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能登の手染め日記

能登の手染め日記

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Jun 2, 2007
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カテゴリ:食べもの
山椒の新芽が伸びる頃、アジのナレズシ作りが行われる。
寿司の原型とも言われている発酵食品で、能登半島の山間部、輪島市の町野川、能登町の山田川流域でウグイなど産卵する時期に大量に採れた魚を米で漬け込んで真夏に食べる。同じ頃、海岸沿いに鯵が大量に上がる頃なので、山間部の農家と漁師が米と魚を交換してアジのナレズシが作られてきた。

070602アジのスシ-01.jpg

ナレズシは滋賀県、奈良、和歌山、富山にもあるが、石川県でも金沢から七尾、穴水の街中までの人は作っていなかった。発祥の説には中国や朝鮮半島、東南アジアなど色々言われているが、私にはどれが正しいかの判断はできない(^^)。滋賀県のフナずしは魚が大きく骨が柔らかくなるまで3年も漬け込むというが、こちらは小鯵なので50~60日程度。

070602アジのスシ-02.jpg

我が家は、母が山田川流域の能登町生まれなので私も物心付いた頃から自家製のナレズシを食べている。が、しかし、非常に匂いが強いので能登の人間でも好き嫌いがある。

よく保存食と言われるが、実はハレの席の食べ物。能登の夏祭りの宴席には欠かせない郷土食で、私は「よばれ(祭りのご馳走のおよばれ)」に行くと、必ずその家の「スシ」も食べてみる。

できの良いスシ(地域によってはスス)は魚と米と山椒の葉と唐辛子だけで漬け込んで、骨までとろけて甘い発酵の香りが口の中いっぱいに広がってくる。ちょうど梅干を見ると口の中に酸っぱさが広がるように、文章を書いている今、私の口の中にも米の発酵した甘さが広がっている(笑

能登の名物のひとつといえるのだが、残念なことに食べもの屋さんの売り物でも発酵していない味のものや見た目の汚いものがある。最近は酢を入れて短期間で作ったものもスーパーなどで売っているが、内臓の処理が悪かったり管理が悪いと肴の色も味も白米の色も汚れてしまう。酢が立ちすぎたものや、骨も硬いまま生臭いものまである。

かつて無条件でスシを見ただけで食べていた頃、あまりの生臭さにトイレに走りこんだこともある(--;)もちっと、なんとかならんのか!といってみる・・・ここだけの話しだ(^^;

義理の兄が酒の肴に「3匹まで」という私の言葉を無視して大量に食べ、翌日苦しい思いを味わって2度と食べなくなったこともある・・・我が家の母の手づくり「アジのスシ」。

食べてみる根性のある人は8月中旬に訪ねて来ると良い(^^;





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Last updated  Jun 2, 2007 06:13:45 PM
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