これはおそらく当たりだと思うんですが、確証は持てません。

ただ、えらの上には大きな個体は寄生していませんでした。

えらに大きい個体が寄生すると、宿主であるアジが死んでしまうためかもしれません。

また、頻繁に口の中から出たり入ったりしているわけでもないと思うので、

雌雄が同居していないと繁殖も出来ないのではないか、とも思います。

これも、雌雄が同体である、性転換をする、など、他の可能性が考えられないわけではないので

ウオノエの生態を知らないと何とも言えません。

 

その3

ウオノエの飼育は可能か?

これは、宿主であるアジと一緒でないと生きていけないのかどうか、という疑問も含めて。

寄生している様子を見る限り、「アジの体液を吸う」っていうより、

「口の中でおこぼれを頂戴している」ようにも見えるので、

それだったら単体でも生活は可能ではないのか?と思ってしまうわけです。

それだったら、幼生の時には口の中にいないのかもしれないということも納得できますし。

 

 

というわけで、この先どれくらいのことを調べられて、どれくらいの疑問が解決できるかわかりませんが、

またわかったことや思ったことがあれば書き綴っていきたいと思います。

2006年8月15日



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