ヒロガルセカイ。

3。

　　　3。

「しばらく泳がしたろ。」
ミカの声が霊感めいたものに聞こえるのは何故。
まるで俺は追われるもの？
「その発想はなんだよ。」
「笑わしおる。びっくりしてんけど。」
俺の股間をぐっと握ると、「波うってるやん。」かかかかと笑った。

「見えてるんやろ？人間は間違いはつきもんや。さあ。どうしましょう。建ちゃん。」
「抱きたいよ。」
「ミカちゃんを？契約書書くか？普通読み込んでから・・」
煩い唇を塞ぎながら、腰を掬うように床に倒した。
シャツを捲り上げて、触りたくてたまらない胸から腰を撫でていく。
「やめ・。」
ミカが抵抗したけれど、ぐっと押さえつけた。
「ん！」
瞳を閉じて、はあ。と息を吐いた。
くぼんだおへそから下に手を這わせる。ベルトを外す、もたつく。
「なにしてんね・。」
とうとう俺の手を取ろうとする。
「なんだよ、ミカ。」
「そないレイプしたいんかおのれは！冒頭から、したあてしゃあないやんか！！」
「もう始まっているんだから・・。」
「おのれが始めたんやないか、この痛がり！空気替ええ！」
どうしたらいいんだ。
もう火がついているのに止めるのかよ。
「・・金の亡者だ。」
でもまだ萎えない。
俺の下で憎らしい程に可愛い顔して睨みつけてくる、この男娼を抱きたくてたまらない。
「おかしない？かきたいんやったら金出せゆうてるやんか。逃げか？」
「俺はミカが抱きたい。遊びからかもしれないけど、・・抱きたい。」
「奇病か。」
額に汗をかいている。拭いて上げたい。
「病気じゃない。」
手の甲でぬぐうと、ミカがその手にキスをしてきた。
・・「え、ど。どうして・・。」
「振られたみたいな顔すんな。男前が。流れ的にやな感じ。」
「ミカ、」
「～～～！手を大事そうにすな！楽しいんか！見破られとるで、ミカちゃんに！」
ミカが手を伸ばして、俺のベルトに手をかけた。
「次は倍払え。」
「払わなくていい方法があるんだけど・・。」
「えええ～？最悪や。知らんわ、言うて？」

「付き合いたい。」
「ひど。」

ミカの返事はよく聞こえなかった。
汗の味のする乳首を舐ると、しゃくりあげるような声が聞こえてきて。
俺の頭を抱きしめるようにミカが手を回したのが信じられなくて。
膝を立てて誘い込んできて。
濡れた中に焦って入れ込むと、ミカの体が激しく反り返った。
「ア・・。」
この前みたいに罵倒してこない。
そのかわりに、腰が艶かしく動いて。
その動きだけで鼓動が早まる。
「男同士やから・・単純に。・・制御装置も働かんな。」
舐った乳首がそそり立っている。
感じてるんだ！
異様に興奮してきた。
「・・建ちゃ・。」
咳き込むような喘ぎ声が続く。
まさしくこれ！
俺を悩ませる声がここにある！！
「あたま・おかし・・！」
突き上げるたびに、ミカが泣きそうな声をあげていく。
考えられない、あのミカが。
いつのまにか大きく育ったミカのペニスも気になるけど、このミカの顔！
俺の動きのままに動かされているじゃない。

どSだから、痛がりはお前だろう！今なら勝てる！

「・・不愉快やあ！」
「え。」
「もう～～～～！いつまで擦ってんねや！！」



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