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ヒロガルセカイ。

ヒロガルセカイ。

5。

   5。

「なんぼでも出せ。口先だけのいやな嘘はいらん。」
「嘘じゃないよ、嘘なもんか。」
きっと見返してくる可愛い瞳。
「その嘘は地球をだめにするんや。」
「ミカが気になるんだ、お金じゃないんだ。」
「まるで自分がごっつ好かれているような。なんや、無理からして。」
言葉のドッジボールでは負けてしまう!
煩い唇を塞いで、締め付けてくる腰を撫でていく。
少しづつゆるくなる。
もっと動けといわれているみたい。
急かされて動くと
「そういうんが一番いややねん。びっくりするわ。」
頬が熱い。
汗をかいたからだをふいてあげたくなる。
「いけるやん。」
にかっと笑うと、腰を反らして誘われた。
「そこまでおのれと、・・そんな感じでもないくせに。ざっくりやな。」
「ミカ?」
「離すな!」
このままいいの?
入れたままで抱き合うなんて、許してくれるの。

「怒りづらいねんて・・。ほいほいされてたら。こっちは何年もこうしてきてるねん。デリカシーいうか、しんどいねんて。」
あの強気なミカが俺の下で弱音を吐いている。
「しんどいね・・。」
「状況見て言うてるだけやん。足がーん開いて。どやねんて。この世に派遣された新しいソルジャーや。」
どう言ったらいいんだろう。
確かに男娼やるのが趣味なひとは、そういないだろう。
セックスに慣れているから、そこそこ楽しんでいるのかとさえ錯覚したけど違うんだ。しんどいんだ。

泣いてるのかと思って顔をみたら、いつもどおりの愛嬌のある顔。
さすがにそれこそ嘘じゃないのか。
疑いかけたくなるんだけど。
「大爆笑や。建ちゃん、フォローでけへん。目が悪いんか?俺に見とれた挙句にため息か。惚れたか。」
「・・動いていい?」
「ええよ。とろかして。」
ためていた力をこめていく。
ア・・・と鼻にかかる甘い声。搾り出すような高い声。しゃくりあげた喘ぎ声が止まらない。
全身預けてきている。
俺の思うように、感じて震えてきている。
ようやく、俺の手の中にあるんだ。
俺の伸ばした指を飴ちゃんのようにしゃぶって。
突上げた衝撃に顔をしかめっ面にして。
俺の下で何回も、感じて極めて伸びていく艶めくからだが愛おしい。

「建ちゃん。もうあかん・・。」
顔を隠して悶えるミカを抱え込んで、もう1回をお願いした。
もう俺だけのものにしたいから。
余力も残させない。客なんかとらないで、お願い。
「ミカ、何か言ってよ、言葉で責めて。もっと・・したいんだ。」
「いやや!ガンガンしおってからに!!」
でもミカの奥はおかしいことに俺を受け容れたまま離さない。
「この場合・・」
「おかしなポイントになってるで。・・泊まらせて。あかん・・。」


数時間後に目が覚めたミカに蹴り飛ばされて飛び起きた。
「重いし!臭いねんて!もう!!」
睡眠を取ったから、元気になっている。
「建ちゃん。俺のこと好きなんや?」
「あ、うん。」
「ほんま?」
「うん・・。」
「ほな、しゃあない。次から安くしとくか。」

はあ??

「お金とるの?」
「付き合うとるわけでもなし!ええか建ちゃん。俺が惚れなきゃ、成立せえへんの!」
「え~~~~~。」
「そない情けない顔すな。男前が台無しや。企画書書いては会議、会議なサラリーマンみたいやないか。泡吹きそう。」
「・・俺を好きになってくれない?」
「お願いすることか、おのれは。」
頬を引っ張られた。
「おお。よう伸びるな。」

ぱっと離して、ちゅっとキスしてきた。

「ほんまは。好きや。」

聞き逃してしまいそうな声がした。
どきっとして動けない。
「ミカ・・」
情けない上ずる声に、ミカはかかかかかと笑う。

「前から目えつけとった言うたやろ。」

バスルームに消えた背中を追いかける。
曖昧なことにはしないぞ、あの守銭奴。

もう一回、聞かせて欲しい。泊まるんでしょう、今夜は。
金を払うそこらの客と同じじゃイヤなんだ。
バスルームが開きやしない。
おかしい、鍵なんかついていないのに。
ドアの向こうで、あのかわいいあひる口でドアを閉めているに違いない。
「ミカ。ドア越しじゃ話せない。開けてよ。」
「なんやねんな。」
でも開けてくれない。

「俺のものになってくれるんだよね。」
「もう。怖いなあ。おのれがミカちゃんのものになったんやないか。
ええか、張り切って働いてミカちゃんに楽をさせえ。」

そうなのか。

嬉しいような納得できかねるような・・。

でもシャワーをあびて出てくるミカに早く会いたいから・・俺の負けだ。
束縛できなさそうな恋人。
シークレット的な恋人。
でも、これでようやく眠れそう。


  おしまい。ありがとうございました!!

  あほまるだしのお話ですみません、強い受けが書けて嬉しいです。


WEB拍手を押してくださるとお礼が10話までありまする。
続きはどうしようか。考えまする。
拍手あか






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