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雑記 [全763件]
ところが先輩は、酒臭い口を横になっている俺の耳元に寄せ、背筋の寒くなるような口調で、 「昨日の猫が何か見たか?」 覗いてたんじゃないかと思うくらい、痛いところを突いてくる。思わず「何でわかるんですか!?」と起き上がってしまい、俺は墓穴を掘った。 先輩は、やっぱりなと言って、当然のように何があったか訊いてきた。 「ま、だいたい見当はつ… [続きを読む >>]
その夜、俺は晩飯を終えると、さっさとこたつのスイッチを切って布団に入った。こたつが冷えると、わらわらと猫が布団に移動してくる。上に乗られるのには重くてまいったが、二匹布団に入ってきたのは嬉しかった。 ゴロゴロと喉で四重奏をやられるのはうるさいけれど、かわいいし暖かい。俺はホクホクしながら目を瞑った。 しかし、重いせいか、はたまた興奮… [続きを読む >>]
友人の猫を預かることになった。昔飼っていたことがあるので、気軽に引き受けたのだが。 「四匹もかよ」 「言ってなかったっけ?」 「聞いてねーよ」 「ま、ひと晩だけだから、頼むわ」 「頼むわってなぁ……」 俺に向かって手を合わせるこの友人、なんと今晩、彼女を部屋に呼ぶために、猫をみてくれというのである。ヒトデナシと言ってやりたいところだが… [続きを読む >>]
俺は助手席に乗り込むなり溜息を吐いた。 「あーあ、向こうは美人と帰宅するのに、俺は先輩とかぁ」 「先輩」の前に「胡散臭い」と付けたかったが、そこはぐっと我慢した。 まぶたの裏にはまだ、男が歩くのにあわせて揺れる女性の遅れ毛が焼き付いている。耳には涼しげな鈴の音が。そして鼻先には、彼女のつけていたらしい、すっきりとしたフレグランスの仄… [続きを読む >>]
「ここでいいだろう。後ろ、降ろしてこい」 バックミラーを見ないように頭を抱えていると、先輩がトンネルの右端に車を停めた。追い越し車線ではあるが、そちら側に歩道があるのだから仕方がない。ちょうどトンネルが途切れる辺りなのだろう。フロントガラスの向こうには、防音壁と夜空が延びている。 俺は後続車がないことを確認してアイドリング状態の軽ト… [続きを読む >>]
俺が助手席に戻ると、先輩はゆっくりと軽トラを発進させた。荷台の二人を気遣ってのことだろう。さっきまでとは違い、あまりスピードは上げずにトロトロと進んでいく。それでも、追い越していく車は一台たりともいなかった。 「どんな奴らだった?」 トンネル内の仄暗いオレンジの光に照らされながら、先輩が訊いてきた。光と言っても、本当に申し訳程度なので… [続きを読む >>]
バイトが終わって冷房の効きすぎたコンビニを出ると、先輩がいた。先輩といっても学校やバイトのではない。アパートの、である。 ムッとするような空気の中、彼の周りだけが異様に冷えて見えるのは、俺だけなのだろうか。 「いつからいたんですか」 「んー、きみのバイト終了予定時刻くらいから?」 「ストーカーじゃないんだから」 この人の場合、ストー… [続きを読む >>] |一覧| |
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