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マンハッタンで考えてみた

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goodgest2@ 明けましておめでとうございます!! こちらのブログが更新されていたので真っ…
舎路人@ Re:明けましておめでとうございます。(12/31) おめでとうございます。日本にいたんです…
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2008.07.07
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カテゴリ:本/映画が好き!
 この週末、「マイ・ドリーム バラク・オバマ自伝」を読みました。バラク・オバマ上院議員といえば、11月の大統領選挙を前に民主党大統領候補として今や時の人です。1日1回は彼の顔の入ったバッチを鞄につけている人とすれ違います(NYは予備選ではクリントンさんが勝利)。オバマさんが当選したら映画の中でしか登場しなかった史上初の黒人大統領誕生だと盛り上がる一方、いや彼には半分白人の血が流れている・・という意見も耳にしたことがあります。

 この本はオバマさんが母方の祖父母とハワイで育ち→母の再婚相手のいるインドネシアで4年過ごし→教育のためハワイに戻り→LAのオキシデンタル・カレッジからNYのコロンビアに行き→卒業後マンハッタンのコンサルティング会社で働き→シカゴでコミュニティー・オーガナイザーとして働き→ハーバードのロースクールに入学するまで・・を書いた自伝です。

 シカゴに行くまでの「起源」編、コミュニティー・オーガナイザーとして活躍する「シカゴ」編、ハーバードに入学する前に自分のルーツを旅する「ケニア」編の3部構成になっており、自伝というよりは英語のタイトルでもある"Dreams from My Father"のいうように、ハワイで離れて暮らしていたときには抽象的だったケニア人の父(彼もバラク・オバマ氏)が、10歳のときに1度だけ会ったことのある無口で厳しくダンスのうまい父になり、義母きょうだいに会うことによって父の生涯が分かりショックを受けたり投げやりになりながら、父の故郷を訪れることによって何が必要かを考え始めるところで終わります(人種間の問題がクリアーになるのは理想論かもしれませんが、この地球上で生活する人間として必要なことに近付いていった気がします)。

 今から10年以上前の1995年、アフリカ系アメリカ人で初めて「ハーバード・ローレビュー」誌の編集長に選ばれたことがきっかけとなりこの本を執筆しています。なので、イリノイ州の上院議員にも、ましてやアメリカ合衆国大統領候補になることにも一行も触れていません。だからこそ、結構赤裸々に自分の失敗談、成功談を書いていて、それが嫌味ないです。自分の活動を鼻で笑った相手や家族のことしか考えない聖職者のことなど、実名でどう言われたかを細かく書いています。337ページにトリニティー・ユニイテッド教会のジェレミア・ライト牧師の名前が初めて出てきますが、もちろんこのときは決別になるとは想像もできないほど師のお説教や人柄に深い感銘を受けています。

 冒頭で書いたルオ族の父方の血と白人の母方の血が流れているオバマさんは、年とともに自分のルーツについて考え始めます。それまではある意味お母さんの力によって人種というものに拘らないような環境を作られたのですが、成長するにしたがって自分の色を意識せざるを得なくなります。ルオ族の血が流れているという事実に向き合う姿も、コミュニティー・オーガナイザーとしてシカゴの環境改善に市民を巻き込んで動こうとする姿も静かに熱いんです。真っ赤な炎というよりは青白い炎。そんなに熱くはないけど、決して消えない。

 黒人として民族に誇りを持とうとカッカした時期もあれば、全てを白人のせいにする諦めの気持ちをもつ同胞にそれは違う・・と疑問に感じたり。自分が怖くて逃げたいと思うときは素直にそう書いていて、決して無敵ではないヒーローという感じかなぁ。

 演説同様、大変分かり易い文章で率直に綴られており、気が付くとオバマさんのあの声で(声の良さは父方の家系のようです)文章は語られていました。最後、ケニアで亡き父の墓前で涙するシーンがあります。「苦悩を恥じる必要なんてなかったんだよ・・恐怖を恥じることもない・・唯一恥ずべきは、恐怖が引き起こした沈黙だ。」





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Last updated  2008.07.08 07:02:14
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おばまさん   にゃんこねん さん
普段は アメリカが嫌いな こっちの国の人達は 彼のことが報道されると 変に誇らしげになります
(表向きは一応 この国では 平等がうたわれているからです)

それは勿論 オバマさんのお母さんの親以上の世代が スウェーデンから移住して来た スウェ人だから(笑)

『だから なんなんだ?』
って なんのオチも無い話に 毎回呆れてしまってる私です

ブッシュ大統領のことも クソミソ言う割に 祖先はスウェーデン人だとわかると これまた妙なところで 自国愛に浸ってるようです
表立っては 主張を嫌うくせに 小さいことを無理矢理コジツケ 自分達が いかに優秀であるかを確認して喜んでる そんなケツの穴が小さい人達が 年配者には多いです  

ルーツ
私も混血なので『自分は 一体どこの国の人なんだろ?』
と 思ったことが何度もありました
どの国にいても いつも 外国人扱いで 移住して来てからも 勿論 移民であることを感じながら生活しています 

アメリカ程では無いかも知れませんが 移民が多い国なので こんな小さな街でも 外に出ると 本当に色々な言語が飛びかってて 面白いなぁとは思うこともあります 

選挙 どんな風になるのか こっちの国でも 関心が高いようですよ (2008.07.08 22:07:13)

にゃんこねんさんへ   ひまわり娘! さん
ありがとうございます。
北欧でのアメリカ感がわかって、なかなか面白いです。そうそう、オバマさんの母方はスゥエーデンからの移民でしたね。応援する気持ち、わかる気がします。

義弟もハーフで、自分の娘たちを自分の生まれ育った場所から母校に通わせています。毎日、いろんな気持ちで見つめているんだろうなぁ・・と思います。

ここNYではいろんな人種がいるので、みんな移民・・というような気分になるときがあります。私も気をつけないといけませんが、日本人って○○だよね・・とひと括りに言われると、その概念を壊したい気分になります(笑)。もちろん良い方に。 (2008.07.09 07:56:14)


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